【親の反対を押し切って結婚】その後、後悔していない?親との関係は?関係改善のヒントもご紹介
喜ばしいはずの結婚。でも、親が相手との結婚に反対していたらとても悩んでしまいますよね。結婚はふたりの意志で成立するものですが、周りの人に祝福してもらえないのは辛いもの。でももしかすると、結婚経験がある親だからこそ、本当にその結婚はNGだと感じる何かがあるのかもしれません。
実際に親から反対されても結婚した人たちは、自分たちの決断を後悔していないのでしょうか?親に反対された相手と結婚した男女185人へのアンケート調査からわかった、結婚後のリアルをご紹介します。
親に反対されても結婚して良かったと思う人の割合、結婚を反対された理由、理解してもらうために取った行動など、結婚と親との関係について詳しく見ていきます。
親の反対を押し切って結婚した人のその後
まずは、親が反対した人と結婚した人がいまどんな生活をしているのか、結婚に後悔していないのか、現在の状況を見てみましょう。良かったと思っている人、後悔している人のリアルな声が、あなたの今度の行動のヒントになるかもしれません。
結婚した後、婚姻生活は続いているか
まずは親に反対された相手と結婚した男女185人に、結婚を反対された相手と現在も婚姻中かどうかについて、聞きました。
「婚姻継続中」と答えたのは82.2%で、17.3%がすでに離婚していました。5~6人に1人は結婚後に別れを選んでいることが分かります。
しかし、離婚した割合を2019年度の婚姻数/離婚数(※)の割合34.8%と比較すると、半分以下であることも分かりました。
親に反対されながらも押し通して結婚したカップルですから、かなり強い意志をもって結婚を決めたと思われます。それがこの割合の違いに表れているのかも知れません。
※婚姻数599,007組/離婚数208,496組(厚生労働省「2019年度人口動態統計の概況」)
親が反対した相手と結婚して良かったか
では、親に結婚を反対された末に結婚した人は、現在の状況をどう感じているのでしょうか。結婚して良かったのか、後悔しているのか、リアルな割合が下図の通りです。
婚姻継続中の人と離婚した人に分けてみてみると、「良かった」と回答した人は、婚姻継続中の人が67.1%なのに対し、離婚した人では56.3%でした。婚姻継続中の人と離婚した人では、10.8ポイントの差があります。夫婦関係の破綻が離婚につながると考えると、数値に差があることは予測通りです。
ただ、離婚した人のほうが「良かった」と回答した人は少ないものの、離婚しても半数以上は「親が反対した人との結婚を後悔していない」という事実も判明しました。
結果的に離婚することになったものの、自分の決断を後悔していないと思っている人も多数いるようです。
「親が反対した理由で結婚を後悔」したのは、婚姻継続中の人が17.1%で、離婚した人が25%です。離婚した人のほうが7.9ポイント高く、親の心配が的中して離婚に至ったという人もいることが分かります。
結婚して良かった人
では、「親が反対した人と結婚してよかった」と思っている人が、どうしてよかったと思うのか、その理由について聞いてみました。
良かったと思う理由の1位は、「今の生活が幸せだから」で36.9%です。次に多かったのは「選んだ相手で間違いなかった」(25.4%)でした。「子どもに出会えたから」(16.4%)も理由の一つになっています。
親が結婚に反対する理由はさまざまですが、多くは「子どもが幸せになること」を願っているがゆえの行動です。「自分は幸せだ」と胸を張っていえる家庭を築くことで、親との関係も変化していくと期待できそうです。
親が反対した人と結婚して良かった人から、具体的な理由も聞いてみました。
授かり婚だったので親が想像していた結婚の形とは違いましたが、本当に好きだと思える結婚相手と若くして出会えて良かったと思っています。自分の意思を、熱意を持って両親にしっかり伝えて良かったです。(大阪府/33歳女性) |
妻は自分の親が反対した理由をしっかりと受け止めてくれ、嫌な顔ひとつせずにどのように説明すれば納得してくれるかを真剣に考えてくれました。そんな人と結婚できて良かったなと思います。(宮崎県/45歳男性) |
結婚するのは親ではなく自分なので、自分が納得する相手と結婚して良かった。(埼玉県/27歳男性) |
親が賛成してくれた相手と結婚できるのが一番だとは思いますが、親が私の生活を一生保証してくれるわけでもないので、自分が決めた相手と一生いるほうが大事だなと思いました。(熊本県/39歳女性) |
