【ニセコ町・移住】SDGs未来都市にも選定されたモデル都市|北海道

世界に誇る雪質と大規模なスキー場でのウインタースポーツが盛んな「北海道ニセコ町」の移住情報をまとめました。

ニセコ町は、美しい自然を求めて世界中から多くの観光客が訪れるだけではなく、国から「環境モデル都市」に選定されており、環境政策にも力を入れて取り組んでいるまちです。

さらに2001年に、全国で初めて「町の憲法」といわれる自治基本条例「まちづくり基本条例」を制定するなど、住んでいる人の声が届くまちでもあります。

そんなニセコ町の移住後の住まいや仕事、行政の支援をわかりやすく紹介します。

ニセコ町の小野さん

北海道の自然に抱かれたニセコ町に住む魅力

ニセコ町の暮らしの特徴

北海道の西部、後志(しりべし)エリアのほぼ中央に位置するニセコ町は、山岳に囲まれている自然豊かなエリアです。支笏洞爺(しこつとうや)国立公園やニセコ積丹小樽海岸国定公園などを有しています。

年間平均気温は6.3度で、冬期の最深積雪は200cmにも達することがある、北海道の中でも特に雪深い地域です。そんなニセコの魅力を3つ紹介したいと思います。

世界を魅了するアクティビティがそろっている

ニセコ町では、大自然に囲まれている環境を生かして、四季折々のアクティビティを存分に楽しむことができます。

夏はラフティング、登山、乗馬、キャンプ、冬はスキーにスノーボード!ニセコ町には多くのアウトドア体験施設があるので、子どもに五感を使って大自然を感じてほしいと思っている人、アウトドアが大好きな人は、ニセコ町での暮らしがぴったりマッチすると思います。

ニセコ町でラフティングしている風景
▲夏にはラフティングができる!

特に、ニセコに降る雪は「パウダースノー」と呼ばれる柔らかく特別な雪質で、この雪を求めて世界中からスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。ニセコに住むと、誰もが一度は経験してみたいパウダースノーの中でのアクティビテイをいつでも体験することができますよ。

パウダースノーが積もるニセコ町のスキー場
▲ニセコのパウダースノーはウインタースポーツにもってこい

さらにニセコ町内には、リーズナブルに利用できるたくさんの温泉があるんです!ニセコの大自然の中でたくさん遊んだ後、すぐに温泉に入ってくつろぐことができるなんて、とても贅沢ですね。

まるで海外?外国人が多く住んでいる

ニセコエリアは、その自然に魅せられた多くの外国人が住んでいることでも有名です。

そのため外国人向けの看板などが多く、まるで海外にいるような雰囲気のある街です。日本にいながら気軽に外国の方と繋がりを持ちたい方、国際感覚豊かな子どもを育てたいと思っている方に、ニセコエリアへの移住はとてもおすすめできます。

またニセコには「北海道インターナショナルスクールニセコ校」があり、国籍を問わず、就学前から6年生まで、西洋スタイルの教育を提供しています。授業は英語で行われ、ニセコ町内にある小学校とも定期的に交流が行われているようです。

インターナショナルスクールに通わなくても、まちには多くの外国人の子どもが住んでいますので、自然とふれあう機会も多いと思います。自然の中でのびのびと子どもを育てながら、自然と国際感覚を身につけていけるまちというのは、全国の中でも珍しいのではないでしょうか。

インターナショナルスクールは長期休みに合わせてシーズナルスクールも開催していますので、一度体験してみるのもいいかもしれませんね。

インターナショナルスクールについての詳しい情報はこちらから確認してみてくださいね。
(公式)ニセコ町:北海道インターナショナルスクール・ニセコ校

SDGs未来都市に選定されている

ニセコ町は2018年に国から「SDGs未来都市」に選定されました。SDGs未来都市とは、SDGs(※)の達成に向けた取り組みにおいて優れた都市を内閣府が選定する制度です。子供の将来を考えると、SDGsに前向きに取り組むような、未来を見据えた政策を実現してくれる都市であることは重要なのではないでしょうか。
(※)SDGsとは、持続可能な世界を実現するため、国連において全会一致で採択された国際目標のことです。

そんなニセコ町が、2030年までに達成を目指す17のゴールの一部と、目標達成のために積極的に取り組んでいる内容を紹介します。

▼ニセコ町のSDGsの取り組み例

目標 取り組み
飢餓をゼロに 地元の食材を多く活用して安全で安心な給食の提供をしているほか、材料費の一部を町が負担し、保護者の負担を軽減しています。農業の基本となる土づくりにも力を入れており、高品質なクリーン米の生産なども支援しています。
住み続けられる町づくり 町民の生命や身体、財産を災害から守るため、防災センターを兼ねた省エネ性能の高い新庁舎が整備されました。また、道路を安全に通行できるように、マイノリティにも配慮した丁寧な除雪を行っています。
パートナーシップで目標を達成しよう 「住むことが誇りに思えるまち」をつくり、次の世代に素晴らしいまちを引き継ぐため、ニセコ町のまちづくりの理念を明らかにした条例を制定しました。町民一人ひとりが自ら考え、行動することによる「自治」の実現を図っています。
働きがいも経済成長も 町内で起業を考えている人に向けて費用を助成しています。

