【山口市デート】山口ふるさと伝承総合センターで大内塗箸作り&そば打ち体験|和の伝統を学ぶカップルプラン

この記事でご紹介するのは、山口県山口市の「山口ふるさと伝承総合センター」で、地元の伝統工芸「大内塗箸作り(おおうちぬりはしづくり)」や「そば打ち」を体験する、外国人の恋人も大喜びする和の伝統に親しむデートプランです。

同センターは、明治期に建てられた造り酒屋の母屋とその敷地を整備した施設です。インスタ映えする外観が魅力的で、手ごろな料金でモノづくりの楽しさを体感できるため、デートにぴったりの場所となっています。

今回は、「山口ふるさと伝承総合センター」の体験講座の特徴や魅力、デートでの楽しみ方などについて、同センター副館長の兒玉(こだま)さんにお話を伺いました。

山口ふるさと伝承総合センターが伝える伝統工芸とモノづくりの魅力

「山口ふるさと伝承総合センター」の正面外観
▲明治期の造り酒屋の母屋を改修した「山口ふるさと伝承総合センター」の外観

「山口ふるさと伝承総合センター」は、明治期の造り酒屋の母屋を整備して作られた施設です。センターは3つの館で構成されています。「まなび館」では、大内塗や山口萩焼、徳地和紙など山口市の伝統工芸品を展示しています。「みやび館」は明治期の豪農の家屋を再現しており、当時の生活様式を学ぶことができます。新しく建てられた「たくみ館」では、大内塗の実演を見学することができ、伝統工芸の技を間近で観察できます。

それでは、体験講座の立ち上げや同センターの特徴について、お話を伺っていきましょう。

若い世代に伝えたい!地元の伝統工芸とモノづくりの魅力

編集部

今回初めて「山口ふるさと伝承総合センター」に伺っていますが、明治期の造り酒屋の雰囲気が残っていて、何とも趣(おもむき)ある建物なんですね。

最初に、体験講座を始められたきっかけや、狙いなどをお聞かせください。

兒玉さん

当センターが体験講座を始めたのは、「大内塗(おおうちぬり)(※1)」などを始めとする地元・山口市の伝統工芸を若い世代の皆さんにも伝承し、さらに、モノづくり全般の楽しさを知っていただきたかったからです。

(※1)山口県山口市周辺で作られている漆器(しっき)。室町期に権勢を誇った大内氏の下で誕生したことから、「大内塗」と名付けられた。14世紀後半に、大内氏が都から漆塗り職人を呼び寄せ、漆器を作らせたことが始まりと言われる。

私どもでは、「大内塗箸作り」体験と、「そば打ち」体験を中心に、年間を通じてモノづくりの楽しさを体感いただける各種の体験講座を企画・開催していますよ。

歴史と文化が息づく環境で、プロから学ぶ伝統工芸

編集部

「山口ふるさと伝承総合センター」の体験講座では、実際どのような方が教えてくださるのでしょうか?また、制作体験をする場所についても教えていただけますか?

兒玉さん

例えば、「大内塗箸作り」体験の指導は、大内塗漆器振興協同組合の会員さんが担当しています。大内塗のベテラン職人さんが直接指導してくれます。

そのほかの体験講座も、当センターが長年お願いしている、それぞれの分野のプロフェショナルの方が、丁寧に分かりやすく教えています。

体験講座が開かれる場所は、主に当センター「たくみ館」の一室です。作業用テーブルや椅子などを用意しており、開放的な広いお部屋となっています。

ちなみに、当センターは室町時代に西日本有数の大名であった大内氏が、京都を参考にした街づくりを行った大殿地域にあります。西の京として栄え、国宝の「瑠璃光寺五重塔(るりこうじごじゅうのとう)」をはじめ、歴史と文化が息づく街並みが広がっています。

また、春には桜、夏には蛍が見られる「一の坂川」が街中を流れ、豊かな自然も楽しめるエリアです。体験講座の前後に、カップルで散策するのもおすすめですよ。

山口ふるさと伝承総合センターの伝統工芸体験講座を詳しく解説

「山口ふるさと伝承総合センター」で展示される伝統凧(その1)

「山口ふるさと伝承総合センター」では、年齢や性別を問わず楽しめる「大内塗箸作り」の体験講座が大人気です。まったくの初心者カップルでも、30分~1時間ほどで伝統的な漆(うるし)塗りの本格的なお箸を作ることができます。

それでは、同センターの体験講座の具体的な内容について、詳しく見ていきましょう。

30分から楽しめる!本格的な大内塗箸作り・そば打ち体験

編集部

「山口ふるさと伝承総合センター」さんの体験講座では、どのような伝統工芸品を制作できるのでしょうか?

