既婚男女330人に聞いた「幸せに必要なもの」調査で『子供』は5位に。子供がいなくても幸福度を感じるのか調査

既婚男女330人に聞いた「幸せに必要なもの」調査で【子供】は5位に。その理由とは?

未婚率が上がり、結婚にこだわらない人生を選択する人も増えている現代。一方で、婚活サービスの登録者は年々増加し、真剣に婚活している男女も多くいます。

でも「結婚したら本当に幸せになれるのか」という心配は、結婚に真剣に向き合うほど尽きません。そしてそれは、実際に結婚してみないとわからないものです。

そこで、マッチングアプリ大学では20代から60代の結婚経験のある男女330名を対象に、「結婚」と「幸福度」の関係について調査を行いました。

「幸せに必要なものは?」という質問には、男性と女性によって微妙な違いも明らかになりました。結婚を経験した男女の意識を比較し、令和時代の結婚と幸福度の関係についてお伝えします。

結婚を経験している男女の72.2%が「いま幸せ」と回答

まずは結婚経験のある男女全員に対して、現在幸せかを尋ねてみました。

既婚男女330人に聞いた幸福度のアンケート結果

「とても幸せ」「幸せ」の合計が72.2%、「普通」が15.7%、「あまり幸せでない」「幸せでない」の合計が12.1%でした。

幸せと回答した人は70%を超える結果となりました。このことから、多くの人が結婚生活を経験して幸せを感じているといえそうです。

結婚相手との出会い方は幸福度に大きくは影響しない

続いて、結婚相手との出会い方と幸福度の関連性について調べてみました。「幸せ」と回答した人と「幸せではない」と回答した人とでは、結婚相手との出会い方に違いは見られるのでしょうか?

既婚男女278名に聞いた結婚相手と出会った場所

「とても幸せ」「幸せ」と回答した【いま幸せ派】が結婚相手と出会った場所として多く挙がったのが、「職場や取引先」「友人・知人・親族の紹介」「学校」などのいわゆる自然なきっかけで、その合計は72.3%でした。

【いま不幸せ派】が結婚相手と出会った場所についても、自然なきっかけが72.5%、婚活による出会いは15.0%で、【いま幸せ派】とほぼ同様の結果となりました。

このことから、結婚相手との出会いのきっかけは、結婚生活を送る上での幸福度には大きく影響しないと言えそうです。

結婚期間の長さは幸福度に大きく影響しないが、2年・5年目は要注意

今度は、結婚期間の長さと幸福度の関係についてみていきましょう。

既婚男女259名に聞いた現在の結婚相手との婚姻期間

【いま幸せ派】で一番多かったのは「11年〜15年目」の18.4%、続いて「21年〜30年目」の11.8%、「16年〜20年目 」の8.8%でした。結婚期間が10年未満だった人は49.4%、10年以上の人は50.6%で、特に大きな偏りは見られないという結果です。


【いま不幸せ派】の場合は、一番多かったのが「11年〜15年目」で19.3%、続いて「5年目」の16.1%、「21年〜30年目」で12.9%でした。結婚期間が10年未満だった人は45.1%、10年以上の人は54.9%で、【いま幸せ派】同様に特に大きな偏りは見られませんでした

厚生労働省の「人口動態統計月報年数(概数)の概況」によると、ここ十数年のあいだ、結婚2年目の離婚がもっとも多い状況が続いています。また、結婚5年以内の離婚率は3割を超えている状況です。この2年・5年という年数で見てみると、【いま不幸せ派】の数字がピンポイントに増えているのが分かります。

このことから、結婚期間の長さは結婚生活を送る上での幸福度に大きく影響しませんが、2年目・5年目は「幸せでない」と感じる人が増える傾向にあると言えそうです。

「幸せ」と回答した人の61.4%は世帯年収500万円以上

次に注目したのが世帯収入です。「とても幸せ」「幸せ」と回答した【いま幸せ派】と、「あまり幸せではない」「幸せではない」と回答した【いま不幸せ派】で比較してみました。

既婚男女278名に聞いた世帯年収

【いま幸せ派】の世帯年収でもっとも多かったのは「500万円〜600万円」で18.5%、次いで「400万円〜500万円」の17.2%、「300万円〜400万円」が15.5%、「1,000万円以上」が11.8%という結果でした。

