【石川県能美市への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報|縁結び大学

この記事では、地方への移住を検討している方のために、石川県能美市(のみし)の魅力を紹介していきます。

能美市は、石川県の南部に位置する人口約49,000人のまちです。元プロ野球選手の松井秀喜氏の出身地であり、九谷焼産地や温泉地としても有名な自然溢れるまちです。

子育てや仕事、創業、住まいに関する支援も手厚く、移住者が生活を始めやすい各種制度を用意しています。

そんな能美市での暮らしの特徴やその魅力について、能美市地域振興課の中村さんと移住コーディネーターの迫さんに伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

能美市地域振興課の中村さんと移住コーディネーターの迫さん

石川県能美市の暮らし、4つの特徴

石川県能美市・暮らしの特徴

日本海に面し、海沿いのエリアから山沿いのエリアまで車で30分ほどで移動できる、地理的にも豊かな地域である能美市には、子どもも大人ものびのびと生活ができる自然環境があります。

もちろん、自然環境が豊かなだけでは暮らすのに十分ではありませんが、能美市では子育て、仕事、創業、住まい、移住など、各種支援制度があり、移住者に合わせたサポート体制が整備されています

自然、文化、伝統が揃った能美市は、以下のような人におすすめです。

  • 子育てに関する環境や支援が充実している地域に住みたい方
  • 温泉が好きなので、日常生活の中に取り入れたいと考えている方
  • 自然が豊かでありながらも、生活には便利なちょうどいい地域に住みたい方
  • 陶芸などの文化に興味がある方

それではここから、能美市の魅力や特色について掘り下げていきたいと思います。

特徴1:子育て環境が整っている

みかん狩りを楽しむ子供たちの様子

自然が豊かで子育てに最適な環境といえる能美市では、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援が充実しています。

制度名 概要
常駐の母子保健コーディネーターによる支援 健康推進課に助産師・保健師がいます。産前産後の不安や育児について相談できます。授乳相談も行っています。
産後ケア事業 産後12か月未満のママと赤ちゃんを対象に、助産院で生活リズムを作る母子ケア、授乳指導等が受けられます。
子育てアプリ『はぐはぐ』によるサポート 妊娠週数やお子さんの月齢に合わせた子育て情報や市の保健事業、イベント情報をお届けし、妊婦、出産、育児期のご家族を継続してサポートします。
ファミリー・サポート・センター 育児をする上でサポートを必要とする人と、サポートできる人をマッチングする制度。保育施設への送迎や、保育園終了後の預かりなど、育児をする上で必要な援助を行う。
のみっ子すくすく助成券支給事業 紙おむつ、粉ミルクまたは乳児用液体ミルクを購入できる助成券を支給。
・第1子:月額1,000円の券を1年分
・第2子:月額1,000円の券を2年分
・第3子以降:月額2,000円の券を2年分

公式:能美市(母と子の健康)、能美市(子育て支援サービス)

能美市の子育て支援センターで遊ぶ子供たち

能美市の子育て支援センターのスタッフ

能美市の子育て支援センターには、親子で遊べるホールがあり、保育士が常駐しています。親子向けの行事や講演会などがあり、乳幼児期の育児相談や、子育て情報の提供などが受けられます。

助成制度だけでなく、相談しやすいサポート体制もしっかり整備されているので、有効に活用してくださいね。

保育制度にも特色あり。自然に触れる機会も多い

長野保育園の様子

能美市には15の認定子ども園(公立14園、私立1園)があります。そのすべてで家庭菜園を行なっており、ミニトマトやキュウリなどを育てる取り組みをしているそう。野菜の成長を見守ることで、野菜が苦手な子も食べることができるようになったりするんだとか。

ときには魚(とびうお)の解体ショーなども行い、子どもたちに「命」について学ぶ機会をつくることもあるようです。

また、「森の保育園」事業として里山の自然などに触れる機会もあるのだそう。命や自然に触れる機会がふんだんにあることは、子どもたちの成長にもいい影響がありそうですね。

子どもたちの遊び場も豊富。遊びながら学べる場も

田んぼで活動する子ども達の様子

市内には子どもたちが遊べる場もたくさんあります。

約190種もの動物を展示しているいしかわ動物園や、ちびっこレーシングやボートなど自然の中で遊べる辰口丘陵公園、障がいのある子もない子も楽しく遊べる公園インクルーシブ・プレイグラウンドのみ、森の中で本格的なアスレチックを楽しめるアドベンチャーガーデン能美など、目的に合わせたアクティビティを楽しめます。

