群馬県嬬恋村移住ガイド:豊かな自然と充実の支援制度を徹底解説
この記事では、群馬県嬬恋村への移住を考えている方に向けて、嬬恋村の魅力や移住生活に関する情報をご紹介します。
嬬恋村は、浅間山や元白根山といった2,000メートル級の山々に囲まれ、中部には一級河川の吾妻川が流れています。大自然に囲まれた嬬恋村ですが、群馬県中心部の高崎駅へは電車で1時間40分ほどの距離にあり、利便性も備えています。
嬬恋村にはスキー場やゴルフ場、温泉が多数あり、毎年200万人以上の観光客が訪れるほど魅力的な観光リゾート地です。移住後は好きな時に楽しめるのも嬉しいですね。
それでは、嬬恋村の魅力や移住生活に関する情報、移住・子育て支援制度、先輩移住者の体験談などについて詳しく解説していきます。
群馬県嬬恋村の暮らし:5つの魅力と特徴
嬬恋村には2,000メートルを超える浅間山や四阿山などがあり、村の面積の7割を山林が占めています。また、居住地は標高700メートルから1,800メートルの間に多く分布しており、真夏でも涼しく過ごすことができます。
嬬恋村は夏の避暑地としても人気で別荘が多く、のんびりと過ごせる環境がありますが、同時に年間200万人以上の観光客が訪れる魅力的な観光スポットも数多く存在します。
そんな嬬恋村への移住は、以下のような方におすすめです。
- 広大な高原風景と2,000メートル級の山々に囲まれた大自然の中で暮らしたい方
- スキーやキャンプ、温泉といったアウトドアが好きな方
- 田舎暮らしに憧れているが昔ながらのしきたりは苦手な方
- 子育て支援の充実した市町村で子育てしたい方
- 夏を涼しく快適に過ごしたい方
これらの方におすすめする理由について、嬬恋村の魅力を交えながら以降で詳しく紹介していきます。
魅力1:国立公園の一角を占める山々と壮大な高原風景
上信越高原国立公園の一角を占める嬬恋村。標高の高い嬬恋村は高原風景が広がる風光明媚な土地で、真夏でも涼しく過ごすことができます。
2000年以降の8月の気温で30度を超えたのはたった1度だけ。全国的に35度を超える蒸し暑い真夏日が続く中でも冷涼な気候のため、体に負担の少ない環境で生活できます。
▲高さ2,568メートルの浅間山と田代湖
移住者の中には「この山の景色に惹かれて移住を決意した」という人もいるほどです。
また、高原の空気はとても澄んでいて、星がきれいに見えるため、まるでプラネタリウムのような数多くの星座を観察することができます。
▲観光名所『愛妻の丘』から見る星空
そして秋に見られる、燃えるような紅葉も必見です。嬬恋村で一番早く紅葉するのは、標高1,800メートルにある万座温泉エリアで、万座ハイウェイの車窓から見える紅葉は圧巻の美しさです。嬬恋村に移住すれば、この贅沢な風景を何度でも楽しむことができます。
▲「愛妻家の聖地」と言われる嬬恋村。バラギ湖畔でボートや釣りをしながらご夫婦の時間を楽しまれてはいかがでしょうか。
冬の嬬恋村は、早ければ11月頃から雪が降り始め、4月頃まで残雪があります。春になると雪解け水が流れ出し、高山植物の女王と言われるコマクサやシャクナゲなどが咲き乱れ、とても清々しい空気に包まれます。
日本百名山『四阿山(あずまやさん)』の山麓にある奥軽井沢高原の地下250メートルからくみ上げた天然水は弱アルカリ性の超軟水で、その品質の高さから赤ちゃんの調乳用としても利用されています。
魅力2:アウトドア天国と都市アクセスの両立
嬬恋村は雪深い地域で、冬には平均30~40cm、多いときは50cmを超える積雪があります。村内には多くのスキー場があり、嬬恋村の雪質は北海道のようなパウダースノーが特徴で、スキー愛好家に人気です。
また温泉も豊富にあるため、スキーの後に温泉でくつろぐことを楽しみにしている人が多いそうです。
▲冬の嬬恋村。雪化粧した浅間山と嬬恋村の原風景が美しい
豊かな自然環境を活かし、キャンプやスキー、温泉などアウトドア活動を満喫できます。中には、嬬恋村のスキー場に魅力を感じて移住を決意した人もいるそうです。
さらに、観光地として有名な草津や軽井沢にも近いため、休日の娯楽にも困ることはありません。
加えて、この自然豊かな環境でありながら東京まで2時間で移動できるため、「田舎暮らしを楽しみつつ、都会にもアクセスしやすい場所で暮らしたい」という人にも適した環境です。
もともと軽井沢への移住を考えていた人で「人気が高すぎて軽井沢への移住が難しく、近隣で良い地域を探していたところ嬬恋村を気に入った」という方もいました。
