【鳥取県日南町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「鳥取県日南町」をご紹介します。

日南町は、中国山地の真ん中に位置するまちです。面積の9割が森林という自然豊かな環境が特徴で、ホタルや、国の特別天然記念物であるオオサンショウウオも多く生息しています。美しい風景に囲まれ、季節の移り変わりを感じながら暮らしたい方にはピッタリといえるでしょう。

また、農業と林業が盛んで新規就農・就林を希望する方に向けたサポートが充実していることをはじめ、さまざまなライフステージの方に向けた移住支援があり、移住者を歓迎する雰囲気も魅力的なまちです。

そんな日南町について、暮らしの特徴や仕事・住まい探しなど、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
日南町のマスコットキャラクター「オッサンショウオ」

日南町 地域づくり推進課 地域振興室
主任

牧 恭平さん

日南町の暮らしの特徴3つ

日南町の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には日南町がおすすめです。

  • 自然の豊かな環境で、いろいろな植物や生き物に出会いたい
  • 農業や林業、また、SDGsに興味がある
  • 移住に対する支援の手厚いまちを希望している

なぜこのような方に日南町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、日南町の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:ホタルも雪景色も眺められる!四季おりおりの自然の宝庫

「福万来ホタル乃国」を飛び交う無数のホタル
▲水生のゲンジボタルと陸生のヒメボタル両方が観賞できる「福万来(ふくまき)ホタル乃国」。シーズンには日本中から観光客が訪れる

日南町は、その面積の約90%が森林。そして中心部には日野川が流れる、自然の豊かなまちです。四季おりおり、どこか懐かしいような気持ちにさせる風景に出会えます。

春には、準絶滅危惧種でもある可愛らしいサクラソウの群生。夏はホタルが森じゅうを飛び交い、家の周りで見られることもあります。秋には樹齢100年を超えるイチョウの木の紅葉で辺りが明るく輝き、冬は雪に覆われた一面の銀世界が広がります。

水田
▲水が張られた田園がのどかな、日南町の春の風景

旧日野上小学校にそびえる大イチョウ
▲旧日野上小学校のグラウンドにそびえる大イチョウは、丸いフォルムが特徴的。紅葉シーズンには、この大イチョウを眺めに5,000人近くが訪れる

雪景色
▲町全体が豪雪地帯に指定されている日南町。冬は深い雪に包まれる

また、国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオが多く生息しているのも、日南町の山川が豊かで美しく保たれている証です

川の中のオオサンショウウオ
▲清流にしか生息しないオオサンショウウオ。日南町では住民有志が河川の掃除などに取り組み、環境を守っている

日南町は、自然が好きな方、山の色や川の音に囲まれて日々を過ごしたい方に、ピッタリといえる移住先なのです。

特徴2:農業・林業を推進する「SDGs未来都市」

日南町役場の内部
▲「SDGs未来都市」に選定された日南町。町役場の天井には、SDGsのアイコンカラー17色の和傘を展示

農業と林業が基幹産業である日南町。「農業・林業をやりたい」という希望から日南町へ移住される方も、多くいらっしゃるそうです。

日南町では「一般財団法人 日南町産業振興センター」が中心となり、まちの農地や山林の保全や豊かな地域社会の実現を目指すとともに、就農・就林を希望する方へのサポートを行っています。

こうした取り組みから、日南町は2019年、内閣府の選定する「SDGs未来都市」にも選定されました。

公式:一般財団法人 日南町産業振興センター

日南町農業研修制度

日南町では、2009年「農業研修生制度」を創設しました。栽培品目は、水稲、トマト、白ネギ、ブロッコリーなど。原則2年間の研修期間を通し、農業に必要な技術や知識など、独立就農できる能力を身につけていきます。

研修期間中には研修手当(月給)をはじめ、住宅手当や保険加入などの支援が受けられるので、日々の生活の心配をすることなく研修に取り組むことができます。

詳細:日南町農業研修制度

にちなん中国山地林業アカデミー

「にちなん中国山地林業アカデミー」は、全国初の町立林業学校として、2019年に開校しました。

実践重視のカリキュラムを特徴とし、大学教員などの専門家も招いて、最新の林業の幅広い知識と技術を学んでいきます。定員10名の少人数制ですが全国から入学希望があり、定員を上回る人気となっているそうです。

