山口県山口市での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、山口県山口市で暮らす魅力をお伝えします。

山口県の県庁所在地である山口市は、人口約19万人と県内2番目の規模を誇る街です。国宝「瑠璃光寺五重塔」が有名で、瀬戸内の穏やかな気候に恵まれています。特に若い世代の移住希望者から注目を集めています。

今回は、山口市の暮らしの魅力について、市役所で移住相談を担当されている渡辺さんにお話を伺いました。移住に役立つ支援制度や移住者の声なども併せて紹介します。

移住担当者の渡辺さん

山口県山口市の暮らし、3つの特徴

山口市の暮らしの特徴

山口市は、地域ごとの個性が魅力の街です。

市の中心部には、明治維新の歴史を感じさせる建造物や、美術館・博物館があり、文化の発信地となっています。また、北部では登山や森林浴が楽しめ、南部では瀬戸内海の景色を楽しむことができるなど、自然豊かな環境に囲まれて暮らせます。

このような山口市での暮らしは、以下のような人におすすめです。

  • 便利さを求めつつも、ゆったりとした暮らしがしたい人
  • 子どものペースに合わせた、競争よりも個性を重視する教育を望む人
  • アートなどの文化に触れさせ、子どもの感性を豊かに育てたい人

以下では、なぜ山口市での暮らしがこのような人に適しているのか、山口市の特徴を交えながら詳しく紹介していきます。

特徴1:のんびりと便利が程よいバランスで同居する街

山口市内を走るSLやまぐち号

山口市は、中心地に都市機能が集約され、その周辺を海や森林などの豊かな自然が取り囲んでいます。市内のどこからでも1時間以内で利便性の高い中心部にアクセスでき、「のんびり」とした雰囲気と「便利」さが絶妙なバランスで共存しています。

街の中心部には、新幹線の発着駅や国公立大学、総合病院など、さまざまな都市機能が整備されています。そして、その中心部を囲むように広がる森林や瀬戸内海では、キャンプや海水浴、マリンスポーツなどのアウトドア活動を楽しむことができます。

さらに、市内には湯田温泉があり、心身ともにリラックスできる環境が整っています。

維新の名士や文化人が多く訪れた湯田温泉
▲明治維新の志士や文化人が多く訪れたと伝わる湯田温泉

山口市には、歴史的建造物や神社仏閣も数多く点在しています。中でも特に注目すべきは、室町時代に繁栄した大内氏をまつるお寺で国宝にも指定されている瑠璃光寺五重塔です。この塔は山口市のシンボル的存在として親しまれています。

山口市の中心部を見下ろす瑠璃光寺五重塔
▲山口市のシンボル的存在、瑠璃光寺五重塔

休日には、これらの歴史的スポットを散策がてら訪れるのもおすすめです。

特徴2:数も種類も充実!医療機関が複数ある

山口市は、医療機関が充実している街です。市内には多くの医療機関があり、幅広い診療科が揃っています。山口市内にある医療機関の診療科を以下の表にまとめました。

▼山口市内にある医療機関の診療科

  • 内科系
  • 精神科/神経科/心療内科
  • 小児科
  • 外科/肛門科
  • 整形外科
  • 脳神経外科/脳神経内科/神経内科
  • 皮膚科/形成外科
  • 泌尿器科
  • リウマチ科/アレルギー科
  • 産婦人科
  • 眼科
  • 耳鼻咽喉科/気管食道科
  • リハビリテーション科

※参考:山口市医師会吉南医師会

さらに、医療機関の数も充実しています。総合病院と、一般的な診療科の医療機関数を調査した結果をご紹介します。

▼山口市内にある医療機関数

総合病院 3院以上
内科 50院以上
小児科 15院以上
産婦人科 5院以上

※2022年9月縁結び大学調べ

加えて、休日も交代制で急病に対応しているため、緊急時の医療サービスも整っています。山口市で生活する上で、「医療機関が少なくてなかなか通院できない」といった心配は無用といえるでしょう。

特徴3:ユニークな取り組みあり!教育環境の充実

山口市は、教育にもとても力を入れています。学力の向上を目指した取り組みはもちろん、体験を通して感性を磨くような教育も充実しています

山口市の教育への取り組みについて以下にまとめました。

▼ユニークな取り組み

山口情報芸術センター メディアやテクノロジーを用いたワークショップを開催。子どもから大人まで学べ、小中学校と連携した教育プログラムも実施している。
芸術文化の体験 学校の授業の一環で、日本屈指の劇団による舞台鑑賞や、一流演奏家による生演奏などに触れる機会がある。

▼学校教育への取り組み

学習支援 補助教員として、教育免許を持つ人材を県内トップクラスの水準で配置。これにより、子ども一人ひとりのペースに合わせた学習支援が可能となっている。
ICTの活用 電子黒板やタブレットを教育現場に導入。また、情報教育専門員も配置し、最新技術を活用した分かりやすい授業を展開している。