魅力3:親身なサポートと温かい村民性
嬬恋村の数ある魅力の中で注目したいのが、ここで暮らす人々の人柄の良さです。
嬬恋村は近年移住先として注目されているため、村内には多くの先輩移住者が暮らしています。その人たちの多くが口にするのが「村の人が本当に温かく受け入れてくれる」ということです。
村民にとって"村に移住してきてくれる人"はとても大切な存在です。しかし、同時に「村暮らしには合わないのではないか」という点も正直にアドバイスしてくれるそうです。これは「移住してからギャップを感じ、その人が後悔することがないようにしたい」という温かな配慮からくるものです。
お話を伺った篠原さんご自身も移住者で、「移住する際には村民の方の親切さにとても助けられた」と語っています。
自分がしてもらったように、今、移住を検討されている方を全力でサポートしたいと思っています。
魅力4:“しきたり”のない快適な田舎暮らしができる
田舎暮らしに憧れる人にとって、大きな懸念点となるのが「田舎ならではの付き合い」ですが、嬬恋村ではそんな心配は不要です。
嬬恋村は大きく2つのエリアに分かれています。昔からの集落があるエリアと、移住者が多く暮らす別荘エリアです。
この別荘エリアでは地域組合や消防団などの組合への参加が任意です。そのため、「自治会や組合の集まりで忙しい」「参加が強制で、できないと暮らしづらくなる」といった田舎特有の問題がありません。
「田舎のしきたりに窮屈さを感じる」という方には別荘エリアがおすすめです。一方、「田舎ならではの人付き合いも楽しみたい」という人には、昔ながらの集落があるエリアが適しているでしょう。
移住して飲食店を営んでいる方から、「村民の方から野菜を無料でもらえることがあり、とても助かっている」という話を聞きました。高級野菜をいただくこともあるそうです。このような"おすそ分け文化"は、田舎ならではの魅力だと感じています。
魅力5:充実した子育て支援制度
嬬恋村には、公立幼稚園2園、小学校2校、公立中学校1校、公立高校1校があります。嬬恋村役場では、『嬬恋村子育て応援サイト』というポータルサイトを運営しています。このサイトでは、妊娠・出産、育児、教育に関する情報提供や相談を受け付けており、子育て世帯を幅広くサポートしています。
以下では、嬬恋村が行っている具体的な子育て世帯への支援制度について紹介します。
※参考:子育てするなら嬬恋村
給食費無料化:幼稚園から中学校まで対象
嬬恋村では、幼稚園、小学校、中学校の給食費が無料となっています。給食の無料化は全国的に広まりつつありますが、嬬恋村は比較的早い段階からこの制度を採用しています。これにより、子育て世帯の経済的負担が軽減され、子どもたちの健康的な成長を支援しています。
保育料無料化:3歳から5歳児が対象
保育園、幼稚園、学童保育所の保育料が無料になります。この制度は3歳から5歳までの子供たちが対象で、月額上限は25,700円となっています。
出産祝い金:第1子・第2子に10万円支給
嬬恋村では以前、第1子および第2子に5万円の出産祝い金が支給されていましたが、2022年4月1日以降に生まれた子どもには、1人につき10万円に増額されました。これは、子育て世帯への経済的支援を強化する取り組みの一環です。
就学援助制度:経済的支援と奨学金制度
就学援助制度とは、経済的な理由で就学が困難な小中学生を対象に、学用品費や校外活動費、修学旅行費などが援助される制度です。この制度により、家庭の経済状況に関わらず、子どもたちが必要な教育を受けられるよう支援が行われています。
奨学金制度も充実しており、優秀でありながら経済的な理由で進学が困難な場合、入学時に返済不要な支度金として100,000円が支給されます。また、高校生には月額30,000円以内、大学生には月額50,000円以内の奨学金が貸与されます。これらの奨学金は返済が必要ですが、教育の機会を広げるための重要な支援となっています。
医療費無料化:中学卒業まで対象
群馬県内のすべての市町村では、中学卒業までの子どもに対し、入院・通院にかかる医療費が無料となっています。この医療費の無料化は、子育て世帯の経済的負担を軽減するだけでなく、早期受診を促すことで病気の重症化を防ぎ、子どもの健康増進にも大きく貢献しています。
※参考:群馬県福祉医療費支給制度(医療費自己負担額の無料化制度)について
