沖縄県久米島町での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では、地方への移住を検討している人に向けて、沖縄県久米島町(くめじまちょう)の特徴や生活情報をご紹介します。
久米島町は、沖縄県の本島から西約100kmに位置しています。町の名前の通り「久米島」にある町で、暖かく穏やかな気候と美しい街並みが大きな魅力です。
広大な美しい海や豊かな緑に囲まれながら、離島でのんびりとスローライフを送りたい。そんな夢を持っている人には、求人数が安定しており豊かな自然と利便性のバランスがよい久米島町での暮らしをおすすめします。
また久米島町は景観が美しいだけではなく、移住者を温かく迎え入れてくれるさまざまなサポートが充実しています。海やさとうきび畑に囲まれた久米島町で、新しい暮らしを始めてみませんか?
沖縄県久米島町の暮らし、3つの特徴
移住を考える際、離島での暮らしに憧れやロマンを抱く人は多いですよね。しかし、実際に生活するとなると、さまざまな不安を抱く人も多いのではないでしょうか。
ここからは久米島町の特徴をご紹介しながら、離島生活の不安をひとつひとつ解消していきます。知れば知るほど「住みたい!」という気持ちが高まっていく久米島町。その魅力を知り、移住のイメージを固めていきましょう。
特徴1:海に囲まれた毎日。最高の景観に恵まれた生活が送れる
▲全国的にも有名な久米島のイーフビーチ。白い砂浜と青い海のコントラストが美しい
久米島町は、琉球列島(日本列島の南西、約1,000kmにわたって連なる多数の島)の中で最も美しい町だといわれています。
5つの海岸に2つの川、7つの山に囲まれた久米町島。「郊外は自然が多い」という印象を持つ人は多いかと思いますが、久米島町の自然の魅力はその溢れる美しさです。
例えば海岸のひとつである「イーフビーチ」は日本の渚百選にも選ばれ、東部に位置する「ハテの浜」には東洋一ともいわれるサンゴでできた真っ白な砂浜が広がります。白い砂、青い空、コバルトブルーの海。一生に何度訪れられるかわからないようなリゾート顔負けの絶景が、毎日のように楽しめるんです。
娯楽施設・エリアも多く、ダイビングやパラグライダー、馬遊びなどのアウトドアアクティビティが充実しています。手軽に楽しめるパークゴルフも盛んで、南国の樹木や花々に囲まれた「久米島シーサイドパークゴルフ場」で晴れやかな気分を感じながらプレイできるでしょう。
久米島観光協会のInstagramでは、雄大な久米島町の自然を随時アップロードしています。まずは一度、この美しさを実際の画像でご覧ください。また観光協会の公式ページからも景色の写真をチェックできます。
特徴2:島から出ずに生活OK。離島とは思えないほど暮らしやすい!
久米島町は、沖縄県の中でも自然と町のバランスがとれていることが魅力です。
例えば、リゾート地として有名な離島は観光地として発展しているため、「自然の中で生活している」という意識を持ちづらい傾向にあります。
また久米島町よりも小さな離島の島々では、自然に囲まれた生活は満喫できるものの、利便性に不安が残ります。もちろんどのエリアにも特有の魅力はありますが、久米島町は「リゾート地と本格的な離島のちょうど中間くらい」のよいバランスが保たれていることが特徴です。
島内にスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの買い物施設が揃っているため、生活に必要なものはほとんどすべて購入できます。
また久米島は、車で30~40分主要道路を走らせれば一周できるほどの広さだということもあり、生活圏から遠出をする必要がありません。メインの集落から10~15分ほど車を走らせれば、ほとんどのお店に到着します。また病院も同じエリア内にあるため、もしものときもすぐに通院可能ですよ。
リゾートのような離島暮らしが楽しめつつ、普段の生活にはほぼ不便さを感じさせないのが久米島町の大きな魅力といえます。
特徴3:本島へのアクセス良好!東京までも2時間半で着ける
▲久米島空港の様子。本島までは30分でひとっ飛び
離島での生活を考えたときに、島外へのアクセスはどうなのかと不安の種に感じる方もいるでしょう。その点久米島は島内外の交通インフラが比較的良好で、離島の中では気軽に移動ができます。
島内には観光バスとは別に路線バスが走っており、島を一周したり空港に向かったりできます。コンパクトな久米島町を手広く網羅しているため、高齢者や子ども、けがや病気を患っている人にとっても心強いですね。
