引っ込み思案な僕がペアーズで彼女ができた体験談
僕はまったく平凡を絵に描いたような男です。
学生時代には一応、彼女らしき存在もいました。しかし社会人になり彼女とも疎遠になりました。零細企業では毎年の新入社員もおらず、女性といえば50代の母親世代。僕にはこれといった趣味もなく、気づけば家と会社の往復のみ・・・。
とても平凡な僕は普通にしていれば、超美人とかアイドルみたいな子は無理でも、それなりに気の合う女性と知り合い、結婚をし、平凡だけど幸せという、これまた絵に描いたような将来が「くるものだ」と信じて疑っていませんでした。
しかし、社会人になって数年たち、5年たっても女性との出会いはありません。そんな僕を助けてくれたのが弟でした。弟が女性と出会えるマッチングアプリを教えてくれたのです。これは「引っ込み思案でオクテすぎる僕のアプリ体験談」です。
マッチングアプリ「ペアーズ」でいいねを貰った日
マッチングアプリは弟から教えてもらいました。大学を中退し、旅に出るとかいって自由気ままにしていた弟はアプリでハーフの女性と知り合い、僕より先に結婚をし、ふたりでナチュラル派向けのカフェを経営しています。
何かと要領のいい弟に「兄貴もさ〜、会社と家を往復するだけじゃ新しい出会いを見つけるのは難しいからマッチングアプリでも使ってみたら」と言われペアーズを紹介してもらったのです。
ペアーズというアプリは、日本で一番といっていいくらい会員数が多く、たくさんの女性が登録しています。男性は月4,000円程度で利用でき、女性は無料とのことでした。使い方を教えてもらい、弟が僕の自己紹介文、プロフィールも作成してくれました。
僕「てつと」のプロフィール
- 32歳
- 大手メーカーの孫請け企業勤務
- 年収400万
- 休みの日は海外ドラマを見ることが多い
- テニスが得意
弟が作ったプロフィールは間違ってはいませんが、テニスなんて学生時代以来やっていないし、何も見るものがないから海外ドラマぼけっと見てるだけなんだけど。弟が「ほんっとに兄貴は特徴ってもんがないな」と首をふりふり、作ってくれた僕のプロフィールです。
僕と比べて弟は昔から行動的でした。スポーツ万能で成績もトップクラス、運動会では常にリレーの選手。母親が「長男はおっとりとはよく言うけれど、もうちょっとなんとかならないの」とイライラした様子でぼけーっとしている僕をよく叱ったものです。
僕は弟に嫉妬するとかもなかったです。弟はすごいなあと思うだけでした。兄弟とはいえ、弟が兄みたいな感じで、僕はあいかわらず結婚はおろか、彼女も出来ず、こうして弟任せでいたのでした。
恋人・結婚相手に対する条件なんてなかった
マッチングアプリ「ペアーズ」の話に戻ります。
弟に、アプリで相手を探す方法は何歳くらいの、どんな人と知り合いたいのか条件をいれて検索するだけだよ、と言われました。
しかし、僕はハタと困りました。もちろん、北川景子さんのような女性に憧れるとか、NiziUのAYAKAさんみたいな人が恋人だったらなぁ、なんて思うことはありますが、それは単なる夢。
「趣味といってもDVD見るくらいだし、同じ趣味の人でなくてもいい」
「とにかく普通の人」
「あ、未成年とか高校生とかはダメだよ」
僕が答えると弟はあきれたように「そもそもペアーズはちゃんとしたアプリで18歳以下は登録できないからね」と苦笑いになりました。年齢確認をしないといろいろな機能が使えないし、高校生は登録できないのだと教えてもらいました。
そして、ペアーズのように大勢の人が登録しているアプリでは、ある程度、条件で絞り込まないと相手が見つけにくいと言うのです。
思いつかない僕にかわって、業を煮やした弟が勝手に条件をいれてました。
ペアーズで「いいね」したら「ありがとう」が返ってきた!
