劇団文化座で心温まるデートを!80年の歴史と人気作品、劇団の魅力を紹介
この記事では、東京都北区に劇団を構える「劇団文化座」の魅力について紹介します。劇団文化座は、東京だけでなく全国でも公演を行っているので、地方住みカップルにも観劇するチャンスはあります。
文化座は創立80年の歴史を誇る劇団で、第二次世界大戦を乗り越えて今日まで活動を続けています。戦争を体験したからこそ感じた想いなどを先代から受け継ぎ大切にしており、その考えが反映された作品が多いですよ。
人情味あふれる演劇・心を打たれるような演劇が好きな人におすすめの劇団です。今回はそんな、劇団文化座の魅力や想いについて紹介します。
おすすめカップル:演劇好きのカップル
演劇スタイル:ストレートプレイ
観劇料:4,000~5,500円
場所:東京を中心に全国で公演
80年の歴史が生む、人生観に影響を与える劇団文化座の作品
劇団文化座は戦争を乗り越えた数少ない劇団で、当時の様子を後世に伝えようと、戦争をテーマにした作品を数多く上演しています。
また、戦争に限らず、日本の歴史を影で支えた人たちの苦悩を描いた作品も多く、「あの歴史の裏に、こんな人がいたんだ」「この作品に出会えてよかった」といった、観る人の人生観に影響を与えるような作品が多い劇団です。
劇団はとてもアットホームな雰囲気があり、劇団員が生き生きしている点も特徴です。仲のよい劇団だからこそにじみ出る温かさや活気が、多くのファンを魅了しています。
命の大切さや平和でいることの大切さをより多くの人に届けたいという思いから、全国で公演を行っているので、地方住まいのカップルにも鑑賞するチャンスはありますよ。
今回は、そんな劇団文化座の制作部で活躍されている原田さんに、文化座の魅力について教えていただきました。
戦争の痛みを後世に伝える:80年の歴史を持つ劇団文化座の使命
編集部
劇団文化座は、とても歴史ある劇団だと聞いています。まずは、そんな文化座の歴史について教えてください。
原田さん
劇団文化座は1942年2月26日、演出家・佐佐木隆、女優・鈴木光枝ら9人のメンバーによって結成され、2022年2月26日に創立80年を迎えます。
1987年より佐々木愛が劇団の代表をつとめています。
編集部
創立80年とは驚きました。80年前というと、日本の最後の戦争、第二次世界大戦の前ですよね?
原田さん
はい、今から76年前の1945年、旧満州を巡演中だった劇団はソ連軍の侵入を受け、旧満州で敗戦を迎えました。その後、劇団員は約1年の抑留生活をしたと聞いています。
日本は世界初の被爆国であり、文化座は、新劇団の中では唯一外地で敗戦を迎えた劇団です。これは文化座の歴史であり、創立メンバー亡き後も劇団の創造の柱に、その痛み、憤り、反省が受け継がれています。
私たちは、劇団の歴史と個性を大切に、創造の現場であるアトリエを守りながら、志しを共にする仲間たちと、日本の現代劇を創造し、全国で公演することを目的としています。私たちの生きている日本が、世界が、平和で差別のないものであることを願い、これからも演劇を通して「日本、および日本人」を見つめていきたいと思っています。
編集部
文化座の作品に戦争をテーマにしたものが多いのは、そのような歴史があるからなんですね。“戦争を生き抜いた人たちの生の声”が大切に語り継がれている文化座の作品は、心を動かされるものがあるんじゃないかと感じました。
演劇好きのカップルは感受性豊かな方が多いでしょうから、きっと文化座が伝えたい思いをしっかり受け取ってもらえるのではと思います。
私は、それまでどんな人生を送ってきたのかによって、作品を観て感じることは異なるのかなと思っています。恋人と人生観や深い部分の考え方について話し合う機会なんてなかなかないですが、演劇を通じて、自然にそんな話ができるんじゃないかと思いました。
受賞歴と新ジャンルへの挑戦:進化し続ける劇団文化座
編集部
約80年の歴史があるということで、これまで上演された作品も多岐にわたると思いますが、どのような作品を上演されてきたのでしょうか?
