
東京都「七社神社」渋沢栄一ゆかりの神社で御朱印めぐりデート
「御朱印めぐりデートを楽しもう♪特集」で今回ご紹介するのは、東京都北区にある七社神社さんです。
都内にありながら閑静で清々しい空気が心地よい神社には、七柱の神々が祀られています。
寛政5年(1793年)の火災により古文書、古記録等を焼失しましたが、翌年にご社殿が再建され、明治2年(1869年)に現在地に遷座しました。
また、令和3年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、渋沢栄一氏とのゆかりが深く、直筆の社額や掛け軸などが寄贈されています。
今回は七社神社の禰宜である和田さんに、七社神社の歴史や見所、御朱印について伺いました。
御朱印デートに興味がある方は、ぜひこちらの記事に最後まで目を通してみてください。
七社神社の見どころについて
区内有数の桜の名所「飛鳥山公園」から徒歩2分ほどの位置に鎮座する「七社神社」。
大通りに面した七社神社参道を進むと、都内とは思えないほどの清々しい空気が気持ちの良い境内に入ることができます。
社殿前には、ふところに小さな子犬を守るように抱えている「子守犬」とも呼ばれるこま犬が出迎えてくださり、とても温かい気持ちになります。
和田さん
当神社には、以下の七柱の神々が祀られています。
- 伊邪那岐命(イザナギノミコト)
- 伊邪那美命(イザナミノミコト)
- 天児屋根命(アメノコヤネノミコト)
- 伊斯許理度賣命(イシコリドメノミコト)
- 市寸島比賣命(イチキシマヒメノミコト)
- 仲哀天皇(チュウアイテンノウ)
- 応神天皇(オウジンテンノウ)
往昔の御創建ながら、寛成5年(1793)の火災により古文書、古記録等を焼失したため、詳細は明らかではありません。
しかし、翌年9月秋分の日に御社殿が再建されたため、この日を当社の大祭日と定め、現在も賑やかなお祭りが執り行われています。
当時は仏宝山無量寺の境内に祀られ、「江戸名所図会」には無量寺の高台(現・古河庭園内)に「七社(ななのやしろ)」として描かれています。
明治時代になり、元年(1868)に神仏分離が行われ、翌2年に一本杉神明宮の社地に遷座され、西ヶ原村の総鎮守として奉祀されるに至りました。
さらに、この境内から隣地にかけての一郭は「七社神社裏貝塚」として知られ、縄文土器・弥生土器・土師器(はじき)等が発見され古代人の生活の場であったことがうかがわれます。
明治12年、渋沢栄一翁は西ヶ原村内に飛鳥山邸という別荘を構え、明治34年には飛鳥山邸を本邸とし七社神社の氏子となりました。
崇敬心も篤く大正9年には、渋沢栄一翁を筆頭とする諸氏の寄付により社務所が建築され、また渋沢栄一翁揮毫の社額・掛け軸を始めとした奉納品が神社に納められているなど、七社神社は渋沢栄一翁ゆかりの神社でもあります。
インタビュアー
こちらには七柱の神々が祀られているため、七社神社というのですね。
古文書を消失されたためそれ以前のことは不明ですが、西ヶ原村の総鎮守として、地域に根付いた神社であることが伺われます。
とても静かな神社ですが、秋分の日に行われる大祭日は大変賑やかだそうですね。この一帯が、貝塚として知られている点も興味深いです。
また、渋沢栄一氏とゆかりが深く、奉納品も多く納められているのですね。
渋沢氏が大河ドラマ「青天を衝け」の主人公になったことで、こちらの神社にも注目が集まることでしょう。
七社神社を訪れた際の見どころ
和田さん
拝殿正面には渋沢栄一翁揮毫の社額が掛けられています。また、舞殿には「相生の松(あいおいのまつ)」の画が納められています。
相生の松とは、雄松・雌松の2本の松が寄り添って生え、一つ根から立ち上がるように見えるものをいいます。松は永遠や長寿を象徴することから、相生の松は特に縁結びや和合、長寿の象徴とされています。
