和束町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報
この記事では、地方移住を検討している人に向けて、京都府相楽郡にある和束町の暮らしを紹介します。
和束町はお茶の生産地として有名なまち。視界いっぱいに広がる豊かな茶畑は「茶源郷」の名にふさわしい絶景です。そんな眼福の自然風景を日常で楽しみながら、大都市圏へのアクセスも良好、各種支援も充実した「田舎暮らし」を存分に楽しめるまちです。
和束町での暮らしの魅力をはじめ、移住支援制度なども詳しく解説していきます。
和束町の暮らし、3つの特徴
和束町は京都の南東部に位置するまちです。北に鷲峰山脈、南に笠置山脈を望む丘陵地で、まちの東西を流れる和束川沿いに市街地が形成されています。なだらかな山並みの傾斜地に連なる茶畑が、和束町の象徴ともいえる豊かな自然風景を形成しています。
雄大な茶畑の風景や、お茶を育む温暖な気候もさることながら、和束町の魅力はその「位置」にもあります。京都府内では南端にありますが、近畿圏ではほぼ中央、つまり和束町から半径約100km以内に京都市や大阪市、名古屋市など複数の大都市圏を抱えているのです。
そんな和束町への移住をぜひおすすめしたいのは、次のような方です。
- 自然に囲まれたスローライフを送りたい
- 都市圏に住みながら週末は田舎で過ごす二拠点居住がしたい
- 子育て支援が手厚いまちで安心して子どもを育てたい
- 地域の魅力を活かしたお店やイベントを楽しみたい
なぜこのような方たちにおすすめしたいのか、和束町の特徴を3つご紹介します。
特徴1:お茶の恵みを活かしたイベントが多数!
何といっても和束町の魅力は「お茶」。茶畑の風景ももちろん素敵ですが、お茶を活かした様々なイベントが楽しめるのも和束町の魅力です。
▲和束町の象徴ともいえる「石寺の茶畑の風景」は様々なお茶のPRに使用される絶景
和束町で最も有名な茶畑の風景「石寺の茶畑」は、京都景観資産第1号に登録されています。谷底を通る主要道路からは見えず、集落を上がっていくことで望める風景であるため、「いきなり空気が変わった!」という声もよく聞かれます。
春には桜並木と茶畑が同じ空間に共存する風景が楽しめます。和束町に住めば春の到来をより待ち遠しく感じてしまうことでしょう。
お茶に関するイベントも盛りだくさんです。町内最大のイベントである茶源郷まつりは「茶畑からお茶の魅力すべてを伝える」という想いのもと始まった、とにかくお茶づくりのイベント。屋台や音楽ライブなどもあり、幅広い年代の方が楽しめます。
▲年に1回開催する町内最大のイベント「茶源郷まつり」の様子
和束町のグリーンスローモビリティ、通称「グーチャモ」を使った運転手ガイド付き茶畑周遊ツアーもおすすめ。ゆったりとした速度で眺める茶畑の風景に心癒されるはずです。
▲グリーンスローモビリティを利用した観光に優しい茶畑周遊ツアー
そのほかにも抹茶アート体験やお茶の淹れ方教室など、老若男女問わず楽しめるイベントがたくさんあります。
ただ普通に生活しているだけでは知ることができない「まちの特産品の魅力」を存分に活かしたイベントがたくさんあるのは、和束町の大きな魅力のひとつです。
特徴2:「週末居住」にもおすすめの大都市圏へのアクセスの良さ
和束町の半径約100kmには、5つの政令指定都市(京都市、大阪市、堺市、神戸市、名古屋市)と4つの県庁所在地(奈良市、大津市、和歌山市、津市)があります。
町内に鉄道路線が通っていないため、公共交通での移動は決して便利とは言えませんが、車を使うことで飛躍的に選択肢が広がります。
そして注目は町内にあるコワーキングスペース兼サテライトオフィス。
▲町内に整備された、サテライトオフィスとコワーキングスペースの両方を兼ね備えた空間
大都市圏からアクセスがしやすいだけでなく、リモートワークをしやすい環境が整っていることは、二拠点居住をする後押しになるのではないでしょうか。
特徴3:安心して子育てできる支援が充実
豊かな自然の中でのびのびと子どもを育てられるのは、地方への移住をする醍醐味のひとつでもあります。
特に和束町は茶畑をはじめとする豊かな自然環境があるだけでなく、まちをあげてお茶の良さを体感できる機会を用意しているため、子どもへの食育にも、子どもの郷土愛教育にも良い環境であるといえます。
また、和束町では子育て支援制度がとても充実しています。
和束町内に高校はありませんが、通学費の補助があることで町外の高校に通う経済的な負担を軽減してくれます。
子育て応援給付金 | お子様の出生を祝い、子育て応援給付金を支給 |