原田さん
創立期は、劇作家・三好十郎作品を連続上演するなど、庶民の生活に光を当てた作品を上演していました。
主にストレートプレイ(※1)を上演していますが、2021年1月に初めて、音楽劇『ハンナのかばん』を上演しました。若い俳優も増えましたので、翻訳劇や新しいジャンルにもどんどん挑戦していきます。
(※1)ミュージカル以外の演劇のこと。
▲新たな試みとなる音楽劇に向け歌唱指導を受ける様子(引用:公式Facebook)
編集部
三好十郎作品は、人間の弱さや醜さをうつしながらも、その中に秘めた光を表現したものが多いそうですね。
初めて公演された音楽劇『ハンナのかばん』も好評だったようで、観劇されたお客さんからは「ミュージカルとはまた違った魅力がありすっかり引き込まれた」「主人公が小学生という設定だったが、大人が演じているにも関わらず子どもにしか見えないからすごい」など、SNSには様々な感想が上がっていました。
多くのファンを抱える文化座ですが、これまでに数多くの名誉ある賞を受賞されていると伺いました。受賞歴についても教えていただけますか?
原田さん
1982年に、水上勉作『越後つついし親不知』で文化庁芸術祭大賞を受賞しました。その後、大きな賞としては、2008年『てけれっつのぱ』で文化庁芸術祭大賞を受賞、2018年に紀伊國屋演劇賞・団体賞を受賞しました。
編集部
2018年に受賞された紀伊國屋演劇賞・団体賞は、前年に上演された『夢たち』『反応工程』『太陽の棘』の3つの作品に対して評価されたものだそうですね。
授賞式の様子を拝見すると、「満場一致で文化座に決まった」と話されていました。受賞作品だけではなくどの作品にも興味がありますが、それだけ高く評価された作品ということで、より興味がわきました。ぜひ再演してほしいです。
全国に広がる感動:東京と地方公演に力を入れる劇団文化座
編集部
たくさんの評価を受けている劇団ということで、さらに興味を持つカップルは多いと思います。どのような劇場で公演されることが多いでしょうか?
原田さん
主な活動場所は東京です。年に3回ある東京公演は、俳優座劇場(六本木)、東京芸術劇場(池袋)、亀戸文化センター(亀戸)など、200~300名前後の規模の劇場で公演をすることが多いです。劇団が東京都北区にあり、稽古場を利用したアトリエ公演も行っています。
地方公演は、日本全国にある演劇鑑賞団体にお招きいただき、本州だけでなく九州は鹿児島まで遠征します。2022年には、初めて沖縄(那覇・名護)での自主公演を実現しました。
編集部
演劇は映画館ほど「どこでも観られる」というわけではないので、地方でも観られるというのは嬉しいです。地方にいる演劇好きのカップルも観るチャンスがありますね。
再演される人気作品:『命どぅ宝』と『炎の人』に込められた想い
編集部
文化座では様々な作品を上演されてきたと思いますが、人気のある作品などを「また観たい」と考えるお客さんもいるかと思います。
過去に上演された作品を繰り返し上演されることもありますか?
原田さん
再演している作品は多くありますが、現在公演中の『命どぅ宝』(作・杉浦久幸、演出・鵜山仁)は、2016年の初演時に大反響を呼び、日本中から申し込みが来て、初日が明ける前に全席完売となりました。
そして、2020年にはコロナ禍による自粛要請で延期になりましたが、2022年に無事に再演が決まり、東京公演(亀戸)と、作品の舞台となっている沖縄での上演が決定しました。
また、『炎の人』(作・三好十郎、演出・鵜山仁)は、50年以上前に上演された作品を2020年に再演しています。感染症拡大により、公演中最後の2ステージを残して中止となりましたが、2023年1月に六本木・俳優座劇場で再上演しました。
編集部
『命どぅ宝』は沖縄の戦後を描いた作品だそうですね。命の大切さを改めて感じることができる作品だと聞いているので、とても興味があります。
『炎の人』は文化座の創立当時にも上演されていた三好十郎作品ですね。世界的な画家ゴッホの生涯を描いているそうですが、『炎の人』のインタビューで文化座の俳優さんが「人間の持つ感情や苦悩を言葉で表現している三好先生と、絵で表現しているゴッホは通ずるところがある」と話されていたのが印象的でした。
どちらも再演されるほどの人気作品ということで、ぜひ拝見したいです。
文化座の脚本家はどのような方が務めていらっしゃいますか?
