歌志内市への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、北海道歌志内市(うたしないし)の魅力や住みやすさについてご紹介しています。

歌志内市は、日本の中でも人口が一番少ない市で、都会から離れて穏やかな暮らしを実現したい方にピッタリのまちです。また歌志内市は都会から離れた立地ながら、バスや車で都心部へアクセスできるため、不便なく生活することもできますよ。

さらに、実際に短期移住が体験できる制度があるため、移住をお考えの方も検討しやすいのも嬉しいポイントです。

自然に囲まれた歌志内市の魅力から、支援制度や求人など生活にまつわる様々な情報まで、詳しく解説していきます。

歌志内市役所・企画財政課・企画広報グループ・主事の滝本誠一さん

歌志内市の4つの特徴

北海道のほぼ中央に位置する歌志内市は、大自然に囲まれた地域です。そのため、前提として「大都市を避けて穏やかに暮らしたい」という方に向いています。

またそれだけではなく、以下のような方も歌志内市に住むのに向いていると言えます。

  • 大都市へアクセスできる便利さも確保したい
  • 支援制度が充実している市で暮らしたい

なぜこのような方が移住に向いているのか、歌志内市の自然から詳しく解説していきますね。

特徴1:緑豊かな自然に囲まれ街全体が美しい

歌志内市の景観

歌志内市は山岳地帯に位置しており、大自然に囲まれています。そのため、川のせせらぎや鳥のさえずりを聴きながら、美味しい空気を感じて暮らせるのが大きな魅力。

また山岳地帯であれば、週末は家族でキャンプを楽しんだり、BBQをしたりと、都会ではできないアウトドアを満喫することができます。

そして夜は、大自然に恵まれた土地ならではのキレイな星空を毎日独り占めすることもできますし、五右衛門風呂を自作すれば、美しい自然をさらに満喫できますよ。

歌志内市の夜景

具体的な自然スポットとしては、神威岳(かもいだけ)やペンケウタシュナイ川などが挙げられます。

それぞれあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、それは歌志内市がかつてアイヌ民族の居住地だったと考えられている影響もあるでしょう。

例えば神威岳は、アイヌ語のカムイヌプリ(「魔神の山」という意味)から命名されており、神聖な文化が残った地域でもあります。

まずは歌志内市の自然の特徴でもある神威岳について、まずは解説していきますね。

神威岳(かもいだけ)

神威岳山頂から見られる雲海
▲神威岳山頂からは雲海が見られることも

北海道赤平市から歌志内市にまたがるようにそびえ立つ、標高467.4mの山です。

山頂からふもとにかけては神威岳自然公園が広がっていて、夏はハイキングやパークゴルフのコースとして、冬はスキーのゲレンデとして利用されています。

特に冬は、周辺地域でも屈指の規模を誇る「かもい岳国際スキー場」としてにぎわっている場所です。

ゲレンデの積雪は100cm以上と、いつでもベストコンディション。東京都で大雪と言われる日ですら積雪10cmほどなので、比べると歌志内市の積雪のすごさが分かりますよね。

かもい岳国際スキー場

またかもい岳国際スキー場は、歌志内市街から車で5分圏内の場所にあるため、冬は家族で毎週ウインタースポーツを楽しむ暮らしも実現できますよ。

さらに市内には、旧炭坑の採掘鉱より毎分650リットル湧出している天然温泉「うたしないチロルの湯温泉」もあります。登山やスキーで疲れた体をじっくり癒すことができるのも見逃せません。

歌志内市での娯楽は市内でほぼ完結すると言っても過言ではないほど、重要なスポットと言えます。

ペンケウタシュナイ川

ペンケウタシュナイ川は、神威岳や赤平山に連なる河川などが合流してできた川です。

ペンケウタシュナイ川には、ヤマメやニジマスといった川魚が生息しているため、釣りを楽しむことができますよ。釣りは冬以外の季節でも楽しめ、年中満喫できる娯楽です。

しかも、ヤマメもニジマスも美味しくいただけます。キャンプで釣りを楽しんで、夕飯は川魚料理を味わうことも可能です。もちろん川沿いを散歩して、せせらぎを感じながらゆったりと過ごす、といった楽しみ方もできます。