社会的に問題のある人なら反対する気持ちも分かるが、結局一緒に暮らしていくのは自分なので、親が口を出すことではないと思う。(東京都/25歳女性) |
コメントからは、多くの人が「自分で結婚する相手を決めた」という誇りや自負を抱いているように感じられます。
たとえ結婚生活がうまくいかなかったとしても、そのリスクも含めて自分の責任と強い意志をもって相手を選んでいるようです。
結婚して後悔している人
逆に、親が反対した理由で結婚を後悔している人は、具体的にどのように感じているのでしょうか?結婚を後悔していると回答した人に、今の気持ちを聞いてみました。
離婚するときに、親に「ほら言ったでしょ」と言われました。結婚するまでは経済的な問題を理解できていませんでした。結果的に夫は仕事が続かず、耐えられなくなりました。(兵庫県/45歳女性) |
親とうまくいかなくなることは、いろんな意味で気持ちに負担がかかるということを経験した。(滋賀県/38歳男性) |
人生経験が豊かで自分をよく知る母が反対する相手はやはり問題があり、それが日増しにあらわになっていき、自分を苦しめるということがよく分かりました。「わがままな人と結婚したら苦労するだけ」と反対した母の言葉が正解だったと後悔しています。(東京都/46歳女性) |
相手が仕事を辞め、家事・育児・仕事などを全てひとりでやっていたが、反対された相手だから親に弱音を吐けないと思い抱え込んでしまった。(石川県/34歳女性) |
結婚後に、夫が思っていた性格とは違うことが分かった。そのため、親に反対されてまで結婚したのに夫婦仲がうまくいかず、親に相談もできず孤独になってしまった。(佐賀県/27歳女性) |
親が反対した不安要素が的中し、実際の結婚生活がしんどくなってしまった人もいるようです。また親の反対を押し切って結婚した人は、結婚生活に支障が出てもそのことを親に打ち明けることができず、孤独になりがちなこともわかりました。
親が反対する理由を冷静に受け止め、それでも結婚したいと思えるのかをよく考える必要があります。同時に、もし結婚後に夫婦関係で悩むことがあったときは、心配してくれた親だからこそ相談してみる、というアクションがあっても良いのかもしれません。
結婚時の親との関係
親との関係は、結婚した際にはどうなっていたのでしょうか?結婚時には親が許してくれていた人、結婚後の関係や親への説得方法など、親子の関係について詳しくみてみましょう。
結婚時に親が許してくれていた人の割合
最初は結婚に反対していた親。結婚する段階では、理解してくれていたのでしょうか?それとも、反対されたままで結婚した人が多いのでしょうか。調査の結果が下図の通りです。
今回の調査では、結婚するときには親に結婚を「許してもらっていた」という人が70.3%と多数を占めました。一方で、「許されていないが強行した」は29.7%です。
相手を親に紹介した時点では反対されたものの、最終的には結婚を許してもらえた人が7割以上ということは、今現在親に結婚を反対され悩んでいる人にとっては希望が持てる数字ですね。
そうはいっても、前章のように様々な努力があってこその結果であることを忘れてはいけないでしょう。
結婚後の親との関係
では「許されていないが結婚を強行した」人は、結婚後に親との関係に変化はあったのでしょうか?現在の親との関係を調査した結果が下図の通りです。
結婚する際に親の許しを得られなかった人のうち57.1%は、結婚後に親に許してもらえたという結果になりました。「許されていないが連絡はある」は28.6%、「現在も許してくれず音信不通」と答えたのは14.3%でした。
全体の実数値としては、回答者185人のうち「現在も許してくれず音信不通」なのはわずか9人です。アンケート回答者全員の中の割合では、4.9%でした。
親に結婚を反対された場合でも、9割以上は最終的に親の許しを得るか、連絡を取り合う関係であることが分かりました。
反対した相手と結婚したからといって、完全に関係を断ちたいと思っている親は少ないのかもしれません。また結婚した本人も、反対されたからといって親との断絶を望んていないことが、今回のアンケート結果からみえてきます。
結婚後の親へのアプローチ
では、結婚する際には親に反対されたままだった人は、結婚後に親に対してどんなアプローチを取ったのかもみてみましょう。
「相手の良さを伝えた」人が51.6%と、もっとも多くなりました。結婚を強行した後も、親に理解してもらえるように努力した人が半数以上となっています。