離島暮らしにおいては、島外に出る手段として「船」と「飛行機」の両方が揃っているのも重要なポイントです。久米島空港から那覇までは飛行機に乗ればたった30分で着きます。夏は羽田空港からの直行便が運行しており、東京までも約2時間半で到着してしまいます。
沖縄県の離島に住んでいながら、東京まででも日帰りしようと思えばできてしまうのは、非常に大きなメリットといえるでしょう。
飛行機での近隣アクセス | 那覇空港~久米島空港(約30分) ▼期間限定(2022年度は7月15日〜8月31日) 羽田空港~久米島空港(約2時間35分) 久米島空港~羽田空港(約3時間55分) ※経由便の為、那覇空港にていったん降機 |
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フェリーでの近隣アクセス | 那覇泊港~渡名喜港~久米島兼城港(久米島直行便で3時間、渡名喜経由便で3時間30分) |
実は久米島は、「那覇市から最も近い離島」です。距離が近い分交通費も比較的安く、久米島町に住んでいる人は離島割が使えます。飛行機は往復約1万1千円で那覇まで移動でき、必要があればフェリーも使えます。
フェリーの場合は、那覇まで往復約4,500円の片道3時間半になります。久米島町に住んだ際は、時には海風に吹かれながらプチ旅行感覚で本島に行くのもよい時間になりそうですね。
久米島町の暮らしに関する情報
ここでは、久米島町への移住を考えた場合に必要になる、生活に関する情報をご紹介します。まずは、久米島町の主な情報をまとめた表をご覧ください。
人口 | 7,434人(令和4年8月末時点) |
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世帯数 | 3,970世帯(令和4年8月末日時点) |
気候 | 年間平均気温23.2℃ 最高は8月の平均31.8℃、最低は1月の14.6℃ |
病院 | 4院(公立病院1、診療所1、歯科医院2) |
学校 | ・小学校:6校 ・中学校:2校 ・高等学校:1校 ・保育施設:公立1か所・法人2園・個人1事業所 |
交通 | ・バス 路線バス(久米島町営バス。一周線・島尻線・空港線の3路線を運行) 観光バス(久米島交通) ・船舶 久米商船(那覇港~渡名喜村〜久米島) ・港湾 兼城港 ・空港 久米島空港 |
近隣都市 | なし |
名産品 | ・久米島の泡盛 ・くるまえび ・久米島の海産物 ・熱帯果樹(マンゴー・パイン・ドラゴンフルーツ) ・海洋深層水 ・塩 ・かまぼこ ・黒糖 ・みそクッキー ・久米島みそ ・もずく ・あおさ |
大都市へのアクセス |
・飛行機 ・フェリー |
久米島町の気候は温暖で安定しています。冬にも15℃を下回ることは少なく、長袖に簡単なコートやジャケットなどを羽織るだけでも過ごせます。その過ごしやすさから、過去にはプロ野球の球団(東北楽天ゴールデンイーグルス)のキャンプ地として選ばれたこともあるほどです。
久米島町には救急対応の総合病院も存在していますが、島内に専門医がいない場合の通院では那覇市まで出る必要があります。また島内に映画館がないため、映画を観るために本島に出かける人もいるのだとか。それ以外は、島内で生活を完結させられます。
基本的に車社会ではあるため、自家用車は必須といえます。とはいえ、島内のルートを満遍なく通るバスが走っているため、車を使わない場合でも大きな不便はないでしょう。
町内には「ドラッグストア モリ」や「ファミリーマート」「Aコープ」「ベスト電器」などの生活用品店があり、飲食店も多く並びます。
また、久米島町は文化に恵まれた町でもあります。ホタル館やウミガメ館などの博物館や城跡では、賑やかな観光地にはない歴史の深さを感じることができますよ。もちろん、小さなお子様も一緒に楽しめます。
そして、沖縄文化を感じられる場として外せないのが「お祭り」です。久米島でもさまざまな祭りが開催されます。
▲久米島まつりの様子。沖縄文化に祭りと音楽は欠かせない
特に毎年8月に行われる代表的な祭りである「久米島まつり」では、島内外出演者によるライブや花火などで大きな盛り上がりを見せます。民謡ライブやエイサー演舞などの伝統的な文化で彩られ、「沖縄の離島に住んでいる」と実感するひと時になるでしょう。
子育て情報:小・中・高が島内に。さまざまな支援制度も
▲豊かな自然の中での子育て。のびのびとした育児ができる
