「信楽高原鐵道」で高原と信楽焼の街をめぐるデート|滋賀県甲賀市の鉄道

今回の記事でご紹介するのは、滋賀県甲賀市を走る「信楽高原鐵道(しがらきこうげんてつどう)」で行くデートプランです。

信楽高原鐵道が走る一帯は、信楽焼きで知られるエリアで、信楽焼を買ったり陶芸体験できるスポットが点在しています。また、沿線の美しい景観も信楽高原鐵道ならではの魅力。季節になると人気が高まる田んぼアートも車窓から眺めることができますよ。

沿線のデートスポットもあわせてご紹介しますので、ぜひデートプランの参考にしてみてくださいね。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳〜59歳
おすすめカップル:鉄道好き、高原の雰囲気が好き、焼き物が好き
どんなデート?:鉄道旅行、田んぼアート、信楽焼を楽しむ、体験する、観光

概要:甲賀市の自然と文化を味わう鉄道デート

今回のデートでは、信楽高原鐵道の列車に揺られて、信楽焼きの伝統が根付いた甲賀市の魅力を堪能しましょう。

今回のデートのメイン
信楽高原鐵道
周辺のデートスポット
窯元散策路
紫香楽宮跡(甲賀寺跡)
玉桂寺
・第一大戸川橋梁
ランチにおすすめのお店
cafe&dining fleur
・Italian & sweets genki

信楽高原鐵道の始発から終点までは24分ほど。その内約半分は高原を通るので、車窓からは甲賀市の四季折々の美しい景色が楽しめます。のどかな風景に癒されながら、のんびりと過ごしましょう。

起点駅である信楽駅は、信楽焼きで有名な陶都・信楽の玄関口。信楽焼のお店や窯元が立ち並ぶ「窯元散策路」の散策はぜひともおすすめです。

沿線には、昔の都跡「紫香楽宮跡(しがらきのみやあと)」や、吊り橋を渡ってお参りする「玉桂寺(ぎょくけいじ)」など魅力的なスポットもたくさん!フリー乗車券もあるので、ふらっと途中下車して立ち寄るのも良いですね。

それでは、今回のデートプランのメインである信楽高原鐵道について詳しく見ていきましょう。

高原と焼き物の里を走る信楽高原鐵道

信楽高原鐵道は、滋賀県最南端の甲賀市にある貴生川(きぶかわ)~信楽(しがらき)間を結ぶ全長14.7kmの第三セクター鉄道です。貴生川駅は、JR貴生川駅との共同使用駅となっています。
(※)政府や地方自治体が出資者に加わっている会社のこと

緑深い高原の急勾配を走るので、車窓からは四季折々の草木が見られ、素朴で美しい自然がお客様の心を和ませています。

「高原と焼き物の里」陶都・信楽へは、信楽高原鐵道に乗り、終点の信楽駅からアクセスするのが便利ですよ。

今回は、信楽高原鐵道の総務課長・中西さんにお話をおうかがいしました。

駅では信楽焼のたぬきたちがお出迎え!田んぼアートも見逃せない

編集部

一口に甲賀市といっても、エリアによって雰囲気がガラッと変わりますよね。まずは信楽高原鐵道のロケーションについて教えてください。

中西さん

信楽高原鐵道のある甲賀市は、忍者と信楽焼が有名で、起点駅である信楽駅は「焼き物の里信楽」の玄関口であり、列車を降りれば駅のホームから多くの信楽焼のたぬきが出迎えてくれます。

信楽高原鐵道「信楽駅」ホームのたぬき
▲「信楽駅」の2番ホーム。他所では見られない信楽ならではの光景

駅を出たすぐのところに電話ボックスを収めた大たぬきが設置されており、季節ごとに衣装を変えて皆様をお出迎えしております。

信楽高原鐵道「信楽駅」前の大たぬき
▲信楽駅前の大たぬき。ちょっとした迫力もある

貴生川駅から信楽駅までは全長14.7km、車中約24分です。その内約7kmは山間を通る急勾配の路線で、車窓からは四季折々の草木をご覧いただけます。春は桜や山つつじ、秋は紅葉の景色が綺麗ですよ。

春の山間部を走る信楽高原鐵道の列車
▲春には沿線の花たちが目を楽しませてくれる

雪の中を走る信楽高原鐵道の列車
▲車窓から眺める雪景色もまた絶景!