また、【いま幸せ派】の61.4%が世帯年収500万円を超えています。日本人の年収中央値(※1)が366万円(※2)であることから考えると、平均よりも高い水準の生活を営めていると予想されます。

前章の「幸せにはお金が必要」と回答した理由にもあったように、「お金(経済的な余裕)」が精神的なゆとりを生み出すことで夫婦間の関係を良好に保つことができるため、幸福度に影響をもたらしているのかもしれません。

(※1)年収中央値とは・・平均値と異なり極端に高いまたは低い年収に引きずられないため、一般的な給与水準を理解しやすい
(※2)国税庁「令和3年 民間給与実態統計調査」より

「幸せでない」と回答した人は世帯年収300万円未満が多い

一方で、【いま不幸せ派】で一番多かったのは、世帯年収が「300万円未満」の27.5%でした。続いて「400〜500万円未満」が20%、「500万円〜600万円」が18%で、年収が500万円を超える割合は48.4%という結果です。

500万円を超える割合の差で比較すると、【いま幸せ派】と【いま不幸せ派】の差は13%です。ですが、300万円未満の差は21.6%にも上ります。

このことから、結婚生活における幸福度には「お金」が大きく影響すると言って良いでしょう。

結婚生活では、さまざまな選択をする場面があります。大きくは住宅購入や子どもの教育費から、小さくは何を食べ何を着るかまで、そのすべてに対しお金がかかります。お金があるかないかによって、選択肢に大きな違いが生じることは言うまでもないでしょう。

そうした選択を行うたびに生じる、小さな我慢や不満が、「幸せでない」と感じさせる要因になっているのかもしれません。

幸せを感じやすいパートナーとの共通点は、価値観と金銭感覚

パートナーと似ている(同じ)と感じるところについても聞いてみました。

パートナーと似ている(同じ)ところを既婚男女に聞いたアンケート結果

【いま幸せ派】でもっとも多かったのが「価値観」で57.1%、2番目に多いのが「食べ物の好み」で47.1%でした。

【いま不幸せ派】については、もっとも多かったのが「食べ物の好み」で40%、2番目に多いのが「年齢」の27.5%です。【いま幸せ派】で1位だった「価値観」は3位で25%と、2倍以上の差が見られました。

パートナーとの共通点でもっとも違いが顕著に表れたのが「金銭感覚」です。【いま幸せ派】では3位の41.2%だったのに対し、【いま不幸せ派】は同率9位の10%に留まりました。その差は31.2ポイントです。

前章でも「お金」は結婚生活における幸福度に影響を及ぼす可能性があると述べましたが、「金銭感覚」の違いに関しても同様に、幸福度に影響を及ぼす一因といえるのかもしれません。

パートナーと価値観・金銭感覚が似ていると、ストレスを感じにくい

【いま幸せ派】の人がパートナーとの共通点に対してどのように感じているのか、具体的に聞いてみました。

【価値観が似ている人の意見】

基本的に同じ感覚を持っていて、どちらも自分のことを主張しすぎない性格なので、一緒にいても疲れずに過ごせる。(40代男性)
出来事や問題に対する見解がほぼ同じでした。意見の近い人と一緒に生活すると、ストレスが少なくて快適でした。(50代女性)
良い・悪いの価値観が似ている事で、喧嘩をしても話し合いでお互い納得のいく解決策が見つかります。(20代女性)
とにかく全ての価値観が似ているので、感覚が違うと感じることがほとんどないのが楽です。(30代女性)
価値観が似ているので例え喧嘩をしても長引くことがなく、翌日には何事もなかったように仲直りをするのが早い。(30代男性)

価値観が似ていることで物事に対する考え方や好き嫌いも近いため、意見の不一致などがおきにくく不満を感じることが少ないようです。また、例えケンカをしても仲直りしやすいという意見も見られました。