原田さん
脚本家は杉浦久幸(すぎうら ひさゆき)さんが多いです。1984年に「劇団もっきりや」を結成し、以後、30作ほぼ全ての公演の脚本作りと演出をこなし、役者としても舞台に立つ方です。
これまでに作家としての受賞経験もある方で、文化座の数多くの作品を手掛けていらっしゃいます。
脚本家・杉浦久幸さんの受賞歴
・『あなたがわかったと言うまで』で1997年日本劇作家協会最優秀新人戯曲賞受賞
文化座での上演作品
2008年:森口豁原作「子乞」を舞台化した『月の真昼間(まぴろーま)』
2010年:沖縄戦をアイヌ民族が共に戦ったという事実に光をあてた『銀の滴 降る降る まわりに 首里1945』
2016年:戦後沖縄の民主化運動と土地闘争をリードした瀬長亀次郎と阿波根昌鴻の苦闘を描いた『命どぅ宝』
ほか多数
舞台と客席が一体となる空間:劇団文化座が大切にする演劇体験
編集部
「文化座だからこそ!」という、他の劇団にはない特徴や大切にされていることはありますか?
原田さん
文化座の芝居は、決して派手なものではありません。作品の主人公たちも、庶民や農民であることが多いです。そんな誰にも知られることのない普通に生きる人間の苦悩や葛藤を作品にしたり、その人が生きていた証を舞台で表現することを、最も大切にしています。
編集部
庶民や農民は、日本の歴史を支えてきた、欠かすことのできない存在ですが、その暮らしぶりに焦点が当てられることは多くないですよね。
どのような思いで劇団を続け、公演をされていますか?演劇に対する思いなどがあれば、教えてください。
原田さん
私達が創造活動を続けていく原点のような言葉があります。それは「地から沸く演劇」です。
戦争を経験した劇団として、創立者たちの届けたい熱い思いをそのまま引き継いでいます。観ていただいたお客様たちが、自分の人生と重ねたり、新しい発見をしたり、知らなかったことを家に帰って調べたり、たった数時間の作品でもたくさん感じ、共感し、涙したり笑ったりできるその空間を大切にしています。
舞台と客席が一体となって、一つの作品が完成する。そう思いながら公演を続けています。
編集部
文化座のお芝居を観たお客さんの感想の中に「これまで自分が知らなかった歴史を知ることができた。今まで知らなかったなんて恥ずかしい」というものがあり、まさにこれが、文化座が「創立者たちの届けたい熱い思いをそのまま引き継いだ結果」なのかなと感じました。
観劇を通してたくさんの刺激を受け、デート後は感動と興奮で、お互いに感想を言い合うのが大変かもしれませんね。お互いにどんな感想を持つのか、普段のデートでは知ることができない深い部分まで共有して、お互いの距離がグンと縮まる気がします。
文化座で公演する作品は、どのようなところからアイデアが生まれてくるのでしょうか?
原田さん
代表の佐々木愛はじめ、劇団員達は膨大な量の本を読んだり、映画を観たりします。その中で作品になりそうなものや、面白そうなものがあると持ち寄り、その中から選んだものをピックアップし幹部が話し合って決めることが多いです。
編集部
劇団員も作品選びに参加することができるんですね。自分で提案したものが作品として採用されると嬉しいでしょうね。幹部に限らず、劇団員の誰でもアイデアを出せる仕組みにすることで、世代による感性の違いや異なる視点など、どんどん作品の幅が広がりそうですね。
ファンとの絆を深める:交流会やバスツアーで広がる劇団文化座の魅力
編集部
文化座にはファンの方がたくさんいらっしゃるかと思いますが、何かファンサービスのようなものはされていますか?
原田さん
文化座には、80年の歴史と共に、たくさんの後援会の会員様がいらっしゃいます。現在はコロナ禍で自粛していますが、ファンサービスとして、交流会やバスツアーなどを行っています! ※2022年1月時点
編集部
交流会やツアーですか!それは、ファンにとってはたまらないサービスですね。どれだけファンを大切にされているかがよく分かります。
文化座のFacebookを拝見すると、頻繁に更新されていて、これもファンサービスの一環でもあるんだろうなと感じました。劇団の稽古の様子なども発信されており、自分の応援する俳優さんや劇団の様子が分かるのは、ファンにとってはとても嬉しいと思います!
ちなみに、文化座のお芝居を観にいらっしゃるお客さんはどのような方が多いですか?
原田さん
お客様の年齢層は、かなり幅広いです。現在は、若い劇団員が増え客席も20代のお客様が増えてきました。一番多いのは、50代~60代かなと思います。家族で三代にわたって観に来てくださるご家族もいますよ。
編集部
今は動画配信サービスなども普及し、簡単に映画やドラマを観ることができますが、それが浸透している世代である20代のお客さんが増えてきているというのはすごいですね。
やはり、画面ごしではなく生だからこその迫力や魅力があり、それに魅了されているんでしょうね。
どの世代のお客様がいらしても嬉しいことに変わりはないと思いますが、特に観てほしい世代などはありますか?