「相手と話をする機会を設けた」も47.4%と、半数弱の人が実行していました。その他に「自分が幸せであることを伝えた」(33.7%)、「結婚後の生活を見てもらった」(26.3%) という回答も多くなっています。
親が結婚に反対する理由の多くは子の幸せを願ってのことなので、結婚後に幸せな生活の様子が確認できれば、親のかたくなな気持ちも和らぐことがあるようです。
実際に結婚後に親の許しを得た人に、親が許してくれたきっかけについて詳しく聞いてみました。
次第に慣れてきた感じでした。何度も顔を合わせて、性格など外見からは分からない良さが伝わったのだと思います。(山形県/38歳男性) |
子どもが生まれてからは親のほうから歩み寄ってきたので、おそらく孫に会いたくなったんだと思います。(岐阜県/47歳女性) |
駆け落ちをしたことで、私と離れて寂しくなったみたいです。このまま離れるくらいなら結婚して良いと言われました。(ドイツ/42歳女性) |
孫が生まれて幸せそうなのを見て、許してくれました。(岐阜県/38歳女性) |
何回も何回も話した末、「あなたが今幸せならもう何も言わないよ」と言われました。(大阪府/32歳女性) |
生まれた子どもの写真を妻が用意してくれて、一筆書きを送りました。兄夫婦に子どもがいなかったため、初孫となり嬉しかったようで、いきなりお祝いやら連絡が来ました。妻に促されてお礼の電話をしたら、態度一転、すぐにでも会いたいという話になりました。(静岡県/43歳男性) |
幸せである様子を伝えたり、ふたりで親に会いに行くなど交流を持つようにしました。うまくやっていけるかなど、私を心配してくれての反対だったので、親は許してくれました。(岐阜県/36歳女性) |
コメントで多かったきっかけは「子どもが生まれたから」でした。孫の顔を見たいという気持ちから、親の態度が軟化することもあるようです。また、親に反対されも根気よく交流を持つなど、子のほうから縁を切らないように努力した人もいました。
親に反対されていたからと疎遠になることなく、積極的に自分から関係改善を進めていく姿勢が大切といえそうです。
親に結婚を反対された人の状況
次に、アンケートに答えてくれたみなさんが親に反対されたときの具体的な状況も確認してみましょう。自分の状況に近い人の具体的な意見が参考になるかもしれません。
親に反対された人と結婚したときの年齢
まずは、親に反対された人と結婚したときの年齢を聞いてみました。
もっとも多かったのは「25~29歳」で43%でした。次に多かったのは「20~24歳」の35%です。親に反対されても結婚した人のうち、81%が30歳未満で結婚していることが分かります。
また、親に反対された人と結婚した年齢の平均は26.2歳でした。これは、2019年度の平均初婚年齢(男性31.2歳、女性29.6歳 ※)と比較すると、4.2歳も若い結果です。
このことから、比較的若い人のほうが親に反対されながらも結婚する傾向にあるといえそうです。反対されると反発したくもなりますが、親の経験からくるアドバイスがあるはずなので、まずはよく話を聞いてみると良いかもしれません。
結婚を反対した親
次に、父親・母親のどちらに結婚を反対されたのかも見てみましょう。
「母親」が51.9%ともっとも多く、「父母共に反対」された人は32.4%でした。父親が反対したかに関係なく、母親から反対されたのは84.3%にも上る結果です。一方で、父親に反対されたという人は48.1%でした。
この数字から、結婚に反対するのはどちらかというと母親のほうが多いといえそうです。
親が結婚に反対した理由
親が結婚に反対した理由を複数回答で選んでもらったのが、下のグラフです。
もっとも多いのは「相手の収入が十分でない」で22.7%です。次に多いのは、「態度や性格が気に入らない」で22.2%でした。
この他、1割以上の人が挙げた項目としては「相手の職業が気に入らない」(14.6%)、「相手が再婚」(14.1%)、「要介助者がいるなど家族の状況」(13%)、「相手の年齢が釣り合わない」(10.8%)となっています。
実は、この回答では「その他」が24.9%と多くなっていました。親の反対で「その他」を選択した人の理由で特に多かったのは、以下のような内容です。
- 宗教が違う
- 相手に子どもがいる
- 相手に定職がない
どの理由にも、わが子には結婚後に苦労してほしくないという親心が垣間見えます。対処できる課題であれば、しっかりと解決して親を安心させてあげることも大事かもしれません。
親に結婚を反対されて取った行動
次に、親に結婚を反対された際に取った行動について聞いてみました。