このように歌志内市は、北海道屈指の自然にあふれた地域です。

歌志内市全体を通して、四季折々の自然を感じながら暮らすことができるのは大きな魅力ですよね。

特徴2:大都市へのアクセスも可能

ここまで読んで、「自然に囲まれているということは、周りに何もなくて不便なのでは?」と思う方もいますよね。

しかし歌志内市は、都心部へバスと電車を乗り継いでアクセスできます。例えば札幌までは、バスと電車を乗り継いで合計2時間で到着します。

札幌までのアクセス方法は以下の通り。

付近のバス停から近隣の砂川駅に行く(歌志内市から砂川駅まで約30分)
→滝川駅から札幌行きの電車に乗る(滝川から札幌まで約1時間)

なお、バス停は歌志内市街に点在しているため、徒歩による移動はほとんどありません。ただし歌志内市のバスは利用者が少ないため、1時間に1本のみということは覚えておいてくださいね。

このように歌志内市からは、時間こそかかるものの、バスと電車を利用して札幌などの大都市へ向かうこともできますし、札幌から道外へ出かけることもできます。

また車を持っていると、より都市部へのアクセスもしやすくなります。

車で歌志内市から札幌までは、高速道路を使って1時間30分程度でアクセスすることが可能です。

特徴3:移住者への支援制度が手厚い

歌志内市は人口が少ない市ということで、「市の支援制度がしっかりしているか」という不安も実際ありますよね。

結論、歌志内市では、様々な支援制度が充実しています。

なかでも移住者支援制度が手厚く、新築を検討の場合は住宅取得奨励金を受けることができます。もし移住を機に新しく住宅を購入しようとお考えの方は、積極的に活用したい制度ですね。

住宅取得奨励金を受けるためには、一定の要件を満たす必要があるので、詳しく説明します。

要件 ・5年以上歌志内市に定住を確約される方
・税金等の滞納がない方(同一世帯員を含む)
・住宅を新築または建売住宅を購入した場合
対象区域 歌志内市全域

上記の要件を満たした転入者の方は、250万円の支援金を援助してもらうことができます。

さらに下記の条件を満たすごとに支援金がプラスされ、最大で500万円の支援金を受け取ることが可能です。

市内の建設業者から購入または発注した場合 プラス100万円
二世帯住宅の場合 プラス50万円
建て替えで既存住宅を解体撤去した場合※1 プラス50万円※2
市が指定する住宅用地に新築を建てた場合 プラス100万円

※1 市内建築業者を利用した場合に限る
※2 費用の2分の1以内、1,000円未満は切捨て

また、歌志内も地域活性化のために様々な制度を充実させているため、移住の際はぜひ活用したいところですね。

歌志内市の支援制度は、市の公式ページで詳しく確認できます。

例えば医療費が18歳まで無料や0歳~2歳までの保育料の無償化、小・中学校の修学旅行費全額助成など、子育て支援が特に手厚いです。お子さんと一緒に移住をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

>>歌志内市公式ページ

特徴4:住民同士で支え合って暮らせる

歌志内市民の制度

歌志内市は、日本で最も人口が少ない街として知られています。人口が少ない街だからこそ、住民同士支え合って暮らす風土が根付いています。

例えば雪が降った後、高齢の方の家には「除雪ヘルパー派遣サービス」でヘルパーさんが除雪に駆けつけてくれます。また、時には市内の方同士が手伝ってくれることも。誰かが困っていたら、住民同士で協力し合う温かい風潮が根付いているのです。