特に子どもへの教育においては、幼少期からの多様な経験・体験がその後の興味の幅に大きな影響を与えます。学習面だけでなく、芸術やテクノロジーなど様々な分野に触れられる山口市の教育環境は、子どもの豊かな成長を望む保護者にとって魅力的です。

さらに、市内には文化施設も充実しています。美術館、博物館、図書館などが複数あり、移動図書館も運営されているため、市民が気軽に文化や知識に触れられる環境が整っています。

美術館 2館
博物館 3館
資料館 4館
図書館 7館

山口市の暮らしに関する情報

山口市内の田園に雪が積もった風景
▲山口市の北部では、このような雪景色が見られることもあります

山口市で暮らす際に必要となる、生活に関わる重要な情報をまとめました。

気候 年間の平均気温は15.6℃。8月の平均気温は27.4℃、1月の平均気温は4.4℃。
冬期は北部で比較的雪が降りやすい一方、瀬戸内海側は比較的温暖でおだやかです。
人口 約19万人(2022年7月1日時点)
学校 国立山口大学、山口県立大学をはじめ私立大学と短期大学もあります。
高校は9校、中学校は20校あり、特別支援学校や各種専門学校も充実しています。
病院 綜合病院山口赤十字病院、山口県済生会山口総合病院、小郡第一総合病院などが中心部にあります。さらに、郊外にも医院や歯科医院が数多く点在しており、医療環境が整っています。
文化施設 市民会館、情報芸術センター、県政資料館、スポーツ施設など多数あります。また、美術館・博物館が5件、図書館が7件あり、文化的な生活を楽しめます。
交通 JR山陽新幹線(新山口駅)、山陽本線、山口線、宇部線、山口宇部空港、高速バス、中国自動車道、山陽自動車道、山口宇部道路が利用でき、充実した交通網が整備されています。
近隣都市へのアクセス 福岡市へ 車で約2時間、新幹線で約30分
広島市へ 車で約2時間、新幹線で約30分
大阪市へ 新幹線で約2時間半
名古屋市へ 新幹線で約3時間
東京都へ 新幹線で約4時間半、飛行機で約1時間半

市内にある新山口駅は新幹線の発着駅であるため、大阪や名古屋への移動もスムーズです。また、山口宇部空港にも近く、東京へのアクセスも便利です。

そのため、「いきなり完全移住は勇気がない」という方でも、今の生活を続けながら週末だけ山口市に滞在するなど、二拠点生活を送ることも可能です

住まい情報:賃貸物件は豊富で2,000件以上ある

山口市に移住する際の住まいに関する情報をご紹介します。大手住宅情報サイトによると、山口市内には約2,000件以上の賃貸物件があります。価格は間取りによって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

▼賃貸物件の家賃相場

1R 3.7万円
1K-1DK 3.2万円
1DK-2DK 5.3万円
2DK-3DK 5.5万円
3LDK-4DK 8.3万円
4LDK 10.1万円

※2022年9月縁結び大学調べ

一人暮らしなら3万円台、家族なら5万円台から借りることができる物件が多くあります。

また、購入を検討される方には、山口市の空き家バンクがおすすめです。空き家バンクには、約30件の戸建売却物件が登録されています。価格帯は50万円~1,000万円程度で、立地条件によって大きく変動します。(2022年9月時点)

空き家バンクに登録されている物件は随時更新されますので、最新情報は空き家バンクの公式ページでご確認ください。

>>空き家バンクの詳細

移住者が空き家バンクを利用すると最大70万円の補助あり

移住者が空き家バンクを利用する際に利用できる補助金制度があります。自身が対象となるかどうか、事前にしっかり確認しておくことが重要です。

空き家バンク改修事業補助金 物件を契約した所有者に対し、物件改修費用の一部を支援する制度。
支給金額は条件により異なり、45万円から60万円の範囲で支給されます。
空き家バンク家財道具等処分事業補助金 空き家購入時に既に備え付けられていた不要な家財道具を処分する際の費用を支援する制度。
補助金額は対象経費の2分の1で、上限額は10万円となっています。

>>補助金の詳細

山口市の移住に関する支援

親切に相談に乗ってくれる移住相談ブース

山口市では、市内への定住を決めた人への支援だけでなく、移住を検討している段階から実際に街を訪れてもらい、より身近に感じてもらうためのサポートを数多く用意しています。

主な支援内容は以下の通りです。

▼移住を検討している段階から受けられる支援制度

UJIターン訪問補助金 移住の下見や就職活動を行う際の交通費・滞在費を補助。交通費は最大5万円、滞在費は最大7万円まで補助されます。
やまぐちYY!ターンUJIパスポート 山口県への下見の際、宿泊料金やレンタカー代の割引などが受けられます。
YY!ターン支援交通費補助金制度 山口県への移住に関するツアーや暮らしの体験、下見などの際の交通費を上限3万円まで補助します。
YY!ターンコンシェルジュ 安心して山口県へ移住できるよう、移住相談時から寄り添い、サポートしてくれる専門のコンシェルジュがいます。

