青森県新郷村で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では、地方への移住を検討している方に向けて青森県新郷村(しんごうむら)で暮らす魅力やお役立ち情報を紹介しています。

新郷村は青森県の南端に位置しています。青森と秋田の県境にあるカルデラ湖・十和田湖の東にあたり、十和田湖への東口玄関として知られています。青森県酪農発祥の地でもあり、酪農をはじめとした農業や林業に従事する人が多いです。

今回は新郷村の暮らしについて、新郷村役場企画商工観光課の堀合さんに地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
新郷村役場の堀合真帆さん

新郷村役場 企画商工観光課

堀合 真帆さん

新郷村の暮らし3つの特徴

青森県新郷村暮らしの特徴

新郷村は「村民みんなが健康で明るく心豊かな長寿の村」を目指しています。老若男女みんなで楽しめるイベントを行ったり、自然の中で子どもと一緒に遊べる環境づくりや、教育にも力を入れています。

新郷村での暮らしに向いているのは次のような方です。

  • スローライフを満喫したい
  • 飲み水にこだわっている
  • 子育てや教育に力を入れている自治体に住みたい

それではおすすめする理由について詳しく説明していきます。

特徴1:自然豊かで、農林業が盛ん

新郷村の西端に位置する戸来岳
▲新郷村に登山口がある戸来岳(へらいだけ)

新郷村は十和田湖外輪山の一つである戸来岳(へらいだけ)に面し、山や森林に恵まれています。新郷村では林業が盛んで、戦後に荒廃した森林・放牧放棄地に積極的に造林を行ったこともあり、緑が多く、空気がきれいなことが特徴です。

「東北百名山」のひとつである戸来岳は、頂上から十和田湖を見下ろすことができます。山頂付近には希少なイチイとコメツツジの群落があり、青森県の自然環境保全地域に指定されています。秋には鮮やかな紅葉も鑑賞できます。

村を横断する国道454号線沿いの菅場地区(すがばちく)は北東北最大規模といわれるミズバショウの群生地です。4月下旬から5月上旬になると約10万株ものミズバショウの花が見頃を迎え、遊歩道を歩きながら、一面のミズバショウを楽しむことができます。

新郷村の村の花「ミズバショウ」
▲春に見頃となる村の花「ミズバショウ」

冬は、村営の金ケ沢(かねがさわ)スキー場が賑わいます。初心者が安心して楽しめるコースや上級者コースがあり、中学生の大会やイベントなどが行われ、アットホームな雰囲気です。移住したらスキーや雪遊びを楽しんではいかがでしょうか。

新郷村役場の堀合真帆さん
堀合さん

新郷村は自然に恵まれ、時間がゆっくり流れます。オーガニック野菜を栽培する人もおり、スローライフを送りたい方におすすめです

特徴2:毎日おいしい水が飲める

新郷村は湧き水が豊富です。村内の水道水の水源も湧き水で、美味しいと評判です。とくに中里地区の湧き水は、野菜を浸すといつまでもイキイキしていると言われ、醸造関係者の間では「活きた水」と呼ばれています。

地元の醸造所「株式会社泉農場 新郷醸造所」では、この中里地区の湧き水を使用して、青森県の特産品であるながいもで焼酎をつくっています。

普段から美味しい水を飲めるうえ、その美味しい湧き水を使った焼酎も飲めるというのは嬉しいですね。飲み水やお酒にこだわりのある人も満足できるのではないでしょうか。

新郷村の新郷醸造所のながいも焼酎「郷の華」
▲「郷の華」は焼酎では珍しい「黄麹」を利用することで、繊細な芳香とすっきりした飲みやすさになっている

特徴3:子育て支援が充実。「村営塾」など教育にも力を入れている

新郷村の小学校の給食風景
▲新郷村では小・中学校の給食費無償化を実施している

新郷村では早くから小・中学校給食費無償化を実施しています。また子どもの医療費の無償化や無料で塾に通える「村営塾」の運営など、子育て世帯を応援する取り組みを続けています。以下で一部をご紹介します。

出産祝い金 第1子に10万円、第2子に20万円、第3子以降1人につき30万円を支給
乳幼児医療費助成/子ども医療費助成 0歳~中学校卒業までの子どもを対象に医療費を全額助成
保育料減免 国の基準から半額程度軽減
乳幼児の主食費助成 3歳以上の保育園児に主食費を助成
小・中学校給食費無償化 小・中学校の給食費を無償化
新郷村学習塾 高校受験を控えた中学校3年生が対象。数学・英語の2科目を受講料・教材費ともに無料で受講できる
奨学金貸与制度 高校以上に進学する学生を対象に奨学金を貸付(最大年36万円)