また、都会から地方に移住を検討している方は「ご近所付き合いはどうなるのかな?」という心配もありますよね。

しかし歌志内市は、人口が少ないからこそ住民同士支え合って暮らしているため、移住者にも優しいという特徴があります。

歌志内市の病院や警察署などの情報

様々な魅力がある歌志内市ですが、安心して移住を検討できるように、病院や交通情報など、暮らしに関するデータについてまとめてご紹介しますね。

気候 夏場でも最高気温30度以下の日が多く、比較的涼しい気候。
人口 総人口2,841人(2022年7月31日時点)
病院 歌志内市立病院あり(付近に薬局もあり)
学校 小中学校一貫の歌志内市立歌志内学園があり、スクールバスも出ている
警察署 市内に赤歌警察署交番あり
消防署 市内に歌志内消防本部あり
交通 北海道中央バスが運行しており、近隣都市は全てバスで移動できる
娯楽 かもい岳国際スキー場や温泉あり
近隣都市 芦別市、赤平市、砂川市、滝川市

歌志内市は病院や交番、消防署もあるため、何かあった時には頼れます。

歌志内市立病院は、市街地から車で7分ほどの場所にあり比較的アクセスしやすいです。病院は土日祝日が休みですが、近隣の砂川市や滝川市の病院で対応してもらうこともできます。

また市営住宅からは車で10分圏内の場所にガソリンスタンドもあり、車の給油やメンテナンスもしてもらえます。

スーパーやその他買い物をしたい場合は、車で10〜15分程で行ける砂川市・赤平市でそろえられます。

歌志内市は短期移住体験ができる

歌志内市短期移住体験

ここまで歌志内市に関する様々な情報をお伝えしてきましたが、やはり実際に歌志内市に住んでみないと
分からないことも多いですよね。

ただ歌志内市は、人口減少を防ぐために短期移住生活体験事業を促進しています。地方移住を検討されているのであれば、ぜひ歌志内市の暮らしを体感するため積極的に活用してみてください。

短期移住体験の詳細

歌志内市の短期移住体験について、宿泊期間や施設などの情報をまとめました。

宿泊期間 2泊3日
宿泊費 無料(朝食つき)
申し込み方法 公式ページより申請用紙をダウンロードして郵送
歌志内市公式ページ

※宿泊施設までの交通費は実費

また、短期移住体験は以下の方が対象です。

  • 施設に連続して2日間宿泊できる方
  • 市外に住所がある方で、原則20歳以上の2名1組
  • 市が実施する調査に協力できる方

交通費のみで2泊3日、旅行感覚で歌志内市を体感できるのは大きな魅力ですよね。

滞在中には歌志内市の観光スポットや周りの公営施設、コンビニの場所なども確認できます。移住後に生活の必需品が思ったより近くで手に入ると分かれば、より移住を前向きに検討できますよね。

そのため、まずは短期移住体験から行うことをおすすめします。

短期移住体験に関してもし気になる点がある方は、歌志内市の企画広報グループにお問い合わせください。歌志内市を発展させたいという目的で実施しているため、親身に相談にのってくれるはずです。

歌志内市役所企画財政課企画広報グループ
電話:0125-42-3214

歌志内市に短期移住体験した方の感想

実際に歌志内市の短期移住体験をした方は、どのように感じたのか気になるところですよね。

この章では、都会から歌志内市に短期移住体験した方の感想をお伝えします。短期移住体験が気になる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

歌志内市で移住体験をした理由

歌志内市の短期移住を体験した方は、基本的に関東や東海地方など遠方から来た方がほとんどです。

移住体験をした理由が「大都市を避けて北海道に前々から移住したかった」「北海道で移住体験を探していて申し込んだ」という方が多いです。

また、歌志内市は大きな都市である旭川市にも移動しやすく、ついでに北海道を色々見て回りやすいからというのも理由に挙げられています。

歌志内市の印象(移住体験前後)

移住体験前は、歌志内市に対して以下のような印象をお持ちの方が多いです。

  • あまり人がいなくて寂しい思いをするのでは?
  • 改修・改築に手が回らず古い建物ばかりでは?