兒玉さん

基本的に、通年で2つの体験講座をご用意しております。

1つ目は、「大内塗箸作り」体験です。箸に色漆(いろうるし)を塗り、金箔を置いて模様をデザインしていただきます。本格的な制作体験ですが、所要時間は30分~1時間ほどで、体験料も税・材料費込みでお一人880円(送料別)となっています。デート中のカップルもお気軽に参加できる内容です。

「山口ふるさと伝承総合センター」で「大内塗箸作り」体験に参加する皆さん
▲「大内塗箸作り」の体験講座に参加中の皆さん。本格的な漆塗りのお箸を自分の手で作れる

ただし、大内塗箸作りの体験は原則平日のみ予約制で受け付けており、完成したお箸は後日の郵送となります。この点にはご注意ください。

2つ目は、「そば打ち」体験です。近年、大人の趣味として人気が高まっています。本格的なそば打ちを体験でき、打ったそばはお一人当たり3人前(そばだし付き)を当日お持ち帰りいただけます。

「山口ふるさと伝承総合センター」でのそば打ち体験の様子
▲「大内塗箸作り」のほか、「そば打ち」の体験講座も用意されている

そば打ち体験は基本的に毎月月末ころに開催しています。公式サイトでスケジュールをご確認ください。各回6~8名の少人数制で、アットホームな雰囲気ですので、初心者の方でもリラックスして体験できます。

所要時間はおおよそ2~3時間、体験料は税・材料費込みでお一人1,200円です。

これらの通年講座に加えて、季節ごとに「布ぞうり作り」や「ミニ門松作り」、「和菓子作り」など様々な体験講座も企画・開催しています。

具体的なスケジュールや予約については、公式サイトの「その他体験講座」ページをご覧ください。

>>公式サイト「その他体験講座」

人気No.1「大内塗箸作り」体験!世界に一つだけのマイ箸を作ろう

編集部

「山口ふるさと伝承総合センター」さんの制作体験の中で、最も人気があるものはどちらになりますか?

兒玉さん

やはり、伝統工芸品に指定されている大内塗の箸作り体験が、小学校の体験学習から一般のカップルの方まで幅広い人気です。

世界でただ一つのオリジナルの一膳(いちぜん)を自分の手で作れることが、最大の魅力だと思います。お箸なので、自作の作品を毎日の食事で使えることも喜ばれています。

さらに、大内塗の箸は漆で仕上げるため、抗菌効果も期待できます。カビや雑菌が発生しにくく、漆は木の樹液由来なので人体に優しい点も魅力です。日々の使用で漆が剥げてきた場合は、再塗装などのメンテナンスをすれば長く愛用できる逸品になります。

体験から完成まで - 大内塗箸作り体験の流れを解説

編集部

参加するカップルの参考になるよう、制作体験の流れを具体的にご紹介ください。

兒玉さん

「大内塗箸作り」体験の流れは、以下の通りです。

  1. 伝統工芸である大内塗についてのご説明
  2. 箸作り作業の注意事項についてご説明。漆や金箔、道具などについての具体的なお話をします。
  3. 箸作り作業のデモンストレーション
  4. 制作の作業
  5. 完成した箸の扱い方をご説明

参加者の皆さんが作られた作品は、当センターの方で乾燥させて、約3週間後にご自宅にお届けしています。

「そば打ち」体験の大きな流れは、まず作業のご説明をし、その後実作業に入ります。水回し(そば粉に水を馴染ませる)、捏ね(こね)、生地を延ばして畳む、最後に切る、という順序で進めていきます。なお、現在は社会情勢等を考慮して、試食は中止していますので、ご了承ください。

初心者カップルでも安心!体験時の服装や持ち物アドバイス

編集部

「大内塗箸作り」や「そば打ち」の体験講座は、まったくの未経験者でも参加できるでしょうか?もしも上手く作業できないような場合は、講師の方にサポートいただけますか?

兒玉さん

未経験者の方でも、まったくご心配は要りません。それぞれの分野のプロフェッショナルが、初めての方にも丁寧に、分かりやすく指導しています。必要に応じて、もちろん都度サポートに入るので、どなたでも安心して参加いただけますよ。

編集部

体験講座の参加に必要な持ち物は、何かあるのでしょうか?また、服装について何かアドバイスはありますか?