群馬県嬬恋村の仕事・住まいなど暮らしの情報
ここからは嬬恋村での暮らしに関する基本情報を、データとともに紹介します。
天候 | 1月:平均気温-4.5℃ 8月:平均気温19.6℃ ※参考:気象庁ホームページ(田代地点) 高原特有の夏は冷涼な気候。 |
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人口 | 人口:約9,400人 世帯:約4,200世帯 (令和5年12月1日時点) |
病院 | 診療所・クリニック:2施設 歯科:4施設 ※総合病院は佐久市(車で1時間)にあり |
学校 | 幼稚園:2園 公立小学校:2校 公立中学校:1校 県立高校:1校 |
交通 | 【鉄道】 JR吾妻線:袋倉駅、万座・鹿沢口駅、大前駅 【バス】 西武観光バス、JRバス関東 【自動車】 <東京方面から> 関越自動車道:渋川伊香保IC 上信越自動車道:碓井軽井沢IC <大阪・名古屋方面から> 上信越自動車道:上田菅平ICまたは中野IC |
近隣都市 | 群馬県:草津町、長野原町 長野県:小諸市、須坂市、上田市、軽井沢町 |
大都市へのアクセス | 高崎駅:車で約90分、電車で約120分(北陸新幹線利用) |
嬬恋村は標高の高い土地にあることから、真夏でも涼しく、冷房を使わずに過ごせるほど快適です。冬は寒さが厳しいですが、交通に大きな支障をきたすほどの積雪はありません。
雪に慣れていない方には冬の過ごし方について、丁寧なアドバイスが得られます。
嬬恋村にはJRの駅や路線バスがありますが、本数が少ないため車での移動が便利です。高齢者向けの福祉バスやタクシーサービスはありますが、若年層は利用できません。
日常生活で必要となるスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの買い物スポットや、金融機関や郵便局も村内にあるため、基本的な生活には不便がありません。大規模な商業施設での買い物や外食を楽しむ場合は、車で1時間〜1時間半ほどの上田市(長野県)や高崎市、前橋市へ行くことが多いようです。
また、村内には診療所やクリニックはありますが、総合病院は佐久市(長野県、車で1時間)まで行く必要があります。
夏季には新潟方面の海や、東京への日帰り旅行も可能です。
仕事情報:通勤圏内の求人状況と移住支援金
大手求人サイトで嬬恋村の正社員募集を検索したところ、約100件の求人がありました。職種は多岐にわたり、キャンプ場運営スタッフ、ホテル従業員、キャベツ生産スタッフ、軽作業、一般事務、システムエンジニア、薬剤師、看護業務、調理師、営業、ドライバーなどが含まれていました。(2023年12月現在)
※参考:求人情報の一例
通勤圏内を車で約30分(25km圏内)まで広げると、求人数が約6,300件と大幅に増加します。
嬬恋村は年間200万人以上の観光客が訪れる人気の観光地であるため、ホテルやレジャー施設関連の求人が目立ちます。ただし、一般事務や営業などの職種も募集されています。
近年はリモートワークや完全在宅の求人も増加傾向にあるため、東京や大阪などの大都市の求人に応募することも選択肢の一つです。
最近では、会社のテレワーク制度を利用して、現在の仕事を継続しながら嬬恋村に移住し、テレワークする人も増えています。
嬬恋村には、ボウリング場をリノベーションしたワーケーション施設「Asama Valley」があります。この施設を利用して仕事をすることも魅力的な選択肢です。
▲「Asama Valley」では自然を楽しみながら仕事ができる贅沢な環境
※参考:Asama Valley
東京23区から嬬恋村への移住を検討している方は、60万円以上の移住支援金を受け取れる制度があります。該当する可能性がある方は、詳細な条件を確認することをおすすめします。
住まい情報:賃貸と購入物件の現状
大手賃貸情報サイトで嬬恋村の賃貸物件を探してみたところ、数件しかありませんでした。(2023年12月時点)
村内の賃貸物件にはメゾネット型やマンション型がありますが、数が十分ではありません。そのため、希望の時期に入居できない可能性があります。賃貸物件での暮らしを考えている場合は、定期的に物件情報をチェックすることをおすすめします。
嬬恋村では空き家バンクも運営しており、土地と建物セットで100万円〜1,000万円ほどの価格帯の物件があります。実際に嬬恋村の空き家バンクを確認したところ、50件以上の戸建て住宅が掲載されていました。そのほとんどが購入物件で、価格帯は100万円~800万円が中心でした。(2023年12月時点)
