北海道標津町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、北海道標津町(しべつちょう)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

北海道標津町は北海道の最東端に位置し、標津町を中心に両腕を出すように、左手に知床半島が、右手に根室半島が延びています。オホーツク海に面していて、わずか24km先には国後島が見えます。

※道内に同じ読みの士別市(しべつし)があるため、標津町を「根室標津」と呼んで区別することがあります。

今回は、標津町役場企画政策課の西山さんと、標津町定住サポートセンターの大野さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
標津町役場 企画政策課の西山一也さん

標津町役場 企画政策課企画政策担当 係長

西山 一也さん

標津町定住サポートセンターの大野邦江さん

標津町定住サポートセンター

大野 邦江さん

標津町の特徴を3つご紹介

北海道標津町の暮らしの特徴

標津町の面積は、東京都23区とほぼ同じです。古くから鮭を中心とする漁業で栄えたまちである一方、明治時代後半から大正時代にかけて、入植者により開拓されてきました。現在は漁業と酪農業を基幹産業としており、秋鮭の水揚げは日本一だったこともあります。

そんな標津町での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 暑いのが苦手。夏も涼しく過ごしたい
  • 自然豊かな場所に住みたいけれど、好アクセスの方がいい
  • 食べ盛りの子どもがいる

上記のような方に適している理由を、標津町に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:夏は涼しく冬は降雪量が少ない

標津町の「しべつ海の公園」から望むオホーツク海と知床連山
▲「しべつ海の公園」から望むオホーツク海と知床連山

標津町は気候が安定していて、8月の平均気温が18.0℃となっており、夏でも涼しくとても快適にすごせます。湿度は高めですが、気温が低いので不快さはありません。暑さが苦手な人からすると夢のような環境です。

また、道内としては冬の降雪量が少なく、通常はくるぶしが埋まる程度で済み、年に2〜3回、膝まで積もるような状況になるとのことです。そのため、屋根の雪おろしなどはめったに行いませんが、1月の平均気温は-5.4℃まで下がるので、地吹雪や凍った路面には注意が必要です。
※参考:気象庁

特徴2:アウトドア体験にアクセスしやすいだけでなく、大都市にも行きやすい

標津町の標津川
▲オホーツク海に注ぐ標津川

標津町は、イワナや北海道固有のオショロコマ等が釣れる渓流釣りや、標津湿原の川を下るポー川カヌー、根室海峡のホエールウォッチングなど、自然やアウトドア体験にアクセスしやすい環境です。

とくに冬は、標津町からはるか数千kmの彼方、ロシアのアムール川から流れ出た氷の群が接岸する流氷見学や、ヒグマやエゾシカの痕跡をたどるスノーシュートレッキングなど、北海道ならではの体験ができます。

一方で、根室中標津空港まで車で約25分という好アクセスのため、札幌や東京といった大都市圏にも行き来しやすくなっています。札幌まで約75分、東京(羽田)まで約2時間ですので、標津町と大都市の二拠点生活も不可能ではありません。春夏は標津町で、秋冬は大都市で過ごすというのも素敵ですね。

標津町のアクセス図
「しべつ暮らし」より引用

特徴3:特産品の鮭やホタテを全町民に無料配布

標津町の鮭の無料配布を受け取る幼児
▲どっちが大きいかな?

標津町は日本一気風の良いまちかもしれません。なぜなら毎年、鮭やホタテ、バターを町内の全世帯に無料配布しているからです。9月には鮭1匹、8月と12月にはホタテ2kg(12〜14柱)、12月にはバター2個が配布され、単身世帯では食べ切るのがたいへんなくらいです。いずれも生産者からの提供によるものです。

まちの美味しい特産品を毎年いただけるのはうれしいですね。食べ盛りのお子さんのいる子育て世帯にはとても助かるのではないでしょうか。

標津町の鮭漁の様子
▲鮭漁の様子。標津町で獲れた鮭は、ふるさと納税でも人気

標津町の暮らしに関する情報

ここからは、標津町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温18.0℃
1月平均気温-5.4℃
※参考:気象庁
人口 人口約4,900人
世帯:約2,300戸
(令和5年2月末現在)
病院 病院・クリニック:1件
歯科:1件
学校 保育施設:2所
小学校:2校
中学校:2校
高等学校:1校
交通 【空港】
最寄りは根室中標津空港

【電車】
なし

【バス】
阿寒バス

【車】
根室中標津空港まで約25分
根室市まで約2〜3時間
近隣都市 根室市

標津町には鉄道の駅がないこともあり、車は必須となっています。寒冷地仕様車やスタッドレスタイヤの準備が必要です。

標津町では、スーパーマーケットやホームセンター、コンビニ、書店などがあるので、日頃の買い物は町内で完結できます。ただ、日曜日は空いていないお店もあるので、中標津町の大型スーパーで1週間分をまとめ買いする人もいるそうです。

町内には標津病院がありますが、産婦人科と小児科はありませんので、中標津町か別海町まで行く必要があります。どちらも車で30〜40分かかります。

子どもの遊び場については、「サーモンパーク」がおすすめです。ジャングルジム、ターザンロープなどの遊具があり、わんぱくなお子さんもきっと満足できるはずです。

サーモンパーク内の標津川観覧橋では鮭が遡上する様子を観察できるほか、サーモンパークの中⼼施設「サーモン科学館」は、鮭をはじめとする標津の海の⿂たちを観察できる⽔族館です。館内の魚道水槽では遡上してきた鮭の産卵の様子も観察できます。