紹介したのは17の目標のうちのほんの一部ですが、ニセコ町が町民に寄り添い、人にも環境にも優しく住みやすいまちにしようと努力していることがわかります。

10年後には⽣活モデル地区「SDGs街区」が完成予定

2023年度からはSDGsの実現に向けたNISEKO⽣活モデル地区、通称「SDGs街区」の開発がはじまります。市街地近郊に、賃貸・分譲の集合住宅、シェアハウスなどの居住空間や、ランドリーカフェ、工房や広場などの憩いの場を設け、住居部分は最大で400〜500名ほどの入居が可能な規模の計画が進められているそうです。

SDGs街区の最終完成は10年後とのことですが、誰もが住みやすく、心地よいまち作りの一歩を踏み出しているニセコ町から今後も目が離せません。

北海道ニセコ町の暮らしに関する情報

ニセコ町でラフティングを楽しむ人たち

実際にニセコ町に住むなら知っておきたい気候や病院、その他暮らしに関する情報をまとめました。

毎日の暮らし|ニセコ町の概要

▼主な暮らしの情報

気候 夏:日中の気温は19℃~26℃と快適に過ごすことができる。30度を超える日はほとんどない。
冬:雪深く深雪が200cmになることもある。
人口 約4900人
そのうち外国人が約280人ほどいる
病院 診療所、歯科医院がある
学校 小学校~高校まで 大学は千歳、小樽、札幌まで出なければいけない(電車で90分)
インターナショナルスクールニセコ校

ニセコ町は、東に国立公園羊蹄山(1,898m)、北に国定公園ニセコアンヌプリ(1,309m)といった山岳に囲まれており、内陸的気候で昼夜の寒暖差が激しい地域です。夏は涼しく避暑地として利用する人も多いほど過ごしやすいですが、冬は雪深いのが特徴です。

雪が多いとその分寒さも厳しいのではと想像するかもしれませんが、実は雪が降っている時、空は厚い雲に覆われ、その雲が地上の熱を逃がさず閉じ込めてくれます。そのおかげで、雪がたくさん降るニセコ町は、北海道の中では比較的寒さが厳しくない地域となっています。

経験がなく雪かきが心配という方もいると思いますが、賃貸アパートの場合、駐車場などは専門業者が除雪してくれる場合が多いです。一軒家の場合は専門業者に依頼するか、除雪用の機械を使って除雪します。道路の除雪は早朝に行われており、基幹道路はキレイに排雪されるので、通勤・通学に心配はありません。

また総合病院が隣の倶知安(くっちゃん)町にしかないため、大きな病気や妊娠・出産の際には移動しなければなりませんが、車で15分ほどですので、大きな心配はいらないかと思います。

町内にある学校は高校までですので、それ以上の進学は町を離れることになると思います。大学のある近隣の都市部までJRで移動することも可能ですが、90分かかるため、毎日通えるか検討する必要があります。

ただ2030年度末には北海道新幹線が延伸され、札幌まで約30分で行けるようになる予定です。そうなれば、ニセコ町からの通勤・通学も可能となりそうですね。

交通の便|車はあったほうが便利

通勤には、ほとんどの方が車を使います。車がない方は、主に町内を200円で移動できるデマンドバス中心になりますが、繁忙期は利用者も多く自分の都合に合わない場合もあります。(デマンドバスは町内ならタクシーのように利用可能)

このような状況から、ニセコ町で暮らすには車はあったほうが便利でしょう。通学にはバス、JRもあります。

▼近隣都市へのアクセス(車で)

札幌市まで 120分
小樽市まで 90分
千歳市まで 120分

▼主要都市へのアクセス(新千歳空港から飛行機で)

羽田まで 90分
中部国際 95分
大阪 110分

大きな都市に移動する場合には時間がかかりますので、やはりニセコの生活に車は必需品といえそうです。生活用品の買い物は町内にスーパーやドラッグストアがあるので困ることはないと思います。

<ニセコにあるスーパーなど>

  • Aコープニセコ店
  • サツドラニセコひらふ店
  • サツドラニセコ元町店

車で15分ほどの隣町、倶知安(くっちゃん)町まで行けば、マックスバリュー、コープさっぽろといった大きなスーパーもあります。お休みの日に出かけてまとめ買いをすると良さそうですね。

北海道新幹線の札幌までの延伸と、北海道横断自動車道の延長で、さらに交通の便がよくなる!