久米島町は、豊かな自然環境の中でのびのびと過ごせることや、地域の人々があたたかく見守ってくれることから、子育て世帯にもおすすめしたい町なんです。小学校・中学校・高校がそろっているため、通学に時間をとられるということもありません。
また、出産や子育てに関してさまざまな支援を実施しているのもありがたい点です。以下に、中でも特に注目したサポートをご紹介します。
制度名 | 概要 | 詳細ページ |
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出産助成金 | 久米島で出産した際、久米島町出産助成金として10万円〜15万円を受け取れる制度。 | |
こども医療費助成 | 久米島町に住んでいる0歳~15歳の児童の医療費が助成される制度。保険診療による入院・通院の自己負担額のすべてが対象。 ※15歳に達する日の属する年度の末日まで |
HP |
久米島町 子育て支援センター「にじのひろば」 | 育児に関する相談窓口。生後3か月から就学前の子どもと保護者が対象で無料で利用できる。 | HP |
ファミリーサポートセンター | 子どもを一時的に預かってもらいたい保護者が、登録した会員に預けることができる制度。土日祝日や年末年始にも利用可能。 | HP |
制度ごとの条件や詳細は各リンク先から、上記以外の支援事業は以下のリンク先からご確認ください。
仕事情報:久米島ならではの仕事があり、観光業も盛ん。介護や福祉の経験者は有利
久米島では、生産量日本一を誇る「車えびの養殖」といった久米島ならではの仕事があり、ほかにも観光業に関わる求人が多い傾向にあります。
農業・畜産業では、サトウキビやキクの栽培、肉牛の生産も盛んです。昨今では海洋深層水を利用した産業振興が行われており、研究職や開発職の経験者も歓迎されています。
久米島町の平均年収は、単身世帯で約300万円です。世帯年収では約370万円となっています。
※縁結び大学独自調べ(2022年10月時点)
大手求人サイトで調べたところ、久米島町の求人数は約300件、ハローワークでの求人数は約30件見つかりました。町内の中心部から30分圏内で久米島の全域を網羅できるため、ネット上で公開されている久米島町の求人数は、こちらでほぼすべてだと予想されます。
今回お話をお伺いした島ぐらしコンシェルジュ(企画財政課)の新井さんによると、この求人数は離島の中では多いとのことです。職種を選ばなければ仕事に困ることはほぼないといえます。
また島内では高齢者が増加傾向にあり、介護・福祉関係の経験がある人は即戦力になります。該当資格を持っている人も就職で有利になるでしょう。
大手求人サイトで仕事が見つからない場合でも、地域の求人メディアで違う仕事が募集されている場合があります。島内の事業所の約7割も「久米島島ぐらしガイド」にて求人情報を掲載していますので、ぜひご覧ください。
久米島町複業・フリーランサーギルド
フリーランサーギルドは、久米島町内の副業ワーカーや個人事業主が所属する団体です。町内外のビジネス案件を町内で受託することで、仕事を求めている人に依頼を回します。企業や行政の案件を開拓する動きも活発です。
時にはギルドメンバーでチームを組み、大型案件に取り組むことも。フリーランスとして活動するライター・カメラマン・クリエイターなどがメンバーになることで、安定した受注につながります。
島内コワーキングスペース
▲仲原家の外観。ビジネススペースとは思えないほど穏やかな雰囲気
久米島町内には、Wi-Fi環境が整備されたコワーキングスペースがあります。フリーランスやテレワーカーの方などが利用でき、オンライン面接やミーティングも可能です。古民家をリノベーションして作られた施設で、情緒あふれる環境で仕事に取り組めますよ。
施設名 | コワーキングスペース仲原家 |
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住所 | 久米島町字真謝20 |
電話番号 | 098-894-6488 |
メール | info@shimagurashi.net |
開館時間 | 火曜日~土曜日 9:00~12:00/13:00~16:00 ※第1、第3水曜日は午後14:00~ ※休館日は日・月・祝ですが、月曜日が祝日の場合翌日も休館となります。 |
利用料金 | ・畳間(貸切)1回(1時間)あたり 町民:400円 町民以外:600円 ・コワーキングスペース1人(1時間)あたり 町民:100円 町民以外:200円 |
住まい情報:久米島は不動産屋がある離島。まずは相談を!