原田さん
理想を言えば、中学生くらいから、舞台というものを観てもらいたいと思っています。そのため、地元の中学生をご招待したりしています。
編集部
すでに実行にうつしていらっしゃるのですね。中学生という感受性の高い時期に舞台を観ることで、考え方などに大きな影響を受けそうです。
ファンサービスや中学生に対する演劇の魅力発信など、すでに様々なことに取り組まれていますが、これから劇団としてどのような活動をしていきたいですか?
原田さん
若い俳優たちの育成はもちろん、社会人から俳優への転職をする人たちもどんどん受け入れ、共に切磋琢磨して日々刺激のある創造団体でありたいと思っています。歴史を守る大切さと、新しいことへの挑戦を忘れずに、積極的に行動していきたいです。
また、演劇を観たことのない方々へのお声掛けや、情報発信にも力を入れ、新しい出会いも大切にしていきたいと願っています。
編集部
新たに音楽劇にも挑戦されたことも、この思いがあるからこそなんですね。先程も翻訳劇や新たなジャンルへの挑戦もお考えだとお話しされていましたので、今後のご活躍から目が離せませんね!
世代を超えた実力派俳優陣:ベテランから新人まで揃う劇団文化座
編集部
文化座にはさまざまな俳優さんがいらっしゃると思います。劇団員の主要メンバーを教えてください。
原田さん
劇団文化座の主力は、何と言っても創立者の娘である代表の佐々木愛です。現在80歳で、今なお現役で舞台に立っています。一昨年舞台生活60年を迎えました。
また、現在入団11年目の藤原章寛は、2013年に『GO』(作:金城一紀、演出:岡安伸治)で平成25年度文化庁芸術祭新人賞を受賞しました。その後めきめきと力をつけ、ほとんどの作品で主役を演じています。最近では、外部出演の依頼も増えてきました。
最年少の原田琴音は、20歳です。代表・佐々木愛の孫で、昨年入団しました。今年10月の『子供の時間』で作品の中心となるメアリー役に大抜擢され、新人ながら堂々たる存在感を発揮しました。
※2022年1月時点
▲ソファに座る左から2人目が代表の佐々木愛さん。上部に写る男性の右下が原田琴音さん
編集部
代表の佐々木愛さんは、現役で舞台に立っているのですね!これまでにたくさんの受賞歴があるということで、ぜひ生で演技を拝見したいです。
文化座の俳優さん達は同じ作品の中で何役も演じ分けることもあると聞きました。「あれ?さっきの俳優さんだろうけど、全く雰囲気が違うな」など、その演技に注目するのも面白そうです。
文化座では、俳優さんを応援したり、お得に観劇できる「文化座友の会」という後援会があるそうですね。公演の入場料割引や後援会が行う企画への招待など、ファンが喜びそうな特典ばかりで気になりました!
▲稽古中の若手の俳優さん。可愛い役者さんもいますね。
アットホームな劇団文化:劇団員同士の交流が生む独特の雰囲気
編集部
お写真からも劇団の和やかな雰囲気が伝わってきますが、劇団の雰囲気はどのような感じでしょうか?
原田さん
所属している劇団員は、20歳から78歳までいて総勢52名です。家族のようなホーム感があり、みんなで食事を作って稽古後に食べたり、稽古場で飲み会などをして交流していました。
▲稽古場での飲み会。みなさん笑顔でアットホームな雰囲気が伝わります
また、毎年、劇団員が代表の誕生日をサプライズで祝いますが、ある年はバースデーケーキの被り物をした俳優が登場して、佐々木愛を驚かせたことがありました。
▲豪華なケーキを用意して誕生日を祝うのが恒例
編集部
とても仲がいい様子が見てとれますね。文化座は、劇団の雰囲気作りをとても大切にされているのですね。
2019年には劇団で忘年会をされたそうで、その時の様子をFacebookで拝見しました。いくつかのチームに分かれて出し物を披露されたようで、軍服を着て、ニュージーランド・マオリ族の民族舞踊“ハカ”を披露されている様子などが投稿されており、楽しそうな様子が伝わってきました。
普段からこうして深い信頼関係を築いていることも、劇団の団結力につながっているんでしょうね。
▲“望年会”でハカを披露する劇団員
劇団員の得意分野、「この演技はこの人!」のような、劇団員について注目すべきポイントがあれば教えてください。
原田さん
「ゲートル(軍服の足に巻く長い布)を巻かせたら、文化座の男優が一番!」といわれるほど、戦争を経験した劇団ならではの作品が多く、軍服を着ることや丸坊主になることは当たり前の文化座の男性陣です。ぜひ今後注目していただけたらと思います。
▲軍服を着る俳優さんの足元に巻かれた布がゲートル
▲役作りのため坊主頭に!