詳細:にちなん中国山地林業アカデミー

特徴3:移住者歓迎!さまざまなライフステージの方に寄り添う支援

日南町には、移住・定住・子育てと、将来にわたってまちで暮らすためのさまざまな支援制度があります。

結婚祝い金 結婚した方に【3万円】を支給
出産祝い金 子どもが生まれた方に、以下の金額を支給
第1子:3万円
第2子:5万円
第3子以降:7万円
同居奨励金 Uターン移住をした方が、1年以上同居した場合に【10万円】を支給
定住奨励金 学校を卒業後、町内へ転入して3年働いた方に奨励金を支給
金額:10万円+世帯員1人につき5万円(配偶者は10万円)
にちなん新生活応援奨励金 県外から移住した子育て世帯の方に【20万円】を支給
住宅等補助金 結婚祝金・出産祝金・同居奨励金・定住奨励金のいずれかに該当し、かつ条件を満たす方に、住宅の改修費・取得費を補助

詳細:移住定住に関する補助金一覧

「移住」とひとことに言っても、社会人としての新生活を日南町で始めたい方、結婚と同時に移住を考えている方や子育て世帯の方、Uターンして家族と同居する予定の方など、背景はそれぞれでしょう。

さまざまなライフステージに対応した支援があるのは、何かとお金がかかる移住時には助かると同時に、「どんな方もウェルカム」というまちの姿勢が感じられるようで嬉しいですよね。

日南町の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、日南町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温−0.2°C
8月:平均気温23.4°C
※参考:気象庁ホームページ(茶屋地点)
人口 人口:4,052人
世帯数:1,880世帯
(2023年7月31日現在)
近隣都市 西伯郡南部町、日野郡日野町
島根県:安来市、仁多郡奥出雲町
岡山県新見市
広島県庄原市
公共交通 鉄道:JR西日本
バス:日南町営バス、日野町営バス、奥出雲交通
大都市へのアクセス 大阪から:車で約3時間半、新幹線と電車で約2時間半
福岡から:新幹線と電車で約3時間15分
病院 病院1、歯科1
学校 小学校1、中学校1
レジャー 福万来ホタル乃国、石霞渓、ふるさと日南邑、ゆきんこ村四季彩、日南湖

日南町は、冷涼多雨な気候が特徴です。

高原地帯に位置するため夏は涼しい一方、まちの全域が豪雪地帯指定を受けていて、冬には雪が1mほど積もることも珍しくありません。積雪時には朝早くから除雪車が稼働しますが、家の前の雪かきなどは必要になります。生活には車が必須、それもなるべく四駆が望ましいでしょう。

食料品などは町内のスーパーや直売所で買うことができますが、大きな買い物や週末のレジャーには、車で45分ほどの米子市まで足を延ばす方も多いそうです。

豊かな自然に囲まれた日南町。日々の暮らしの中でも十分に自然とふれ合うことができますが、ぜひ足を運んでほしいお出かけスポットも多数あります。

国内でも有数のホタル観賞地「福万来ホタル乃国」や、四季の移り変わりが鮮やかに感じられる渓谷「石霞渓」など、観光客も多く訪れる絶景スポットにいつでも行けるのは、住民ならではの特権。「ふるさと日南邑」は、キャンプ場やドッグラン、野菜の収穫ができる体験農園などさまざまな設備を備え、ファミリーにも人気です。

【仕事】起業をサポートする制度あり

「暮らしの特徴」でご紹介した通り、林業・農業が主要な産業である日南町。その他の仕事にも選択肢を求めたい方は、近隣のまちも含めた仕事探しがおすすめです。

2023年8月現在、大手求人情報サイトで、日南町から通勤30分程度(25km圏内)の正社員求人を検索すると、約670件がヒットしました。

参考:正社員求人情報の一例(日南町から25km圏内)

また日南町には、起業や事業承継を行う方に向けた支援制度「チャレンジ企業支援事業」があり、対象経費に対し補助金が交付されます。「移住を機にお店を開きたい」などの希望がある方は、ぜひチェックしてみてください。