標津町の「サーモン科学館」の鮭の稚魚
▲「サーモン科学館」で見られる鮭の稚魚

ポー川史跡自然公園は、「北海道開拓以前の文化的景観を体験・体感できる場所」をコンセプトとした自然公園です。湿原木道を歩いていくと、復元された竪穴式住居などがあり、先住民族の歴史にふれることができます。また、開拓時代の建物を復元した開拓の村が併設され、大正〜昭和初期の開拓時代にタイムスリップできます。

標津町のポー川史跡自然公園
▲ポー川史跡自然公園の湿原木道

【子育て】妊娠・出産から子育てまでしっかりサポート

標津町の認定こども園の外観

標津町では、妊娠・出産から子育てまで、さまざまな支援を行い、子育て世帯を応援しています。その一部をご紹介します。

妊婦健康診査等交通宿泊費助成事業 妊婦検診や出産のため医療機関に通院する妊婦の方に交通費および宿泊費の一部を助成
出産祝金の給付 新生児の誕生を祝い、出産祝金を給付
第1子:5万円
第2子:10万円(半額は商品券)
第3子以降:50万円(半額は商品券)
子ども医療費助成制度 0〜18歳の医療費を助成
認定こども園の無料化+負担軽減 満3歳以上(1号・2号認定児):無料
満3歳未満(3号認定児):国基準の1/4に減額
小中学生の学習教材費助成 小学生:5,800円/年
中学生:11,200円/年
標津高校教育振興会 通学費を全額補助
新入学生徒制服および教科書代補助として5万円給付
修学旅行費補助として5万円給付
国公立大学入学料補助として30万円給付

公式:しべつ暮らし「各種支援制度」

また、教育現場では、電子黒板やタブレットを使って授業を行っているほか、「ふるさと給食」として、いくら丼や標津牛乳など地産地消の給食を提供しています。給食にいくら丼とはうらやましいですね。

【仕事】UIJターンへの支援金助成や起業支援あり

標津町の放牧
▲酪農も標津町の基幹産業のひとつ

大手求人情報サイトで標津町の求人を調べたところ、約110件ヒットしました。(2023年4月現在)
※求人情報の一例

標津町の定住サポートサイト「しべつ暮らし」でも求人情報を掲載しているので、チェックしてみてください。

公式:しべつ暮らし「求人情報」

標津町では仕事に関する支援を行っています。また、就農を希望する人には、研修から就農後の経営安定までの一貫した支援をしていますので、まずは移住相談窓口にご相談ください。

UIJターン新規就業支援 東京圏から移住し、対象企業に就職した人または標津町で起業した人に、単身60万円、世帯100万円を助成(18歳未満のお子さん1人につき30万円を加算)
起業等支援事業補助金 地域資源を活かした特色ある起業や新分野進出などを目指す方に、開業に要する経費の一部を助成(最大400万円)

公式:しべつ暮らし「仕事情報」

【住まい】住宅取得やリフォームに支援あり

大手住まい情報サイトで標津町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。標津町の定住サポートサイト「しべつ暮らし」でも民間アパートの情報を掲載しているので、チェックしてみてください。

公式:しべつ暮らし「民間アパート情報」

標津町では空き家・空き地バンクが利用できるので、こちらも確認してみましょう。古い物件で改修が必要な場合は、住宅リフォームに関する補助金を活用するとよいでしょう。

住宅リフォーム補助 リフォーム費用の20%相当額(上限50万円)を支援
※支援額の20%は標津町商工会の商品券で支給
中古住宅取得補助 昭和56年以降に建設された中古住宅が対象。固定資産税評価額の2倍の10%相当額(上限50万円)を支援
新規移住者は50万円を加算
住宅新築補助 建築工事費の10%相当額(上限200万円)を支援
新規移住者は50万円を加算
町内業者施行の場合は50万円を加算

公式:しべつ暮らし「各種支援制度」

標津町に移住した人の声・感想

北海道標津町への移住者の声

次に、標津町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 魚釣りや野生動物の写真など趣味を充実させたくて移住してきた
  • 近隣の自治体よりも子育て支援が充実している
  • 中標津町、釧路市、根室市、網走市などに行きやすく、想像ほど不便ではなかった。

自然へのアクセスの良さや支援の充実で移住を決めた人が多いようです。

標津町へ移住するために利用したい窓口・支援

標津町では、オンライン相談を随時受け付けています。標津町への移住を検討している人は、相談してみてください。

また、移住前には下見もしておきましょう。西山さんによると、下見におすすめの時期は、(1)涼しさを体感できる8月、(2)旬の鮭を堪能できる10月、(3)冬のアクティビティが楽しめる2月とのことです。移住後のミスマッチを防ぐためにも、冬の寒さは実際に体験しておきましょう。

また、体験ツアーは実施していないものの、希望に応じておすすめのコースを教えてもらえるそうです。一度相談してみるとよいですね。

標津町定住サポートセンターの大野邦江さん
大野さん

インスタグラムもぜひチェックしてみてください!
@shibetsu_town_life

標津町への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 標津町役場 企画政策課
住所 〒086-1632
北海道標津郡標津町北2条西1丁目1-3
電話 0153-85-7240
公式サイト しべつ暮らし