編集部
カツラではなく実際に坊主にされるんですね!戦争がテーマの作品も多いということで、文化座にとっては“断髪式”は恒例行事なんですね。
▲公演に向けて坊主頭にする俳優さんと劇団のみなさん
戦時中の様子をリアルに再現されていることも、文化座の公演にお客さんが引き込まれる要素のひとつなんでしょうね。
文化座では、ふだんどのような稽古をされていますか?どのような雰囲気で稽古されているのでしょうか?
原田さん
文化座には稽古場があり、約70年その場所からすべての作品が生まれています。稽古前には、それぞれがストレッチをしたり、声出しをしてウォーミングアップしていますが、稽古が始まると一気に緊張感に包まれた空間に変わります。
稽古中、私語はほとんどありません。皆、人の演技も集中して観ています。稽古初日から、大体平均で40日くらいで本番を迎えます。
編集部
仲がいいと稽古中も笑顔が絶えないのかなと思いましたが、普段のアットホームな雰囲気を一切感じさせないような空気になるんですね。
感動の声:劇団文化座の公演を観劇したお客さんの口コミと感想
編集部
文化座の劇を観たお客さんからは、どのような感想をもらうことが多いでしょうか?
原田さん
作品選びにこだわっているため、「よくぞこの時代にこの作品をやってくれた!」とか、「企画が素晴らしい!」といったお声をいただくことが多いです。
現在は特に、劇場を出るときに「公演が難しい中なのに公演してくれてありがとう」と涙を浮かべて出て行かれる方が多く、「こちらこそ来てくださってありがとうございます!」というご挨拶が飛び交っています。 ※2022年1月時点
編集部
時代背景にあった作品を公演されているからこその感想ですね。「この作品からこんなことを感じてほしい」と思って公演する文化座と、それを受けるお客さんが一体となっているかのような感想だなと思いました。
生の演技に魅了される観客:時間を忘れるほどの没入感を体験
文化座の劇を観覧されたお客さんの感想を拝見した中では、以下のようなものもありました。
- 芝居は生に限る。すごく泣いて、すごく笑った。俳優さんが生き生きしていて、まるで鼓動が聞こえるようだった。
- 役者さんたちの生の演技に、時間を忘れてのめり込んだ。
- 内容に入り込んでしまい、一幕が終わるのが早く感じた
目の前で繰り広げられる生の演技に、時間を忘れて引き込まれる方が多いようです。俳優さんと同じ空間を共有し、「その時」にしか感じられない生きた演劇だからこその魅力があるのかもしれません。
劇団文化座からカップルへのメッセージ
編集部
新型コロナウイルス感染症対策の蔓延による自粛期間中は大変な時期だったかと思います。そのときに感じたことや、その期間があったからこそお客さんに対して伝えたい思いなどがあれば教えてください。
原田さん
演劇界にとって、新型コロナウイルス感染症の蔓延は青天の霹靂でした。2年前、私達はある日突然、公演を中止させられたのです。今まで当たり前のように芝居作りに励んだ俳優・スタッフはその瞬間にすべてを奪われました。そして、お客様も。
翌日から何もすることがなくなり、見えない恐怖と喪失感で体調を崩す人もありました。それでも、沢山のお客様から励ましのお電話や、支援物資をいただき、劇団としても俳優たちの生活を守るために必死で考えました。
コロナ禍で経験した「芝居ができない」という予想もしなかった現実と向き合い、今では「芝居ができる喜び」そして、「客席にお客様がいる喜び」をかみしめながら、一歩一歩前に進んでいます。
クラウドファンディングに挑戦したり、公式アプリをつくってみたり、新型コロナウイルス感染症がなければ挑戦していなかったことも多くあります。そして何より、観に来てくださるお客様の盛大な拍手が、俳優たちの我慢の二年を吹き飛ばしてくれるように思います。
皆様に喜んでいただける作品を創ることが、そのご恩返しだと思って続けていきます!