兒玉さん

「大内塗箸作り」体験は、特に必要な持ち物はありません。「そば打ち」体験の方は、エプロン、頭を覆う手拭いやバンダナ等をご持参ください。

服装に関しては、特に「大内塗箸作り」の体験では、汚れても問題ない格好でいらしてくださいね。衣服に漆が付着してしまうと、洗濯では落ちません。万が一、漆が手に付いた場合は、担当講師が適切に対処します。

また、どちらの体験講座に参加する際にも、髪の長い方は後ろで結んでください。これは、髪に漆が付いたり、そばに髪の毛が混入したりしないようにするための注意点です。

カップルデートを盛り上げる!体験講座の楽しみ方とポイント

「山口ふるさと伝承総合センター」で展示される伝統凧(その2)

ここまでは、一般的な参加者の視点から「山口ふるさと伝承総合センター」と体験講座について伺ってきました。これからは、カップルがデートで参加することを想定して、お話を伺っていきます。恋人同士で楽しめる体験や、二人で参加する際の魅力についてもお聞きしていきましょう。

カップルにおすすめ!「大内塗箸作り」体験の魅力

編集部

体験講座の中で、デート中のカップルにおすすめのものはどちらになりますか?

兒玉さん

そうですね、やはり「大内塗箸作り」の体験がカップルにもおすすめです。お互いに相手のお箸を一膳ずつ作って、完成後に交換し、実際に日々のお食事で使っていただくと、とても印象に残るデートになるでしょう。

例えば、ご結婚前のカップルが新居で使う大内塗の箸を一膳ずつ制作するのも素敵ですね。本物の漆塗りの箸は、大切に使えば、何十年も長く愛用できます。二人の思い出とともに、長く使い続けられる贈り物になりますよ。

思い出を形に!インスタ映えする写真撮影スポット

編集部

最近では、お気に入りの写真をSNSに投稿して楽しむカップルが増えてきました。

二人で体験講座に参加中、写真撮影などを行うことは可能でしょうか?

兒玉さん

はい、体験講座に参加中でも、自由に写真撮影をしていただけます。また、当センターの「まなび館」は、外観や内部の吹き抜け、マンスリー展示などがインスタ映えするスポットとなっていますので、お気に入りの一枚を撮影してみてください。

ただし、ほかの参加者の方が写真に写り込む可能性もありますので、撮影の際はご配慮をお願いいたします。

カップルでの参加記念にも!地元の伝統工芸品もお土産にできる

編集部

二人で体験講座に参加した記念に、何か思い出の品を購入したいと考えるカップルもいるかと思います。

「山口ふるさと伝承総合センター」で、地元の伝統工芸品などを買い求めることはできるのでしょうか?

兒玉さん

はい、もちろん可能です。当センター内では、山口県の代表的な伝統工芸品である大内塗や山口萩焼、徳地手漉き和紙(とくぢてすきわし)などの商品をはじめ、当センターで開催している教室の卒業生によって組織された工房で制作されたお土産品もご購入いただけます。

せっかく当センターにお越しいただいたのですから、お二人でお気に入りのアイテムをお土産として探していただくのも、また楽しい思い出になるのではないでしょうか。お互いの好みやセンスを新たに発見できて、カップルの絆を深める良い機会になるかもしれません。

山口ふるさと伝承総合センター周辺のデートスポット

編集部

「山口ふるさと伝承総合センター」さんの周辺で、体験講座参加の前後にカップルがランチやお茶を楽しめる食事処・カフェなどがありましたら、ぜひ教えてください。

兒玉さん

当センターの近隣には、家族経営的な小さな食事処はありますが、数は多くありません。

当センターから徒歩10分ほど山口市役所方面に向かっていただくと、中心商店街に出られます。この商店街には、様々な飲食店やカフェがあり、選択肢が豊富です。JR山口駅から当センターに向かう道すがらでもあるので、この辺りでランチやお茶を楽しんでいただくのがおすすめです。

>>山口市商店街連合会(公式サイト)

編集部

カップルが体験講座に参加する前後で立ち寄れそうな、周辺デートスポットがありましたら、いくつかご紹介いただけますか?

兒玉さん

まず、車で5分弱の「瑠璃光寺五重塔」に立ち寄られてはいかがでしょうか。国宝指定されており、景色のよい「香山(こうざん)公園」内に建っています。

「山口ふるさと伝承総合センター」近くの「瑠璃光寺五重塔(るりこうじごじゅうのとう)」と「香山(こうざん)公園」
▲「香山(こうざん)公園」内に建つ「瑠璃光寺五重塔(るりこうじごじゅうのとう)」。いつ訪れても、インスタ映えする一枚を狙えるスポット

とりわけ春の桜と秋の紅葉が美しく、人気の絶景スポットです。どの季節に訪れたとしても、大変インスタ映えする写真が撮れます。

>>一般財団法人山口観光コンベンション協会「香山公園 国宝瑠璃光寺五重塔」(参考サイト)

次に、車で3分ほどの「亀山公園」内に建つ、「山口サビエル記念聖堂」もおすすめです。近代的に再建されたカトリック教会で、ステンドグラスが神秘的な美しさを見せてくれます。

「山口ふるさと伝承総合センター」近くの「山口サビエル記念聖堂」の正面外観
▲「亀山公園」内の「山口サビエル記念聖堂」。見応えある美しいステンドグラスにも注目!

