【北海道壮瞥町】大自然と温泉を楽しむ!子育て世代に人気の移住先を解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「北海道壮瞥町」をご紹介します。

壮瞥町は、日本で9番目の面積を誇る湖・洞爺湖の東側に位置し、活火山である有珠山、国の天然記念物・昭和新山を有する自然豊かなまちです。このエリアは、ユネスコが認定する「世界ジオパーク」にも登録されています。

大自然に囲まれて暮らし、遊ぶことができるほか、火山の恩恵である温泉やフルーツが楽しめるなど、魅力がたくさん詰まった壮瞥町。さらに、子育て支援や教育体制が充実しているため、特に子育て世帯の方から人気の高い移住先となっています。

そんな壮瞥町について、仕事や住まい探しなど、移住を検討する上で役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
壮瞥町地域おこし協力隊の今井さん

壮瞥町地域おこし協力隊 移住担当

今井 亮輔さん

壮瞥町の暮らしを彩る3つの魅力

壮瞥町の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には壮瞥町がおすすめです。

  • 雄大な自然に囲まれて暮らしたい
  • スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが趣味
  • 温泉が好きで、毎日でも入りたい
  • 子育て支援の充実しているまちを希望
  • 子どもにはグローバル感覚を身につけてほしいと思っている

壮瞥町がこのような方に適している理由を踏まえながら、町の暮らしの特徴について詳しく紹介していきます。自然環境、レジャー施設、温泉、子育て支援制度、国際交流の機会など、壮瞥町ならではの魅力をお伝えします。

特徴1:世界に誇る大自然の中で暮らす

壮瞥公園から眺めた洞爺湖

壮瞥町は、2008年に「北海道洞爺湖サミット」が開催された洞爺湖の東側に位置し、有珠山や昭和新山などの山々を有するまちです。

この壮瞥町では、豊かな自然と、その自然を活かしたさまざまなアクティビティを楽しむことができます。

まちには、気軽に登山や散策ができる山や自然歩道が多数あります。また、洞爺湖での釣りや長流川(おさるがわ)での野鳥観察など、自然に囲まれて、活動的に過ごすことも、ゆったりと過ごすことも自由自在です。

洞爺湖湖畔にある仲洞爺キャンプ場は、湖を目の前にしてテントを張ることができる絶景キャンプ場です。豊かな緑、透明度の高い洞爺湖、そこに沈む夕日や星空など、感動的な風景に一日中出会えるでしょう。

仲洞爺キャンプ場にテントがたくさん張られている様子
▲林間や湖のそばなど、どこをとっても絵になる仲洞爺キャンプ場

隣接する登別市との境にあるオロフレ峠は、夏にはハイキングや登山スポットとして人気です。冬には、心が洗われるような美しい銀世界が広がります。

一面に雪が積もったオロフレ峠

そのふもとにあるオロフレスキー場は、夏はキャンプ、冬はスキーを楽しめる総合リゾートです。スキー場には珍しくベビールームが完備されており、大人も子どもも楽しめる雪上バナナボートが運行するなど、家族連れに配慮した施設となっています。

オロフレスキー場
▲オロフレスキー場には全4コースがあり、初心者から上級者まで楽しめる

「自然に囲まれたまちで生活したい」「大自然の中で子どもを育てたい」という希望をお持ちの方にとって、壮瞥町はその理想を実現できる場所かもしれません。

特徴2:火山がもたらす恵み - 個性豊かな温泉と多彩なフルーツ

仲洞爺温泉「来夢人の家」の浴室

壮瞥町が有する有珠山などを含むエリアは「洞爺湖有珠山ジオパーク(※)」としてユネスコ世界ジオパークにも認定されています。約11万年前の噴火によってできた洞爺湖、約2万年前の火山活動によって生まれた有珠山など、火山によって変動する大地との共生の歴史が見られるところが特徴です。
※ジオパーク:地球科学的な価値のある地形・地質とそこで育まれた自然や文化を、守りつつ活用していくプログラム