大手物件サイトで検索したところ、久米島町の物件を見つけることはできませんでした。しかし、沖縄エリアに絞った不動産紹介サイトで検索したところ、少数ながらも賃貸情報が見つかりました。
該当サイトによると、2DKのアパートが月4.5万円、1LDKのマンションが月4.8万円で募集されています。また売却物件は約16件あります。データが少なく全体的な家賃平均を算出することは困難であるため、移住を希望する人は島内不動産業者サイトにて最新情報をチェックしておきましょう。
※縁結び大学独自調べ(2022年10月時点)
空き家バンク制度
久米島町では、移住・定住サポートとして空き家バンク制度が導入されています。2022年10月時点では空き家情報は0件となっていますが、今後更新される可能性があるため定期的なチェックをおすすめします。
もし空き家を活用して移住する際は「空き家活用促進補助金制度」が利用でき、改修の金額に応じて補助金が交付されます。補助額はかかった費用の半分で、上限は50万円となっています。
久米島町に移住した人の体験談や感想
ここでは、実際に久米島町に移住した人たちの声をご紹介します。久米島町への移住を検討している人は、先輩たちの声をぜひ参考にしてくださいね。
- 久米島町に来るまで、こんなに綺麗な海を見たことがありませんでした。
- 町のみんなが友達で、みんなが知り合いという感覚。温かい雰囲気でホッとします。
- 共存共栄の意識が強い町です。人を受け入れる包容力は世界一だと思います。
- 久米島町で暮らし始めて、自分らしく生きられていると感じます。
- ビーチが美しい。季節や時間で色が変わり、同じ青でもどんどん景色が変わっていきます。
- 島に帰ってくるとほっとします。空港のカウンターの人が「おかえりなさい」と言ってくれます。
- 人との距離感が程よく、暖かい。
- 私は運転免許を持っていませんが、バスや徒歩で生活できています。
移住者の中には、久米島町自慢の自然の美しさに感激する声が多く見られました。また人同士のつながりや温かさに安心感を覚える人も多いようです。
▲沖縄の伝統行事「ハーリー」。航海の安全や豊漁を祈願し、サバニと呼ばれる伝統漁船で競漕を行う
移住者向けの支援制度・情報
▲移住に関する相談会の様子。「島ぐらしコンシェルジュ」は移住者と島をつなぐ架け橋のような存在
ここでは、久米島町の移住に役立つ制度やお問い合わせ先をご紹介します。
オーダーメイド型移住体験サポート
オーダーメイド型移住体験サポートは、移住希望者の要望に合わせた、オーダーメイドの移住体験を無料でサポートしてもらえるサービスです。行きたい場所や見たいもの、体験したい内容などの希望を伝えた上で、観光とは違う視点で案内をしてもらえます。
例えば「子どもが通うかもしれない小学校を見てみたい」や「実際にコワーキングスペースで働いて離島でのテレワークをシミュレーションしたい」などのような、一般的なツアーではできない自分だけの体験が可能です。
病院やスーパーなど、暮らしに直接関わる施設の見学もでき、人気のサービスとなっています。月ごとの枠には限りがあるため、お早めのご予約をおすすめします。
島ぐらしコンシェルジュ
島ぐらしコンシェルジュは、移住定住推進のための総合相談窓口です。移住に関する相談対応や、メルマガでの情報提供を行っています。メルマガには、求人や空き家など定住に関わる重要な情報が含まれていることもあります。
実際に移住した後は、住まいの生活に役立つ情報も届けてくれます。共創移住の推進として移住者と島人をつなぐ活動も行っており、移住者の心強い味方となってくれるでしょう。
保育士への渡航費助成
島外から保育士として採用され移住する際に、引っ越し費用を助成してもらえる制度です。以下の条件に当てはまる人が受給できます。移動費だけではなく、生活準備費用なども補助してもらえることが特徴です。
- 町外に在住する保育士で、令和3年4月以降に町内の保育施設等に就職した者又は 就職が決定した人
- 年齢が60歳未満の者
- 町内の保育施設等で週30時間以上、かつ、2年以上の勤務を行うことができる者
- 私立保育園及び家庭的保育事業所等の保育士確保のための赴任に係る渡航費等扶助事業での補助金の交付を受けていない人
久米島移住ガイドブック
久米島町が公式で配布している移住者用ガイドブックで、暮らし情報や教育、福祉などの情報が記載されています。実際に移住した先輩たちのインタビューもあり、暮らしのイメージを持ちやすくなるでしょう。
久米島町への移住に関する問い合わせ
移住に関する質問や相談先は下記の通りです。些細なことでも、気になったらまずは相談してみましょう。
担当課 | 島ぐらしコンシェルジュ(企画財政課) |
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住所 | 〒901-3140 沖縄県島尻郡久米島町字真謝20 コワーキングスペース仲原家 |
電話番号 | 098-894-6488 |
FAX | 098-894-6488 |
メール | info@shimagurashi.net |
開館時間 | 火曜日~土曜日 9:00~12:00/13:00〜16:00 ※第1、第3水曜日は午後14:00~ ※休館日は日・月・祝ですが、月曜日が祝日の場合翌日も休館となります。 |
公式サイト | https://shimagurashi.net/ |