福島県塙町へ移住:豊かな自然と充実の子育て環境、暮らしの魅力を紹介
この記事では、地方への移住を検討している方のために、福島県塙町(はなわまち)の魅力を紹介していきます。
塙町は、福島県の中通りに位置する人口約7,900人の町です。通称「ダリアの町はなわ」と呼ばれており、里山ののどかな風景と、鮮やかな花々が町内に咲き誇る自然と調和した地域です。茨城県との県境に位置することから、東北と関東の両方の文化を合わせもっています。
そんな塙町での暮らしの特徴やその魅力について、地域づくり係の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
福島県塙町の暮らし:4つの魅力的な特徴
福島県のほぼ最南、茨城県との県境に位置する塙町は、花・里山・川・森林に恵まれた自然豊かな町です。地震に強い地盤を持っていると共に、土壌は多くのミネラル分を含んでいることから、塙町で育てられた米や野菜はとても美味しいと近隣の市町村から買いに来る人もいるほどです。
そんな塙町は以下のような特徴があります。
それではここから、塙町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:「ダリアの町」として知られる、四季折々の花々が彩る美しい景観
▲町のあちらこちらに、ダリアが咲き誇るミニダリア園がある
塙町には、山つつじとダリアの2つを「まちの花」として定めています。山つつじは町内に約4,000本あり、4月下旬から5月上旬にかけて、真紅の花を咲かせます。ダリアは町内にある21ヶ所のミニダリア園で栽培されており、夏から秋にかけて鮮やかな花が咲き誇ります。
「塙町」という町名も「花輪」を連想させることもあってか、町中には花が多く、住民だけでなく訪れた観光客の心も和ませてくれるようです。町内面積の約80%を占める山林からなる里山との色彩の美しさも、塙町ならではの光景と言えます。
▲まさに里山といった塙町の風景。春に咲き乱れる菜の花が美しい
また、春には久慈川サイクリングロード沿いに1.5kmほど続く桜並木が、日本らしい和の風景を見せてくれ、多くの人々が散策にやってきます。
▲サイクリングをするのも、のんびり散策するのも楽しい春の久慈川サイクリングロード
美しい花々や、里山の風景などの自然に恵まれ、穏やかな暮らしと住みやすさのバランスがちょうどいいのが塙町の魅力の1つと言えそうです。
塙町は空気もいいですし、いわゆる奥久慈に繋がる清流・久慈川が町の中を流れているので、景色を見ながら自転車を走らせるのも気持ちいいですよ。
特徴2:県境の立地を活かした、開放的で移住者を温かく迎える町の雰囲気
福島県の南部、茨城県との県境に位置する塙町は、昔から久慈川を中心とした流通拠点として栄えてきました。そのため、町外からの人を受け入れることにも抵抗がなく、閉鎖的な雰囲気もありません。
福島県は東北地方に分類されますが、塙町は東北と茨城をはじめとした関東の両方の文化や風土を持ち合わせた町と言えます。アクセスの面から見ても、福島県の主要部と関東の近隣都市では同じくらいの時間で行くことができるため、2つの文化が交わっているのもうなずけます。
▼県内と県外の近隣都市までの車での所要時間
所要時間(車) | 県内 | 県外 |
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約50分 | ・白河市 | ・栃木県那珂川町 |
約1時間 | ・須賀川市 | ・茨城県北茨城市 |
約1時間15分 | ・郡山市 ・いわき市 |
・群馬県大田原市 |
約1時間50分 | ・会津若松市 | ・茨城県水戸市 |
(2024年縁結び大学調べ)
私も関東に長く住んでいたので、塙町の雰囲気や空気感が東北の文化と関東の文化の良さが入り混じった独特なものだと感じることが多々あります。その雰囲気も、ぜひ一度来て感じて頂きたいですね。
特徴3:ミネラル豊富な土壌が育む、絶品の米や野菜
▲ミネラルたっぷりでとっても美味しい塙町産のお米
もともと、塙町の大部分は海の底であったと言われています。その証拠に貝やクジラの化石などが発掘されており、その地層には多くのミネラルを含んでいます。塙町ではそれを土壌改良剤として活用し、お米などを育てています。
塙町で育てられた米や野菜はその豊富なミネラルの影響があってか、とっても美味しいのだそうです。「道の駅はなわ」では塙町で育てられた農作物が手頃な価格で売られているため、いつでも気軽に地産地消の美味しいものを手に入れることもできます。
▲ごろりと大ぶりな塙町産の野菜
▲すくすくと大きく育った地産地消の野菜が手に入るのは大きな魅力
季節に応じた旬の野菜を買えるため、町外からやってくる人もいるそうですよ。
公式:道の駅はなわ
特徴4:安心して暮らせる、災害に強い強固な地盤
塙町は強固な地盤に恵まれた地域です。東日本大震災の際の震度は5弱を記録しましたが、以降はほとんど被害がなく、近隣で地震が起きた際にも、塙町で観測される震度は周りの市町村よりも低いのだそうです。