その火山がもたらす大きな恩恵といえるのが温泉です。温泉に惹かれて移住する方も多いというほど、壮瞥町の温泉は魅力的です。洞爺湖畔には洞爺湖温泉・壮瞥温泉、長流川流域には蟠渓(ばんけい)温泉があり、宿泊だけでなく日帰り温泉も楽しめます。

また、火山灰によって豊かな土壌が育まれることから、壮瞥町では果樹栽培が盛んです。町の特産品はりんご、プルーン、さくらんぼ、桃などさまざま。フルーツが好きで、年中おいしい旬のフルーツを食べたいという方には理想的な環境です。さらに、ワイン用のぶどうを生産する方も増えてきており、壮瞥町産ぶどうのワインは人気を集めています。

このように、壮瞥町は火山と共生し、「火山があるからこそ」の豊かな暮らしを実現しているのです。

特徴3:子育て充実支援!中学生全員を全額公費で海外派遣

そうべつ子どもセンターの外観
▲そうべつ子どもセンターは、子育て支援サークルなども開催される。子育ての輪が広がる場所として好評

壮瞥町では「子どもは地域の宝」という考えのもと、子育て家庭に対してさまざまな支援を行っています。

出産祝金 子どもが生まれた家庭へのお祝いとして、子ども1人あたり現金50,000円と壮瞥町商工会商品券50,000円分を交付
就学祝金 小・中・高等学校に就学する子どもへのお祝いとして、子ども1人あたり現金25,000円と壮瞥町商工会商品券25,000円分を交付
子育て応援ごみ袋配布事業 0~2歳の子どもがいる家庭に、おむつなどのごみ処理を補助するため、可燃用20リットルのごみ袋を年間120枚配布
ブックスタート 絵本を通して赤ちゃんと保護者が楽しい時間を共有できるよう、絵本や読み聞かせアドバイス集などが入った「ブックスタートパック」を進呈
チャイルドシート等の無料貸し出し 0~6歳の子どもがいる家庭に対し、チャイルドシートを無料で貸し出し
通学定期補助 JRやバスの定期券を購入して通学する高校生、大学生、各種学校の学生の保護者に対し、通学定期代の1/2を補助

出産祝金にはじまり、就学祝金や通学定期補助など、経済的負担が大きくなる節目での支援は、子育て家庭にとって大きな助けとなります。

また、壮瞥町では子育て支援条例で「地域みんなでの子育て」を推進しています。その一環として平成22年度にオープンした「そうべつ子どもセンター」は、「保育所(認定こども園)」「子育て支援センター」「児童館・児童クラブ」が一体となった施設で、未就学児と保護者を総合的にサポートしています。

フィンランドのケミヤルヴィ市と友好都市関係を結んでいる壮瞥町。教育面では、町内の中学生全員を全額公費でフィンランドに派遣するという、全国的にも珍しい取り組みを行っています。感受性豊かな時期に異文化を直接体験することは、子どもたちがグローバル社会で活躍する上で貴重な経験となるでしょう。

子育て世代の方、特に子どもの将来を見据えた教育環境を重視する方にとって、壮瞥町は魅力的な移住先と言えるでしょう。

壮瞥町の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、壮瞥町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温−2.9°C
8月:平均気温21.7°C
(観測地点:伊達)
※参考:気象庁ホームページ
人口

人口:2,398人
世帯数:1,341世帯 (2023年11月30日時点)

近隣都市 登別市、伊達市、虻田郡洞爺湖町、白老郡白老町
公共交通 町内を鉄道は通っていない
バス:道南バス
大都市へのアクセス 札幌市へ:車で約2時間、または電車とバスで2時間
苫小牧市へ:車で約1時間
東京へ:車と飛行機(新千歳空港~羽田空港)で、約3時間
病院 病院:2ケ所
歯科:1ケ所
学校 高校1、中学校1、小学校1、保育施設2
行事・イベント 昭和新山国際雪合戦、そうべつりんごまつり、壮瞥神社例大祭、瀧不動尊例大祭

壮瞥町では、冬の積雪は多い時で30~40cmほどです。北海道の中では雪が比較的少ないエリアとなり、その暮らしやすさに惹かれて、道内の他の地域から移住して来られる方もいらっしゃるそうです。

