【和歌山県九度山町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「和歌山県伊都郡九度山町(くどやまちょう)」での暮らしについてご紹介します。

和歌山県北部に位置する九度山町は、豊かな自然と古き良き歴史を誇るまちです。事件や事故が少ない治安のよいエリアでもあることから、ゆったりとした空気感の土地でのんびりと暮らしたい方におすすめですよ。

今回は九度山町役場の企画公室にお勤めで、移住推進・ふるさと納税ご担当の松岡さんにお話を伺いながら、九度山町での暮らしに関する情報をたっぷりとご紹介します。

九度山町役場企画公室 移住推進・ふるさと納税担当の松岡さん

九度山町の暮らしとは?4つの魅力に注目

九度山町の暮らしの特徴

九度山町は高野山の玄関口にあり、水と緑に囲まれた自然あふれるエリアです。戦国武将・真田幸村ゆかりの地としても知られるほか、数々の世界遺産を有する人気の観光スポットでもあります。

また、大阪や京都、奈良、神戸とのアクセスが大変便利であることも魅力のひとつ。のどかな田舎暮らしを満喫しながらも、都会の便利さを手軽に味わえる心地よい暮らしが叶います。

そんな九度山町への移住に向いているのは、以下のような方です。

  • 自然や歴史が好きな方
  • 普段はのんびりと田舎暮らしを楽しみつつ、都会にも足を運びやすいエリアで暮らしたい方
  • 子育てしやすい環境が整っている場所に移住したい方

なぜ上記のような方におすすめなのか、ここからは九度山町で暮らす魅力について詳しく見ていきましょう。

魅力1:自然と歴史を感じられること

九度山町には、自然と歴史を感じられるスポットが数多く点在しています。

まず自然に触れられる場所として人気が高いのが、奇石と大小様々な滝によって構成される景勝地「玉川峡(たまがわきょう)」です。玉川峡谷を流れる清流「丹生川」はアユやアマゴ釣りが盛んで、6月頃には蛍が飛び交い、夏には川遊びを満喫できます。

玉川峡の風景
▲夏には川遊びを楽しむ家族連れで賑わう「玉川峡」

また、九度山町は歴史が古い町としても知られており、町内には古き良き九度山の歴史を感じられる世界遺産が多く存在します。

特におすすめのスポットは、816年の高野山開創時に弘法大師・空海によって高野山の政所として創建された「慈尊院」です。均整がとれた朱塗りの塔「多宝塔」が有名であるほか、この慈尊院から世界遺産の道「紀伊山地の霊場と参詣道」が始まっていて、人気のハイキングコースとなっています。

慈尊院の境内
▲慈尊院には弘法大師のお母様が祀られており、子授け・安産・授乳・縁結びなどにご利益のあるお寺として有名です

歴史好きな方には、戦国末期に生きた真田昌幸・幸村・大助の「真田三代」が過ごした九度山での生活を紹介する「真田ミュージアム」がおすすめです。パネル展示やドラマ仕立ての映像によって、真田三代の痕跡を深く知ることができますよ。

ちなみに、九度山町では戦国の波乱に満ちた時代を生き抜いた真田三代をしのび、例年5月に「真田まつり」が開催されます。町民が一丸となって準備を進める大きなお祭りで、当日は大人武者行列や子ども武者行列が町内を練り歩きますよ。

真田まつりの光景
▲真田武者に扮した武者行列に大人も子どもも大興奮!