最も、島国である日本においては、いつどこで地震が起きるかはわかりませんが、少なくとも他の地域と比べて強固な地盤があることは、生活をする上での安心材料となるのではないでしょうか。
塙町での暮らし:気候、医療、教育など生活に必要な基本情報
▲塙町にある和菓子屋で作られている名物「こんにゃく餅」
ここからは塙町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温24.1℃ ・冬(1月):平均気温0.2℃ ※参考:気象庁ホームページ(東白川地点) |
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人口 | 約7,900人(約3,200世帯) ※2023年1月1日現在 |
病院 | 町内にはクリニックも含め9件の医療機関がある ※2024年1月時点 |
学校 | 町立保育所1園、町立幼稚園2園、小学校2校、中学校1校、高校1校 ※2024年1月時点 |
交通 | 【鉄道】 ・東日本旅客鉄道(JR東日本):水郡線(磐城塙駅) 【路線バス】 ・福島交通 |
隣接自治体 | ・福島県:東白川郡棚倉町、矢祭町、鮫川村 ・茨城県:高萩市、北茨城市、常陸太田市 |
大都市からのアクセス | 【東京から】 ・電車:東北新幹線で、東京から新白河を経由し、磐城塙駅まで約2時間30分 ・車:常磐自動車道を経由し、約2時間45分 【仙台から】 ・電車:東北新幹線で、仙台から新白河を経由し、磐城塙駅まで約2時間10分 ・車:東北縦貫自動車道ならびに東北自動車道を経由し、約2時間30分 【水戸から】 ・電車:JR水郡線で、水戸から磐城塙駅まで約1時間40分 ・車:国道249号を経由し、約1時間30分 【郡山から】 ・電車:JR水郡線で、郡山から磐城塙駅まで約1時間30分 ・車:東北縦貫自動車道ならびに東北自動車道と、県道44号を経由し、約1時間 【福島空港から】 ・車:国道118号線を経由し、約50分 |
町内にはスーパー、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンターが揃っており、生活に必要なものは概ね全て揃えることができます。病院や学校、郵便局や役場に銀行なども含めほとんどの施設が、磐城塙駅を中心としてコンパクトにまとまっています。
大きな家電量販店や100円均一などは隣町の棚倉町にあり、塙町の中心部から車でおおよそ10分ほどで行くことができます。
町内には鉄道やバスも走っていますが、日常生活には車が欠かせないと思った方が良いでしょう。
東北地方の中では比較的温暖な気候で、降雪量も少ないため、冬は毎日雪かきをしなくてはならない、といったこともありません。
白河市が近い影響で、塙町にも美味しい白河ラーメンのお店がたくさんありますよ。
【仕事事情】近隣市町村を含めると就業機会は多様
大手求人サイトで「塙町×正社員」で検索したところ、約120件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約2,100件まで広がりました。※2024年1月時点
※参考:求人情報の一例(塙町のみ)
※参考:求人情報の一例(塙町から25km以内)
町内に限ると求人情報は多くはありませんが、近隣まで広げると選択肢は広がるため、仕事探しに苦労することはないでしょう。建設業や事務職、木材業のほか、近隣には大手の製造機器メーカーの工場などもあります。
新たに塙町周辺で職を探す場合は、仕事が決まってから引っ越すのも手だと思います。安心感が全然違いますからね。
【住まい探し】充実した住宅取得支援制度と空き家バンクの活用
大手住宅情報サイトで塙町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約6件見つかりました。※2024年1月時点
参考:物件情報の一例
賃貸物件数は多くありませんが、塙町では住宅取得をする方に対して、「塙町住宅取得支援事業補助金」制度を整備しています。一軒家に住みたいと考えている方におすすめの補助金です。
塙町住宅取得支援事業補助金:基本額と条件に応じて加算
「塙町住宅取得支援事業補助金」は福島県外から、塙町に移住し、住宅を取得する人に対して交付される補助金です。子育て世帯はもちろんのこと、塙町で定住を考える人にはぴったりの制度です。
補助対象者 (全てに該当すること) |
・福島県外から塙町内へ移住するため、新たに住宅(新築または中古)を取得する2人以上の世帯の方 ・取得した住宅の所在地に住民登録できる方 ・移住後10年以上継続して居住できる方 ・市区町村税の滞納がない方 ・暴力団員でない方 ※塙町へ転入後、6ヶ月以内の方が対象 |