そんな壮瞥町では、雪を利用した「昭和新山国際雪合戦大会」という、とてもユニークなイベントが毎年開催されています。

国際雪合戦大会の様子

この大会はすでに30回以上開催され、これまでに国内各地のほか、海外からも多くのチームが参加。まちは大きなにぎわいに包まれます。厄介者とされがちな雪を逆手にとってイベントにする、この遊び心とたくましさも、壮瞥町の魅力と言えるでしょう。

日常生活において、買い物をする場所としては農協スーパーや農産物直売所があります。ただし、大型ショッピングセンターなどの利用には近隣の市町へ出かける必要があるため、車は必需品となります。

町内には、コミュニティスペース「地域のあそびば ミナミナ」があり、誰でも自由に立ち寄ることができます。地域おこし協力隊が常駐しており、移住の相談やまちのおすすめスポットを聞くこともできるので、移住を考えている方はぜひ訪れてみてください。

「地域のあそびば ミナミナ」のコミュニティスペース
▲開放的でおしゃれなコミュニティスペース。小上がりは子どもが靴を脱いで遊ぶ場所としても活躍

仕事探しのポイント:就農と起業への手厚いサポート体制

2024年1月現在、大手求人情報サイトで壮瞥町の正社員情報を検索すると、ヒット数は約100件でした。町内だけでは多くありませんが、通勤30分程度となる「25km圏内」まで含めるとおよそ2,200件と大幅に増加します。これは、周辺地域も含めると就職の選択肢が広がることを示しています。

参考:求人情報の一例(町内のみ)
参考:求人情報の一例(25km圏内)

仕事関連では、就農や起業への支援が充実しています。壮瞥町は農業と観光のまちであり、また高速通信環境が整っていてIT関連事業にも適しています。農業に興味のある方や、移住先に根ざした働き方をしたい方、IT分野で独立を考えている方はぜひ検討してみてください。

就農助成金 ○就農研修を修了した新規就農者が農用地を取得する場合に助成金を交付(上限:年間50万円)
○就農研修を修了した新規就農者が農用地を賃借する場合、賃借料の2分の1以内の額を補助(上限:年間10万円)
○就農研修を修了した新規就農者および就農後継者が、農業用施設や機械等を取得する場合に助成金を交付(上限:年間200万円)
起業化支援 新たに事業活動を行う方や新規分野での事業活動を行う方を対象に、工事費や財産購入費などを補助
補助額:対象経費の2分の1以内(上限:100万円)

特色ある住まいの選択肢:子育てと就農を応援するユニークな住宅

壮瞥町で一戸建ての住まいを検討しているのなら、まずは空き家バンクをチェックしてみてはいかがでしょうか。家・土地ともに物件があり、賃貸物件も見つかります。

参考:空き家バンク登録物件一覧

ただし、壮瞥町は人口が多くないため、物件数も限られています。そのため、多くの移住者はまず公営住宅に入居し、そこから時間をかけて理想の物件を探すことが多いようです。

壮瞥町では、住まいに関する以下のような支援制度があります。

持ち家住宅取得奨励金 新規に住宅を取得する方向けに、取得費の10分の2以内の額を助成
新築・建替えの場合:上限100万円(町内業者施工の場合は、100万円分の商品券追加)
中古の場合:上限100万円
結婚新生活支援補助金 夫婦ともに39歳以下の新婚世帯(※ほか条件あり)に対し、婚姻に伴う住居費・引越費用・リフォーム費用を助成
助成額:上限30万円

詳細:住宅関係の助成制度

さらに、壮瞥町では子育て支援と農業振興に力を入れており、これらの特色を活かしたユニークな応援住宅も用意されています。

子育て世帯向け:ママの意見を反映した応援住宅「コティ」

子育て応援住宅「コティ」の外観
▲「コティ」はメゾネットタイプ。子どもの足音など上下階の音問題が解決され、大きなストレス軽減になる(画像引用元:壮瞥町

子育て応援住宅「コティ」は、移住定住の促進を目的として、壮瞥町に住むお母さん達の意見を取り入れ、「より子育てに専念できる環境」を目指して建設された住宅です。子どもの成長に合わせて移動可能な間仕切り収納棚など、子育て世帯に役立つ機能・設備が充実しています。