1位は「説得を試みた」(47%)です。また「相手に会ってもらった」人も38.4%いました。「反対理由を解消するために努力」した人も26.5%いて、それぞれ親に納得してもらおうとなんらかの努力をしていることが分かりました。
「時間をかけて待った」(13%)は約1割と少数派です。自分たちの本気度を示すためにも、多くの人がそれぞれの親に納得してもらおうとなんらかの行動をしているようです。
ちなみに「親との縁を切った」という人は11.4%という結果でした。
親に納得してもらうため具体的に取った行動として、以下のような声が集まりました。
彼女に子どもがいることを理由に反対していた母との話し合いはずっと平行線だったので、どうにか彼女と会ってもらいました。彼女の人柄を知り母親が気を許してきた頃に、彼女の子どもも一緒に連れて行きました。何度か子どもを母に合わせるうち、その子に会えるのが楽しみになっている姿を見て、もう一度結婚の話をしました。(愛知県/24歳男性) |
彼が今までどれだけ私を支えてくれたかを話しました。以前、私がとても落ち込んでいた時期に彼が助けてくれたこと、私が彼につらく当たっても彼は私のそばにいてくれたことを話しました。それを聞いて、親は彼に感謝してくれました。(愛知県/26歳女性) |
彼の借金が反対の原因だったので、二度とお金を借りない、ギャンブルをしないことを約束しました。その後、お金の管理はすべて私が行うことで許してもらいました。(香川県/20歳女性) |
不安定な職業であることで反対されたので、職に就いて懸命に働き、その姿を見て許してもらいました。(東京都/36歳男性) |
とりあえず相手に会ってもらって「自分の意志は変わらないので、しばらくは許してくれるまで待つが、許してくれなくても結婚する」と親に伝えました。(長崎県/44歳男性) |
相手の人柄や自分にとってどれだけ大切な人であるかを伝えて親を説得したり、転職するなど金銭面で親を安心させる行動をしたという声が多くありました。
ただ、何度か説得したものの親が理解してくれなかったために断念した人もいます。説得が必ずしもうまくいくとは限りませんが、可能な限り粘り強く行動することが大切といえそうです。
自分の子が同じ境遇でも結婚を許せる人・許せない人
最後に、現在子どもがいる人に「自分の子どもが大人になり、自分の配偶者と同じような境遇の人と結婚したいと言ったら、あなたは結婚を許しますか?」という質問を投げかけてみました。
「同じ境遇の相手との結婚を許す」と答えた人は33.8%と、約3人に1人に留まりました。もっとも多かったのは「許したいと思うが分からない」で42.1%です。また「許さない」も10.3%いました。
親に反対されて結婚した過去を持っている人でも、子どもに苦労させたくないという気持ちから、子どもの結婚相手については慎重に判断することがあることが分かります。
これこそが、親が子どもを思う「親心」というものなのかも知れません。今親に結婚を反対されている人は、「私が親の立場でも賛成できるか?何が不安なのか?」と、相手の立場に立って考えてみることが、関係改善のカギになるかもしれませんね。
「良かった」と思える結婚生活にするために
親が反対した人との結婚した人の現状や経緯として、以下のことがわかりました。
- 「親が反対した相手と結婚して良かった」は婚姻継続中で67.1%
- 親に結婚を反対された場合でも、9割以上は結婚後に親と連絡が取れている
- 反対されたものの結婚するときには「許してくれた」が7割
- 結婚に反対するのは母親のほうが多い
- 親が反対した理由は「収入が十分でないから」が最多
- 親に反対されて「説得を試みた」が5割弱
- わが子には「同じ境遇の人との結婚を許したいと思うが分からない」が約4割
結婚はふたりの意志によってのみ成立しますが、自分のことをよく知っている親が反対する理由には、豊かな人生経験からのアドバイスも含まれています。親の意見に一度は耳を傾け、自身の思いに曇りがないと思えるなら、信じる道を貫くことも1つの選択です。
たとえ親に反対されても、「今が幸せだから、あのときこの人と結婚して良かった」と思える夫婦になれれば、それは親孝行に繋がることもあるかもしれません。
結婚は、長い人生のなかでももっとも大きなライフイベントの1つです。後悔のない選択をしてくださいね。
調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:計185名
実施時期:2021年10月1日~10月15日
調査実施主体:縁結び大学
調査会社:株式会社ネクストレベル