編集部

信楽焼のたぬきは、昔はよくお店や家の玄関などで見かけましたが、こんなにたくさん並んでいるのを見るのは初めてです。焼き物の里・信楽ならではですね!

列車から見える景色のなかで、おすすめの場所ありますか?

中西さん

貴生川駅を出発して約2分、左手の車窓では、田んぼアートの作品をご覧いただけます。この景色は車中からしか見ることができないので、皆さん記念に撮影されています。田んぼアートの見ごろは9月頃までです。

信楽高原鐵道から見られる田んぼアート
▲車内から見られる田んぼアート(写真は令和4年のもの)

編集部

ポップでかわいい田んぼアートと、のどかな景色のコントラストが素敵ですね。デートの記念撮影にもぴったりだと思います。シャッターチャンスを逃さないようにしなくては!

沿線には重要文化財や遺構など歴史を感じるスポットもたくさん!

信楽高原鐵道雲井駅のホームに入る列車

編集部

貴生川駅を出てしばらくは山間部ですが、信楽駅まで来ると風景もかなり変わりますね。各駅や沿線の特徴を教えてください。

中西さん

貴生川駅はJR西日本との共用駅で、信楽駅を除く残る4駅は無人駅です。

そのうち「紫香楽宮跡駅(しがらきぐうしえき)」には、聖武天皇が発した大仏造立の詔により、大仏の骨組みとなる体骨柱を立てたとされる紫香楽宮跡(甲賀寺跡)があります。近くをぶらっと散策されてみてはいかがでしょうか。

また、玉桂寺前駅(ぎょくけいじまええき)は、滋賀県内では一日の乗降客数が最も少ない駅ですが、周辺には吊り橋と、それを渡った先に真言宗のお寺・玉桂寺があります。

近くには重要文化財「第一大戸川橋梁(だいいちだいどがわきょうりょう)」や、NHKの朝ドラ「スカーレット」のロケ地となった散策路もあり、静かな環境の中でゆっくりと過ごす時間を持っていただくことができると思います。

甲賀市信楽町にある窯元散策路
▲信楽の窯元散策路。「スカーレット」の撮影場所を探すのも楽しい

甲賀市信楽町にある信楽焼きの登り窯
▲信楽焼きの登り窯。自由に見学できる場所もある

もちろん、信楽駅までお越しいただければ、窯元散策や陶芸体験なども行っていただけますよ。

編集部

沿線には歴史情緒溢れるスポットがたくさんあるのですね。のんびり途中下車して、各スポットを巡るデートというのもいいかもしれません。

「スカーレット」のロケ地「窯元散策路」は、陶都・信楽ならではの雰囲気があり、ただ歩くだけでも楽しそうです。散策案内用のマップもあるようなので、それも参考にしながら散策するとより充実した街歩きができますね。

忍者の里らしいユニークな車両が走るきれいなローカル線

線路を走る信楽高原鐵道のSKR311号車

編集部

信楽高原鐵道ではどのような列車が走っていますか?その特徴や魅力も含めて教えてください。

中西さん

現在、4両の車両で日々運行を行っております。

うち2両は、それぞれが忍者をモチーフにした緑と紫ベースのラッピングが施されております。内装にも忍者が施されていますよ。

中には見つけるとラッキーな金色の忍者が描かれておりますので、ご乗車の際にはぜひお探しください。

残る2両は、それぞれが茶色と緑を基調とした落ち着きあるデザインの車体となっております。運行車両の予定は、点検・検査の関係もあり、一週間程度前にしかわかりません。

>> 駅・車両紹介「信楽高原鐵道公式サイト」

路線を走る信楽高原鐵道の車両
▲通常の車両には忍者列車とはまた違った魅力がある

編集部

忍者ラッピングの車両は緑色がSKR311号車、紫色がSKR311号車ですね。忍びの里・甲賀らしいデザインでカッコイイです!他の2両もローカル線ならではのレトロ感があり、どの車両に乗ろうか迷ってしまいそう。

沿線も車両も共に魅力的な信楽高原鐵道ですが、中西さんの思う一番の魅力は何でしょうか?

