三重県御浜町への移住!みかん農家と充実の子育て環境
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「三重県南牟婁郡御浜町(みはまちょう)」をご紹介します。
本州のほぼ最南端に位置する御浜町は、年間を通して温暖多雨な気候が特徴。その気候と水はけの良い土壌を活かし、まちをあげてみかん栽培に取り組んできました。移住者の中にも「みかん栽培がしたくて移住を決意した」という方が多いまちです。
また、海(太平洋)も山(紀伊山地)もすぐ近くにあるという豊かな自然環境に加え、小中一貫など特色ある教育が行われていることから、子どもの教育環境にこだわりたい方からも注目を集めています。
さらに、移住に関するまちの支援体制が整っているのが嬉しいところ。町の移住相談窓口が移住前から定住後まで伴走してくれるので「自分や家族だけで移住を進めるのはちょっと不安」という方も安心できそうです。
そんな御浜町について、まちの魅力や、住まい・仕事に関する支援、実際に移住した方の感想など、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けしていきます。
御浜町の暮らしの特徴3つ
地方移住を検討している方の中でも、特に御浜町がおすすめなのは次のような方です。
- 気候の温暖なまちに暮らしたい
- 農業がやりたい(特にみかん!)
- 子どもの個性を大切にできる教育環境を選びたい
- 移住について自分や家族だけで検討するのはちょっと不安。サポートがしっかりしているまちを希望
なぜこのような方に御浜町が向いているのか、その理由にもなる、御浜町の暮らしの特徴を3つご紹介します。
特徴1:「一年中みかんのとれるまち」と充実の就農サポート
▲町中に広がるみかん畑は、御浜町の風景そのもの。愛くるしい「紀州犬」は、御浜町がふるさとと言われている
御浜町は、温暖な気候を活かした柑橘類の栽培が盛んなまち。特に「みかん」に関しては、さまざまな品種が育てられ、年間を通じて収穫・出荷が行われる「一年中みかんのとれるまち」なんです。
恵まれた気候条件に加え、まちをあげてみかん栽培に取り組んできた歴史と、産地としての誇りをもつ御浜町には、「みかん農家をやりたい!」「みかんの加工品で起業したい!」という目的で移住される方も多いそうです。就農支援制度も、とても充実していますよ。
就農準備資金 | 就農に向けて必要な技術などを習得するための研修を受ける方に対し、就農準備資金を交付 交付額:150万円/年、もしくは12.5万円/月(選択制)※最長2年間 |
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経営開始資金 | 新たに経営を開始する認定新規就農者に対し、資金を交付 交付額:150 万円/年 もしくは 12.5 万円/月(選択制)※最長3年間 |
新規就農者基盤強化事業補助金 ※御浜町の独自支援 |
技術の習得や所得の確保のため、農業資材や機械について支援 交付額:経費の2分の1以内(上限100万円)※最長2年間 |
資材補助 ※御浜町の独自支援 |
より品質のよいみかんを作るための資材について、費用を補助 |
就農前の準備段階から就農後まで切れ目のない支援があり、また経営リスクに備えたい方のための保険も用意されています。御浜町の独自支援も整った手厚いサポートは、初めて農業にチャレンジする方にとっても心強いのではないでしょうか。
特徴2:小中一貫・少人数制の特色ある教育環境
▲尾呂志学園のオープンスペースに設けられた図書コーナー。木のぬくもりと、高い窓から差し込む光が心地よい
海も山もある自然豊かな環境に加え、「小中学校の教育環境が良い」という理由で御浜町への移住を決意された方もいるほど、御浜町の教育環境は充実しています。
特に注目を集めているのが、小中一貫教育の「御浜町立尾呂志学園」。少人数制で、一人ひとりに寄り添う教育を大切にしています。
尾呂志学園の教育の特色としては、まず、読書に力を入れている点があげられます。毎朝15分の「読書タイム」が設けられているほか、中学生による小学生への「読み聞かせ」の時間があることで、子ども達は自然と本に親しんでいきます。こういった取り組みによって、令和3年度には、文部科学大臣賞も受賞しました。
その他にも、次のようにさまざまな特色があります。
地域・自然との関わりを大切にした多彩な活動
- 地域探検
- 米作り体験
- 梅の収穫・梅ジャムづくり
- 落ち葉拾い
地域の人達の協力・指導のもと、子ども達は自然を肌で感じ、多くの体験をしていきます。米作りでは、子どもたちが「土寄せ」から始め、たくさんの作業を経て、「販売」までも自分たちで行います。また、各家庭にも新米を持ち帰って、家族で楽しく食べるんだそうですよ。
小学生と中学生の連携