社殿前のこま犬は雄も雌も子供を守る様子から、子宝・安産・家庭円満のご利益があると云われています。他にも子宝安産のご利益のある「腹籠りの椎」や、子宝の「子の石」などもあります。
また、境内に渋沢栄一翁が建立した「枯松を祭る文の碑」があります。
インタビュアー
社額を拝見しましたが、端正な字に渋沢氏のお人柄が表れているように思いました。枯松を祭る文の碑も、渋沢氏が自ら筆を取られたものなのですね。
「相生の松」の一つ根から分かれて松が生い茂っている様子には、強い生命力を感じます。
また、こちらのこま犬は子犬を抱いているため、子守犬とも呼ばれているのですね。
「腹籠りの椎」は、木の幹の一部が膨れて妊婦さんのお腹のようですし、「子の石」は生命の宿りを表しているように見えます。
子宝祈願に訪れる方に、ご利益があるようにお祈りします。
七社神社の御朱印めぐりについて
七社神社の御朱印にまつわる歴史や逸話があれば教えてください
和田さん
七社神社の御朱印は、本殿前に咲く八重桜「御衣黄」、「渋沢栄一翁」、「都電」の印も捺印しています。
インタビュアー
いろいろな印があって楽しいですね!御朱印集めを楽しみに参拝される方にも喜んでいただけそうです。
七社神社の御朱印をいただく際の場所や料金、受付時間和田さん
初穂料は500円です。授与所で午前9時から午後5時までお頒ちしております。
インタビュアー
御朱印をいただきたい方は、この時間帯に合わせて行くといいですね。参拝後に授与所に向かいましょう。
七社神社オリジナルの御朱印帳
和田さん
当社のオリジナル御朱印帳は市松模様に七社神社の子守犬を描きました。御朱印帳の背表紙には子守犬の後ろ姿も描かれています。色は紺色・桃色・金色の3色です。
都電神社めぐりのオリジナル御朱印帳もございます。都電9000形のイラストが色違いで表紙の両面に描かれています。
インタビュアー
こま犬の御朱印帳は色鮮やかで、子犬を抱いた親犬のイラストが愛らしいですね。
都電9000形の御朱印帳は赤と青の市松模様をバックに都電が描かれ、鉄道ファンに大人気と思われます。
大河ドラマの主人公、渋沢栄一氏に縁がある
和田さん
拝殿正面には渋沢栄一翁揮毫の社額が掛けられています。 また境内には渋沢栄一翁建立の枯松を祭る文の碑があります。渋沢栄一翁に関するお守りや絵馬も頒布しています。
インタビュアー
社額、枯松を祭る文の碑ともに渋沢氏直筆で、几帳面な人柄が伺えます。
この石碑は松の大木が枯れたことを悲しんで、渋沢氏が筆を取られたものなのですね。松の大木に感じていた畏敬の念が伝わってきます。
お守りや絵馬には、渋沢氏を表す「Grand Old Man」の文字と渋沢氏のシルエットがかたどられていて味がありますね。
七社神社へ訪れる際について
和田さん
舞殿の相生の松の画や桜みくじなどがあります。 また、願掛け公孫樹(がんかけいちょう)に願いを込めて絵馬を納めてみてはいかがでしょうか。
インタビュアー
相生の松は、壮麗な美しさがありますね。二人で見ると感動もひとしおだと思います。桜の形のおみくじもかわいらしいですね。
また、ご神木である願掛け公孫樹に二人で絵馬を納めるのも、よい思い出になるでしょう。
拝観時間と拝観ができない日
和田さん
門などはありませんので、いつでも参拝できます。
インタビュアー
そうなのですね。早朝などに訪れると、昼間以上に神々しい雰囲気の中、参拝できそうです。
参拝時の服装
和田さん
特に制限は設けておりません。
インタビュアー
境内を見て回るので、歩きやすい服装がよいかもしれませんね。ただし、神前では帽子やサングラスを外して手を合わせましょう。
公共交通機関を使う場合のアクセス方法
和田さん
電車でお越しの際は、東京メトロ南北線の「西ヶ原」駅2番出口より徒歩2分です。
JR京浜東北線の「上中里」駅と「王子」駅からだと徒歩10分 、都電荒川線の「飛鳥山」駅からは徒歩5分です。
インタビュアー
多くの駅が利用できるのですね。駅から歩いても近いので便利です。
