福島県矢祭町への移住!まちの魅力・仕事・住まい情報を徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「福島県矢祭町(やまつりまち)」をご紹介します。
東北最南端に位置する矢祭町は、四季折々の絶景に出会えるスポットを数多く有しています。美しい風景に癒されたい方や、カメラが趣味の方には特におすすめの移住先です。
施策面にも際立った特徴があります。かつて「平成の大合併」のさなかには「市町村合併をしない矢祭町宣言」を行い、自立できる町づくりへの道を選びました。
そして現在も“自分たちの町は自分たちで守っていく”という気風は健在。行政・住民ともに、町のためのさまざまな取り組みを積極的に行っています。
そんな矢祭町について、暮らしの特徴や、仕事・住まい探しなど、移住を検討するのに役立つ情報をたっぷりとお届けします。
矢祭町の暮らし、3つの特徴
地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には矢祭町がおすすめです。
- 四季折々の美しい自然の中で、心穏やかに暮らしたい
- カメラが趣味。特に、風景・絶景写真を撮るのが好き
- 移住後は、地域にしっかりと溶け込んで、まちのための仕事や活動を積極的に行いたい
- 子育て中もしくはこれから予定があり、子育て世帯に優しい制度のあるまちを希望している
- 子どもには小さい頃から本に親しみ、読書好きな人に育ってほしいと思っている
なぜこのような方に矢祭町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、矢祭町の暮らしの特徴を紹介していきます。
特徴1:まるで写真集の1ページ!四季折々の美しい風景
矢祭町には、春夏秋冬、季節をいっぱいに感じられる絶景スポットが数多くあります。
自然の中を散策することが好きな方や、カメラが趣味の方には、季節おりおりの楽しみが尽きないまちと言えるでしょう。
以下に、そんな絶景スポットの一例をご紹介します。
戸津辺の桜
▲旧道のかたわらに佇む「戸津辺の桜」は、県指定天然記念物。古くから、その開花状況が農作業の目安にもされてきた
「戸津辺の桜」は、福島県内で最も早く咲くとされ「みちのくの春告げ桜」とも呼ばれています。樹齢600年を超え、樹高は18mにもなる、堂々たる姿のエドヒガンザクラ。その姿は圧巻の一言です。
矢祭山公園
▲観光名所として親しまれる「矢祭山公園」。春には100本を超えるソメイヨシノが咲き誇る
町の中心部にある「矢祭山公園」は、桜、ツツジ、紅葉と、季節ごとに異なる豊かな表情を見せます。その自然と、近くを走るJR水郡線の見事なコラボレーションは“撮り鉄”の方々からも大人気です。
スクロールで写真がご覧いただけます→
滝川渓谷
▲紅葉の滝川渓谷には、関東からの観光客も多く訪れる。ハイキングコース山頂には地元住民で営む「滝川の里」があり、十割そばが人気
「滝川渓谷」は、全長3km、大小48ヶ所の滝をもつ渓谷です。「東北最南端の秘境」とも呼ばれ、美しい滝と奇岩、夏の濃い緑や秋の紅葉といった風景が、見る人を魅了します。
久慈川
▲「氷花」と書かれることもある。幻想的で美しい「シガ」。思わずカメラを構えたくなる
矢祭山を囲むように流れる久慈川は、アユ釣りのメッカとして有名。冬には「シガ」と呼ばれる、川面をシャーベット状の氷が流れる珍しい現象に出会えます。
ほかにも、町のいたるところに、ここならではの美しい風景がたくさん。矢祭町では、思わず足を止めて自然に見入る贅沢な時間が、日常になるかもしれません。
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特徴2:自分たちの町への誇り。“攻め”の行政と、活発な住民活動
国を挙げて「平成の大合併」の真っただ中にあった平成13年(2001年)、矢祭町は町議会の全会一致で“どの市町村とも合併しないこと”を決定。「市町村合併をしない矢祭町宣言」を表明しました。
これは、地域で育んできた歴史や伝統を守り、独立独歩、自立できる町づくりを行うという、強い“攻め”の意志を表したものです。
宣言後、矢祭町では議員の報酬を月収ではなく日当制(出勤した分のみの支給)としたり、庁舎では清掃業者を雇わず、町長をはじめ職員全員で掃除をするなどして経費を削減。町の施策のための財源に回してきました。