入居資格 中学生以下の子どもが1人以上いる世帯であること
ほか条件あり
家賃 月額41,000円(子どもの人数に応じて減額)
入居期間 1番下の子どもが通常の年齢(18歳)で高校卒業する年度の末日まで

詳細:子育て世帯向け:ママの意見を反映した応援住宅「コティ」

新規就農者向け:仲間と学び合える農業研修シェアハウス

農業研修シェアハウスのリビングルーム
▲広々としたLDK。居室も1部屋11畳と広く、夫婦での入居も可能

農業研修シェアハウスは、新規就農者が仲間との意見交換や情報共有を積極的に行いながら暮らせるように設計されたシェアハウスです。家賃は月額15,000円と非常に手頃で、個室の他に、共用のリビングダイニングキッチン、シャワーブース、作業服を大量に干すことができる乾燥室などの設備が整っています。これらの設備は、農業研修生の日常生活と学びをサポートするために用意されています。

入居資格 就農を目指して、町内で実務研修を行う方 など
家賃 15,000円(光熱水費・Wi-fi使用料込み)
入居期間 2年以内

詳細:新規就農者向け:仲間と学び合える農業研修シェアハウス

壮瞥町へ移住した人の体験談・感想

壮瞥町へ移住した人の体験談

ここでは、実際に壮瞥町に移住して暮らしている方々の体験談や感想をご紹介します。

  • 移住先を探す中で、洞爺湖に映る雲や中島の穏やかな風景に魅せられ、壮瞥町での暮らしを決意した
  • 山も湖も身近にあり、釣り、キャンプ、スキーなど、都会では数ヶ月に1度しか楽しめなかった自然の中でのレジャーがいつでも楽しめる
  • 食料品などは町内で手に入り、商業施設やホームセンターがある伊達市へは車で15分程度とアクセスが良好。日常生活で不便を感じることはない
  • いい意味で開発しすぎていない町。新しいことを1から始めたい人にとって、チャレンジのしがいがある
  • 町全体に一体感があり、地域の人々のつながりが素晴らしい。移住者にも寛容で、何かを始めようとするとたくさんの人が協力してくれる

雄大な自然の中で、のびのびと暮らせることに満足しているという声が多く聞かれました。

また、壮瞥町に暮らす方や移住してきた方は「地域の人が温かい」と口をそろえます。町のコミュニティスペースが作られた際には、多くの方が自主的に掃除を手伝うなど、協力的で親切な人柄の方が多いようです。

壮瞥町への移住を実現するための具体的なステップ

ここでは、壮瞥町への移住に向けて、具体的に取れる行動をご紹介します。移住を考えている方に役立つ情報や手順をわかりやすくお伝えします。

お試し移住:体験住宅で壮瞥町の暮らしを味わおう

移住体験住宅ヤルヴィの外観
▲移住体験住宅ヤルヴィの敷地からは、有珠山と昭和新山が眺められる

壮瞥町では、移住を検討している方に向け、1週間~1ヶ月のお試し暮らしができる住宅を用意しています。壮瞥町の豊かな自然を体感するほか、買い物や近所のカフェに出かけるなど、移住後の日常生活をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

過ごしやすい気候の夏、美しい景色やウィンタースポーツが楽しめる冬とそれぞれに魅力がありますが、雪に慣れていない方は、移住後のミスマッチを防ぐためにも、冬に訪れることをおすすめします。

また、体験ツアーなどをご希望の方は、壮瞥町の窓口に相談してみてください。現在、パッケージとしての体験ツアーは開催されていませんが、近隣市町村の情報も含めて、可能な範囲で紹介してもらえます。

壮瞥町への移住に関するお問い合わせ

担当課 企画財政課 企画広報係
住所 北海道有珠郡壮瞥町字滝之町287番地7
電話番号 0142-66-2121
対応時間 平日 8:45〜17:30
公式サイト 壮瞥町公式ウェブサイト 移住定住情報
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