七社神社の駐車場
和田さん
ご祈願・お参りの方は、境内に駐車していただいて結構です。
車でお越しの場合は、本郷通り(455号)の「滝野川警察署前」信号と、「一里塚」信号の間の通りを進んでください。
カーナビなどでは下記、滝野川警察署の住所を入力していただくと分かりやすいです。滝野川警察署左隣に鳥居がありますので、鳥居をくぐり直進してください。
〒114-0024 北区西ヶ原2-4-1
03-3940-0110
インタビュアー
境内に駐車できるのでしたら、ドライブデートで訪れるのにも良さそうですね。
車を利用する場合のアクセスも丁寧に教えていただき、ありがとうございます。
和田さん
お守りやお札は授与所でお頒かちしております。
インタビュアー
御朱印をいただけるところと同じですね。
お守りには七福守をはじめ、学業守り、交通安全守り、縁結び守り、渋沢栄一氏にちなんだお守りなどさまざまなものがあります。
たくさんの種類があるので、自分にぴったりのお守りが見つかりそうです。
七社神社近くのおすすめの食事処や、おすすめの観光地
和田さん
令和3年2月20日(土)から12月26日(日)までは、お隣の飛鳥山公園内に、「青天を衝け 大河ドラマ館」が開設されます。
またおすすめは、飛鳥山3つの博物館である、渋沢史料館、北区飛鳥山博物館、紙の博物館です。
なお、各施設事前予約が必要の場合がありますので、詳細は各サイトをご確認ください。
また近くにはハンバーグで有名な、榎本ハンバーグ研究所があります。とてもおいしいですよ。
3月の末から4月の末まで染井吉野や八重桜が境内を彩ります。
特に珍しいのが、御衣黄(ギョイコウ)という八重桜です。花は淡い緑色で、日が経つにつれ花の中心が紅色になり、やがて花びらが部分的に薄紅紫色になります。
インタビュアー
見どころ満載ですね!
博物館が3つもあるので、じっくり見るには丸一日でも足りないくらいかもしれませんね。合間にハンバーグをいただけると、ちょうど良い休憩になりそうです。
桜の見頃に合わせて参拝するのも良いですね。珍しい御衣黄をぜひ拝見したいです!
※「青天を衝け 大河ドラマ館」は、現在閉館しています。
神社デートを考えているカップルへメッセージ
和田さん
大通りから少し入った静かな杜に鎮まる七社神社で、心静かにお祈りください。
令和3年は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」が放映されました。当社とも縁のある渋沢栄一翁のお人柄が広く知られることとなりましたでしょう。
渋沢栄一翁は約500社にのぼる株式会社、銀行などを設立。経営指導にも尽力し日本近代資本主義の父とも呼ばれ、他にも関わった社会公共事業は600ともいわれています。
あまりにも膨大な功績を残していますが、自らの手柄をひけらかすことなく、慎み深く振る舞われた姿は今の私たちにも多くの教訓を残してくださいました。
そんなグランド・オールド・マンとの縁も結んでいただければと思います。
インタビュアー
七社神社は交通の便の良い場所であるにも関わらず、とても閑静で心が落ち着く神社ですね。
大切な人とお祈りをして境内を散策すれば、お二人の仲も深まるでしょう。
また、実業家として名高いだけでなく、高潔な人物としても知られる渋沢栄一氏とゆかりが深い神社です。
ぜひ渋沢氏の残された社額や石碑から、そのお人柄を感じていただきたいと思います。
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
七社神社の基本情報
住所 | 〒114-0024 東京都北区西ヶ原2-11-1 |
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電話番号 | 03-3910-1641 |
公式サイト | https://nanasha.jp/ |