中西さん

うちは地方ローカル鉄道ですが、その中でもきれいに管理されている鉄道敷ではないかと思います。

魅力とはちょっと違うかもしれませんが、信楽駅には陶製たぬきのテツコ駅長がおり、駅事務所入り口で皆様をお出迎えしております。

なお、信楽駅では陶製切符や汽車土瓶など信楽らしい切符やグッズを販売中です。

編集部

確かに駅舎やホームはどの駅もとてもきれいですよね。無人駅のホームもきれいなので、待ち時間も気持ちよく過ごせそうです。

テツコ駅長は、これまた信楽焼の里ならではの駅長さんですね。駅長帽子が似合ってます。カップルで信楽駅を訪れたら、ぜひ一緒に記念撮影をしておきたいですね。

期間限定の装飾列車は要チェック!信楽駅前の陶器市も見逃せない

編集部

信楽高原鐵道ではイベントも開催されていると聞きました。どのようなイベントなのですか?

中西さん

春のゴールデンウイークには、信楽駅前の駐車場にて陶器市が開催されます。

また、12月の中頃からクリスマスまでの間「サンタ列車」の運行を行っており、多くのお客様にご利用をいただいております。こちらは要予約です。

その他にも七夕、ひな祭りなど季節に応じて装飾を施した列車の運行を行っております。

編集部

春の陶器市では、陶器の販売以外にも、地元の食べ物も販売されているのだとか。ステージも色々あるようでとても楽しそうです。

これらのイベント情報はどちらで知ることができますか?

中西さん

イベントの開催につきましては、公式ホームページやSNSで情報発信しております。先ほどのサンタ列車のように予約が必要なイベントは、お電話でご予約を承っております。

イベント列車で特別料金はいただいておりませんが、往復でのご利用が条件となるイベント列車もございますのでご注意ください。

編集部

イベント参加を考えているカップルは、デート前に信楽高原鐵道からの情報を要チェックですね。
信楽高原鐵道を利用する際に、お得なチケットなどがあれば教えてください。

中西さん

信楽高原鐵道が一日乗り放題のチケット「信楽高原鐵道フリー乗車券」や、近江鉄道、信楽高原鐵道の全線を一日乗り放題の「びわこ京阪奈線フリーキップ」がございます。

また、甲賀市コミュニティバスと信楽高原鐵道のフリー乗車券がセットになったものもありますよ。

【信楽高原鐵道フリー乗車券】

大人:940円、小人:480円

【びわこ京阪奈線フリーキップ】
大人:1,050円、小人:530円
※土、日、祝日限定

【甲賀市コミュニティバス+信楽高原鐵道 フリー乗車券(1日券)】
 大人(中学生以上):500円、小人:600円

編集部

信楽高原鐵道沿線は、途中下車して訪れたいスポットもたくさんあるので、フリー乗車券は嬉しいです。カップルで気ままな列車旅を楽しんでほしいですね。

信楽高原鐵道を利用した方の感想と口コミ

編集部

信楽高原鐵道を利用されたお客様からよく聞く声や感想を教えてください。

中西さん

信楽駅の構内には、多くのたぬきが皆様をお出迎えしておりますが、12月になりますとサンタの衣装に着替えます。お見えいただくお客様、特に小さなお子様には大変人気で、驚かれることがよくあります。

編集部

信楽駅のたぬきたちみんながサンタコスをしてますね。とてもかわいいです!

サンタ衣装以外にも、季節ごとの衣装もユニークでなので、出会えたらぜひカップルで記念撮影をしておきたいです。
※たくさんのたぬきがいるホームには立ち入れないので、反対のホームか車両内からの撮影がおすすめ

信楽高原鐵道の口コミ・評価

編集部でも、信楽高原鐵道を利用された方の口コミを見てみたところ、良い反応のコメントがいくつもみられましたので、要約してご紹介します。

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自然に囲まれた気持ちのいい鉄道
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車窓からのどかな景色が楽しめた
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サンタ列車のクリスマス仕様の車内で楽しいひとときを過ごせた
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駅前でたぬきがお出迎えしていて、電車好きでなくても楽しめた

