国宝「長寿寺」で安産祈願|滋賀県湖南市のお寺

この記事では滋賀県湖南市の「長寿寺」での安産祈願について、歴史や祈願の詳細について紹介をしています。

長寿寺は聖武天皇が皇女の誕生を喜び建設し、寺号である「長寿寺」は皇女の健康や長寿を願うことからつけられたとのこと。そうした歴史から、今では年間で7,000人近い人が安産祈願に訪れています。

これから新しい命を迎えようとされているご夫婦、またはその友人・ご家族の方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

長寿寺の歴史や見どころ

滋賀県湖南市にある、奈良時代に創建されてから1200年以上の歴史を持つ国宝「長寿寺(ちょうじゅじ)」。阿星山の北東麓にある天台宗の古刹です。常楽寺、善水寺とともに、湖南三山の一つとして知られています。

紅葉の名所としても親しまれており、秋には閑静な雰囲気が漂う長寿寺と、とても美しいイロハモミジの紅葉が彩る風情を楽しめます

そんな長寿寺では、安産の御利益を授けています。子宝や安産、長寿のご利益があると言われている、子安地蔵菩薩が御本尊です。長寿寺のはじまりには、良弁僧正の子宝祈願に関する言い伝えが関わっています。

今回は長寿寺の住職である藤支良道さんのご厚意にあずかり、安産祈願の由来や長寿寺の魅力について話を伺うことができました。

国宝に指定される本堂や、国の重要文化財などがある歴史深いお寺

長寿寺の安産祈願

▲長寿寺の文化財である丈六阿弥陀如来坐像

インタビュアー

どのようなお寺か教えてください。

藤支さん

約1300年前に創建された天台宗のお寺です。平安時代に再建された本堂は、檜皮葺の伝統技法が用いられており、国宝に指定されています。

また、当寺でお守りしている阿星山五千坊の阿弥陀如来坐像、釈迦如来坐像、丈六阿弥陀如来坐像はそれぞれ国指定の重要文化財です。

本堂に至る130mの参道は約100本のイロハモミジの並木道となっており、夏には青モミジ、秋には紅葉のトンネルができます

インタビュアー

国宝に指定されているということもあり、本堂は厳かで重厚な雰囲気が漂っていますね。ほかにも、弁天堂、白山神社拝殿といった国の重要文化財があり歴史が深い神社ということも聞いています。

イロハモミジの並木道も壮観です!日本らしい四季折々を楽しめるお寺でもあるんですね。

長寿寺のイロハモミジの並木道

▲約100本のイロハモミジの紅葉で彩られた並木道

聖武天皇の皇女誕生にまつわるお話が安産祈願のお寺となった由来

長寿寺について

▲仏師定朝の様式を踏襲した作の釈迦如来坐像

インタビュアー

安産祈願のお寺としての由来を教えてください。

藤支さん

奈良時代、聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)に遷都された際、世継ぎの誕生祈願を良弁僧正に請われたそうです。

良弁僧正は、阿星山中の霊験に満ちた紫雲が立ち込める瀑布に籠って祈ったところ、間もなく皇女が誕生しました。皇女の誕生を大いに喜んだ天皇は、子宝や安産にちなむ子安地蔵尊を行基菩薩に刻ませて、紫香楽宮の鬼門に当たるこの地に七堂伽藍・二十四坊の寺を建立し本尊としました。

そして皇女の長寿と健康、生涯の幸せを願い長寿寺という寺号を授けたと伝わっています。

インタビュアー

古くからある由緒正しいお寺なんですね。「長寿寺」という名前も、安産祈願に来る方にとっては明るい意味合いを感じるものだと思います。

長寿寺を含めた湖南三山が見どころ

インタビュアー

長寿寺を訪れた際の見どころはどこでしょうか。

藤支さん

湖南三山です。当寺は常楽寺、善水寺とともに湖南三山の一つです。車で5分ほどの距離にある常楽寺は、本堂と三重塔が国宝の古刹。また、車で15分程にある善水寺も本堂が国宝の天台宗の古刹になります。

インタビュアー

湖南三山は有名ですよね。こちらのお寺から、ほかの二つのお寺までそれほど距離が離れていないというのは知りませんでした。歴史的情緒を楽しみながら、一日で湖南三山をお参りするという楽しみ方もできますね。

長寿寺で得られるご利益など

長寿寺で安産祈願のご利益を得たい場合

インタビュアー

安産のご利益を授かりたい場合は、なにをすれば良いでしょうか。

藤支さん

当寺のご本尊は子安地蔵菩薩です。子宝や安産、長寿にご利益があるとされ、約1300年にわたり多くの人々が手を合わせ願いを捧げてこられた仏さまです

どうぞお寺にお越しいただいて、本堂にてお地蔵様のお姿を心に描きながら静かなお心で手を合わせていただければと思います。

インタビュアー

1300年にわたって安産祈願をしているなんて、すごいですね。お参りの際は、ぜひお地蔵様に手を合わせたいです。

安産祈願の参拝者数は、概算で年間6000人をこえる

インタビュアー

安産祈願の年間参拝者数を教えてください。

藤支さん

年間で2万人ほどの方にお参りいただいておりますが、そのうちの3分の1ほどの方が安産を願ってのお参りかと思います。また、年間50組ほどの方が安産祈願法要を希望されます。

インタビュアー

2万人の3分の1ということは、約6,700人が安産祈願で参拝されるということですね。想像よりも多くてびっくりしてしまいました。

それだけ安産祈願のお寺としてたくさんの方に親しまれているのですね。

参拝者からの報告などはありますか

長寿寺の参拝者からの評判や口コミ

▲お経を読み、手をあわせる長寿寺住職の藤支良道さん

インタビュアー

参拝者からの報告などはありますか?

