地方移住したい理由は?理想の生活や移住先、現実的な課題をご紹介
「自然豊かな地方でのんびりくらしたい!」
「リモートワークできる仕事に転職して、物価の安い地域で暮らしたい!」
そんなふうに、地方移住を検討されている方は多いはず。実際にどんな土地が良さそうか、調べてみた方も多いことでしょう。
この記事では、既婚男女192人へのアンケート調査で分かった地方移住検討者の移住を考える理由や想像している理想の生活、実際に移住に至らない理由などを詳しくご紹介します。
地方移住を検討されている方にとって、共感できる内容が多いはず。「自分たちの場合はどうか」を想像しながら、移住検討者の実態をぜひ確認してみてください。
移住したい理由
まずは、地方移住を考えている方の希望理由を確認しましょう。アンケート調査から、移住を意識するきっかけが見えてきました。
もっとも多かったのは「子育て環境の良いところに住みたいから」(16.5%)で、他にも「生まれ故郷で生活したいから」(12.8%)、「親・兄弟・友人・親戚などの近くに住みたいから」(10.1%)などがあがりました。また、「日本ではなく海外に移住したい」(13.8%)という意見も見られました。
「その他」の理由を挙げた人も17.4%で移住理由はさまざまのようですが、全体としては『自然豊かな地方であれば、子どもものびのびと過ごしたい』という思いで地方に注目している人が多いようです。
移住先選択の理由
次に、移住先を決めるうえで重要な要素を聞いてみました。移住希望者が特に重視しているポイントは、下図の通りです。
1位は「のんびり過ごしたい」で57.3%、2位は「子どもの子育てに良い環境が整っている」で43.2%、3位は「生活費を抑えたい」が37.0%でした。
移住先に求める要素を見てみると、田舎生活への期待だけでなく、都会生活から逃れたいという願望も大きいことが分かります。1位の「のんびり過ごしたい」というのも、もしかすると都会生活の疲れからくるものなのかも知れません。
具体的な理想の移住先として名前が多くあがった地名から順にご紹介します(一部抜粋)。
福岡:今まで住んだことのないところに住んでみたいと思ったから。また、移住すると新しい人間関係や生活環境が構築されるのが楽しみだから。 (40代女性・東京都) |
沖縄県宮古島市:リゾートのような海に囲まれたところで、休みの日にドライブで行くだけで旅行気分が味わえたら幸せだと思ったから。(20代女性・埼玉県越谷市) |
長野県:ゆっくりのんびり生活に憧れがあるため。(40代女性・埼玉県) |
北海道:自然豊かで、食べ物がおいしい土地で生活してみたいから。(30代男性・北海道) |
静岡県富士市:さまざまなテレビで、脱サラして自分でお店を始めた人を見ていいなと思ったため。(30代女性・静岡県静岡市) |
移住先に対してポジティブなイメージや期待感を抱ける理由が多くみられました。「のんびりしたい」「経済的なゆとりをもちたい」など、理想的な生活を実現するために、自然が豊かで物価の高くない地域を希望する方が多いようです。
移住を検討する人の実態
それでは、実際に移住をしたいと考えている人はどれくらいいるのでしょうか。移住検討者の割合や、移住への本気度を調査してみました。
移住を検討している人の割合
調査結果から分かった希望者の割合が下図の通りです。
「移住してみたい」(24.5%)、「前向きに検討している」(7.3%)、「移住するつもり」(4.7%)など合わせて57.3%の既婚男女が移住への関心を持っていることがわかりました。
移住への関心度合い関する男女の差も見てみましょう。
男性は「移住してみたい」「移住するつもり」といった前向きな姿勢が合計で62.6%で、「移住を考えたことはない」の37.4%を大きく上回りました。
一方、女性は前向きな姿勢の回答が合計で52.5%、「移住を考えたことはない」が47.5%で、男性よりも賛否の差が小さく、男性の方が地方移住に関心がある様子がうかがえます。
移住に向けての話し合い
では、実際に移住についてパートナーや家族と話し合ったことはあるかについて聞いてみました。
「はい(話し合ったことがある)」が51.8%、「これからしようと思う」が7.3%で、合計59.1%が地方移住への思いをパートナーや家族へ共有している(または共有しようとしている)という結果です。
「移住を考えたことがない」という人も含めた全体に対する割合で見ても、30.7%の人が家族へ相談するほど本気度高く移住を検討していることが分かりました。
地方移住の理想と懸念点