また、市内には70以上の公園が整備されており、遊ぶ場所も身近にたくさんあります。都会では公園で遊ばせるのも駐車場が満車だったりと苦労することもありますが、そんな気苦労を負う心配もありません。

のびのびと子育てができる環境が用意されています。

公式:能美市(市内の都市公園)

特徴2:日常的に温泉を楽しめる地域

金沢から一番近い温泉、辰口温泉
▲開湯1400年の歴史を誇る辰口温泉は、女性人気も高い(引用元:能美市(辰口温泉)

能美市内には多数の温泉施設があります。

特に「辰口温泉」は開湯1,400年の歴史を持ち、金沢から最も近い温泉地のひとつとして人気です。泉質は弱アルカリ性温泉と肌に優しく、「美人の湯」としても知られています。

能美市、川北町、小松市、加賀市を総じた「南加賀エリア」には有名な温泉施設が多数存在し、日常的に温泉を楽しむことができる地域なんですよ。

雪の寒さの中、温泉でほっと一息つくのもまた一興ですね。

特徴3:自然環境が豊かで、住民同士の交流も活発な「ちょうどいい暮らし」

雪遊びを楽しむ子どもたちの様子

突然ですが、「田舎」という言葉にどういったイメージを抱くでしょうか。「不便な暮らし」、そう思う人が多いかもしれません。能美市も都会か田舎かでカテゴライズをすると、田舎に入る地域です。

ですが同時に、能美市は海も山もあり、自然環境の豊かな地域であるとも言えます。

車があれば海沿いから山間へは30分ほどで行くことができるので、日常生活の中で景色の移り変わりを楽しむこともできますよ。

なお、雪国ではありますが除雪はしっかり行われていますし、市内にはスーパーや病院など生活に必要な施設が揃っています。また、公園が多数存在していることから、市民同士の交流も自然と行われています。

「能美の里山ファン倶楽部」では、里山地区の住民と地区外の人々との交流を図る「まちむら交流イベント」を開催するなど、交流機会も多々設けられています。習い事やコミュニティ、サークル活動などに参加すれば横のつながりもできるので、勇気を出していろいろと参加するとよいでしょう。

参考:能美の里山ファン倶楽部

特徴4:伝統工芸、九谷焼の産地

能美市にある九谷陶芸村のシンボル
▲九谷焼好き必見!「九谷陶芸村」

能美市は、伝統工芸の九谷焼の産地として有名です。市内にある「九谷陶芸村」では、九谷焼の歴史を知ることができるだけでなく、約10店舗ある九谷焼専門店でのショッピングや絵付け・作陶体験もできます。

ウルトラマンシリーズや星のカービィなど有名キャラクターの絵付け体験は子どもたちにも人気なのだそう。

絵付け体験を楽しむ親子の様子

陶芸にひかれて能美市にやってくる移住者もいるほど、能美市を代表する文化となっています。

石川県能美市の暮らしに関する情報

能美市にあるいしかわ動物園のショーの様子
▲いしかわ動物園は大人も子どもも楽しめる人気スポット。夏から秋にかけて開催される夜の動物園「ナイトズー」は、フォトジェニックな雰囲気が楽しめる大人気のイベント

ここからは能美市での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温26.7℃
・冬(1月):平均気温3.6℃
積雪量はエリアによるが、多い時は1mから1.5mほど積もることもある
※参考:気象庁ホームページ(小松地点)
人口 約49,000人(約19,000世帯)※令和5年1月1日現在 統計書より
病院 クリニックを含め、市内には43か所の医療機関がある。うち、総合病院が3か所
学校 ・認定子ども園:15園(公立14園、私立1園)
・公立小学校:8校
・公立中学校:3校
・県立高校:1校
・国立大学:1校
文化・芸術 ・九谷茶碗まつり:毎年5月のゴールデンウィークに行われる陶器市。国内外問わず全国から毎年約18万人もの人がやってくる一大イベント。元々は九谷焼の陶祖をしのんで明治41年に「慰霊祭」を行ったのが始まりと言われている

・根上り七夕まつり:毎年7月中旬に行われる七夕祭り。高さ18mの支柱にくす玉と吹き流しを飾り付けた「ジャンボ飾り」と呼ばれる、鮮やかな飾りが二基設置されるのが特徴。祭り当日は郷土芸能やダンスイベント、打ち上げ花火などが行われ、大勢の市民で賑わう

・能美古墳群:能美市内に点在する5つの独立丘陵に造られた古墳群の総称。これまでに約60基の古墳が発見されている。いずれも国の指定史跡に指定されているが、中でも秋常山古墳群(あきつねやまこふんぐん)には全長約140mの北陸最大級の前方後円墳がある
観光スポット