公式:新郷村「学習塾」
公式:新郷村「奨学金貸与制度」

新郷村役場の堀合真帆さん
堀合さん

小学生・中学生を対象にスクールバスでの送迎も行っています

新郷村の暮らしに役立つ情報

新郷村の冬の戸来岳
▲冠雪した戸来岳

新郷村の気候など基本データや暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 新郷村に観測地点がないため、近隣の三戸のデータを掲載
8月平均気温22.9℃
1月平均気温-1.8℃
※参考:気象庁
人口 人口:約2,200人
世帯:約900世帯
(2023年4月30日現在)
病院 診療所:1件
学校 保育園:1園
小学校:1校
中学校:1校
交通 【空港】
三沢空港(車で約1時間)

【鉄道】
なし。最寄駅はJR東日本東北新幹線、八戸線、青い森鉄道青い森鉄道線の八戸駅

【バス】
南部バス
新郷村営バス

【車】
五戸町まで13km(約20分)
十和田市まで27km(約40分)
十和田湖まで30km(約45分)
八戸市まで36km(約60分)
青森市まで106km(約110分)
近隣都市 青森県十和田市、秋田県鹿角市

新郷村には鉄道が走っていないため、車があった方が便利です。村内にスーパーマーケットやコンビニエンスストアはなく、食品などは商店で買うことになります。インターネット販売を利用する人もいるようです。また、近隣の五戸町(車で約20分)へ買い物に行く人も多いとのことです。

新郷村の降雪量はそこまで多くはありませんが雪かきが必要になる日もあります。11月から4月までは国道が閉鎖されるほか、道の駅やさまざまな施設が冬季休業に入りますので、注意が必要です。

「間木ノ平(まぎのたい)グリーンパーク」に併設されている「地場産品直売センター」では、こだわりの飲むヨーグルトや極甘とうもろこし「郷のきみ」、ハムやソーセージなどの肉加工品など、新郷村の特産品を購入することができます。

新郷村の極甘とうもろこし「郷のきみ」
▲新郷村の特産品である極甘スウィートコーン「郷のきみ」。生産量が少なく、県内でもなかなか出回らない

新郷村の鴨肉「銀の鴨」
▲フランスのバルバリー種を新郷村で生産した「銀の鴨」。ふるさと納税の返礼品にもなっている

日帰り入浴できる温泉施設

新郷村の鷲ノ湯・新郷温泉館の露天風呂
▲鷲ノ湯・新郷温泉館の露天風呂。大鷲が降り立ち傷を癒やしたという伝説がある

新郷村には2つの温泉施設があります。

伝説の鷲ノ湯・新郷温泉館では、露天風呂やサウナがあり、宿泊も可能です。野沢温泉は、新郷温泉館の元湯です。アルカリ性単純泉で、体の芯まで温まります。どちらも日帰り入浴が楽しめ、地元の人たちからも愛されています。

新郷村ならではのイベントが盛りだくさん

新郷村のキリスト祭
▲キリスト祭では「ナニャドヤラ」を奉納する

新郷村ではさまざまなイベントが開催されています。新郷村には、イエス・キリストの墓があるという伝説があり、キリストの里公園で6月上旬に行われるキリスト祭では「ナニャドヤラ」という舞が奉納されます。

また、地元の若者たちが2017年10月にはじめたアウトドア音楽フェスイベント『村魂祭(そんこんさい)』はライブステージやグルメの出店で盛り上がります。

新たなイベント『村魂祭(そんこんさい)』
▲音楽フェス「村魂祭(そんこんさい)」

10月には新郷ふるさとまつりも開催され、郷土芸能発表や公開ラジオ収録、地場産品の直売、ピザ作り体験などが行われています。

また、小さい子どもからご高齢の方まで参加する「村民運動会」も行われています。このようなさまざまなイベントが、まちの人々の交流を盛んにする場となっています。

村民運動会の様子
▲村民運動会は戸来・小坂・川代・面越の4地区対抗で行われる

【子育て】一日楽しめる「間木ノ平グリーンパーク」がおすすめ

新郷村の「間木ノ平グリーンパーク」のポニー乗馬体験
▲「間木ノ平グリーンパーク」のポニー乗馬体験は平日はお休み。土・日・祝日に体験しよう

「間木ノ平グリーンパーク」は、標高350mの高原に作られた自然滞在型観光レクリエーション施設で、「間木ノ平グリーンファーム」と「道の駅しんごう」が併設されています。ポニー乗馬体験や魚のつかみどり体験、ゴーカート体験などができるので、お子さん連れにおすすめの施設です。