そして行政だけでなく住民側にも、自分たちの町を自分達で守るという誇りと気概があります。景観や利便性のため、住民が自発的にまちなかに花を植えたりベンチを置いたりなどの動きが、ごく自然に起こる地域性なのです。
地域おこし協力隊の運動も活発です。これまでには、JR水郡線の駅舎を活用したコミュニティスペース「ヒガシダテ待会室」が作られたり、矢祭町の気候を生かしたラズベリー栽培と商品開発が行われたりといった実績が。
移住後、地域のコミュニティに根差し、地域に深く関わる仕事や活動をしたいと考えている方には、矢祭町はピッタリと言えるかもしれません。
特徴3:大人も子どもも本に親しむ「読書の町」
矢祭町は「読書の町」を宣言しています。
2007年、矢祭町では、全国に「読まなくなった本があれば譲ってほしい」と呼び掛け、寄贈された40万冊以上の本をもとに「矢祭もったいない図書館」を開設しました。
現在は、子どもからお年寄りまで町内外の誰もが気軽に訪れる場所、また「手づくり絵本コンクール」や「おはなし会」など、さまざまなイベントが催される場所として愛されています。
さらに特徴的な取り組みとして、矢祭もったいない図書館では、全国で初めての「子ども司書講座」を実施しています。
これは小学生を対象に、司書の仕事を知ってもらうプログラム。子ども司書に認定された児童には「矢祭子ども司書認定証」が授与され、また、未来へ読書をつないでいく希望の証として、図書館内に名前が掲示されます。
子どもにとってはとても晴れがましく、読書へのいっそうのモチベーションへつながるでしょう。
子どもの頃から本に親しみ、知識と感受性をたくわえていくことは、人として成長していくうえでの大きな財産になります。「子どもには本の好きな人になってほしい」と願う方にとって、矢祭町の取り組みは、頼もしいサポートになりそうです。
公式:矢祭もったいない図書館
矢祭町の暮らしに関する情報
ここでは、移住を検討するうえで重要となる、矢祭町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。
気候 | 1月:平均気温0.2°C 8月:平均気温24.1°C ※参考:気象庁ホームページ(東白川地点を参照) |
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人口 | 5,053人 (推計人口、2023年8月現在) |
近隣都市 | 福島県:東白川郡棚倉町、郡塙町 茨城県:常陸太田市、久慈郡大子町 |
公共交通 | 鉄道:JR東日本 バス:福島交通 |
大都市へのアクセス | 東京へ:車で約3時間 宇都宮市へ:車で約1時間半 水戸市へ:車で約1時間半 |
病院 | 診療所2、歯科2 |
学校 | 小学校1、中学校1 |
特産・名産 | ゆず、いちご、地酒、こんにゃく、久慈川の鮎 |
観光・レジャー | 奥久慈県立自然公園矢祭山、矢祭神社、ユーパル矢祭 |
東北最南端のまちである、矢祭町。冬場の気温は低くなりますが、積雪はほとんどありません。
矢祭町は関東各地へのアクセスの良い町です。東京へは車で約3時間と、日帰りも可能な範囲。栃木県宇都宮市や茨城県水戸市などへはさらに近く、週末のお出かけの選択肢が多いのも嬉しいところです。
まちのレジャー施設「ユーパル矢祭」には、温泉・宿泊施設・プールなどが備えられています。矢祭町内で生産されたゆずを使ったシャーベットも好評。お風呂上がりや食後のデザートに、ぜひ味わってみてくださいね。
【仕事】町内の主な勤務先は工場など。就農相談にも対応
2023年9月現在、大手求人情報サイトで矢祭町25km圏内(通勤30分程度)の正社員求人を検索すると、約740件がヒットしました。
矢祭町内の勤務先としては、工場などが多めです。町内に立地する企業についても、あわせて見てみてください。
参考:正社員求人情報の一例(矢祭町から25km圏内)
参考:矢祭町内の企業
矢祭町の基幹産業は農業です。イチゴや柚子といった特産品のほか、カーネーションなどの鉢花の栽培も盛んです。
新規就農を希望している方は、福島県の県南農林事務所や、福島県農業経営・就農支援センターで相談に対応しているので、お問い合わせをおすすめします。
【住まい】結婚~子育て世帯に手厚い支援あり
2023年9月現在、矢祭町の空き家バンクでは5件ほどの物件が見つかりました。
ほとんどが補修不要または多少の補修で住めるような状態の良い物件なので、住まいの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