このような一緒に過ごすなかでのストレスのなさが、幸福感に繋がっているのかもしれません。

【金銭感覚が似ている人の意見】

価値観や金銭感覚が近いので「え?これにお金かける?」みたいなことが少なく、楽しく日々を過ごせる。(30代男性)
二人とも無駄遣いしない、節約志向と金銭感覚が同じなので、お金に関してストレスが溜まりません。(30代男性)
子供の教育など必要なところにお金をかけるなど金銭感覚が似ているので、お互い散財せず貯金もできます。(30代女性)
金銭感覚や価値観が同じなので、買い物や外食などの際、あまり考えなくても意見が合うので気を使わなくても良い。(40代女性)
金銭感覚や食の好みが似ている。だからこそ、付き合っていた時から揉める機会が少なかった。(20代女性)

夫婦に限らず、金銭感覚が大きく異なる人と一緒にいると疲れてしまうことはよくありますよね。夫婦となるとなおさらに、自分の生活に大きく影響する分、相手のお金の使い方が気になる場面も増えてしまいます。そうしたストレスがないので楽しい・幸せという意見が多く見られました。

価値観と金銭感覚が似ていることで得られるメリットとして共通なのは、「ストレスが少ない」という点のようです。やはり、そのことが幸福感に繋がっているといえそうですね。

幸せに一番必要なものは「健康」という回答が最多

これまでの調査では、お金や価値観・金銭感覚の共通が幸福度に影響があることがわかりました。では体感的には、なにが「幸せに一番必要」だと捉えているのでしょうか。ずばり質問してみました。

既婚男女330名に聞いた幸せに一番必要なもののアンケート結果

一番多かったのは「健康」の33.3%、次に「お金」の27.6%でした。続いて「配偶者の理解・価値観の共有」18.5%、「配偶者の存在」8.5%、「子供」6.7%という結果です。

男女によって違いがあるのかも比較してみました。

幸せに一番必要なもののアンケート結果・男女比較

男女とも1位、2位は「健康」「お金(経済的な余裕)」という回答で違いはありません

違いが見られたのは3〜5位です。3位は、男性が「配偶者の存在」だったのに対し、女性は「配偶者の理解・価値観の共有」でした。女性の場合、「互いに理解しあえる配偶者でこそ幸せを得られる」と感じている人が多いようです。

また「子供」に関しては、男性が5位で4.5%、女性は4位で8.6%と、占める割合は低いものの男女で約2倍の差がありました。

男性が「子供」よりも「配偶者の存在」を必要と考える人が約3倍多いことは、「配偶者の存在」よりも「子供」を必要とする割合が2倍多い女性との、大きな違いといえるかもしれません。

幸せに一番必要なものを選んだ理由とは?

回答者に、なぜそれが幸せに一番必要だと思うのかについて、それぞれの理由を詳しく聞いてみました。

【健康を選んだ理由】

健康でなければ、いくらお金があっても、どんなに良いところに住んでいても、辛いと感じてしまうから。(20代男性)
お金や趣味などあっても、健康でなければそれが実現できないため。(30代男性)
家族全員が健康であることが何よりも優先されるべきだと思うから。(50代男性)
なによりも自分が健康でいなければ、他のものもすべて手に入らないと思うから。(20代女性)
子供が産まれて、自分より大切な存在がこの世にあるということを実感した。子供はママとパパが大好きなので、長生きして大人になるまでお世話してあげたい。そのためには健康でいなければと思った。(30代女性)
お金や余暇、家族の存在ももちろん大事ですが、家庭生活をする上でやはり「健康」であり続けることが一番重要です。(40代女性)

【お金(経済的な余裕)を選んだ理由】

お金が無いと生活に余裕がなくなり、結果としてケンカなどが増えると思うからです。(20代男性)
何をするにもお金がかかるし、お金がないと気持ち的に余裕がなくなるから。(30代男性)
常にお金の使い方で揉めて、喧嘩をしているから。(40代男性)
お金に余裕があれば、心にも余裕ができてお互い不満を言うことも少なくなると思う。(20代女性)
お金があれば、住居も趣味も子供の有無も、選択肢が広がるから。(30代女性)
本来なら子供なのですが、やっぱりお金がないと子供を育てられないし、子供に不自由させてしまうのでお金を選びました。また、お金があると心に余裕もできるためです。(40代女性)

