上山市移住のすすめ:温泉とフルーツの町!暮らしと支援情報
この記事では、地方への移住を検討している人に向けて「山形県上山市(かみのやまし)」の魅力や暮らしの特徴をまとめています。
上山市は、温泉街や城下町など趣のある街並みが魅力で、温泉やフルーツなど、日常生活を豊かにする資源に恵まれています。冬場はスキーも思いっきり楽しめます。
また、山形市へのアクセスが良く、新規就農や起業のサポートも充実。さらに子育て支援や子どもの遊び場も充実していることから、子育て世帯の移住先としても注目を集めています。
今回は、上山市地域おこし協力隊の髙橋さんにインタビューを行い、生活環境や仕事・住宅事情など、移住に役立つ情報をお聞きしました。
上山市の3つの特徴・魅力
上山市は山形県の南東部に位置しており、県庁所在地である山形市まで車でわずか15分という好アクセスを誇ります。この利便性から、上山市は人気のベッドタウンとしても知られています。
上山市の特徴としては、次の3点が挙げられます。
- 歴史ある温泉街があり、日常的に温泉を楽しめる
- 高品質なフルーツの生産地で、果樹園やワイナリーが充実
- 子育て世帯向けの支援制度や子どもの遊び場が豊富
それでは、これらの特徴について詳しく見ていきましょう。
歴史と温泉が織りなす魅力的な街並み
上山市は、温泉街・城下町・宿場町という三つの側面を持っており、風情ある歴史的な街並みが広がっています。
特に上山城を中心とする城下町と温泉街は近接しているため、歴史的な雰囲気を味わいながら散策するのに最適です。
温泉は肌に優しい泉質であり、いくつかの地区に分かれています。蔵王連峰を望める景観の良い温泉や、数百円で気軽に入れる共同浴場など、どれも地域の人々に親しまれています。
参考:上山市観光物産協会
また、温泉の休憩スペースでは小さな音楽イベントが開かれるなど、温泉が地域の交流の場としても機能しています。
さらに上山市では、こうした温泉や自然環境などの地域資源を活かして、健康づくりに大切な「運動・栄養・休養」を組み込んだ「クアオルト事業(※)」を推進しています。
(※)クアオルト:ドイツ語で「健康保養地・療養地」を指す
温泉を日常的に楽しみながら、健康的な生活を送りたい人にとって理想的な環境と言えるでしょう。
参考:上山市(上山型温泉クアオルト事業)
高品質フルーツの宝庫:一年中楽しめる果物とワイナリー
山形県と言えば、フルーツの産地として知られています。上山市は特に観光果樹園が豊富で、一年を通して様々な果物の収穫体験を楽しむことができます。
全国的にも有名な佐藤錦をはじめとするサクランボ、種類豊富なブドウやナシ、モモ、リンゴ、ラ・フランスなど、どれも高品質な果物を味わえます。
さらに、上山市には品質の高いブドウを活かしたワイナリーもあり、国内トップクラスの実力を誇ります。毎年夏には「山形ワインバル」という大規模なイベントが開催され、多くの人で賑わいます。
上山市への移住は、美味しいフルーツやワインに囲まれた、豊かな食生活を実現する機会となるでしょう。
参考:山形ワインバル
子育て環境の充実:保育料無償化と独自の教育・遊び場
上山市では、2023年度から第2子の保育料を無償化するなど、独自の子育て支援に積極的に取り組んでいます。
また、斎藤茂吉記念館が主催する「ジュニア短歌コンクール」や、武家屋敷を会場とする寺子屋など、地域の歴史と文化を活かした特色ある教育活動も行われています。
屋内の子どもの遊び場としては「上山市総合子どもセンターめんごりあ」が人気です。小学生以下の年代ごとに合わせたさまざまな遊具が設置されており、無料で利用できるため、多くの家族に親しまれています。
▲室内の遊び場「めんごりあ」には大型の遊具もあって、子どもたちに大人気!