- 小中合同の運動会や文化祭
- 米作り体験学習(中学生から小学1・2年生への田植え・稲刈り説明会など)
- 読書タイム(中学生から小学生へ、本の読み聞かせ)
小学生と中学生が関わりを持つ場が多く設けられていることで、子ども達は自らの役割を発見したり、思いやりの心を育んでいきます。
子どもをもつ親御さんなら、学校生活を通して我が子が「率先して動く姿勢」や「人を思いやる心」をグングン身につけていくことに、感動してしまうかもしれませんね。
教員間の連携
- 中学校の教員が小学生を指導することで、中学校の学習へのスムーズなステップアップを図る
- 小中全教員による研修などを通し、9年間の系統性のある指導を実践
特徴3:移住前から定住後まで伴走する手厚い移住サポート体制
御浜町では「御浜町移住・交流サポートデスク」において、移住希望者への相談対応や情報発信など、移住コーディネーターが総合的なサポートを行っています。
「御浜町移住・交流サポートデスク」では、土日でも柔軟に対応できることや、移住コーディネーターさんに何でも気軽に話せる雰囲気が魅力。仕事や住まい情報の提供など、さまざまなサポートが受けられるほか、定住後にも相談に乗ってもらえる、心強い存在です。
▲「サポートデスク」の頼りになる移住コーディネーターさん達。「移住によって家計はどう変わる?」など、気になることは気軽に相談を
事前に予約すれば、希望に合わせた「移住体験ツアー」もセッティングしてもらえます。暮らしたいと思っている地域や、その場所を拠点とした通勤の便、買い物や医療機関へのアクセスの確認などをどんどんリクエストして、移住後のイメージを膨らませてくださいね。
御浜町での生活:気候・交通・医療など暮らしの基本情報
ここでは、移住を検討するにあたって重要になる、御浜町の暮らしに関する情報をお届けします。
気候 | 1月:平均気温6.8°C 8月:平均気温27.0°C ※御浜町内に観測地点が無いため、直近の熊野新鹿地点を参照 ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 人口:8,121人 世帯:4,110世帯 (2022年10月1日現在) |
近隣都市 | 熊野市、南牟婁郡紀宝町 |
市内交通 | 【鉄道】 JR東海(神志山駅、紀伊市木駅、阿田和駅) 【路線バス】 三重交通、熊野市・御浜町広域バス、紀宝町町民バス |
大都市へのアクセス | 【名古屋へ】車で約3時間 【大阪へ】車で約4時間 |
病院 | 病院・クリニック5、歯科3 |
学校 | 高校1、中学校3、小学校4、保育園5 |
買い物 | 浜街道(道の駅パーク七里御浜)、さぎりの里直売所、みはまロコ |
海と山に囲まれた御浜町は、沿岸部と山間部で異なる風景が、それぞれに魅力的です。
「御浜町」という名前の由来にもなっている「七里御浜」は、御浜町を含む3つの市町を通る、日本一長い海岸です。その美しさから「日本の渚百選」にも選ばれており、季節ごと、時間ごとに変わる海の表情は、見る人を魅了します。
また、浜釣りのメッカとしても有名で、県の内外からたくさんの釣り人が訪れます。朝一番に海へ行けば、太平洋から昇る朝日を眺めながらの釣りなんていう贅沢もできちゃいますよ。
▲砂礫海岸(小石や、大粒の砂でできた海岸)である七里御浜では、熊野川から流れついた、色とりどりの石が見られる
一方の山間部には「尾呂志地区」という里山があります。田んぼや畑ののどかな風景が広がり、世界遺産・熊野古道が通るなど歴史を感じさせるエリアです。
そしてこの地域の名物といえるのが「風伝おろし」。秋から春の、気温の低い早朝などに発生する朝霧のことを言います。
▲霧の塊が山肌を流れ落ちるように移動する「風伝おろし」。そのダイナミックな様子は壮観
「初めて風伝おろしを見た時は、その神秘的な様子に感動した」という移住者も多いそう。御浜町で目にするさまざまな風景は、自然のすぐそばで暮らす喜びを感じさせてくれるでしょう。
買い物などの利便性としては、町内にスーパーやコンビニ、大型ドラッグストアやホームセンターなどがあり、日常生活に必要となるものはほぼ手に入ると言えます。また、道の駅や直売所では、地元でとれた野菜や果物などがそろい、旬の新鮮な食材を購入することができますよ。
そのほか、御浜町から車で30分ほどの和歌山県新宮市には大きなショッピングセンターもあります。ドライブを兼ねて週末の買い出しに訪れるのも楽しそうですね。
【仕事】車で20分圏内に求人多数。起業サポートも充実
2022年12月現在、大手求人情報サイトで御浜町の正社員求人を検索すると、約600件がヒットしました。
※求人情報の一例
また、検索条件を御浜町から15km圏内(車で20分程度)までに広げると、熊野市や紀宝町、新宮市などが入り、求人数は約3,600件と大幅に増えるので、あわせて検討してみるのがおすすめです。