「健康」「お金(経済的な余裕)」を選んだ理由としてさまざまな意見が見られましたが、そのなかで「子供のために健康でありたい」「お金がないと子供が育てられない」いう意見も散見されました。

子育てにはお金がかかります。子供の大学卒業までにかかる平均的な教育費は、全て国公立でも約800万円、全て私立であれば約2,200万円かかる(※1)と言われています。この教育費を捻出するためにも、健康で働けて、収入を絶やさないことが必要であるという考えが根底にあるのかもしれません。

幸せに一番必要なもの」のなかで子供を選ぶ割合が少なかった理由の1つに、子供の幸せを願うからこそ「健康」や「お金」が一番必要であるという考えがあることが分かりました。

(※1)文部科学省「資料5−2教育投資参考資料集」より

【配偶者の存在を選んだ男性の理由】

配偶者がいることで、子供たちが元気に育っていますし、自分も頑張らないとと思えるので、幸せだと感じています。(30代男性)
やはり妻がいないと何をしても幸せと思わないからです。(40代男性)
やはり妻と仲良く、子供とも上手く付き合える状態が一番幸せであり、理想の家族形態じゃないでしょうか。(50代男性)
ふとした瞬間に、側にいてくれる存在はどんな状況でも幸せにしてくれるんだなと思います。孤独感がなくなります。(30代男性)

【配偶者の理解・価値観の共有を選んだ女性の理由】

自身を受け入れてくれているという安心感が幸せにつながると思うから。(20代女性)
お互いに対する理解がないと、生活する上で許せないことや目につくことが出てきてしまうと思う。また、価値観の共有がないと、生活の中でなにかとズレを感じてしんどくなりそう。(30代女性)
一番身近な存在だけに理解したいし理解して欲しいと思っています。その価値観が共有できればケンカも少なく幸せだと感じます。(40代女性)
価値観を共有したり理解してもらえる事で、長い結婚生活のなか例え何かあったとしても乗り越えられると思います。(50代女性)

「配偶者の存在」を選んだ男性のコメントでは、配偶者や子供の存在が結婚生活でかなり大きな比重を占めていると感じられるものが多くなっています。「妻がいるからこそ子供が元気に育ってくれる」という思いが、配偶者の存在が幸せに必要だという考えに繋がっているようです。

一方で「配偶者の理解・価値観の共有」を選んだ女性については、「理解しあうことでケンカせずに暮らせる」という意見のほかに、「価値観を受け入れられることで自身の存在意義を実感する」という意見もありました。女性の場合は、価値観の共有によってアイデンティティを保つという側面もあるようです。

まとめ|家族を守るための健康とお金、夫婦の相互理解が幸福度につながる

とめ|家族を守るための健康とお金、夫婦の相互理解が幸福度につながる

今回のアンケートでは次のようなことが分かりました。

・結婚相手との出会い方・婚姻期間は「幸福度」に影響なし
・幸福度には世帯収入が影響する傾向
・価値観と金銭感覚が似ている夫婦は、幸せを感じやすい
・幸せに必要なのは「健康」と「お金」

結婚とお金は切っても切り離せないほど密接な関係性ですが、それは結婚生活における幸福度も同様であるようです。

もちろん、お金がなくても幸せを感じている人は大勢います。ただ、状況が変われば家族の親密度や関係性が大きく変わることも少なくありません。長い結婚生活のなかで、万が一不測の事態が生じた場合でも、家族を守る術として多くの選択が取れるようにするためには、ある程度のお金は必要といえそうです。

また、今回のアンケートで【幸せに必要なもの】の上位は「健康」と「お金」でしたが、けっして配偶者や子供よりも優先度が高いというわけではありません。回答を詳しく見てみると「家族の幸せのために健康とお金が必要」という意見が多く、結婚生活において家族の存在の大きさを感じる結果でした。

もしかしたら結婚における幸福度は、家族を守るための「健康」と「お金」、そして夫婦の相互理解、これらのバランスにより決まるのかもしれません。

 

【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:結婚を経験した20〜60代の男女
アンケート母数:男女330名
実施日:2023年5月26日~6月5日
調査実施主体:マッチングアプリ大学
調査会社:株式会社ネクストレベル