米沢市での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では地方への移住を検討している方に向けて、山形県米沢市(よねざわし)で生活する魅力についてお伝えします。
山形県の南部に位置する米沢市は、県内でも比較的人口の多いまちです。東には奥羽山脈、南には吾妻連峰、西には飯豊連峰と、2,000メートル級の山々がそびえたっています。
市の中心部に位置する市街地には生活に必要な施設がそろっており、買い物・通院などにも便利。また、地域のイベントも活発に開催されているので、住民と関わる機会が多いのも特徴です。
今回は、米沢市の仕事や住まい、移住者の感想などの移住に役立つ情報を、自らも移住経験のある担当者から伺ったお話と一緒にお伝えします。
山形県米沢市の暮らし・3つの特徴
山形県米沢市の南部と東部には、広い山々が広がっており、「米沢盆地」の中に位置する市街地では四季の移り変わりを感じながら生活することができます。
そんな米沢市での暮らしは、以下のような方に向いています。
- 首都圏にアクセスしやすい地域で暮らしたい
- ほどよく便利な環境も大切
- 自然に囲まれた生活に憧れている
- 人の集まるイベントが好き
上記のような方におすすめだといえる理由を、米沢市に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:新幹線が停車するアクセスの良さは、2拠点移住にもぴったり
▲米沢市内には新幹線が停車する駅がある。7月頃には車窓から紅花畑を一望できる
なんと米沢市内の中心部にある「米沢駅」には、東京駅と山形県の新庄駅を結ぶ「山形新幹線」が停車します!山形新幹線を使うと、東京駅から2時間ほどで米沢駅に到着できるんですよ。
1時間に約1本のペースで運行している山形新幹線を上手に活用し、東京都と米沢市の2つに生活拠点を持つ方法もあります。例えば平日は首都圏で生活をし、週末に米沢市を訪れて癒やしの時間を過ごすのもいいですね。
山形新幹線の停車駅がある米沢市なら、アクティブな方や旅行好きな方もストレスなく生活できそうですね。
特徴2:生活環境のすぐそばに大自然のパノラマが広がる
▲生活環境のすぐそばには、マイナスイオンたっぷりの大自然が広がる
大自然に囲まれた暮らしに憧れているものの、買い物や病院、通学など、日常生活の利便性に不安を感じている方は多いのではないでしょうか?
しかし、米沢市は市街地と大自然のエリアの距離が近いため、自然豊かな暮らしと便利な生活を両立できるんです!
市街地周辺にはスーパーやショッピングモール、コンビニエンスストア、病院、学校など、生活に必要な施設がそろっています。もちろん、カフェや食堂、居酒屋をはじめとする飲食店も豊富にあるので、生活に必要な用事は市内で済ませられます。
そんな市街地から車で約15分の距離には、まるで別世界のような自然が織りなす絶景が広がっています。山々に囲まれている米沢市だからこそ見られる絶景が、移住の決め手になった方もいるそうですよ。
特徴3:地域のイベントが盛りだくさん♪住民たちが温かく迎えてくれる
米沢市では上杉家にちなんだ祭りをはじめ、マルシェやゴミ拾いなど、地域の住民を対象にしたイベントがたくさん開催されています。イベントに参加するだけで住民たちと知り合えるので、人とのつながりを求めている方にもぴったりです。
住民同士が交流できるイベントは、移住者も打ち解けやすいアットホームな雰囲気です。もちろん、住民だからといってイベントへの参加を強制されることはありません。
▲移住者も気軽に参加できるコミュニティも♪
地元愛のある住民が多く、コミュニティ活動が盛んな米沢市は、仲間のような温かい人間関係を築きたい方も要注目の地域です。
米沢市の暮らしに関する情報
▲上杉謙信と上杉鷹山を祀る「上杉神社」は、米沢市ならではのスポット
移住を検討する上で、衣食住を含めた暮らしの情報も気になるのではないでしょうか。次は、気候や病院、学校など、米沢市での生活に役立つ情報をまとめてご紹介します。
気候 | 特別豪雪地帯に指定 1月:平均気温-0.8℃ 8月:平均気温24.5℃ 参考:気象庁ホームページ |
---|---|
人口 |
人口:75,189人(男性:36,874人、女性:38,315人) |
病院 | 米沢市立病院をはじめとし、54の医療施設、37の歯科医院がある |
学校 | 認可保育所:15か所 認定こども園:7園 小規模保育事業所:2か所 認可外保育施設:4園 施設型給付を受ける幼稚園:2園 私学助成を受ける幼稚園:1園 小学校:16校 中学校:7校 高等学校:県立4校・私立2校 大学・短期大学:3校 |
文化・芸術 | 【祭り】 ・米沢上杉まつり ・上杉雪灯篭まつり ・なせばなる秋まつり ・最上川源流よねざわ紅花まつり |
食べ物 | 米沢牛・りんご・鯉など |