人口が少ない街だとすでに知っており、歌志内市に対して住みにくそうな印象を持っていた方はやはり多いです。

ただ、実際に移住体験をしてみた後では、次のように印象が変わっています。

  • 水道、ガスなどのインフラもしっかりしている
  • 団地もたくさんあって思ったより人が多いように感じた

実際に移住体験をしてみると、あまり人口が少ないと感じることはなく、むしろ自分が住んでいた都市よりも建物も新しくキレイだという感想をお持ちの方もいました。

というのも、歌志内市では観光開発を進めようと、スイスの自然豊かな景観をイメージさせる建物づくりが進んでいます。公共施設はもちろん、個人住宅のデザインにもスイス風が取り入れられているので、街並みがキレイだと感じた方もいるでしょう。

また、道路もしっかりと整備されていて、車も運転しやすいと感じた方もいます。マイカーごと移住される場合、安全に運転できる土地であれば、より安心感がありますね。

歌志内市の物足りないところ

自然に囲まれて建物もキレイないう歌志内市ですが、物足りないと感じてしまった点もあるようです。

  • 洋服や日用品を購入する場所がない
  • 道路の標識が少なく道に迷いやすい
  • 市内に働く場所が少ない

お店はあるものの、近辺には少ないと感じた意見はあります。ただ、住宅は道路沿いにあり、コンビニやガソリンスタンドなどもあります。

また、車で旭川市や札幌市へアクセスしやすいため、必要に応じて出かければ問題ないとも感じているようです。

そのため、移住を検討している方は大きなデメリットに感じる必要はないでしょう。あくまで移住する時の注意点と思っていただく程度で大丈夫です。

もっと詳しく短期移住体験を知りたい方は、市の公式ページを参考にしてみてくださいね。

>>歌志内市公式ページ

また、市内に働く場所が少ないという感想も気になるところだと思います。歌志内市の仕事に関する情報は、次の章でまとめましたので、詳しくみていきましょう。

歌志内市の仕事に関する情報

歌志内市に移住して長く住むなら、生活費を稼ぐために働き口は必須ですよね。

歌志内市だけに限定すると、正社員の求人は少ない傾向にあります。求人内容としては、以下のようなものが多いです。

  • 福祉施設の介護職や調理補助スタッフ
  • 医療事務や歯科助手
  • 建築・土木系

なかでも福祉施設の介護職のスタッフの比率が多く、残念ながら幅広い職種の求人はありません。

しかし、近隣の滝川市などを含め、25km圏内であれば求人数も大幅に増え、配送ドライバーやホテルの事務スタッフなど求人の選択肢も多くなります。

そのため、歌志内市から車通勤で勤務される場合は、移住後の働き口も特に問題ないと言えます。

歌志内市に移住するならまずは短期体験からがおすすめ

これまで歌志内市の自然の魅力や暮らしに関する情報をお伝えしてきました。

移住を検討するのであれば、短期移住体験で2泊3日、実際に生活してみることをおすすめします。というのも、短期移住体験は定員に達していなければ比較的条件をクリアしやすく、気軽に申し込めるからです。

交通費のみ実費となりますが、実際に歌志内市の自然を体感しつつ生活の便利さも確認できるため、移住の大きな検討材料となるはず。

歌志内市の移住体験のついでに北海道の他の都市も見ることができますので、別の市とも比較したい方にも向いています。

改めて、短期移住体験が気になる方は、下記の公式ページよりお申し込みしてみてくださいね。

>>歌志内市公式ページ

歌志内市への移住に関するお問い合わせ

担当課 企画財政課企画広報グループ

住所 〒073-0492
北海道歌志内市字本町5番地
電話番号 0125-42-3214
対応時間 平日8:30~17:15 
公式サイト https://www.city.utashinai.hokkaido.jp/hotnews/category/143.html