▼移住後に受けられる支援制度

やまぐちYY!ターンパスポート支援 山口県への引っ越し代金の割引、ローン金利の優遇などが受けられます。
UJIターン若者創業時家賃住宅補助 新規創業者の家賃の一部を、最大24か月間補助します。
UJIターン者移転費用補助金 特定の企業に就職、または第一次産業に就労したUJIターン者が対象で、上限20万円の移転費用を補助します。
YY!ターンコンシェルジュ 安心して山口県へ移住できるよう、移住相談時から寄り添い、移住後もサポートしてくれる専門のコンシェルジュがいます。

これらの支援制度を活用することで、レンタカーの割引利用や引っ越し費用の負担軽減などが可能です。ぜひご利用ください。

▼支援制度の詳細はこちらをご確認ください。
すむ住む山口「移住支援制度一覧」

山口市に移住した人の体験談や感想

山口市に移住した人の声

ここでは、実際に山口市に移住された方々の体験談と感想を要約して紹介します。移住を決断した理由や、新しい生活で感じたことなどをまとめています。これらの事例は、山口市への移住を検討されている方々にとって参考になるでしょう。

>>移住体験談の全文はこちら

兵庫県神戸市から移住したAさん

  • 移住前に住んでいたのは:兵庫県神戸市
  • 移住のきっかけ:闘病生活を経て、新たな人生の可能性を探りたくなった
  • 山口市を選んだ理由:移住フェアに参加したこと
  • 住まいは?:空き家バンクを活用して古民家を購入し、リノベーション
  • 今後の展望:民泊経営も視野に入れている

Aさんは、現在の生活とは異なる新たな可能性を探りたいと考え、移住フェアに参加されたそうです。具体的にやりたいことや住みたい土地が決まっていない場合、このような地方移住のフェアに参加することは非常に有益です。様々な地域の情報を一度に得られ、移住先の候補を絞り込むのに役立ちます。

東京都八王子市出身の移住者Bさん

  • 移住前に住んでいたのは:出身は東京都八王子市、移住前はフランスに居住
  • 山口市を選んだ理由:気候が良く、災害が少なく、歴史が深いこと
  • 移住後の仕事は:仲間と一緒に移動式の軽飲食店を出店
  • 移住してよかったこと:海と山の自然環境が豊か。魚の美味しさに驚いた。

山口市は瀬戸内海と日本海に挟まれた土地で、新鮮な海産物が豊富です。特に魚介類が美味しいことで知られています。料理が好きな人や飲食業に携わる人にとっては、豊かな食材に恵まれた理想的な環境と言えるでしょう。

東京都あきる野市出身の移住者Cさん

  • 移住前に住んでいたのは:東京都あきる野市出身、直前はフランス在住
  • 山口市を選んだ理由:国宝・瑠璃光寺五重塔の美しさに魅了されたため
  • 移住後の仕事は:湯田温泉でバーを開業
  • 移住した感想:東京や九州への移動が予想以上に便利

山口市は交通の便が良く、他地域とのアクセスが容易なため、2拠点生活も可能な土地だとCさんは話します。完全移住に不安がある方は、まずは週末だけ山口市に滞在するなど、段階的な移住を検討してみるのも良いかもしれません。

山口市に移住する前にできる体験・支援

山口市への移住に関する詳細な情報収集や相談は、遠隔地にいながらでも可能です。

東京の「ふるさと回帰支援センター」内には「やまぐち暮らし東京支援センター」が、大阪には「やまぐち暮らし大阪支援センター」があり、移住に関する素朴な疑問や不安について相談に乗ってくれます。

そして「山口市へ実際に行ってみよう!」と思ったら、移住支援制度を活用して「お試し暮らし住宅」や「お試し暮らし体験プログラム」に参加することをおすすめします。これらのプログラムでは、実際の生活を体験しながら、山口市の魅力を直接感じることができます。

>>ふるさと回帰支援センター(やまぐち暮らし東京・大阪支援センター)

お試し暮らし住宅

山口市秋穂二島地域にあるお試し暮らし住宅では、地域の空き住宅に1~2週間滞在し、街の雰囲気を体験したり、仕事探しをすることができます。住宅には家具や家電が完備されており、1世帯・通常5人まで利用可能です。これにより、実際の生活に近い環境で山口市での暮らしを体験できます。

▼お試し暮らし住宅の利用料

  • 1週間:3,500円
  • それ以降:3,500円/週
  • 清掃料:1回の利用につき3,000円

>>お試し暮らし住宅

山口市への移住に関するお問い合わせ

山口市の定住促進課のみなさん
▲定住促進課のスタッフが優しい笑顔で相談に応じてくれます!

山口市への移住について相談したい場合は、市役所の定住促進課にお問い合わせください。まだ具体的な計画がなくても丁寧に対応してもらえますので、まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

担当課 定住促進課
住所 〒753-8650
山口県山口市亀山町2-1 山口市役所本館3階
電話番号 083-934-4646
対応時間 平日8:30〜17:15
※土・日・祝日・年末年始は休業
公式サイト https://www.sumusumuyamaguchi.jp/