交通 | 【高速道路】 ・東北中央自動車道(東京~福島~米沢) ・IC:米沢八幡原IC・米沢中央IC・米沢北IC 【鉄道】 JR米沢駅 ・山形新幹線(東京まで約2時間) ・奥羽本線(山形線) ・米坂線 JR南米沢駅、JR西米沢駅 ・米坂線(今泉~坂町間は代行バス輸送中) 【バス】 高速バス:市内バス停から東京方面(約5時間)・仙台方面(約2時間)へ運行 路線バス:山交バス・米沢市市民バス |
娯楽 | 米沢スキー場・天元台スキー場・映画館・温泉など多数 |
近隣市町村 | 山形県:東置賜郡高畠町・川西町・西置賜郡飯豊町 福島県:福島市・喜多方市・耶麻郡猪苗代町・北塩原村 |
山形新幹線が停車する米沢駅前には、宿泊施設や飲食店が建ち並んでいます。また米沢市内には、複数の病院や学校、公園などがそろっているため、日常的な用事なら市内で完結できるでしょう。
電車・バスといった公共交通機関も整備されているものの、注意したいのは冬の気候です。特別豪雪地帯に指定されている米沢市は冬の寒さが厳しく、市の中心部でも積雪が約1メートルに達します。
そのため、春や夏の温かい季節は近場への移動に自転車を活用して生活できますが、雪が積もる冬の時期には車が必須です。雪がたくさん降る地域だからこそ、助け合って生活する住民たちの温かさがあるんですね。
仕事:ものづくりのまち米沢市。理系・文系問わず経験を生かして働ける
大手求人情報サイトで米沢市の企業が出している正社員の募集を調べたところ、約5,000件の求人がヒットしました。
参考:求人情報の一例
さらにハローワークでも、700件以上の正社員募集が公開されていたので、米沢市内でも十分に就職先を探せそうです。※2022年12月縁結び大学調べ
米沢オフィス・アルカディアや米沢八幡原中核工業団地といった工業団地がある米沢市は、多くの企業が集まる地域です。サービス業からものづくり系まで、理系・文系を問わずに就職できる企業があるので、仕事の選択肢は多いといえます。
そのほか、米沢地域の就職に役立つポータルサイト「やまがた就職企業ナビ米沢」でも求人を探せるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
山形県が行う就労支援は、米沢市への移住も対象
山形県では県民を対象に、以下のような就労支援を行っています。もちろん米沢市への移住者も対象なので、仕事を探す際には支援が受けられるかどうかをご確認ください。
最大100万円の移住支援金 | ・東京都23区内の在住者・通勤者 ・米沢市を含む山形県内に移住 ・県が設置するマッチングサイトの求人に就業 など |
---|---|
やまがたチャレンジ創業応援センター | ・起業を志す方の立ち上げを支援 ・相談窓口や創業塾、創業セミナーの開催 ・創業時の助成金など |
交通費の助成 |
・山形県内の企業への就職を希望 |
米沢市独自では、創業支援事業費補助金なども実施しています。
参考:創業支援事業費補助金
※支援制度の内容は変更になる場合があります
住まい:賃貸物件の選択肢は幅広い。移住者への支援あり
大手物件情報サイトで米沢市の賃貸物件を検索すると、約260件のアパート・マンションが見つかりました。ワンルームから2K、3LDKまで部屋の種類も幅広いので、家族の人数やライフスタイルに合った物件選びができると思いますよ。
※参考:賃貸情報物件情報の一覧
ただ、米沢市には大学と短期大学が合計で3つあるため、入学シーズンには物件が見つかりにくいのが実情です。条件のよい部屋を見つけるためにも、12月から4月ごろまでの入学シーズンを避けた物件探しをおすすめします。
移住者を対象にした支援をチェック
山形県では、山形県外から移住した方の住まいに関する支援を行なっています。例えば、移住者が賃貸物件に住むと最長で2年間、1か月につき最大1万円までの家賃補助が受けられます。支援制度を活用して賃貸物件に住み、米沢市での生活に慣れたタイミングで戸建てを購入するのも1つの方法です。
また、米沢市では移住者の方が空き家を改修する場合に最大120万円を補助しています。
詳しい情報は米沢市の移住ポータルサイトで確認できるので、お時間のあるときにぜひチェックしてみてくださいね。
※支援制度の内容は変更になる場合があります
教育:市内に複数の小中学校・高等学校・大学あり
地方へ移住するにあたり、気になるのは子どもの通学ではないでしょうか。米沢市は教育施設が充実しているので、子育て世帯にもおすすめな移住先といえます。
米沢駅の周辺を中心に複数の小中学校と高等学校が点在しているほか、女子短期大学や四年制大学が全部で3つあり、自宅から通える場所で将来に向けた勉強ができるんです。当然ながら子どもが1人暮らしをする費用を負担する必要もないので、トータルの教育費を抑えられるでしょう。
米沢市に移住した人の感想
ここからは、実際に米沢市に移住した方々からの感想をまとめて紹介します。
- 畑を耕したり、庭を開拓したりと、北欧みたいな生活ができる
- 夢を応援してくれるので、どんどんチャレンジできる
- 雪が多いけれど、ウインタースポーツや雪灯篭祭りなど雪を楽しむ工夫がある
- おいしい米沢牛に感動!