・いしかわ動物園:約190種、3,400点もの動物を飼育している面積23haの動物園。「楽しく、遊べ、学べる動物園」を基本コンセプトとし、教育普及活動や、動物の福祉、種の保存にも力を入れている。夏にはナイトズーも開催しており、普段は見ることのできない動物の姿を見られると人気を博している

・能美ふるさとミュージアム:能美市の自然、歴史、民俗について総合的に学べる博物館。能美古墳群の資料や⽩⼭曼荼羅図、能美の自然に関する展示など、5つのテーマで能美の魅力を紹介している

・松井秀喜ベースボールミュージアム:能美市出身である野球選手の松井秀喜の人生がわかる野球好きにはたまらない博物館。館長は松井秀喜の父である松井昌雄氏

・九谷陶芸村:日本が誇る伝統工芸「九谷焼」を「見る」「知る」「作る」「買う」ことができる。毎年5月の連休には「九谷茶碗まつり」が開催され、お値打ち価格の九谷焼を求めて全国から約20万人もの人が訪れる

・手取フイッシュランド:石川県内唯一の本格的遊園地。ウルトラマンスタジアムが併設されており、ウルトラヒーローショーやウルトラヒーローとのふれあいイベントが楽しめる

・アドベンチャーガーデン能美:石川県初の、森林を使った空中アスレチック施設。小川のせせらぎや、鳥のさえずりを聞きながら、大人は子どもに戻り、子どもは大人へ成長できる場所。新しい観光スポットとして人気急上昇中

食べ物 国造(こくぞう)ゆず、加賀丸いも、のみよし(本格加賀丸いも焼酎)、姫九谷(コシヒカリ)、ごはんば~が
交通 【鉄道】
・北陸本線:能美根上駅

【バス】
・北鉄白山バス
・北鉄加賀バス
コミュニティバス:のみバス

【道路】
・高速道路:北陸自動車道 能美根上スマートIC
・一般国道:国道8号、国道305号、国道157号
近隣都市 小松市、白山市、能美郡川北町

祭り、古墳、動物園とさまざまな文化や娯楽があり、かつ、海と山の自然に恵まれた能美市。金沢市までは車で30分という好立地な地域でもあります。住民が口を揃えて言うのは「程よい田舎」で、生活の利便性は高いながらも自然や文化を楽しめるのは大きな魅力と言えそうです。

【仕事】近隣市町も含め、職種の選択肢は多い

大手求人サイトで「能美市×正社員」で検索したところ、約2,700件の求人情報が見つかりました。

また、車で30分以内の通勤圏内(市内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約14,000件まで広がりました。職種の傾向は製造、営業、サービス、事務とさまざまです。
※参考:求人情報の一例

近隣の小松市までは車で15分程度、金沢市までも30分程度なので市外に働きに出る人もいますが、地域内でも選択肢はいろいろとありそうです。

創業したい人向けの各種支援制度もある

能美市への移住と同時に創業を考えている方、朗報です。能美市では創業者向けに各種支援制度を設けています。

制度名 概要
創業サポートデスク 創業に関する相談をすることができる制度。相談者のニーズに応じて商工会や銀行へ繋ぐ
空き店舗バンク 能美市内で売却や賃貸希望のある空き店舗を紹介する制度
工務店バンク 空き店舗や倉庫、工場等を改修して新たに事業を始めようとする者に対し、市内の工務店を紹介する制度
能美市創業支援事業補助金 能美市内で新規創業等をする者を対象に、以下にかかる経費の2分の1を補助する制度。上限額は50万円(業種指定あり)
・土地の購入
・新築、中古物件の購入及び賃貸借
・店舗等に係る建築工事及び設備工事
能美市商工業振興資金信用保証料補助金 市が指定する石川県の創業者支援融資制度等を利用した場合、信用保証料の一部を補助する制度。上限額は30万円

相談から補助金の交付まで、創業をトータルで支援する制度が整備されているので、新しいことを始めたいと考えている方はぜひ制度を活用してくださいね。

公式:能美市(創業支援事業補助金)

【住まい】賃貸物件から空き家バンク制度まで。住まいに関する助成制度も充実

大手賃貸サイトで能美市の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約130件見つかりました。家賃平均は4.4万円で、近隣の小松市や白山市の4.8万円と比べて安いです。広さはワンルームから2DKと、家族構成に合わせた候補物件がありました。
参考:物件情報の一例