先ほども少し触れましたが、現在、北海道新幹線の延伸と北海道横断自動車道の開通が決まっており、これらが整備されることによって、ニセコ町からの交通の便は一段と良くなる見込みです。

北海道新幹線(※1)は、札幌駅・新小樽駅・倶知安駅・長万部駅・新八雲駅(※2)が新たに設けられ、2030年(令和12年)度末に開業される予定です。北海道新幹線が札幌まで延伸することにより、ニセコ町から札幌駅までは約30分で行けるようになります。そうなれば、札幌も通学や通勤圏内となることが期待できますね
(※1)現在、新函館北斗〜新青森間を運行
(※2)駅名はすべて今後変更となる可能性あり

また北海道横断自動車道の余市~蘭越間の開通も決まっており、車での移動もさらに便利になる予定です。移住を考えるなら、今後の交通網の発展にも注目しておくと良いでしょう。

食と観光|ニセコブランドが確立

ニセコの基幹産業は「農業」と「観光業」です。どちらも全国に名前が知られ、「ニセコブランド」として確立されています。

約150戸の農家により、馬鈴薯、水稲、メロン、アスパラ、トマト、ゆり根が作られています。ニセコ町には、平成12年度の「国の一級河川清流ランキング」で1位となった尻別川をはじめ、大小たくさんの清流が流れているので、そのきれいな水が美味しい食べ物を作り出しているようです。

作られた農作物は直売所や道の駅で販売され、いつでも新鮮な野菜を食べるのは魅力的ですね。農家の玄関前で個人的に開かれる直売所もあり、お気に入りの野菜を見つけるのも楽しそうです。

またニセコには1年中多くの観光客が訪れるので、観光客をターゲットにした事業も盛んです。夏季はラフティング、登山、乗馬などの体験型アウトドアスポーツ、冬季は世界に誇る雪質の中でスキーやスノーボードができる環境がすぐそばにあるなんて、とても恵まれた環境ですね。

▼アウトドアが体験できる施設

OAC ラフティング、熱気球、キャニオニング、バンジートランポリン
ニセコ寿 カヤック、トレッキング、サイクリング
SUP niseko SUP(サップ)
ニセコファイン 釣り堀、フィッシング
K2ステーブル 乗馬

▼ニセコの3つのゲレンデ

ニセコビレッジスキーリゾート 冒険的な滑りが楽しめる上級者向けの山。最長滑走距離はなんと5,000m!山頂部からはニセコのすべてのスキー場にアプローチが可能です。
ニセコアンヌプリ国際スキー場 広大でなだらかな斜面が続くので初心者の方にもおすすめの山。親子でのんびりと優雅な滑りを楽しめるのもポイントです。
ニセコモイワスキーリゾート 海外から多くの人が訪れる小さなプライベート感覚のゲレンデ。ペアリフト、小中学生の1日券があるなど初心者から上級者まで幅広く楽しめます。

仕事|平均年収や求人情報を調査

ニセコに移住して転職、起業を考えている方に向けて仕事に関する情報をまとめました。

▼正社員の求人数

ニセコ町 188件
ニセコ町から1時間圏内のエリア 約1,232件

※2022年8月現在、縁結び大学独自調べ

ちなみに、ニセコ町の平均年収は447万円となっています(北海道の平均年収は441万円)。この数字を参考に求人を探してみてください。

ニセコ町は観光リゾートエリアですので、観光業の求人が目立ち、サービス系の求人倍率は高く常に人不足といった傾向が続いています。また後志振興局では、夏は農業、冬場はリゾート地勤務など、季節ごとに仕事内容を選択する働き方も推進しています。

ニセコ町から通勤1時間圏内まで範囲を広げて仕事を探すと、選択肢はとても多くなりますので、自分に合った仕事や働き方を見つけることができると思います。

ニセコ近辺で仕事を探す|しりべしマッチングプラン

ニセコ町近辺で仕事を探す時には「しりべしマッチングプラン」を使うのがおすすめです。

「しりべしマッチングプラン」は無料でニセコ近辺の職業を紹介してくれる事業です。夏季は農業、林業、水産業、観光に関わる仕事、冬季はリゾートホテルやスキー場のスタッフ、スキー、スノーボードのインストラクタの仕事などを扱っています。

「しりべしマッチングプラン」から仕事を探すと、希望している会社との面接をセッティングしてくれたり紹介状を発行してくれたりするので、とても心強いと思います。

お仕事探しの相談を随時受け付けてくれるので、ニセコ町で仕事を探す際にはぜひサイトを確認してみてください。

しりべしマッチングプランについての情報はこちら
https://www.shiribeshi.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/matching/j_top_.html