新郷村の「間木ノ平グリーンパーク」のゴーカートに乗る親子
▲ゴーカートは一周300m

また「間木ノ平グリーンパーク」は県内でも有数のキャンプ場として知られ、大勢の人が訪れます。コテージとバンガロー、オートキャンプ場があるので、目的に合った宿泊施設を選ぶことができるのがよいですね。週末の家族でのレジャーにいかがでしょうか。

新郷村の「間木ノ平グリーンパーク」のオートキャンプ場
▲「間木ノ平グリーンパーク」のオートキャンプ場。炊事場や水洗トイレが完備されている

【仕事】近隣都市を含めると求人は豊富

大手求人情報サイトで新郷村の求人を調べたところ、約70件ヒットしました。
※求人情報の一例

新郷村から車で30分圏内の25km以内まで範囲を広げると、約4,000件ヒットしました。近隣地域も検索条件に含めると、選択肢が広がりますね。

新郷村役場の堀合真帆さん
堀合さん

村外へは八戸市、五戸町に通勤する方が多いようです。

【住まい】空き家バンクや定住促進住宅の活用を

新郷村定住促進住宅の外観
▲新郷村定住促進住宅では入居者を募集中

大手住まい情報サイトで新郷村の賃貸物件を調べましたが、物件数はとても少ないようです。

新郷村では、空き家バンクが利用できます。

空き家を賃貸または購入し、3年以上居住する意思があれば「空家等利活用事業費補助金」を受け取ることができます。最大100万円(子育て世帯、移住者に該当する場合は、それぞれ10万円を加算)が交付されますので、該当する場合は活用しましょう。

公式:新郷村「新郷村空き家バンク制度」

また、新郷村では、新たに移住しようとする世帯主が40歳以下の夫婦家族向けに、一戸建て2LDKの定住促進住宅を用意しています。5年以上居住が可能な人が対象で、家賃は35,000円です。

22年以上居住の場合、家屋・土地が無償で譲渡されます。18歳以下の子ども1人につき家賃が5,000円免除されるので、子育て世帯におすすめです。

新郷村に移住した人の体験談や感想

青森県新郷村移住者の声

新郷村に移住した方々の声をご紹介します。元会社員の方やUターンで就農した若者、世界各国を旅した後に移住を決めたご夫婦などさまざまなケースがあります。実際に暮らしてみて感じたことなど参考になるのではないでしょうか。

  • 何もないけど、そこがいい。新郷村が世界で一番好きな場所(世界中を旅したことのある外国人の方)
  • 空気がきれいなだけでなく、時間の流れがゆったりしている感じ
  • 道は広いし、信号も少ない。バイクに乗っていて走りやすいし夕方になると気持ちいい
  • 地域の住民は優しい人が多く、何かと気にかけてくれる
  • イベントや美化活動などにみんなで参加しようという雰囲気がある

移住者のみなさんにとっては、自然豊かなところが好印象のようです。また、イベントや地域の行事は地元の人と関われるチャンスです。積極的に参加したいですね。

新郷村へ移住するために利用したい窓口・支援

新郷村では、2023年度からおためし住宅が利用できるようになる予定です。詳しくは新郷村役場企画商工観光課にお問い合わせください。

下見の際は、お子さんの夏休みなど夏季に訪れるのがおすすめですが、移住後のミスマッチを防ぐためにも、一度は1・2月に訪れて降雪状況を確認するようにしましょう。

新郷村では、青森県内40市町村を対象とする「あおもり移住支援事業」を利用できます。該当する人はぜひ活用してください。

あおもり移住支援事業 東京圏から青森県内に移住して就業・起業した人を対象に、移住支援金として、世帯100万円(18歳未満の者1人につき30万円を加算)、単身60万円を支給

公式:青森県「東京圏から青森への移住・就業で、最大100万円を支給します!~あおもり移住支援事業~」

新郷村への移住に関するお問い合わせ

新郷村役場の外観
▲新郷村役場庁舎

新郷村に興味を持たれた方はお気軽に新郷村役場にお問い合わせください。移住に関しては企画商工観光課で詳しく説明してくれます。

移住相談窓口 新郷村役場 企画商工観光課
住所 〒039-1801
青森県三戸郡新郷村大字戸来字風呂前10
電話番号 0178-78-2111
公式サイト http://www.vill.shingo.aomori.jp/