編集部
2020年からの自粛期間中にもできる限りのことに取り組まれていたのですね。新たなジャンルへの挑戦を大切にされている文化座ならでは、と感じます。
公式アプリでは劇団の新着情報を知ることができたり、貯まると素敵な特典がもらえるスタンプカードの機能もあるそうですね。文化座の公演を観る上で重宝されると思います。
では最後に、これから劇団文化座の公演を観に行こうと検討しているカップルへ、メッセージをお願いします。
原田さん
喜劇やお笑いのような作品はないかもしれませんが、芝居を観た帰り道、隣にいる大切な人を、もっともっと大切にしたくなるような、心に響く作品をお届けします。
ぜひ一度ご覧になってみてください。劇団員一同、劇場でお待ちしております。
編集部
劇団の想いがヒシヒシと伝わり、お話を聞いているだけでも文化座の演劇を観たような気持ちになりました。演劇を観たら、きっと感動の波に打ちひしがれるでしょうね。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
チケット購入方法
チケットは、劇団に電話またはメールで申し込みできます。e+や、カンフェティなどのチケットサイトでも購入可能です。文化座公式アプリでは、会員様特別割引チケットも購入できます。
劇団文化座の基本情報:アクセス、料金、公演時間など
住所 | 〒114-0014 東京都北区田端3-22-12 |
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問い合わせ先 | 03-3828-2216 |
チケット料金 | 4,000円~5,500円が多い |
平均公演時間 | 2時間半(途中休憩あり) |
公式サイト | http://www.bunkaza.com/ ※チケット取り扱いも公式サイトから |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です
観劇前後のデートプラン:劇団文化座周辺のおすすめスポット
直近で公演予定の江東区亀戸にある亀戸文化センター周辺でおすすめのデートスポットも合わせて紹介します。すべて亀戸駅から徒歩15分圏内ですので、車を持っていないカップルにもおすすめです。
おすすめのデートスポット
観劇後の癒しスポット:自然豊かな亀戸中央公園で散策デート
芝生広場や池があり、大人カップルが休憩するにもピッタリの公園です。サザンカの名所としても知られるスポットなので、10月~4月ならキレイな花を観ることもできます。
演劇を観てたくさんの刺激を受けたら、きっと恋人といろいろな話に花が咲くはず。「亀戸中央公園」なら、お互いに感じたことを語らいながら、ゆったりした時間を過ごせますよ。
江戸の味を堪能:発酵くず餅の老舗「船橋屋亀戸天神前本店」
江戸時代に創業し、200年以上たった今もなお愛されている船橋屋。1年以上かけて発酵させるという小麦でんぷんを使ったくず餅は、優しくてツルンとした食感が楽しめるとあり、行列ができるほどの人気です。
文化座の演劇を観たあとは感動の波で泣きつかれているかもしれないので、甘いものでホッとリラックスする時間を作るといいかもしれません。
スイーツ好きのカップルなら、ぜひ訪れてみてくださいね。
公式URL:https://www.funabashiya.co.jp/accessmap/shop01.php
郷土料理で舌鼓:100年以上の歴史を持つ「亀戸升本本店」
亀戸升本(ますもと)は、明治38年創業の100年以上続く割烹料理がいただけるお店です。亀戸大根を使った郷土料理が人気で、メディアでも何度も取り上げられています。
観劇の前にランチとして使用するもよし、鑑賞後のディナーとして使用するもよしです。ランチが2,000円ほどと、少し奮発が必要ですが、上品で豪華な食事がいただけます。
公式URL:https://masumoto.co.jp/
亀戸エリアのデートスポット:パワースポットや人気カフェも
・パワースポット「亀戸天神社」
・お味噌屋さんが運営するカフェ「佐野みそ亀戸本店」
まとめ:劇団文化座で心温まる舞台体験を。カップルの絆を深める特別なデートに
劇団文化座へのインタビューを通して、劇団の魅力や歴史、劇団員のお客様への想いについて紹介しました。文化座の演劇には、人間の弱さや尊さを表現し、観た人の心を打つような作品がたくさんあります。
ちょっと頑張りすぎて心が疲れてしまった人や、恋人との関係がマンネリ化してしまったカップルに、ぜひご覧いただきたい劇団です。
文化座の演劇から元気と刺激をもらい、鑑賞後はきっと心が温かくなっていると思いますよ。ぜひ参考にしてくださいね。