また、矢祭町では“東北でいちばん首都圏に近いニュータウン”である「つつじヶ丘矢祭ニュータウン」の分譲も行っています。
住まいに関しては以下の支援が利用できます。特に結婚~子育て世帯の方に向けた内容となっているので、当てはまる方はぜひチェックしてください。
結婚新生活支援事業 | 新婚世帯が新生活を始める際の<住居費><引っ越し費用>について、以下の額を補助(※給付条件あり) 婚姻日における年齢が、夫婦ともに29歳以下の世帯:上限60万円 上記以外:上限30万円 |
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矢祭町子育て世帯定住支援事業助成金 | 子育て世帯の方が新規に住宅を取得する際、以下の額を補助 新築の場合:上限200万円 中古住宅取得の場合:上限50万円 |
矢祭町個人住宅改良支援事業補助金 | 町内の施工業者により個人住宅の改良を行う方に対し、以下の額を補助 工事代金50万円以上で、補助金額はその10%(上限20万円) |
【育児・教育】目指すは“子育てサポート日本一”。子ども中心の町づくり
矢祭町では、子育てサポート日本一を目指し、さまざまな子育て支援を行っています。
まず、経済的な支援としては「矢祭町すこやか赤ちゃん誕生祝金」があります。第3子以降は誕生祝金が高額になり、加えて健全育成奨励金も支給されるという手厚い内容。こういったサポートも後押しとなり、町内では4人、5人と子どものいる家庭も珍しくないそうです。
区分 | 誕生祝金 | 健全育成奨励金 |
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第1子 | 10万円 | - |
第2子 | 10万円 | - |
第3子 | 50万円 | 50万円 |
第4子 | 100万円 | 50万円 |
第5子以降 | 150万円 | 50万円 |
「暮らしの特徴」の章でご紹介した「子ども司書」のように、子どもがしっかりと“自分の役割”を感じられるような制度があるのも、矢祭町らしい一面です。
ほかにも、町内の防火・防犯活動の一環として、幼稚園児が国道沿いでパレード、小学生が鼓笛隊を行うなど、ユニークで微笑ましい取り組みが行われています。
矢祭町へ移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に移住して矢祭町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。
- 自然が豊かで、四季の移り変わりを肌で感じる暮らしに感動。
- 子育て施策が充実していて、経済的な部分でもとても助かっている。
- 車があれば色々なまちへも出かけやすく、生活は十分便利だと思う。
- 地域の人達がみんな親切。移住者のことも気にかけてくれてありがたい。
- 住民発信の取り組みが多彩。自分達でまちを動かしている実感がある。
豊かな自然や施策の充実度から「子育てに最適な環境」という声が多数見つかりました。
地域の人と人との絆も強く、そのことが仕事や各種取り組みにつながることも多いようです。
矢祭町への移住に向けた行動
矢祭町への移住を検討している方は、まずは町役場へお問い合わせをしてみてください。
実際に現地を訪れてみたいという方には「ラクラスしらかわ」の利用もおすすめです。ラクラスしらかわは、矢祭町を含む福島県県南地方の、定住・二地域居住相談所です。移住に関するさまざまなイベントの開催のほか、ご希望に応じたオーダーメイドツアーも実施しています。
公式:ラクラスしらかわ
なお、福島県の制度として、移住を検討している方が下見や住まい探しのために福島県を訪れた場合に、その交通費を補助する「ふくしま移住希望者支援交通費補助金」があります。こちらもぜひ活用してください。
矢祭町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 自立総務課 |
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住所 | 福島県東白川郡矢祭町大字東舘字舘本66 |
電話番号 | 0247-46-3131 |
対応時間 | 8:30~17:15(土・日・祝日と年末年始を除く) |
公式サイト | https://www.town.yamatsuri.fukushima.jp/page/dir000498.html |