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子育て支援医療補助制度 | 0歳から18歳までの医療費無償化 |
子育て経済支援事業 | 0歳から6歳までの保育料完全無償化 |
学校給食費の無償化 | 小学校、中学校の学校給食に要する経費の無償化 |
修学旅行費の無償化 | 小学校、中学校の修学旅行に参加するために直接必要な経費の無償化 |
高校生等通学費補助金制度 | 高校生等の通学費にかかる保護者負担軽減のため、和束町内から加茂駅間の定期購入額の3分の2を補助 |
和束町の暮らしに関する情報
実際に和束町に住むなら知っておいた方が良い、気候や病院などの暮らしに関する情報をまとめました。
気候 | 比較的温暖で、昼夜での気温差が大きい山間地特有の性質を持つ。 8月の平均気温:27.5度 1月の平均気温:4.1度 ※参考:気象庁ホームページ(和束町内に観測地点が無いため、直近の京田辺地点を参照) |
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人口 | 3,441人 ※令和6年4月1日時点 |
病院 | 病院・診療所:3件 歯科:1件 |
学校 | 保育所:1か所 小学校:1校 中学校:1校 |
交通 | 町内に鉄道はないため、最寄り駅はJR西日本関西本線(大和路線)加茂駅となる。 路線バスもあるが、1時間に1本程度のため車での移動がおすすめ。 茶源郷乗合交通(WazCar(ワズカー)」あり。詳細は和束町HPへ |
近隣都市 | 相楽郡:笠置町、南山城村 綴喜郡:宇治田原町、井手町 京都府の南端という位置にあるため、滋賀県甲賀市とも近接 大型ショッピングセンター等のある木津川市には車で20分程度 |
町内に鉄道が走っていないため、車は生活に必須になります。病院やスーパー、ホームセンターは町内にもありますが、町外の大型店に行く方も多いようです。
しかし、自然を求めて移住される方が多いため、交通の便が良くなくても満足されて暮らしている方が多いそうです。
町内に魅力的なお店がたくさん
和束町には、お茶の魅力を堪能できるカフェなどのお店が多くあります。
和束茶カフェは、お茶の直売をしているたけでなく、ケーキやお菓子、お茶セットなどのカフェメニューも楽しめます。
▲和束茶カフェではお茶だけでなくスイーツも楽しめる
▲天空カフェの予約は和束茶カフェにて受付
そしてこちらは山のてっぺんにある「天空カフェ」。茶室をモチーフにつくられた個室のカフェで、和束町の景色をひとりじめできます。
また、2021年7月にオープンした「交流ステーション和束の郷」では和束町内で採れた季節の野菜やお米、手作りの加工品や工芸品を販売しています。
▲和束茶カフェではたくさんのお茶を販売
町外の大型店舗に行くのも良いですが、身近に和束町の魅力がたっぷり詰まったお店が充実しているのは嬉しいポイントです。
仕事に関する情報:求人数や就農支援を紹介
和束町の正社員の求人数を大手求人サイトで調べると、約100件の正社員の求人がヒットしました。(2023年3月時点)
※参考:求人情報の一例
近隣も含めると、約2,000件と、正社員の求人数が大幅に増えました。事実、町外で働いている人も多いそうです。
※参考:求人情報の一例
また和束町にはお茶農家を営んでいる方が多く、農業を始めるために移住された方も多くいらっしゃいます。
和束町農村振興課が窓口となって農業を始められる方の相談支援等を行っており、新しく農業を始める場合でも安心できる体制が整っています。
住まい情報:住まいへの補助が充実
町内に賃貸物件は少なく、売買用物件が圧倒的に多い状況です。(2023年3月時点)
住まい探しには空き家バンクも活用されています。物件情報は随時更新されていますので、最新の空き家バンクの情報をご確認ください。
空き家の改修にかかる費用の補助や、子育て世帯の住宅リフォームへの補助など住まいの支援も充実しているので、参考にしてみてください。
移住促進住宅整備事業補助金 | 町外からの移住者が空き家バンクの物件に住む場合の改修費の補助 補助上限額:90万円~180万円 |
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結婚新生活支援事業補助金 | 新規に婚姻された世帯の住宅整備にかかる費用の一部を補助 補助上限額: 京都府内…30万円~60万円 京都府外…60万円~120万円 ※所得制限等あり |