- 最初は住民との距離を感じたが、距離が縮まるにつれて困ったときに助けてくれる温かさを感じた
感想からも、移住者のチャレンジ精神を温かくサポートする住民の姿がうかがえます。夢を応援する風土が整った米沢市なら、「やってみたい!」というアイデアを形にしていけそうですね。
▲埼玉県から移住した男性。米沢市の自然豊かな風土で農業を満喫している
一方で、「最初は住民たちとの距離を感じた」という声もありました。住民たちはコミュニケーションをとりながら親睦を深めるタイプの方が多い傾向にあるので、必ずしも初対面からフレンドリーに話せるとは限らないようです。
ただ、慣れると温かく接してくれる方が多いので、「嫌われているわけではない」と知っておくことで不安がやわらぐと思いますよ。
米沢市への移住に向けたステップ
米沢市の特徴や生活情報、移住者の声などを知り、ますます移住への思いを強めた方もいるのではないでしょうか?米沢市への移住に向けた行動を、3つのステップに分けて紹介します。
ステップ1:移住セミナー・イベントに参加
米沢市では年4回程度、首都圏で移住セミナーを開催したり、全国規模の移住イベントに相談ブースを出展したりしています。
特に米沢市の単独移住セミナーでは、市の職員から米沢市の魅力を聞いたり、移住に関する悩みを相談できたりします。
もちろん先輩の移住者と話をしたり、体験を聞いたりすることも可能です。過去に開催されたセミナー・イベントの内容は米沢市の公式サイトで詳しく紹介されています。参加者や開催場所などの基本的な情報がコンパクトにまとめられているので、ぜひお時間のあるときにチェックしてみてくださいね。
ステップ2:「お試し暮らし」で米沢市での生活を体験
▲お試し暮らしのホストを担当するご夫婦。やさしい笑顔で移住希望者を迎えてくれる
移住セミナーで概要をつかんだら、米沢市が運営する「お試し暮らし体験」に申し込んでみましょう。お試し暮らし体験事業は農家民宿などに泊まって米沢市の暮らしを体験できる取り組みです。
2022年は首都圏に住んでいる20代の方々を中心に、すでに5組ほどがお試し暮らしに参加したそうですよ。
この機会を利用し、米沢市の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。参加申込書は移住ポータルサイトからダウンロードできるので、参加要件と併せてぜひご確認ください。
ステップ3:支援の内容をチェック
山形県では東京都23区内に在住・通勤している移住者を対象に、経済的な負担を軽減する支援を行っています。東京都23区内の職場に通勤している場合には、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に住んでいる方も対象です(※)。
※過疎地域を示す「条件不利地域」は除く
条件を満たすと、移住にかかる費用のうち単身者は60万円、世帯だと100万円を補助してもらえます。詳しい条件は山形県の公式サイトに記載されているので、ぜひご確認くださいね。
※支援制度の内容は変更になる場合があります
米沢市への移住に関するお問い合わせ
米沢市に移住するための準備や疑問点は、移住窓口に相談しましょう。今回お話を伺った高橋さんと谷山さんが、移住に関する悩み・相談に丁寧に対応してくれます。
お2人とも、関東圏から米沢市へ移住した経験をお持ちなので、仕事や暮らし、地域のコミュニティなどの悩みにも移住者の視点から答えてくれるそうですよ。
特別豪雪地帯の米沢市ならではの、雪下ろしや駐車場の除雪などの情報もきちんと説明してくれるので、移住の先輩から話を聞くつもりで相談してみてはいかがでしょうか。
担当課 | 移住相談窓口(地域振興課) |
---|---|
住所 | 〒992-8501 山形県米沢市金池五丁目2-25 |
電話番号 | 0238-22-5111 |
対応時間 | 平日8:30〜17:00 |
公式サイト | 米沢市役所公式移住定住WEBサイト『米沢住』 |