【奈良・長谷寺】国宝本堂での仏前式 – 自然と歴史に包まれる感動挙式
奈良県桜井市にある真言宗豊山派(しんごんしゅうぶざんは)の総本山である長谷寺。一年を通して四季折々の花や自然の景観を楽しめることから「花の御寺」とも呼ばれています。今回は、そんな長谷寺の仏前式について紹介します。
基本情報
- 国宝の本堂で挙式できる
- 自然の景観が豊かな境内で重要文化財である十一面観音さまの御前にて厳かに式を執り行える
- 「わらしべ長者」の舞台となった有名なお寺
スタイル | 仏前式 |
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参列者の制限人数 | 約50名 |
予約の期限 | 希望日での予約は3ヶ月前 |
アクセス | (大阪方面から) ・近鉄大阪線「長谷寺駅」下車、徒歩15分 ・近鉄大阪線、JR万葉まほろば線「桜井駅」下車、奈良交通バス「長谷寺参道口」から徒歩10分 (名古屋方面から) ・近鉄大阪線「長谷寺駅」下車、徒歩15分 |
長谷寺で執り行われる仏前式の魅力や流れだけでなく、長谷寺の歴史や見どころについても僧侶の方に話をお伺いしました。
西国三十三所第八番札所・長谷寺の魅力
長谷寺は西国三十三所観音霊場(※)の第八番札所として全国から巡礼者が訪れる寺院です。
(※)西国三十三所観音霊場とは・・・近畿地方の2府4県と岐阜県に33ヶ所ある観音信仰霊場の総称で、日本で最も歴史が古い巡礼と言われています。
長谷寺を含む西国三十三所観音霊場では、全札所にてそれぞれの特長を表現した御朱印を押印してもらえます。また「スイーツ巡礼」と題して各札所の門前で甘いスイーツをいただくことができ、各寺院のスイーツを食べ比べする楽しみもあるため、デートスポットとしても人気を集めています。
デートスポットとして人気の理由はもう1つ。「花の御寺」という別名があるほどに、季節によって違うさまざまな種類の花を境内で愛でることができることです。特に春は10種類以上の花々が境内を華やかに飾り、 私たちの心を癒やしてくれます。結婚式を長谷寺で挙げたいという人は、境内に咲く花によって時期を決めても良いかも知れません。
長谷寺での仏前式を考えているカップルは、これから始まる僧侶の方のお話を参考にしてみてくださいね。
1300年の歴史と「わらしべ長者」の舞台
編集部
長谷寺は出来たのが7世紀とかなり長い歴史をもつお寺だと伺っております。その歴史について教えてください。
僧侶
長谷寺は、686年に開創され1,300年来の歴史があります。道明上人が天武天皇の病気平癒を祈願して銅板法華説相図(千仏多宝仏塔)を鋳造し、西の岡に安置したことが発端と言われています。その後、徳道上人が聖武天皇の勅命を受け、東の岡に十一面観世音菩薩とそれを祀る本堂を建立し、そこから長谷寺の発展が始まりました。
また徳道上人は観音信仰にあつく、西国三十三所観音霊場の巡拝を始めた徳の高い僧でもあります。長谷寺が三十三所の根本霊場と呼ばれるのはそれが理由です。長谷寺は西国三十三所観音霊場第八番札所として、現在も多くの参拝者が訪れています。
編集部
長谷寺は昔話の舞台にもなっていると聞きましたが、どのような話なのでしょうか?
僧侶
長谷寺は、今昔物語で有名な「わらしべ長者」の舞台だと言われています。主人公である若い侍が長谷寺に参詣し、そこで夢に現れた観音さまの御告げがきっかけでわらしべ長者となったというお話です。
編集部
「わらしべ長者」は、誰もが知っているといっても過言ではないほど有名な昔話ですよね。私も幼い頃に読みましたが、一本の藁から長者ほどのお金持ちになる話はとても夢があって、子どもながらに「羨ましい!」と感じた記憶があります。
そんな有名なお寺で結婚式を挙げると、ご夫婦はもちろんのこと、参拝者にとっても忘れられない思い出になりそうですね。
四季を彩る「花の御寺」の魅力
編集部
「花の御寺」として多くの方から親しまれているということですが、どのような花を楽しむことができるのでしょうか。
僧侶
春の桜、牡丹、夏の新緑、あじさい、紅葉と四季折々の美しい景観を楽しむことができます。いつ訪れても自然の彩りが楽しめることから「花の御寺」という別名で呼ばれています。山に囲まれた歴史深き寺ならではの風情と、日本の四季の美しさを感じることができるのが魅力です。
編集部
公式サイトの「花とこよみ」というページを拝見したのですが、季節によって本当に多くの花が楽しめることに驚きました。4月だと、桜だけでも4種類、その他にも13種類の花を見ることができるのですね。結婚式だけでなく、結婚する前や結婚した後も、夫婦や家族で一緒に花を見に訪れたいものです。
国宝本堂で執り行う長谷寺の仏前式
編集部
長谷寺の仏前式について、他にはないメリットはありますか?