子育て世帯住宅リフォーム等支援事業補助金 | 子育て世帯の住宅整備にかかる費用の一部を補助 補助上限額: ・住宅リフォーム工事…100万円(京都府外からの移住者は200万円) ・住宅購入の仲介手数料…40万円(京都府外からの移住者は80万円) ・住宅賃貸の仲介手数料…5万円(京都府外からの移住者は10万円) ※年収制限等あり |
和束町に移住した方の声
ここでは、実際に和束町に移住された方の声を紹介します。
- 隣近所の方に良くしてもらえる。皆さん親しくウェルカムな雰囲気で迎えてくれた。近所づきあいも良い。
- 景色も空気も人も良い。
- 子育てしやすい環境。お茶のこともたくさん学べるのが町の魅力。
- 小さなまちなので、どこに行っても知っている人に会ってしまうところもあるが、そのコミュニティが魅力。
- 緑豊かで美しい茶畑に魅了された。国内外からの移住者も多いので沢山の出会いがある。
茶畑の風景に魅了されて移住された方が多いですが、目立つのは「移住後に人の良さに触れた」という声。自然豊かなだけでなく、良い人間関係の中で生活できるのが和束町の魅力のようです。
茶畑が美しくお茶がおいしい、というだけでなく、その魅力を和束町が積極的に発信しているといのもポイントです。
和束町への移住ステップ
ここまで和束町の様々な情報をご紹介してきましたが、和束町には文字や写真だけでは伝えきれない魅力がまだまだあります。
ここからは和束町へ移住するステップを4段階に分けてご紹介します。いきなり移住するのはハードルが高いと思いますが、段階を踏んで和束町の魅力を知ることができる仕組みが用意されているので、安心して一歩を踏み出してみてください。
ステップ1:現地を体感できるツアーに参加する
和束町では個人向け、団体向けなど様々な体験プログラムが用意されており、自分の希望に合わせたツアーを選べます。もちろん宿泊もできるので、ゆっくりじっくり和束町の魅力を味わえます。
▲「お茶を五感で愉しむ」がコンセプトの和束荘での宿泊も
ツアープログラムが充実していると、つい「あれもこれも」と色々参加したくなってしまうかもしれません。そういう場合は和束町活性化センターに希望を伝えて相談すれば、「オリジナルプライベートプラン」を考えてくれるのでおすすめです。
ステップ2:お試し移住してみる
お試し居住をすることで、遊びに来ただけではわからない風土を感じることができます。
和束町には数人で一軒家に暮らすシェアハウスがあります。1ヶ月からの短期滞在や、お試し住宅として利用できますので、本格的な居住の前にぜひ一度「和束暮らし」を体験してください。
住まい探しや仕事探しをする間の拠点として利用することも可能です。
ステップ3:仕事や住まいを探す
いざ移住を決めたら、次は仕事や住まい探しです。
和束町活性化センターには移住サポートの担当がいて、現地を一緒にまわったりしてくれます。安心してご相談ください。
また、移住支援の施策は自治体によって異なるため、受けられる補助金がないかどうかを自分で情報収集するのも大切です。以下のページに支援制度がまとまっているので、ぜひ参考にしてみてください。
公式:移住支援情報
ステップ4:いざ引っ越し!地域や周りの人と交流しよう
いよいよ引っ越しをしたら、その後は積極的に地域の方々と交流を持つようにしましょう。移住者に対して暖かく受け入れてくれる空気のある和束町ですが、あいさつや交流によって自分の人となりを知ってもらうことは、お互い協力し合って暮らしていくために大切になります。
移住者の声で触れたように、まちのどこにいても知り合いに会ってしまうような「小さなコミュニティ」が和束町の魅力でもあります。地域のいろいろなスポットを楽しんでいくと、自然と顔なじみの人ができてくるかもしれません。
和束町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 地域力推進課 |
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住所 | 〒619-1295 京都府相楽郡和束町大字釜塚小字生水14-2 |
電話番号 | 0774-78-3002(地域力推進課直通) |
対応時間 | 08:30~17:15(土・日・祝日を除く平日) |
公式サイト | 町公式サイト:https://www.town.wazuka.lg.jp/ 移住支援サイト:https://www.town.wazuka.lg.jp/iju_navi/ 一般財団法人 和束町活性化センターサイト:https://wazukanko.com/ |