※15km圏内まで広げた場合の求人情報の一例
会社勤め以外にも、御浜町では「無いものは自分たちでつくる」という精神からか、起業したりお店を始めたりする方も少なくないそうです。
起業に関しては「みえ熊野古道商工会 御浜支所(電話:05979-2-3220)」が窓口となり色々なサポートをしてくれるので「移住を機に、新しいことを始めたい」という方は相談してみてはいかがでしょうか。
【住まい】新築または購入で、最大120万円相当の支援
2022年12月現在、大手住宅情報サイトで検索したところ、御浜町の住宅物件は賃貸・分譲ともヒットしませんでした(※縁結び大学調べ)。
御浜町で住まいを探すなら、「御浜町移住・交流サポートデスク」か新築か空き家バンクの利用を検討するのが良さそうです。
現在、移住者が多く住んでいるエリアは沿岸部ですが、市街地なので山間部に比べると地価などは高めになります。山間部でも、海まではすぐに遊びに出られる距離なので、ライフスタイルや予算感と相談しつつ考えてみることをおすすめします。
住宅を新築または購入する場合には、下記2つの制度が利用でき、12年間で最大120万円相当の支援が受けられます。
マイホーム取得支援補助金 | 取得する住宅とその敷地にかかる固定資産税相当額を11年間支給 上限:年10万円(11年間で最大110万円) |
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マイホーム取得支援ポイント | 住宅取得時に、10万円相当の御浜カードポイント(食料品、生活用品の購入や飲食に利用可)を支給 |
御浜町移住・交流サポートデスクで紹介できる物件は、2023年1月現在24件(賃貸10件、売買14件)。
空き家バンクに紹介されている物件は、2023年1月現在5件。御浜町として、空き家バンクにはこれからいっそう力を入れていく予定とのことなので、希望する方はこまめに情報をチェックしてみてください。
空き家については「改修して住みたい」という移住者に向けた支援制度もありますよ。
空き家改修支援事業 | 移住者が空き家などを改修して住む場合に、工事費用を補助 補助額:工事費の3分の2(上限:200万円) |
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御浜町移住者の声:自然豊かな環境と地域の温かさを実感
ここでは、実際に御浜町に移住をした方の、体験談や感想をご紹介します。
- 自然いっぱいで、時間の流れもゆったりとしているように感じる
- みかんや野菜、ジビエのお肉など、近所の方からおすそ分けを頂くことが多くて助かっている
- 小中一貫の教育環境に惹かれて移住した。子ども達に多彩な体験をさせてくれるところが、とても気に入っている
- サポートデスクのおかげで、家探しなど、移住の段取りがスムーズだった。住み始めてからも、おすすめのお店を教えてもらったりとお世話になっている
- 住む地域によっては、買い物に車で20分くらいかかる。ただ、都会と違って渋滞がないのは快適
豊かな自然環境と、それがもたらす気持ちのゆとり、おいしい食材など、暮らしの全体的な「心地よさ」が気に入っているという方が多いようです。
御浜町への移住準備:オンライン相談から体験宿泊まで段階的なアプローチ
ここでは、御浜町への移住に向けて具体的に起こせる行動をご案内します。
ステップ1:オンライン移住相談で気軽に情報収集
移住を検討し始めた段階であれば、なるべく多くの情報を集めたり、地元の人の声を聞いたりしたいですよね。
「御浜町移住・交流サポートデスク」では、そんな方に向けて、オンラインでの移住相談を行っています。住まいや仕事、移住で重視することなど、まずは希望をざっくばらんに話してみてはいかがでしょうか。
ステップ2:移住体験宿泊で御浜町の暮らしを実感
情報収集や移住相談を行って、ますます御浜町に興味が出てきた方には、実際に現地に滞在する「お試し移住」をおすすめします。
御浜町の山間部にある移住体験施設「ウェルカムハウス」では、最長2週間の滞在が可能。実際に暮らしてみることで、まちの気候や雰囲気、利便性など「自分にマッチしているか」を確かめることができるでしょう。
御浜町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 御浜町役場企画課 御浜町移住・交流サポートデスク |
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住所 | 〒519-5322 三重県南牟婁郡御浜町大字上野26「御浜ローカルラボ」内 |
電話 | 05979-9-1654 |
対応時間 | 9:00~17:00 |
公式サイト | https://mihama-iju.com/ |