16世紀のイエズス会士であったフランシスコ・サビエルの足跡が展示されており、歴史ファンのカップルならば必見です。当地では、伝統的に「ザビエル」を「サビエル」と発音してきました。

>>山口カトリック教会サビエル記念聖堂(公式サイト)

最後に、当センターの体験講座を終えられた後には、車で約10分のところにある「湯田(ゆだ)温泉」がおすすめです。アルカリ度の高い天然温泉で、古くから「美肌の湯」と呼ばれてきました。怪我を負った白狐が傷を癒やしたという「白狐伝説」が残っています。

日帰り入浴可能な宿も多くあり、お二人でお湯に浸かったり、地元ならではのお食事を楽しんだりと、のんびりと温泉情緒を満喫できるスポットです。

>>湯田温泉旅館協同組合「天然温泉 湯田温泉」(公式サイト)

山口ふるさと伝承総合センターからのメッセージ

「山口ふるさと伝承総合センター」で展示される鳥凧

編集部

これから「山口ふるさと伝承総合センター」の体験講座に参加するカップルへのメッセージや、今回のインタビュー取材で伝えきれなかった想いなどがありましたら、ぜひお話しください。

兒玉さん

オリジナルの一膳を作れる「大内塗箸作り」体験は人気があり、参加すれば、きっとお二人のよい思い出になるはずです。加えて、モノづくりの楽しさを知っていただく機会になれば、私どももこんなに嬉しいことはありません。体験を通して、山口の伝統工芸の魅力や技術の素晴らしさを感じていただければと思います。

編集部

二人でモノづくりを体験すると、いつもとは違う彼女・彼氏の一面を発見できるかもしれませんね。和のアートや地元の伝統工芸に興味があるカップルはもちろん、最近ちょっとデートがマンネリ気味かなと感じている二人にも、ぜひ体験講座に参加してほしいと感じました。

兒玉さん、本日はお時間を割いていただきまして、大変ありがとうございました。

山口ふるさと伝承総合センターの口コミ・感想

デートの参考になるよう、実際に「山口ふるさと伝承総合センター」の体験講座に参加した方々の口コミや感想をいくつかご紹介します。

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大内塗のお箸のおかげで、食事の時間が楽しみになりました。自分で作ったお箸を使うことで、日々の食事がより特別なものになりました。
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自分の手で作ることの楽しさを知った体験講座!誰にでもおすすめできる。伝統工芸に触れながら、創作の喜びを感じられる素晴らしい経験でした。
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指導してくださる方がていねいに、親切に教えてくれます。未経験でも、まったく問題なかったです。講師の方の丁寧な指導のおかげで、安心して作業に取り組めました。

体験講座の評判は非常に良好です。特に「大内塗箸作り」の体験では、満足度の高い作品ができたことや、地元の伝統工芸への理解が深まったという参加者の感想が多く見られます。

まったくの未経験者のカップルがデートの一環として参加しても、十分に楽しめる体験講座だと言えるでしょう。講師の丁寧な指導と、手作りの喜びを通して、思い出に残るデートになること間違いありません。

山口ふるさと伝承総合センターの料金・予約・服装・持ち物

体験料金
(材料費込)
■入館料無料
【大内塗箸作り体験】
一人880円(箸1膳分)
※完成品の送料別途
※所要時間30分~1時間

【そば打ち体験】
一人1,200円(そば3人分)
※所要時間2~3時間
予約 【電話での予約が必須】
電話:083-928-3333
※「大内塗箸作り」体験は、原則平日のみ開催
服装 汚れても構わない服装を推奨
※漆が付着すると、通常の洗濯では落ちないため
持ち物 エプロンや髪を覆う手拭い、バンダナなどを持参するとよい

※表示価格はすべて税込です。

山口ふるさと伝承総合センターの基本情報(アクセス・営業時間)

住所 〒753-0034
山口県山口市下竪小路12番地
電話 083-928-3333
アクセス 【公共交通機関】
・JR山口線:山口駅下車で徒歩約20分、または上山口駅下車で徒歩約15分
・防長バス:竪小路バス停下車で徒歩約5分
【車】
・中国自動車道:山口ICから約20分、または小郡ICから約25分
駐車場 無料駐車場あり
※普通車20台分程度
※満車の場合、近隣の駐車場をご案内可能
開館時間 9:00~17:00
休館日 ・年末年始(12月29日~1月5日)
・お盆期間(8月14日~16日)
公式サイト http://y-densho.sblo.jp/
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