魅力2:交通アクセスの良さ

九度山町は山あいのまちでありながらも、道路交通網等が整備されており交通の便に優れています

特に大阪へのアクセスがしやすく、難波までは車や電車で1時間程度。通勤や通学、ショッピングなどに不便を感じることなく生活できるでしょう。

奈良や京都、神戸へもほど近く、日帰りで気軽に足を運べますよ。各地への具体的な交通アクセスについては以下をご確認ください。

【車を利用する場合】

京都・大阪方面から 近畿自動車道→阪和自動車道→美原北IC→R309→R170→R371→R370→九度山町

所要時間:美原北ICより約60分
奈良方面から 名阪自動車道→郡山IC→京奈和自動車道→橋本IC→R370→九度山町

所要時間:郡山ICより約60分

※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

【電車を利用する場合】

京都・大阪方面から 難波→(南海高野線)→橋本→九度山

所要時間:約1時間5分
奈良方面から 奈良→(JR大和路線・環状線)→新今宮→(南海高野線)→橋本→九度山

所要時間:約2時間5分

※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

魅力3:美味しい農作物を味わえる

農村エリアを有することから、美味しい農作物が手軽に手に入ることも九度山町の魅力です。

特に「柿の町」として有名で、農地の9割ほどで柿を生産しています。なかでも「富有柿」の品質が高く、肉質がしっかりとしていて甘く食べやすい味わいです。

九度山町の富有柿
▲富有柿は京阪神を中心に「九度山の富有柿」として高い知名度があります

特産物の柿を使用した加工品も種類が豊富で、例えば「柿の葉すし」や「柿の粕漬け」、「柿アイス」などがあります。ほかの果物や野菜の栽培も盛んで、採れたての農作物は道の駅「柿の郷くどやま」などでお手頃価格で購入できますよ。

>>道の駅「柿の郷くどやま」について詳しくはこちら

ちなみに、グルメスポットとしては手打ちそばのお店「幸村庵」が大人気。九度山町の姉妹都市である長野県の上田市から仕入れたそば粉で提供している手打ちそばのお店で、『真田幸村が信州からそばを伝えた』という物語にちなんだ「紀州九度山真田そば」などを味わえますよ。

>>「幸村庵」について詳しくはこちら

魅力4:子育て支援が手厚い

九度山町には、子育てがしやすい環境がしっかりと整備されています。

まず注目したい点が、保育施設の待機児童がゼロであること。移住してすぐに子どもを預けられるため、「仕事と子育てを両立したい」と考える子育てファミリーの移住も増えてきています。

また、妊娠・子育てに関する支援制度も充実しており、魅力的なサポートを受けながらのびのびと子どもを育てられますよ。支援事業の詳しい内容については、以下をご確認ください。

【妊娠・子育て関連の助成制度】

  • 一般不妊治療費助成:不妊治療費の一部を助成
  • クローバー給付金:3人目以降の児童が3歳未満の場合、その保護者に対して児童1人につき月5,000円の給付金を支給
  • チャイルドシート購入費補助金制度:チャイルドシート購入費の一部(最大15,000円)を助成 など

>>九度山町の子育て支援について詳しくはこちら

さらに、九度山町は教育面においても魅力的な要素が豊富です。特に未就学児を対象とした英語学習が特徴的で、「幼い頃から英語に慣れ親しむ」ことを目的に、ALTによる無料英会話教室を毎週2回開催しています

九度山町中央公民館で開催される英会話教室
▲無料の英会話教室は「九度山町中央公民館」で開催

小学校でも特色ある教育に尽力しており、なかでも姉妹都市の長野県上田市との交流事業の一環で行われる「子どもスキー交流」が大好評です。町内の小学校高学年の児童が上田市を訪問し、スキーを通じて現地の子ども達との交流を楽しむことができます。

九度山町のスキー交流の様子
▲上田市の児童からスキーを学ぶなかで、人と交流することの楽しさや喜びも知ることができる貴重な機会です

九度山町の暮らしに関する情報

続いては、気候や病院、学校など、九度山町での暮らしに関連する情報をまとめました。

気候 ・年間平均気温:14.8℃(8月の平均気温は33.0℃、1月の平均気温は-0.3℃)