嬬恋村の先輩移住者が語る:暮らしの実態と感想
ここでは、嬬恋村の先輩移住者が実際に暮らしてみた感想や体験談をご紹介します。移住を検討されている方にとって参考になる情報が満載です。
- 自然豊かで四季を感じながら生活できる
- 空気が澄んでいて景色が綺麗で、地元住民が大らかで優しい
- とにかく夏が涼しくて過ごしやすい
- 新鮮な高原野菜が豊富にある
- 人が密集しておらず心穏やかに暮らせる
- 様々な職業の方達と話す機会が増え、知見が広がった
- 自然の中で暮らすことで子供が元気になった
- 買い物できる場所が少ないが、ネットで注文すれば届くのは早いので不便はない
- 冬はかなり寒い
- 気軽に外食できる店が少ない
※参考:移住者の声
嬬恋村に移住した先輩方の声を聞いてみると、やはり自然豊かな環境で過ごせるのが最大の魅力と感じているようです。真夏でも涼しく快適に過ごせるのも大きな利点です。買い物の面では、スーパーやコンビニも利用でき、ネットで買い物をすると都心部と変わらない早さで届くので、そこまで大きな不便を感じている方はいない様子です。冬の寒さや外食店の少なさなど、多少の課題はありますが、総じて満足度の高い生活を送っている印象を受けます。
群馬県嬬恋村への移住ステップ:相談から体験まで
嬬恋村への移住に興味はあるけど、具体的な相談方法や手順が分からないという方も多いと思います。そこで、移住を考えている方向けに、移住までの具体的なステップと問い合わせ先の情報をご紹介します。これらの情報を参考に、スムーズに移住の準備を進めていただければと思います。
STEP1:移住相談窓口の活用方法
嬬恋村には『嬬恋村移住・集落支援室』という窓口があります。こちらで移住・定住・空き家などについて相談してみましょう。事前に質問をまとめておくと効率的ですが、相談中にも新たな疑問点が出てくるかもしれません。
また、不定期で開催されているオンライン移住相談も参加をおすすめします。
嬬恋村の移住サポートは丁寧さで評判が高く、「移住コーディネータのサポートが良くて移住を決めた」という人もいるほどです。どんな些細なことでも気軽に相談してみましょう。
よく冬の暮らしについて相談や質問をいただきます。家の防寒対策についてのアドバイスはもちろん、家の改修や防寒対策に利用できる支援制度もあわせて案内しています。寒冷地ならではの心配事や疑問点など、何でもご相談ください。
STEP2:移住イベントと体験ツアーへの参加
地元住民や先輩移住者と触れ合えるイベント『つま恋マルシェ』や移住体験ツアーに参加してみることで、嬬恋村での生活がよりイメージしやすくなります。
地元交流イベント:つま恋マルシェの魅力
『つま恋マルシェ』では、先輩移住者へのインタビューや移住相談ブースの設置、嬬恋村の文化・芸術サークルの紹介などが行われています。このイベントを通じて、地元住民や先輩移住者と直接交流することができ、嬬恋村での生活をより具体的にイメージすることができます。
▲移住希望者を温かく迎える『つま恋マルシェ』の様子
移住体験ツアー:2泊3日で嬬恋村の魅力を体感
嬬恋村の移住体験ツアーは夏と冬の2つのバージョンがあります。参加者を少人数に限定しているため、手厚いサポートが評判です。また、滞在にかかる宿泊費用を補助する制度もあるので、ぜひ活用してください。
体験ツアーを開催していない期間でも、村内の案内などはいつでも可能です。ツアー以外でも案内できる体制を整えているので、四季を通じて来ていただくことで、嬬恋村の魅力をより深く理解していただけます。また、実際の生活と体験との間にギャップが生じにくいのも特徴です。
嬬恋村移住相談:問い合わせ先と受付情報
担当 | 嬬恋村役場 交流推進課(嬬恋村移住・集落支援室) |
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住所 | 〒377-1524 群馬県吾妻郡嬬恋村大字鎌原494番地45 嬬恋村地域交流センター内 |
電話番号 | 0279-82-5191 |
受付時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | 年末年始 |
公式サイト | https://www.tsumagoi-style.com/ |