地域も居住地の近辺に設定してくれたみたいで、するとぱぁーーーっと女性の写真がたくさん出てきたので驚きました。とにかく「使わないとダメ」と弟が言うので、パッと見て印象の良い女性にいいねを送ってみました。
こんなんで女性と知り合えるのか?と思いつつ、毎日ログインしては、せっせとイイネをしていたら、なんとそのうちのひとりから「ありがとう」が返ってきました。それからメッセージ交換をするわけです。
実を言うと、女性とLINEのようなツールでプライベートなメッセージのやり取りをするのは初めてでした。僕はとても緊張しました。
「こんにちは、はじめまして」といれると、相手からも返信がくる。何を書いていいかわからなかったから、「仕事が終わってこれから夕飯です」「今、夕飯食べながらテレビ見てます」「これから明日の資料を見直して寝ます」とこんな感じで返しました。
ほとんど日記ですね(笑)
それでもしばらく彼女とやり取りは続きました。もっともいっこうにお誘いしない僕に見切りをつけたのか「てつとさんは私にそれほど興味がないのかな〜」「せっかくですが色々と忙しくなってしまったので」みたいに女性から去っていくパターンがつづきました。
積極的な女性との出会い
しばらくペアーズを使っているうちに、僕は出てきた写真だけを見るのではなく、相手のプロフィールやサブの写真もよく見るようになりました。「世の中にはこんなにたくさんの女性がいて、出会いを求めているんだな」とプロフィールを見るたびに不思議な思いになりました。
サブの写真でひとりキャンプの様子を写しているものがあって、ビックリしました。女性のひとりキャンプってなんか勇気あるなと思ったのです。興味がわいてきて「チコさん」にいいねをすると、すぐにありがとうが返ってきました。
女性からアプローチされた!
チコさんは、いつも通りの「こんにちは、はじめまして」からの「これからランチタイムです」「残業が終わったので帰宅します」僕の日記メッセージにも反応が早かったです。たとえば「ランチの時間になりました」と僕がメッセージを送ると次のように戻ってきました。
チコさん「ランチ? 何食べるんですか?」
僕「そばです」
チコさん「渋い(笑)わたしもそば好きですよ」
僕「一応、立ち食いではない、老舗のそば屋さんです。つゆがおいしいです」
チコさん「今度、誘ってくださいね!」
え、誘ってください?
これって女性からのデートのお誘い?
しかし、僕はここでも「うーん、お誘いなんだろうか、社交辞令だろうか」などと悩んでうやむやにしていました。
僕「今はSUITのアメリカ版を見ています」
チコさん「日本のドラマは見ました〜。本家本元はアメリカなんですよね」
僕「はい、そうです」
どうしても僕は堅苦しい返信になってしまうんです。しかしチコさんは気にしない感じでした。
チコさん「わたしもアメリカのSUIT見てみようかな。見たら感想話し合いませんか?」
おおおお、またまた誘われてる?
こんな具合に僕の日記メッセージに何かしら反応してくれたんです。そしてついにチコさんから「よかったら会ってみませんか」とストレートなメッセージが届いたのです。
年下だけどリードしてくれる女性
僕は「いいですね、ぜひお会いしたいです」と返信すると、チコさんが待ち合わせ場所からお店までどんどん決めてくれました。さすがに途中で申し訳なくなりました。
「実は学生時代以来、きちんと女性とお付き合いしたことがなく、何もかもお任せみたくなってしまい申し訳ないです」
僕なりに精一杯の返信を送りました。チコさんは「いいのいいの!気にしないでくださいね」という優しい返事がきました。
初デートでまさかの告白タイム
待ち合わせ場所は大きなショッピングモールでした。湾岸沿いにあり、テラス席からは海が見えるカフェで昼ご飯を食べました。お互い電車だったので「せっかくだから白ワインくらい飲みましょうか」と彼女に促されて、「いいですね!」と僕が答えると、チコさんはおおらかに笑いました。
僕はメッセージでも、なにかと「いいですね」と返していたので、おかしかったみたいです。とはいえ、女性にリードしまくられるデートじゃ、きっと次はないなと心の底で思っていました。
チコさんとほろ酔い気分でデッキを歩いていると、こんな話をしてくれました。
彼女は男性が多い保守的な会社で働いていて、ほとほと「上から目線」の男性に嫌気がさしていたそうです。さらに父親も非常に封建的で、母親がいつも小さくなっているのを見て、子供心にイヤだなと思っていました。
チコさん「マッチングアプリでいいなと思った方も、最初はいいのですが、だんだんとオレの言う通りにして、みたいな雰囲気になってくるのがイヤだったんです」
チコさん「てつとさんは木訥としていらっしゃるけど、とても誠実そうだし、真面目なところがわたし、好きです」
好きです?
うわ。
告白までされてしまいました!