※気象庁HPデータ(1991年〜2020年)より、最寄りの観測地点であるかつらぎ地点を参照
人口 約3,900人
※令和4年10月末日時点
病院 病院や歯科クリニックなど5か所
学校 幼稚園1園、小学校2校、中学校2校
文化・芸術 【祭礼】
真田祭
丹生官省符祭
椎出鬼の舞 など
食べ物 富有柿、柿の葉すし、地酒「真田忍び」、菓子「六文銭」「九度山しぐれ」、柿の粕漬け、柿アイス など
交通 【鉄道】
南海電気鉄道高野線

【道路】
・国道370号
・和歌山県道4号高野口野上線
・和歌山県道13号和歌山橋本線
・和歌山県道102号宿九度山線
・和歌山県道118号高野橋本線
・紀ノ川左岸広域農道
娯楽 高野山町石道、慈尊院、丹生官省符神社、勝利寺など有名スポット多数
近隣都市 橋本市
伊都郡高野町
かつらぎ町

九度山町は山間部に位置するため、マイカーがあるほうが便利です。食材や日用品といった生活必需品は町内にある道の駅やコンビニ等で調達できますが、近隣の橋本市に出向くと、より充実した買い物を楽しめるでしょう。九度山町から橋本市までは車で10分程度のため、不便さを感じることなく生活できます。

病院についても、近隣の橋本市やかつらぎ町などを含めれば数多くの選択肢がありますよ。

なかには「車を運転できない高齢者には不向き?」といった懸念を感じる方もいるかもしれませんが、九度山町は75歳以上の高齢者世帯に病院や役場へのタクシー代を助成する「シルバータクシーチケット制度」を設けています。そういったあたたかな支援が存在することからも、九度山町の暮らしやすさがうかがえますね。

なお、九度山町では季節ごとにさまざまなイベントを開催しており、イベントへの参加によって町の人々との繋がりを深められます。なかには「馴染めるかどうか不安」と思う方もいるかもしれませんが、人と人との繋がりを大切にする町なので、温かく迎えてもらえるはずですよ。

ちなみに、エリアによって住居数の偏りはそれほどありませんが、町内を流れる「紀の川」の南側は自然が多くのどかで、北側は「まち」の雰囲気です。暮らしの中に自然をたっぷりと感じたい方は「紀の川」の南側エリア、少しでも便利なほうがいいという方は「紀の川」の北側で住まいを探すとよいでしょう。

仕事情報:30分圏内で探すと求人多数!大阪への通勤も多い

大手の求人サイトで九度山町、および九度山町から30分圏内で通える橋本市での「正社員の求人数」を検索したところ、以下のような結果となりました。

▼大手サイトで「正社員の求人数」を検索した結果

九度山町 約230件
橋本市 約3,800件

※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

業種としては、製造業やサービス業、農業が多い印象です。町内は個人事業主または農家が多くを占めるため、正社員としての雇用を希望する場合はほかのエリアも含めて探してみるとよいでしょう

九度山町から1時間圏内まで範囲を広げても問題ない場合は、大阪エリアもおすすめです。実際に九度山町から大阪へ通勤している方も多く、なかには奈良や和歌山市にお勤めの方もみられます。

なお、九度山町では移住者向けの就業支援を手厚く実施しています。九度山町への移住時には、積極的にそういった支援制度を利用するのもひとつの方法です。

【移住者向けの就業支援】

  • 九度山町起業創業支援事業補助金:九度山町内で新たに創業する方を対象に補助金を交付
  • 青年就農給付金:経営が不安定な就農直後(5年以内)の方を対象に給付金(最大150万円)を給付

>>「九度山町起業創業支援事業補助金」について詳しくはこちら

>>「青年就農給付金」について詳しくはこちら

和歌山県でもさまざまな就業支援を実施しているため、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

>>和歌山県における就労支援について詳しくはこちら

ちなみに、九度山町で勤務する正社員の世帯年収相場は約424万円で、全国平均の約500万円よりも水準が低めです。もしも待遇の良い仕事を見つけたい場合は、九度山町内だけで探すのではなく、大阪といった中心部も含めて探すことをおすすめします。
※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

住まい情報:「空き家バンク」や「町営住宅」の利用がおすすめ

九度山町で住まい探しをする際は、ぜひ「空き家バンク」をチェックするとよいでしょう。5LDKほどの戸建て住宅が300~600万円ほどで売買されています。
※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

>>九度山町の「空き家バンク」をチェック!

