北海道積丹町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、北海道積丹町(しゃこたんちょう)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

北海道積丹町は北海道の西海岸につき出る積丹半島の先端に位置しています。町名は、アイヌ語のシャク(夏)、コタン(村または郷土)、シャクコタンつまり「夏・場所」に由来すると言われています。

今回は、積丹町役場企画課の大坂さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
男性スタッフのアイコン

積丹町役場企画課 主事

大坂 航太さん

積丹町の特徴を3つご紹介

北海道積丹町暮らしの特徴

積丹町には、「神威岬(かむいみさき)」をはじめとする見事な景観スポットがあり、年間40万人の観光客が訪れています。また、基幹産業である漁業の中でも、ウニは積丹町の名物となっており、観光客の舌を楽しませています。

そんな積丹町での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 雄大な自然の中で暮らしたい。
  • 海産物が好き。
  • 食生活を豊かにしたい。
  • 伝統芸能に興味がある。祭りが好き。

上記のような方に適している理由を、積丹町に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:息をのむ絶景

積丹町の神威岬
▲神威岬。岬の付け根にある駐車場から先端部までは、尾根沿いに整備された散策路で片道徒歩約20〜30分。岬の先端部では、水平線が丸く見える。

積丹町には、積丹岬、黄金岬(おうごんみさき)、神威岬と3つの岬があり、その絶景を見るために、毎年多くの観光客が訪れています。ハート型をした宝島を望む黄金岬や、断崖絶壁が続くビューポイントの中で、唯一波打ち際まで下りられる島武意海岸(しまむいかいがん)は、人気のスポットです。

積丹町の島武意海岸
▲島武意海岸は積丹半島の北端にあたる岬。野生生物が多く、特にトド、アザラシなどの大型海獣が観察できる。

夏は「積丹ブルー」と呼ばれる、透明度の高いコバルトブルーの海を鑑賞できます。シーカヤックやシュノーケリング、水中展望船なら、その美しさをより間近で体験することができます。

積丹町の宝島
▲宝島。上空から見るとハート型をしているため、近年は恋人たちのパワースポットとしても知られている。

また、積丹岳は、高山植物や山頂から望む日本海の風景などが登山客に好評です。登山道が整備されているので、初心者でもチャレンジできるのではないでしょうか。山頂での、360度を見渡せるパノラマ風景は感動すること間違いなしです。

積丹町の積丹岳
▲積丹岳。地形が急峻な積丹半島の中で、唯一登山道が整備されている。

このように、積丹町は、海と山のダイナミックな絶景を楽しめるまちなのです。

特徴2:四季の海産物が絶品

積丹町の特産品「ウニ丼」
▲積丹町の代表的なグルメ「ウニ丼」

積丹町では古くからニシン漁をはじめとした漁業が盛んで、現在でも季節ごとの海の味覚を楽しめます。春はヤリイカや甘エビ、夏はウニ、秋は鮭とイクラ、アワビ、冬は積丹を代表する「浜鍋」がおすすめです。「浜鍋」とは、近海で穫れたエビや帆立などの海の幸と野菜を煮込んだもので、食材の旨みが凝縮されています。

特にウニは濃厚な味わいが人気の特産品で、6〜8月のウニ漁業期間に来訪する観光客の多くが、積丹ウニを求めて町内の飲食店を訪れています。

移住したら、海の恵みを思う存分堪能したいものですね。

積丹町の漁の様子
▲漁の様子

特徴3:民俗芸能がアツい!

積丹町の海上渡御
▲海上渡御。海上の安全を祈願する神事。地元の漁船に御輿が乗せられ、海上を巡行する。

積丹町は江戸時代から漁場として栄え、明治・大正時代はニシン漁が盛んでした。そのニシン漁の際に唄われたのが、ソーラン節と言われています。積丹町は、北海道民謡として有名なソーラン節発祥の地なのです。

「美國神社(びくにじんじゃ)例大祭・火祭り」も、積丹町を代表する大きなイベントです。毎年7月に開催されるこの祭りは、大漁旗が海を華やかに彩る海上渡御(かいじょうとぎょ)や、神輿(みこし)や山車(だし)のパレードで賑わい、夜には「天狗の火渡り」でクライマックスを迎えます。

積丹町の天狗の火渡り
▲火祭りは「天狗の火渡り」でクライマックスを迎える。

このように、積丹町では民俗芸能が現在もしっかりと息づいています。ご自身でも体験してみてはいかがでしょうか。

積丹町の暮らしに関する情報

ここからは、積丹町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温:20.5℃
1月平均気温:-4.0℃
※参考:気象庁
人口 人口:1,797人
世帯:1,022世帯
(令和5年7月末現在)
病院 病院・クリニック:1
歯科:1
学校 保育施設:2所
小学校:4校
中学校:1校
交通 【鉄道】
なし

【バス】
北海道中央バス
(高速バス利用で札幌市まで約2時間30分)

【車】
小樽市まで約1時間10分
新千歳空港まで約2時間20分 
近隣都市 小樽市

積丹町は日本海からの風を受けるため、雪の多い地域となっています。積雪量は1〜2mで、冬季の雪かきはほぼ毎日必要です。積丹町では車があった方が便利ですが、寒冷地仕様車やスタッドレスタイヤの準備をしておきましょう。

積丹町では、町内全域に光ファイバ網を敷設するとともに、町内全戸にIP告知端末機を設置しています(完全無料)。この端末機にはカメラとモニターが付いており、端末機設置世帯同士でテレビ電話として利用できますし、高齢者の見守りや町内9カ所のライブカメラで海況状況を確認できます。