車両からののどかな景色を評価する声が多くありました。ローカル線ならではの、のんびりした列車旅を楽しめるようです。

また、イベント列車や信楽駅のたぬきたちに関する声も多く、信楽高原鐵道ならではの工夫が利用者に愛されているようでした。

信楽高原鐵道の基本情報

社名 信楽高原鐵道株式会社
本所所在地 〒529-1851
滋賀県甲賀市信楽町長野192番地
連絡先 0748-82-3391(9:00~17:00)
営業区間 起点:貴生川駅~終点:信楽駅
※営業キロは14.7kmで非電化単線
運航時間 (始発)信楽駅発6:10
(最終)貴生川駅発22:41
運賃 大人:210円~470円
小人:110円~240円
公式サイト https://koka-skr.co.jp/index.html

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

信楽高原鐵道沿線のデートスポット

ここからは信楽高原鐵道の沿線にあるデートスポットをご紹介します。中西さんのお話しにもあった通り、沿線には魅力的なデートスポットがたくさんありますよ。

フリー乗車券を買えば、途中下車も自由できるので、気になるスポットには思い切って直接足を運んでみましょう!

おすすめのデートスポット

陶都信楽の風情を感じられる「窯元散策路」

甲賀市信楽町にある窯元散策路

信楽駅は「焼き物の里」信楽の中心近くにあり、玄関口の一つです。駅を出るとあちらこちらの店先に陶器が置かれており、観光客の目をひきつける光景が広がっています。

駅前から続く古い町並みは「窯元散策路」と呼ばれ、道に埋め込まれた陶板や陶製の道標など、信楽独自の風情が漂います。あちこちにある窯元をめぐって、2人でお気に入りのうつわ探しなんていかがでしょう。

参考URL:信楽町観光協会公式サイト「まちをあそぶ」

奈良時代の都跡!国指定の史跡「紫香楽宮跡(甲賀寺跡)」

紫香楽宮跡は、紫香楽宮跡駅から北西へ約1kmほど場所にある、国指定の史跡です。紫香楽宮(しがらきのみや)は、奈良時代に聖武天皇が造営した都で、短い間ですが首都になっていましたこともあります。

緑の松林に囲まれたこの史跡は、かつては紫香楽宮の中心地とされていましたが、調査が進み、現在では紫香楽宮内で大仏造立が行われた甲賀寺の跡地だとされています。

歴史好きなカップルは、ここでかつての都の風景に想いを馳せてみてはいかがでしょう。

公式URL:紫香楽宮跡

吊り橋を渡って向かう「玉桂寺」

玉桂寺前駅のすぐ近くにある玉桂寺は、真言宗のお寺で「勅旨(ちょくし)の弘法さん・信楽の弘法さん」の名で親しまれています。

玉桂寺前駅で降り、「保良の宮橋」と呼ばれる吊り橋を渡ってお参りします。吊り橋の真下には信楽高原鐵道の路線が通っているので、橋のたもとは鉄道ファンに人気の撮影スポットなんだとか。

吊り橋は歩行者専用でやや狭めなので、意外とスリリング!お寺へのお参り行程も楽しいスポットです。

公式URL:玉桂寺

ふわふわのパンケーキを和の空間で味わう「cafe&dining fleur」

「cafe&dining fleur」は、信楽駅から徒歩1分のところにある、パンケーキがイチオシのカフェ。注文を受けてから生地を作るパンケーキは、ふわふわの食感がたまりません!

通常のランチのほか、平日限定でランチのバイキングもしているので、たくさん食べたいカップルは要チェックです!

古い民家を改装した店内には、どこか懐かしい和の空間が広がります。散策の合間の息抜きにもピッタリですよ。

公式URL:「cafe&dining fleur」

その他のデートスポット

第一大戸川橋梁:昭和29(1954)年に建設されたコンクリート橋。重要文化財。
「Italian & sweets genki」:貴生川駅前にあるカジュアルなイタリアンダイニング。

まとめ:高原の景観と焼き物の里の雰囲気に癒される路線

信楽高原鐵道での鉄道旅では、甲賀市の自然と文化が2人の心を癒してくれるでしょう。

終点の信楽駅周辺では、焼き物の里らしい風情を味わえます。好みの焼き物探しはもちろん、窯元や町並みの散策も楽しいですよ。

また、焼き物以外にも、沿線には甲賀市の歴史や文化を感じられるスポットがたくさんあるので、気ままにぶらりと途中下車して立ち寄るのもおすすめです。

甲賀市でのんびりとした鉄道デートを検討しているカップルは、ぜひ今回のプランを参考にしてみてくださいね。