能美市では空き家バンク制度を実施しています。賃貸、売買ともに登録件数は10件ほどですが、今後は更に活用していくことを検討しているそうです。

賃貸物件の相場は3万円から6万円ほど、売買物件は300万円から1,000万円と幅広ですが、一軒家や広い土地での生活を考えている方はチェックしてみましょう。

なお、空き家バンク登録物件であれば、「空き家清掃費補助金」や「空き家改修費補助金」として、清掃に最大5万円、改修に最大50万円の補助金が出る制度もあります。

公式:能美市(空き家バンク)

多種多様な住まいに関する助成制度

能美市は、住まいに関する各種助成制度も充実しています。

制度名 概要
定住促進補助金 ・対象:45歳未満で、定住を目的として市内で新しく住宅を取得(新築・購入・増改築)した人(諸条件あり)
・補助額:一律10万円(最大220万円)
・市外からの転入者は20万円、県外からの転入者は40万円、指定エリアでの取得は50万円などの各種加算要件がある(諸条件あり)
結婚新生活支援事業補助金  ・対象:婚姻日において夫婦ともに39歳以下、かつ夫婦の合計所得が400万円未満の世帯
・補助額:上限30万円での住宅取得や賃借料、リフォーム費、引越しにかかる費用を補助
U・I・Jターン就職家賃補助金 ・対象:U・I・Jターンにより能美市内の企業に就職、かつ市外から能美市内の賃貸物件に入居した40歳以下の人
・補助額:賃貸料の3分の1(上限5,000円/月)
加賀の木づかい奨励金 ・対象:地域産林を利用して住宅を新築、増改築したり、地域産林が使用された建売住宅を購入した方
・補助額:最大30万円(事前申請)

※2023年2月現在

住まいにかかる経費は、削ることが難しいものです。各種制度をうまく利用して、移住の際の負担をできるだけ減らすようにしたいですね。

公式:能美市(住まいに関する助成制度)

石川県能美市に暮らす先輩移住者の声

石川県能美市・移住者の声

実際に能美市に暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 自然が豊富で、車を少し走らせると海があり、山がある
  • ときどき、海だけをただ眺めに行ったりすることができる場所
  • 自然の多い素敵な環境だが、田舎というほど暮らしにストレスを感じるわけではない
  • もともと乾燥肌だったが、能美市に来てから冬に肌が痒くなることがなくなった。空気がいいからだと思う
  • 農業を始めた時、近隣農家の人に助けられた。いろいろな物を頂いたり、アドバイスをもらったりと、人に恵まれた

公式:能美市(今、能美市に住んでいます)

みなさん、自然に恵まれていて、不便することはないちょうどいい暮らしを能美市で送っていることがわかりますね。

移住前のSTEP:実際に石川県能美市へ行ってみる

能美暮らしの家
▲「大成(たいせい)の家」の外観。気軽な滞在で移住体験が可能

能美市では、移住希望者が気軽に滞在できるよう、「能美暮らしの家」として2棟の移住体験施設を整備しています。最大6泊7日まで滞在でき、利用料はなんと無料です。リモートワーク向けのサテライトオフィスもあり、Wi-Fi環境も整っています。

大成(たいせい)の家 【駅近エリア】 和気(わけ)の家 【里山エリア】
所在地 能美市大成町チ231番地 能美市和気町イ-99番地1
特徴 ・JR北陸本線の「能美根上」駅から徒歩約5分
・見える範囲に、パン屋、肉屋、金融機関の支店などがある
・徒歩圏内にスーパー、コンビニ、ドラッグストアもあり
・キッチン・寝室も整っており、地域を知るための滞在にもってこいの立地
・JR北陸本線の「能美根上」駅から車で約15分
・日帰り温泉、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、書店、100円均一店などが集まったエリアまでは、車で約5分
・里山の公園、バーベキュー場、アスレチック施設、動物園などに近接したのどかな立地

いきなりの移住体験は少し緊張するかもしれませんが、市の担当者さんによれば、まずは気軽に来て、能美市での暮らしを体験してほしいとのこと。

利用には予約が必要になるので、スケジュールを確認してまずは能美市での移住体験に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

公式:のみ移住(能美暮らしの家)

能美市への移住に関するお問い合わせ

大成の家には移住相談スペースもある
▲「大成の家」にある移住相談スペース。移住に関する相談もいつでもお気軽にどうぞ

能美市に興味を持った方は、まずは地域振興課に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 地域振興課
住所 〒923-1297
石川県能美市来丸町1110番地
電話 0761-58-2212
公式サイト https://www.city.nomi.ishikawa.jp/www/index.html
移住・定住サイト https://nomi-iju.org/