ニセコでのもうひとつの働き方|地域おこし協力隊

「ニセコに住みたいけれど、仕事がなかなか決まらない」という人は、地域おこし協力隊としてニセコに移住するという方法もあります。

3年間の任期付きですが、その間はまちのために働きながらニセコ町に馴染むことができ、将来の仕事についてゆっくりと考えることができます。毎年12月頃に募集が開始され、翌年5月に着任が基本です。

地域おこし協力隊を希望する方向けに、協力隊の仕事やニセコ町の生活を体験できるプログラムを無料で提供している期間もありますので、下記のサイトを参考に検討してみてくださいね。

地域起こし協力隊の情報はこちら→https://www.town.niseko.lg.jp/iju/live/chiikiokoshi/

住まい、空き家|ニセコ町の賃貸、戸建て物件を調査

ニセコに移住した際の住まいに関する情報をまとめました。まず賃貸や戸建ての件数について調査しました。

アパート・マンション 65件
戸建て 20件前後

詳細はこちらのサイトで確認できます
→「しりべし空き屋BANK
→「ニセコライフプラン

ニセコ町では賃貸・購入ともに空き物件数は多くないのが現状です。その理由は、ニセコ町は移住者が年々多くなってきており、空き家が慢性的に不足している状況であることです。

そこでニセコ町は現在、空き物件の不足状況を改善するために「NISEKO生活モデル事業」を立ち上げ、町をあげて街区整備を進めています。

またニセコは人気エリアであるため、これから土地の価格はどんどん値上がりしていくと予想されます。家を建てたいと検討している方は早めの準備をおすすめします。

移住前にニセコ町の生活を体験してみよう!

 ニセコ町に移住を検討している方に向けて、民間企業と協力して行っているニセコ生活体験「ちょっと暮らし」をご紹介します。

今回紹介する施設はどれも民間の宿泊施設ですが、移住を検討している方向けに長期滞在プランが用意されています。ゆっくりとニセコに滞在し、観光では味わうことのできないニセコの魅力を発見してみるのもよいかもしれません。

ワン・ニセコ・リゾート・タワーズ 24時間スタッフが滞在しており、贅沢な長期滞在を満喫できるプレミアム・ホテルコンドミニアム。アウトドアを楽しんだ後は館内の温泉に癒され、ニセコのゆったりとした雰囲気を存分に味わうことができます。
ニセコゲストハウス ナルー 2016年12月OPENの新築のゲストハウス。お部屋はシンプルなベッドと机のみです。シャワー、キッチン、リビングが共同なので、同じく移住を考えている人や旅行者との出会いがあるのが嬉しいです。ロングステイプランあり。
LEE SPACE ニセコ駅前 JRニセコ駅から徒歩2分と好立地のマンション。自然に囲まれた豊かな環境、実際にニセコ町での生活に近い暮らしを体験できます。ロングステイプランあり。

最新情報は公式ホームページでご確認ください。
https://www.town.niseko.lg.jp/iju/join/

ニセコに移住した人の体験談

ニセコ町に移住した人の声

移住するにあたって、やはり気になるのは実際にニセコ町に移住した人の声です。良かったこと、悪かったこと、驚いたことに関して集めてみました。

<移住して良かったこと>

移住者がたくさんいて住みやすい
・スキー場まで車で15分と近い
・移住者が積極的にまちづくりに参加している
・地元野菜の種類が豊富で美味しく安い

<移住して困ったこと>

・車がないと生活が大変
・家探しが大変
閉店時間が早い
・雪かきが大変

<移住して驚いたこと>

生活費が下がった
・どこにでも英語表記がある
・意外とスキー・スノーボードをしない住人が多い

ニセコ町では若い世代の移住者も多く人口が増えているので、移住した場合も周囲にすんなりと溶け込むことができるという声がありました。移住者が積極的に町づくりに参加しているという点も、これから移住を考えている人にとっては頼もしいですね。

リゾート観光地ではありますが、お店の閉まる時間が早かったり、やはり車がないと普段の生活は不便であったりすることもわかりました。

ニセコでのリアルな生活を少しイメージすることはできたでしょうか?ニセコ生活体験「ちょっと暮らし」なども利用して、あなたのニセコでの生活をより鮮明に描いてみてください。

ニセコへ移住を考えている方の窓口

ニセコ町の移住相談窓口

ニセコ町への移住・定住に関する問い合わせ先をまとめました。

担当課 ニセコ町役場 企画環境課 自治創生係
住所 北海道虻田郡ニセコ町字富士見55番地
電話 0136-44-2121
FAX 0136-44-3500
公式ホームページ https://www.town.niseko.lg.jp/
お問い合わせ https://niseko-iju.com/confirm