積丹町のIP告知システムの端末機
▲IP告知システムの端末機。町の情報は端末機だけでなく、スマホアプリでも配信している。

また、役場からのお知らせ・情報の広報のほか、国の全国瞬時警報システム(J-アラート)による情報も受け取ることができます。緊急時にも役立つ便利な端末が無料で設置されるのはありがたいですね。

積丹町のIP告知システムを利用した役場からの広報のイメージ
▲IP告知システムを利用した役場からの広報のイメージ。2021年からは、設備の浸水や停電のリスクに備え、管理サーバをクラウド型に移行した。

【子育て】相談事業と経済的支援で子育てをサポート

積丹町の子育て支援センターで遊ぶ子どもたち
▲子育て支援センターで遊ぶ子どもたち

積丹町では、子育て支援を積極的に行っています。子育て支援センターでは、出産や子育てに関する不安や悩みを、保健師等の専門職に相談できます。子育てサークルもあるので、積極的に活用しましょう。子ども同士・親同士のつながりが得られます。

経済的な支援の一部は次の通りです。(令和5年3月現在)

子どもの医療費助成 0〜18歳の医療費を助成
インフルエンザ予防接種費用の助成

1~18歳:自己負担なし
19~64歳:自己負担1,000円
65歳以上:自己負担なし

出産・子育て応援給付金 出産応援給付金は妊婦1人あたり5万円
子育て応援給付金は子ども1人あたり5万円

教育に関しては、放課後の学童保育に力を入れています。これは、子供たちの第三の居場所を作ることを目指したもので、宿題や読書、遊びなど充実した放課後を過ごすことができます。

積丹町の放課後学校教室の様子
▲放課後学校教室。学習指導員が見守る中で、安心して過ごすことができる。

【仕事】町外への通勤も視野に入れよう

大手求人情報サイトで積丹町の求人を調べたところ、約40件ヒットしました。
※求人情報の一例

職種によっては、町内で希望の仕事を探すのは難しいかもしれません。通勤30分圏内の25km以内まで範囲を広げると、約590件ヒットしました。町外への通勤も視野に入れて検討するとよいでしょう。

【住まい】空き家バンクや住宅新築の検討を

大手住まい情報サイトで積丹町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。

近隣の19市町村が共同運営する「しりべし空き家バンク」には、積丹町の物件も掲載されていますので、一度確認してみましょう。すぐに入居できる物件もあります。

公式:しりべし空き家バンク

積丹町では、町有地の分譲をしています。町内で最も小樽市や札幌市に近い美国地区(びくにちく)の4つのエリアを格安で分譲していますので、住宅の新築を検討している人は調べてみてください。エリアごとに特徴があるので、自分のライフスタイルに合ったエリアを選べます。

公式:積丹町「町有地分譲中!」

また、積丹町では次のような国の制度も利用できます。

結婚新生活支援事業補助金 新規に婚姻した世帯の婚姻に伴う住宅取得費用、住宅賃貸費用および引越費用として60万円上限に助成。
移住支援金 東京圏から移住して就業・起業した人を対象に、移住支援金として、世帯100万円、単身60万円を支給

公式:積丹町「結婚新生活支援事業補助金について」

公式:北海道「移住支援金特設ページ(移住者向け)北海道【UIJターン新規就業支援事業】」

積丹町に移住した人の声・感想

北海道積丹町移住者の声

次に、積丹町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 自然が豊かで人工物が少ない。森と海が充実している。
  • 新しく引っ越してきた人に寛容で、迎え入れてくれるようなアットホームな感じがする。
  • 祭りシーズンは、老若男女、職業も関係なく、「祭りを盛り上げよう」と結束する雰囲気がある。
  • 積丹町は別世界。世界でも有数の景色だと思う。
  • ゆったりとした時間を過ごせるのが魅力。

豊かな自然に魅せられる方が多いようです。普段は積丹町に住み、雪が積もり閑散期となる冬だけ札幌に住む二拠点生活をしているという方もいました。

積丹町へ移住するために利用したい窓口・支援

積丹町の移住体験住宅
▲移住体験住宅。家具・家電つきで生活体験ができる。

積丹町への移住を検討したら、下見に行ってみましょう。大坂さんによると、6〜8月がおすすめとのこと。綺麗な海が見え、まちのよさも感じられる季節だそうです。また、雪に慣れない地域から移住する人は、冬の様子も確認しておいた方が安心です。

積丹町には移住体験住宅があります。利用期間は7〜90日で、季節によって利用料金が異なります。積極的に利用して、周辺環境や利便性、地域の受入体制などを、実際に自分の目で確かめましょう。

移住体験住宅よりも長期で暮らしたい人には、定住促進住宅がおすすめです。積丹町に住民登録をして定住しようとする人向けに、低家賃で最長3年間居住が可能な住宅が2戸整備されています。

公式:積丹町「移住・定住を希望される皆様へ」

男性スタッフのアイコン
大坂さん

定住促進住宅は、就農や事業準備などで長期の住宅が必要な方におすすめです。

積丹町の定住促進住宅
▲定住促進住宅。低家賃で最長3年間居住が可能。

積丹町への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 積丹町役場 企画課
住所 〒046-0292
北海道積丹郡積丹町大字美国町字船澗48番地5
電話 0135-44-2114
公式サイト 積丹町「移住・定住を希望される皆様へ」