屋外では、市役所に隣接している上山市民公園や、上山城に隣接している月岡公園など、子どもたちが安全に遊べる人気のスポットが充実しています。
これらの施設や取り組みにより、上山市は子どもたちがのびのびと成長できる、子育てに適した環境を提供していると言えるでしょう。
上山市の地域特性:エリアごとの暮らしの違いを解説
▲かつては「羽州の名城」と呼ばれた上山城。展望台からは市内が一望できる
上山市では、中心より北寄りの「かみのやま温泉駅」周辺に市街地が広がっており、スーパーなどの生活に必要な施設が集中しています。
そのため、南側の山に近いエリアに暮らす場合は、日常の買い物にも自動車が必要不可欠です。また、南部地域は他の地域と比べて積雪量が多い傾向にあります。
移住を考えている方には、生活の利便性が高い駅周辺の市街地が人気があります。
上山市の生活事情:気候・交通など暮らしの基本情報
▲上山秋祭りでは山車の上で舞踊が披露される「踊り山車」が市内を巡る
それでは次に、上山市の暮らしに関するデータを見てみましょう。
気候 | 1月:平均気温-0.1℃ 8月:平均気温25.0℃ ※参考:気象庁(山形) |
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人口 | 28,211人 (令和5年9月30日時点) |
病院 | 病院:3、クリニック:19、歯科:11 |
学校 | 小学校:4、中学校:3、高校:1、大学研究所:1 |
交通 | 【鉄道】 ・JR「羽前中山駅」「かみのやま温泉駅」「茂吉記念館前駅」 ・山形新幹線「かみのやま温泉駅」 【高速道路】 東北中央自動車道「かみのやま温泉IC」「山形上山IC」(山形市) 【バス】 ・上山市営バス ・山交バス ・山形-東京線「レインボー号」など |
アクセス | 【公共交通】 東京駅から山形新幹線で約2時間35分(かみのやま温泉駅着) 【車】 東京都心から「山形上山IC」まで約5時間 |
近隣都市 | 山形市、南陽市、高畠町、宮城県川崎町、七ヶ宿町、蔵王町 |
積雪については、12月、1月は膝の辺りまで積もります。ただし、行政が除雪を行うため、通勤への影響はほとんどありません。
買い物では、ドラッグストアなどもあるので、ひと通りの生活必需品は市内で揃います。大きな買い物の際は、車で約30分の山形市や、約1時間20分の仙台市まで行くケースが多いようです。
また、交通手段の中心は自家用車で、公共交通機関では市営バスを利用する人が多いとのことです。電車は運行本数が少ないため、隣の山形市へも車で移動する人が大半だそうです。
なお、市街地の周辺は新築のアパートも多く、人付き合いは比較的さっぱりとしているようです。
仕事事情:充実の就農・起業支援と便利な山形市通勤
▲吊るし柿
大手の求人情報サイトで上山市の正社員求人を検索したところ、約500件の求人情報が見つかりました。温泉街の宿泊業、果樹園などの農業や製造業が多いようです(2023年10月時点)。
※参考:求人情報の一例(上山市のみ)
一方、車で約30分程度の通勤エリア(25キロ圏内)まで広げると、約1万件の求人がありました。実際に、隣接する山形市へ通勤している人は多いそうです(2023年10月時点)。
※参考:求人情報の一例(上山市から25キロ以内)
また、上山市では、ラ・フランスやサクランボなど質の高い農作物が栽培できるため、新規就農のニーズも高いのだと言います。
明確な目標と計画を定め、一定の条件を満たした場合には市から「認定新規就農者」と認められ、さまざまな融資や投資をはじめ、手厚い補助を受けることができます。
認定新規就農者支援 |
農業経営を開始し、5年後の目標計画を上山市に提出して認定を受けた方。①18~45歳、②45~65未満で特定の知識やスキルを有する方、または①②に該当する者が役員の過半数を占める法人が対象。機械・施設等取得資金、農地の購入資金、機械・施設等の改良などの融資があり。 |
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公式:上山市(認定新規就農者)
このほか、上山市で起業したい場合は、最大30万円の「上山市創業支援事業補助金」や、空き店舗・空き家などの改修費や賃貸料に関する「上山市空き店舗等リノベーション支援事業補助金」を受けることができます。
上山市創業支援事業補助金 |
上山市内において、事業を営んでいない個人の方で、新たに個人事業主として事業を開始する方または会社等の設立を行い事業を開始する方が対象。創業に関わる資料作成等の経費、設備費、保険料、広告費などに対し、年齢や創業場所に応じ補助金を交付する。 |
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上山市空き店舗等リノベーション支援事業補助金 |
上山市立地適正化計画における都市機能誘導区域が補助の対象。空き店舗・空き家などを活用するときにかかる改修費や賃貸料を補助。改修費については費用の2分の1または100万円のいずれか低い額、店舗賃借料については敷金・礼金や管理費、保証金、共益費を除いた2分の1の額の補助があり。 |