僧侶
平成16年12月に国宝指定を受けた、長谷寺の本堂内で仏前式を執り行えることではないでしょうか。また重要文化財である本尊十一面観音を正面にして、僧侶が唱える声明(しょうみょう)を聞きながら、式が行われます。声明とは節にのせてお経などの仏典をうたう合唱のことですが、なかなか他の結婚式で聞く機会はないと思います。
また、開けた本堂の舞台で仏前式を執り行うので換気も良く、参列の方との間隔も確保できます。
編集部
仏前式の流れについて教えてください。
僧侶
次のような流れで行われます。概ね30分ほどです。
- 開式
- 仏前作法
- 袈裟・念珠のお授け
- 指輪交換
- 授戒
- 誓いの盃
- 誓いの言葉
- 法楽
- 閉式
編集部
長谷寺で仏前式を始めたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
僧侶
およそ10年ほど前に、参拝の方からのご要望を受けたのが始まりです。長谷寺に残る説話にも様々なご縁を結ぶというお話があり、仏前式もご縁を結ぶ一つの方法だと考えております。
編集部
参拝者からの要望で始まったというのは、長谷寺さんの参拝者への愛情を感じるエピソードですね。四季折々の花に見守られながら、国宝である本堂で結婚式を挙げたいという気持ちはよく分かります。本堂へは普段は立ち入ることができないそうなので、特別感もありますよね。
私なら、牡丹やしだれ桜などたくさんの花が楽しめる春に挙げたいです!
仏前式の予約方法と申込期限
編集部
申込から挙式までの流れを教えてください。
僧侶
仏前式の申込が終わったら、次のようなことを行います。準備は多くないため、日程調整が終われば結婚式の内容をご説明するための打ち合わせを行い、その後は当日を迎えるのみです。
- 日程調整
- 打ち合わせ
- 当日
衣装のレンタルや着付け、メイクなどの受付は行っておりません。そちらについては、ご夫婦で別にお手配をお願いいたします。寺院内の控室を利用して、着付けやメイクなどを行うことは可能です。その場合、親族の方の着付けも可能です。
編集部
いつまでに申し込みを行えば、希望どおりの日に挙式できるでしょうか?
僧侶
挙式希望日の3ヶ月前までに日程調整のご連絡をお願いします。お寺の催事などと重なる場合は、希望日で受付できない場合もありますので、ご注意ください。
編集部
3ヶ月前の予約で希望日で挙式できるのは嬉しいですね。急に結婚が決まったカップルでも無理なく挙式の準備が進められそうです。最近は和婚の衣装レンタルや着付け、ヘアメイクをパックで提供するサービスも増えたので、そういったところを利用すると最小限の準備で済みそうですね。
挙式カップルと参列者の声:長谷寺仏前式の感想
編集部
長谷寺で仏前式を挙げたご夫婦や参列者の方からよく聞く感想や、記憶に残るエピソードなどはありますか?
僧侶
よく聞くのは次のような感想です。
- ロケーションが良かった
- 歴史のある本堂で挙式できた
- 観音様を正面にして行われる仏前式の荘厳さに圧倒された
春は舞う桜が、秋は紅葉に染められた山々の自然が、新たな門出を演出してくれます。自然に囲まれた中で執り行われる日本伝統の結婚式を経験されて、ご夫婦だけでなくご親族や参列者の方も、最近主流の洋式スタイルとは違う感想を抱かれるのではないでしょうか。
長谷寺に訪れた多数の一般参拝者が「おめでとう」と声をかけたことで、お寺全体が祝福ムードに包まれたこともありました。
編集部
お寺全体が祝福ムードに包まれるなんて、結婚式を挙げたご夫婦にとっては感無量でしょうね。見ず知らずの方であっても、「おめでとう」と声を掛けられるのはとても嬉しいと思います。
「ロケーションが良かった」という感想もとても納得です。先ほどは春に挙式したいと言いましたが、白無垢に紅葉が映える秋の挙式も捨てがたいですね。
長谷寺からのメッセージ:仏前式を検討するカップルへ
僧侶
山に囲まれた歴史深き寺で四季の美しさを感じながら迎えるお二人の門出と未来を、山内僧侶と共に観音様に祈念いたします。
編集部
カップルのためのご祈念をありがとうございます。また、本日はたくさんのお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
アクセスと基本情報:長谷寺仏前式ガイド
住所 | 〒633-0112 奈良県桜井市初瀬731-1 |
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電話番号 | 0744-47-7001 |
公式ページ | https://www.hasedera.or.jp/ |
平均挙式回数 | 年間2組から5組 |
控室 | あり |
※最新情報は公式HPにてご確認ください。