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補助額 | 住宅取得のために要した経費の50%が上限 ・基本額:140万円(上限) ・同居世帯員に義務教育終了前の子どもがいる場合:20万円を加算 ・町内就業(世帯員のいずれかが雇用保険対象となる労働契約を締結した場合):20万円を加算 ・取得住宅の建築を塙町内の建築業者が請け負う場合:20万円を加算 |
中古住宅を取得する場合は、空き家バンク制度をチェックしてみるのも良いでしょう。物件の登録数は多くありませんが、掘り出し物が見つかる可能性もあるので、定期的にホームページを見てみて下さい。
公式:塙町(空き家バンク)
移住支援金制度と組み合わせると、住宅取得への負担も一気に減るので、こちらも忘れずに活用するようにして下さい。
【子育て環境】充実の支援制度で新婚・子育て世帯を手厚くサポート
塙町では新婚や子育て世帯をサポートすべく、支援制度を整備しています。ここではそのいくつかの制度について紹介します。
制度名 | 概要 |
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塙町結婚新生活支援事業 | 夫婦双方の年齢が39歳以下かつ、夫婦の合算所得が500万円未満の新婚世帯を対象に、婚姻に伴う住宅購入費用や住居費、引っ越し費用、リフォーム費用などを、最大60万円助成 |
出産・子育て応援ギフト | 交付対象者の妊娠1回につき50,000円、出生対象児童1人につき50,000円を支給 |
塙町乳幼児子育て用品支援事業 | 乳幼児が2歳の誕生日を迎える前月まで、子育てに必要な紙おむつやミルクなどの購入に要した費用を、2,500円/月を限度に支給 |
塙町子育て世帯応援ポイントカード | 妊婦がいる、または小学生の子どもがいる世帯を対象に、「塙町子育て世帯応援ポイントカード」を発行し、塙サービス会加盟店利用時に提示するとポイントがたまり、商品券などに交換ができる制度 |
子ども医療費助成 | 18歳になった最初の3月31日まで、子どもの医療費を助成 |
支援制度だけでなく、子育てを支援する施設にも力を入れています。保育所と幼稚園が一体になった「塙町立はなわこども園」や、子どもの第三の居場所としてのびのび過ごせる「はなまるはうす」など、保護者の方から高い評価を頂いています。
公式:はなまるはうす
公式:県南地域の保育所一覧
福島県塙町に暮らす先輩移住者の声
実際に塙町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
移住者が感じる塙町の魅力:自然、気候、立地、人柄など
- 水が美味しいので、それで育てられた野菜も当然のようにとっても美味しい
- 東北の中でも温暖な気候で雪が積もることが少ない地域なので、雪かきの必要はほとんどなく、冬場でも車で出かけやすい
- 郡山市やいわき市、栃木県那須塩原市などには車で1時間半ほどで行くことができるので、出かけるのが好きな方には良い立地
- 人が優しい。「助け合いの精神」が根付いているので、移住したての頃からいろいろな人に助けてもらっているけれど、過干渉ではない。人と人とのバランスがちょうど良い
- 都会に住んでいた時は、仕事が優先だったが、塙町にしてから子どもが優先の生活になった。保育園や小学校などの行事も、父親と母親の両方が参加している家庭が多い印象。イベント等を見ていても、地域全体としてすごく子どもを大事にしている
塙町での生活の課題:店舗営業時間や公共交通の利便性
- コンビニはあるが、24時間営業ではないところもある
- 電車の本数が1時間に1本あるかないかくらいなので、車がないと移動には不便する
- 町内にある飲食店は19~20時で営業を終了してしまうところが多いため、注意が必要
都会と比べてしまうと、お店の営業時間が短かったりなど、不便なところもありますが、立地や気候がよく、住民同士がちょうど良い距離感で過ごせる町であることがわかります。
塙町への移住を検討する方へ:まずは町の雰囲気を体感しよう
▲塙町で行われているお祭りでのワンシーン。力強い太鼓の音が聞こえてきそう。お祭りシーズンに訪問するのも町の雰囲気がわかるのでおすすめです
塙町への移住を考えだしたら、まずは塙町に行ってみるのが一番です。と、行ってもいきなり何も知らない状態で行くのはちょっと不安に思うかもしれません。まずは担当課に相談することから始めてみるのも良いでしょう。
塙町への移住に関するお問い合わせ
塙町に興味を持った方は、まずはまち振興課の地域づくり係に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 塙町 まち振興課 地域づくり係 |
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住所 | 〒963-5492 福島県東白川郡塙町大字塙字大町三丁目21番地 |
電話 | 0247-43-2112(地域づくり係・商工観光係) |
公式サイト | https://www.town.hanawa.fukushima.jp/ |