星空の下で初めての・・・
その後も毎回、彼女からデートの誘いがきて、僕はそれにのっかる形でした。キャンプも彼女に誘われて初めて行きました。弟に話をしたら「えー、キャンプ!? 男がリードしないキャンプって最悪じゃん。兄貴、それヤバいよ、見切られるな」と言われました・・・。
でも、チコさんはせっせと準備をしてくれて、僕にテキパキと指示をだしてくれました。僕は指示をだしてくれたら頑張ります。チコさんの言うとおりに料理の手伝いもしました。星空を見ながら飲むワインは最高でした。
チコさん「てつとさんはホント、変わらないね。マイペース」
僕「あ、うん」
チコさん「わたしはてつとさんのそういうとこが大好きなんだ」
チコさんが用意してきたベンチみたいな椅子にふたりで座っていたのですが、彼女が僕によりかかってきました。僕の目の前ではたき火がちろちろ燃えていて、こういうのってロマンチックっていうんだろうなぁとか思いました。
気づいたら、僕とチコさんは唇を重ねていました。
と、思い出すだけで赤くなりそうです。いや、別に僕だってまったく経験がないわけじゃないですよ。うまく言えないのですが、僕は単純に自分から女性にアプローチできないんです。でも、女性が苦手なわけではなく、いえ、逆に女性のあたたかさや抱きしめたときの感触とか、すごくすごく好きです。
その日を境に、チコさんいわく「わたしたち、もう恋人同士だよね!」ってことになりました。
とつぜんの逆プロポーズ
弟とハーフのお嫁さんがやっているナチュラルカフェに、初めてチコさんを連れていったのはキャンプから1ヶ月くらいたった頃でした。僕がいきなり彼女と現れたから、弟はビックリしていましたね。もっとビックリしたのは、チコさんが元気に言い放った言葉です。
「あ、弟さんなのね!はじめまして。弟さんがペアーズをてつとさんにすすめてくれたおかげで、わたし、てつとさんと出会うことができました!」
僕はニコニコしているだけで、弟はあきれ果てたように僕を見つめていましたが、ぼそりと「兄ちゃんにはピッタリかもな」とつぶやいていました。
カフェでは弟のお嫁さんが、ひじきとか玄米とか野菜のキッシュとかのったナチュラルワンプレートのランチを運んできてくれました。そしてグイっと親指を上につきだして「お似合い!」と言ってくれました。
かかぁ天下バンザイ!
チコさんは「素敵なお店だね、ここがいいと思う」
と言いました。
僕「え? なにが?」
チコさん「これから貯金とかもちゃんとしていかないとならないし、わたし、派手な結婚式とかイヤなんだけど、てつとさんはどう思う?」
僕「いいね、派手じゃないほうがいいよ」
これが、つまり
逆プロポーズ
と僕の返事でした。チコさんはころころ笑っていました。
チコさん「これからも、てつとさん、いいですね、いいね、ってわたしの話をずっと聞いてね」
僕「うん」
まさか真っ昼間のカフェで、彼女から逆プロポーズされてるとは思わないのか、弟たちも何も気づいていません。
チコさんがこう言いました。
チコさん「そっくりだね、てつとさんと弟さん」
僕は心底驚きました。そしてあわてて首をふりました。
僕「前にも話したと思うけど、弟は昔からなんでもできて、僕と違ってシッカリしてて」
僕の話をさえぎるようにチコさんは言うのです。
チコさん 「ううん、そっくりだってば! だって、ほら?」」
チコさんが指さした向こうに、お嫁さんに言われてテーブルを片付けたり、ワインを選んだり、忙しそうに立ち働いている弟が見えました。お嫁さんは時々、周囲にわからないようにですが弟にゲキを飛ばしているんですよ。
チコさん「ウチもきっと、かかぁ天下だよ? いい?」
僕「うん、いいね」
チコさんはまた笑いました。
出会いのチャンスを増やせば恋人はきっと見つかる
その後、僕たちは正式に婚約をしました。弟のカフェで身内だけの結婚式を挙げる予定です。僕みたいに、流されやすいというのか、自分の意思表示が苦手なタイプでも、ちゃんと相性のよい相手っているんだなとつくづく思います。
でも、相性の良い相手がいつでもどこでも見つかるわけじゃありません。会社で出会える人数はたかが知れてるし、僕のように行動範囲が狭い人はそもそも出会い自体がありません。
多くの人がいれば、それだけ「相性のよい相手とめぐりあうチャンス」が増えます。アプリなら、家にいても、出会いは見つかります。だから、マッチングアプリって人気があるのではないでしょうか。
僕がチコさんを連れて実家に帰った時、母親はとても嬉しそうでした。言葉数の少ない父が帰り際に僕に「お前も、かあさんに似たタイプを連れてきたな」と言いました。
そういえば、わが家は母が強い。かかぁ天下はどうやら家系なのかも(笑)
僕が使ったアプリはこちら→ペアーズ