では、移住を考える人が思い描く「地方での暮らし」とは一体どのようなものでしょうか。また、移住を希望しているのに実現していない理由を探る中で、移住への現実的な課題も見えてきました。
地方移住の理想
まずは、理想的な移住生活について。自由回答形式で理想的な生活を聞いてみたところ、下記のような回答が寄せられました(一部抜粋)。
自然に近い人間らしい暮らし(30代女性・東京都) |
子供がのびのび成長でき、家族がストレス無くのんびり生活できる(30代女性・高知県) |
こども(小学生/幼稚園生)にやさしい地域で文武両道な教育をしていきたい(30代男性・神奈川県) |
温暖な地域でアクティブを楽しんだりして暮らしたい(50代女性・島根県) |
移住を希望する理由と同じように、「自然豊かな地方でのびのびとした暮らしを送りたい」という理想の姿が見てきます。
地方移住できない理由・課題
一方で、理想の移住生活を思い描いていながら、現時点で移住を実現していない人が多数です。なぜ「移住をしたくてもできない」または「やらない」のか、その理由から地方移住の課題が見えてきました。
もっとも多かったのは「仕事の勤務状態、勤務形態」(23.6%)で、次が「働き先の確保」(20.0%)と、仕事面の問題が1・2位となり合計44%という結果でした。リモート勤務が可能な企業が増えたとはいえ、依然として仕事面が大きな障壁となっているようです。
具体的に以下のような懸念の声が集まりました。
仕事があるかどうか(30代女性・東京都) |
金銭面や、移住先での就職(30代女性・高知県) |
移住先での仕事探し・子供の新しい環境でなじめるか(30代男性・神奈川県) |
地域の住民の人とうまくやっていけるかが心配(50代女性・島根県) |
懸念点に関しては仕事面や生活面、人付き合い、金銭面などへの不安が多く偏りが見られました。
都市部から地方へ移住する場合、仕事や暮らし方など様々な面でライフスタイル自体が変化します。慣れない土地での生活に戸惑うこともあるでしょう。そのような戸惑いに対し懸念を抱くのは当然といえそうです。
地方移住の課題解決に望むこと
地方移住への課題に対して、地方移住の希望者が国や自治体に何を求めるのか、自由回答形式で聞いてみました。
具体的な回答内容は以下の通りです(一部抜粋)。
移住する際に国から補助金などがほしい。 どの手続きを踏めば移住がスムーズにできるか一覧などが欲しい。(20代女性・愛知県) |
住居の確保、仕事、移住に関する費用の補助。(30代女性・愛知県) |
補助金や支援があるといいです。(40代女性・大阪府) |
金銭的な子育て支援および公教育の充実。(30代女性・東京都) |
遠方からの移住であれば補助金があると嬉しいです。(30代男性・神奈川県) |
お試し移住が最低1ヶ月間程度はできた方がいい。(60代女性・奈良県) |
国や自治体に求めるものとしては、子育て支援や、引越し費用の補助、お試し移住制度といった住まいに関わる支援制度を求める声が散見されました。
自治体によっては、希望のあった子育て支援や住居支援が充実しているところもありますが、そういった市区町村を探すのが難しいというのは現実問題としてありそうです。
利用できる支援を探して活用しつつ、自分たちでも理想の生活を実現するための取り組みを積極的に行う必要があるでしょう。
地方移住をきっかけに夫婦で理想の生活を共有する
地方移住を希望する人は、自然豊かな土地での穏やかな生活、子育て環境の充実、のんびりとした穏やかな生活を求めていることがわかりました。一方で、移住をしたくても実現できていない人からは、仕事やお金の面での不安の声も聞かれています。
移住後の生活に不安があるという方は、パートナーや家族と一緒に、まずはワーケーションやお試し移住体験などにチャレンジしてみるのは1つの手です。
また実際に地方移住ができるかは別として、地方移住に関して本気で話し合うことで、もっと本質的な「お互いが生活に何を求めているか」についても再認識できるきっかけになるかもしれません。
もし地方移住への憧れがありながら、今まで家族で話し合う機会を設けなかった夫婦がいらっしゃるのなら、この機会にぜひ話をする機会を設けてみてください。もしかすると、家族の絆をさらに深められるかもしれませんよ。
調査概要
調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:既婚男女192名
実施日:2023年6月3日〜6月14日
調査実施主体:縁結び大学
調査会社:株式会社ネクストレベル