また、印象に残ったエピソードなどがあれば教えてください。

藤支さん

お礼のお参りとして、赤ちゃんを連れてお参りいただくことがあります。住職としてとてもうれしいですね。

安産にまつわるエピソードもございます。お参りいただいた女性が、「これもなにかのご縁」と妹さんの安産をお願いされたそうです。その帰りの車の中で妹さんから何事もなくスムーズに出産できたと、無事出産の連絡が来たそうです。

「お地蔵様に呼んでいただいた」と感じたということで、その後、妹さんと赤ちゃんと一緒にお礼のお参りに来られていたのが印象的でした。

インタビュアー

とても不思議なエピソードです。本人が感じたように、「お地蔵様からのお導き」があったのかもしれませんね。

長寿寺を訪れる際に知っておくとよいこと

インタビュアー

パートナーや友人のために参拝しても、ご利益を授かることはできますか?

藤支さん

ご友人や娘さん、お孫さんの安産をお地蔵様にお願いされる方もたくさんいらっしゃいます。そしてたくさんの嬉しいご報告をいただいております。

インタビュアー

妊婦の場合、遠方だとなかなか足を運びにくい場合もありますから、身内や友人がお参りに来るケースが多いのは頷けますね。

授与品は手書きのお札を授かれる

長寿寺の安産御守・お札

▲長寿寺の授与品であるお守りやお札など

インタビュアー

長寿寺でいただける授与品はありますか?

藤支さん

お地蔵様のご利益を授かっていただけるよう、当寺に古くから伝わる手書きのお札をお渡ししています

また、安産祈願の法要を希望される方は、普段は入堂をご遠慮していただいている内陣にて住職と一緒にお参りいただいております。

インタビュアー

安産祈願の法要の際は、内陣でお参りできるのですね。お参りの際はお札もぜひ手に入れたいです!

新しい命を迎える方々へのメッセージ

長寿寺で安産祈願をしたい方へのメッセージ

▲長寿寺と、手をあわせる住職の藤支良道さん

藤支さん

新しく芽生えた命が無事に生まれてきてくれること、そして生まれてきてくれた赤ちゃんが幸せな一生を送ってくれることをお祈りしております。

インタビュアー

これから生まれてくる赤ちゃんの幸せを願いながら、出産への気持ちを整えることが大切ですね。

今日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

長寿寺の基本情報

住所 〒520-3111
滋賀県湖南市東寺5丁目1-11
電話番号 0748-77-3813
公式サイト https://chojyuji.jp/

国宝長寿寺と合わせて行きたいパワースポット

国宝長寿寺と合わせて行って欲しい、おすすめのパワースポットを以下に2つ紹介します。

大野神社でも安産祈願!祈願後はカフェで休息タイムも

滋賀県栗東市にある大野神社は、菅原道真を御祭神として祀る神社です。入母屋檜皮萱屋根の楼門は、国の重要文化財に指定されています。

大野神社には月替りの限定御朱印をはじめ、さまざまな種類の御朱印があるので、御朱印を集めている方は必見です。

安産守や貝運守、願え馬叶う守など授与品も充実。天神の泉や神牛、神馬像などのスポットもあり、境内歩きが楽しめます。

そのほか境内にある大野cafeアプリでは、「神ってる!?バウム」として人気の「大野バウム」など、お土産を買うことができ、バウムクーヘンが一切れ乗ったソフトクリームも味わえます。

大野神社では安産祈願の祈祷受付もあるので、もう少し安産祈願をしたいという方におすすめの神社です。

大野神社ホームページ:http://ohnojinja.shiga.jp/

長寿寺の奥の院、紫雲の滝でパワーをチャージ

阿星山ハイキングコースの途中にある紫雲の滝は、長寿寺の奥の院です。

聖武天皇に依頼された良弁僧正が子宝祈願をした場所と言われており、子授けのパワースポットとして親しまれています。

長寿寺に伝わる言い伝えと深く関わる「紫雲の滝」は、長寿寺とあわせて訪れるのにおすすめのスポットです。滝が放つマイナスイオンと新鮮な空気に触れ、パワーをチャージしてみてはいかがでしょう。

一般社団法人湖南市観光協会「紫雲の滝」紹介ページ:https://www.burari-konan.jp/kanko/taki/shiun-taki/