また、九度山町にはリーズナブルな家賃で利用できる町営住宅もあり、賃貸物件をお探しの場合におすすめです。たとえば地域優良賃貸住宅の「さくら団地」は新婚・子育て世帯向けの町営住宅で、3DKの住戸を家賃54,000円で利用できます。(最大7年間家賃の半額補助あり ※上限27,000円)

ただし、町営住宅には細かな条件が設定されているため、ご自身が利用可能かどうかを事前にご確認ください。

なお、九度山町には移住時に利用可能な住宅支援が豊富に揃っています。ぜひご自身に合うものを見つけて、住まい探しにお役立てくださいね。

  • 九度山町定住促進支援補助金:九度山町内に新築住宅を建設または建売住宅を購入される方を対象に補助金100万円を交付
  • 九度山町空き家移住推進補助金:九度山町内の空き家バンク登録物件を購入し、移住した方を対象に最大50万円の補助金を交付
  • 民間賃貸住宅入居者家賃補助制度:九度山町内の民間賃貸住宅に入居する新婚世帯または子育て世帯を対象に、家賃を最大7年間補助 など

>>九度山町の住宅支援について詳しくはこちら

九度山町に移住した方の体験談

九度山町へ移住した方の体験談

ここでは、実際に九度山町へ移住した方の声をいくつかご紹介します。

  • 優しい人が多く、ご近所付き合いを楽しみながらのんびりと生活できる素敵な場所
  • 車で10分ほどで橋本市のスーパーやホームセンターにアクセスできるため、生活に不便はない
  • 豊かな自然と古き良き歴史を身近に感じながら、ゆったりとした日々を送れることに満足
  • 子育て支援が充実しており、経済的にも精神的にもサポートを受けながら子育てを満喫している

自然に恵まれ、真田幸村ゆかりの地としても知られる九度山町は、都会の喧騒を離れて心豊かな生活を送りたい方にとって住み心地抜群です。地方暮らしを堪能できるエリアでありながらも、車があれば生活に不便さを感じることはないでしょう。

子育て関連の支援や教育制度にも魅力的な特色を持つまちなので、子育てファミリーの移住先としてもおすすめですよ。

九度山町に移住する際に行いたい2ステップ

九度山町への移住について本格的にお考えの方は、ぜひ以下のステップを参考に移住計画を進めてみてください。

【ステップ1】移住について相談する

まずは九度山町への移住について相談することから始めましょう。九度山町役場の企画公室が相談窓口となっているほか、和歌山市・東京都・大阪府の3か所に位置する「わかやま移住定住支援センター」でも相談可能です。

>>「わかやま移住定住支援センター」について詳しくはこちら

【ステップ2】現地に足を運んでみる

九度山町への移住に関する情報収集が完了し、具体的に移住を検討したい場合には、現地に足を運んでみることをおすすめします。実際にまちを歩きながら地元の方との交流も図ることで、九度山町の雰囲気や暮らしぶりがご自身に合っているかどうかが自然と見えてくるでしょう。

過去には暮らし体験ツアーが開催されたこともあるため、タイミングが合えばそういったイベントに参加をするのもおすすめですよ。

九度山町への移住に関するお問い合わせ

担当課 九度山町役場 企画公室
住所 〒648-0198
和歌山県伊都郡九度山町九度山1190
電話番号 0736-54-2019
対応時間 8:30~17:15
公式サイト https://www.town.kudoyama.wakayama.jp/kikaku/izyu_matome.html