詳細:日南町チャレンジ企業支援事業

【住まい】空き家バンクの活用がおすすめ

2023年8月現在、日南町の空き家バンクを見てみると、約10件の住居物件が見つかりました。賃貸と売買どちらの物件もあり、駅近くや景色の良い立地、農地付きなどさまざまな条件の物件があります。

参考:空き家バンク物件一覧

多くの物件で修繕が必要となりますので、暮らし始めたい日から逆算して、余裕をもったスケジュールでの住まい探しがおすすめです。DIYやリフォームが好きな方なら、理想の家を作る過程も楽しめそうですね。

住宅の取得・改修に関しては「暮らしの特徴」でご紹介した「住宅等補助金」があります。該当する方は、こちらもぜひご活用ください。

【育児】子育て世帯を地域全体でサポート

認定こども園の前に並んだ子ども達

日南町には、子どもの成長の各段階においてご家庭をサポートする、さまざまな制度があります。ここではその一例をご紹介します。

<誕生時>ぬくもりあふれる「ウッドスタート」の贈りもの

日南町では「ウッドスタート」の取り組みを行っています。まちで生まれたすべての子どもに、積み木をプレゼント。木材は町内産で、箱には名前が印字されています。森林のまちらしい、ぬくもりあふれる贈り物です。

<保育>3歳未満から保育料無料

現在「幼児教育・保育の無償化」として、基本的に3歳以上の子どもの保育料が無料になっていますが、日南町では3歳未満から無料です。

<教育>地域と学校が一体となった取り組み

日南町内には小学校・中学校が1校ずつあり、校舎は隣同士です。小中と認定こども園、さらに地域が連携した“コミュニティ・スクール”として、子ども達の健やかな成長をサポートしています。

たくさんの大人の目の届く中で子どもを育てたい方、地域全体が家族のようなアットホームな雰囲気を希望するには、ピッタリといえる子育て環境です。

日南町へ移住した人の体験談・感想

日南町へ移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して日南町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 季節ごと、また一日の中でも多彩な表情を見せる自然の美しさが素晴らしい
  • 林業がやりたくて移住を決意した。日南町はサポート体制が整っているし、将来的なことも考えて活動ができる
  • 地域全体で子どもを見守ってくれている安心感がある
  • どこに出かけるにも車は必須。しかも山道が多いので四駆が良いと思う
  • 移住したての頃、近所の方が積極的に声をかけてくれた。他地域からの人を大らかに受け入れてくれる雰囲気がありがたい

体験談からは、自然が美しく移住サポートが手厚く、そして人と人との距離が近い、日南町の暮らしが浮かび上がってきました。

地域の輪の中で、希望していた仕事に就いたりのびのび子育てをしたりと、移住生活を満喫している方が多いようです。

日南町への移住に向けた行動

JR生山駅内にある、(一社)山里Loadにちなん
▲(一社)山里Loadにちなんは、JR生山駅内にありアクセスも抜群

ここでは、日南町への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。

日南町では「(一社)山里Loadにちなん」が、移住定住のサポートを行っています。住まいや仕事探し、地域おこし協力隊への参加希望など、どんなことでもまずは気軽に相談してみてください。

移住定住相談のスタッフさんにも移住者の方がいらっしゃるので、リアルな体験談やアドバイスが聞けるかもしれません。

公式:(一社)山里Loadにちなん

お試し住宅で日南町暮らしを体験

お試し住宅の室内

日南町では、鳥取県外からの移住を検討している方に向けた、短期滞在型住宅を用意しています。

お試し住宅はまちの中心部にあり、お買い物などにも便利です。まちの気候や雰囲気、通勤・通学の便など、移住後の生活イメージを膨らませるためにも、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

詳細:ひだまりの家(短期滞在型住宅)

日南町への移住に関するお問い合わせ

担当課 一般社団法人山里Loadにちなん
住所 鳥取県日野郡日南町生山153番地2(JR生山駅舎内)
電話番号 0859-82-1715
対応時間 8:15~17:00(年末年始を除く)
公式サイト https://www.load-nichinan.jp/