興味のある方は、下記の公式サイトをご確認ください。
公式:上山市(創業支援)
そば屋さん、ベーグル屋さんなど、最近は飲食関係の起業が多い印象です。
住宅事情:子育て世帯向け物件と住宅取得・リフォーム助成
大手の住宅情報サイトで上山市の賃貸物件を探したところ、約70件が見つかりました。(2023年10月時点)。
※参考:物件情報の一例
山形市のベッドタウンとして人気があり、子育て世帯向けの新しいアパートが豊富に用意されています。
また、上山市では「空き家バンク」と「住み替えバンク」を運営しています。住み替えバンクは、まだ居住中の物件を事前に登録することで、空き家の発生を防ぐ取り組みです。
令和5年10月1日時点で、空き家バンクは成約88件、掲載37件、住み替えバンクは成約9件、掲載10件と、両制度とも活用されています。
公式:上山市(空き家バンク・住み替えバンク)
さらに、新築・中古物件の購入時には最大100万円の「持家住宅建設等補助金」、空き家のリフォーム時には「住宅リフォーム等支援事業補助金」などの支援を受けられる可能性があります。
持家住宅建設等補助金 |
上山市居住の方、または新たに上山市に移住する方が対象。住宅の建設、中古物件の購入をする場合に、子育て世帯なら最大100万円の補助があり。(上山市在住の方は上限90万円) |
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住宅リフォーム等支援事業補助金(※令和5年度分は終了) |
上山市居住で市内に住所がある方、新たに上山市に移住する方が対象。市内業者に施工を依頼し、居住部分をリフォームする場合に費用の一部を補助。 |
詳細やその他の住宅関連助成については、下記の公式サイトをご確認ください。
公式:上山市(住宅支援関係及び空き家に関わる補助金)
山形市より土地代が安いため、上山市で戸建てを検討する人も多いです。
上山市移住者の声:実際に暮らす人々の感想と口コミ
それでは次に、上山市へ移住した方々の声を見てみましょう。
- スキーが好きで移住した。
- 春の山の美しさや、きれいな空気・水に惹かれた。
- 山歩きが好きで移住先を探していたとき、地元の人々の温かさが決め手となった。
- 家賃が山形市より比較的安い。
- マルシェなど、地域のイベントが多くて楽しい。
- 地元の食べ物の美味しさに驚いた。
- 温泉でゆっくりリラックスできる。
スキーや山歩きなどのアウトドア活動を楽しむために移住する人や、山形市へ通勤する際のベッドタウンとして選択する人が多いようです。
地元の人々の温かさや温泉、さくらんぼなどのフルーツをはじめとする豊かな食文化、そして各種地域イベントなど、移住後の生活に満足している声が多く聞かれました。
上山市へ移住するための具体的なステップ
それでは最後に、上山市へ移住するために活用できる支援や制度についてご紹介します。
2023年9月、上山市ならではの就労体験を行いながら、観光や地域住民との交流を行う就労体験事業「カミダスケ」が新たにスタートしました。この事業は、上山市の魅力を体験しながら、実際の仕事を通じて地域の人々と交流できる貴重な機会です。
移住に興味を持ち、上山市を訪れる際には、ぜひこの「カミダスケ」を利用してみてはいかがでしょうか。実際の生活や仕事の様子を体験できるため、移住の判断材料として役立つでしょう。
経済的な支援としては、東京圏から世帯で移住した場合には最大100万円の「移住支援金」を受け取れる可能性があります。また、県外から移住した場合には月額1万円(最大24カ月)の「家賃補助」を利用できる場合があります。これらの支援は、新生活のスタートアップ資金として大きな助けとなるでしょう。
なお、上山市の「お試し住宅」は、2023年10月時点では利用できません。今後の再開予定は未定とのことです。そのため、移住の下見をする場合は温泉街などの宿泊施設を利用することをおすすめします。温泉街に滞在することで、上山市の魅力をより深く体験できるでしょう。
各種支援の詳細や、その他の支援制度については、上山市の移住・定住促進サイトをご確認ください。最新の情報や申請方法など、詳しい内容が掲載されています。
公式:上山市(上山市移住・定住促進サイト)
上山市への移住に関するお問い合わせ
上山市への移住に関する詳細情報や相談については、建設課エリアマネジメント推進室にお問い合わせください。専門のスタッフが丁寧に対応いたします。
担当課 | 建設課 エリアマネジメント推進室 |
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住所 | 〒999-3192 山形県上山市河崎一丁目1番10号 |
電話番号 | 023-672-1111 |
公式サイト | https://kaminoyama-citypromotion.com/ijyu/ |