【鹿児島県中種子町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報|縁結び大学

この記事では、地方への移住を検討している方のために、鹿児島県中種子町(なかたねちょう)の魅力を紹介していきます。

中種子町は、種子島にある3つの市町のひとつで、島の中央部に位置する人口約7,400人の町です。島の東西は海に挟まれており、町のどこからでも簡単に海へアクセスできます。

国内外から評価の高い透き通った海でマリンスポーツを楽しんだり、5月にはウミガメの産卵風景を見ることができたりと、離島ならではの暮らしを楽しむことができる町です。

そんな中種子町での暮らしの特徴やその魅力について、町役場の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

中種子町役場・企画課・石堂弘樹さん

鹿児島県中種子町の暮らし、3つの特徴

鹿児島県中種子町・暮らしの特徴

中種子町は年間の平均気温が18度で、冬の最低気温は1月でも6.1度と、一年中温暖な気候でのんびりと過ごせる地域です。町内でこれまでに120以上の遺跡が見つかるなど、歴史文化も色濃く、小学校ではウミガメの放流やロケットの打ち上げ見学などの特色ある教育も行われています。

そんな中種子町には以下のような特徴があります。

  • 離島ならではの豊かな自然に恵まれている
  • 気軽にマリンスポーツを楽しめる環境がある
  • 子育て支援制度が充実している

それではここから、中種子町の魅力や特色についてさらに掘り下げていきたいと思います。

特徴1:離島ならではの自然の豊かさ

~~からの眺め

中種子町の魅力は、なんといっても離島ならではの自然の豊かさです。町の東と西に海が広がり、どこに住んでいても気軽に海へアクセスすることができます。

特におすすめなのが太平洋に面した「熊野海岸」で、海岸線の砂浜は約350mもあります。沖合に出ると、貴重な動植物が生育するマングローブの大群生を見ることができ、その豊かさに感嘆の声をあげてしまうでしょう。

隣接する「自然レクリエーション村」では、年間を通して海を眺めながらのキャンプを楽しむことができますよ。

公式:中種子町(自然レクリエーション村)

ウミガメの赤ちゃん

「長浜海岸」は毎年5月になるとウミガメが産卵にやって来ることで有名です。中種子町立岩岡小学校では採卵した卵を育て、8月になるとウミガメの赤ちゃんを長浜海岸に放流する伝統行事も行っています。離島ならではの環境教育と言えますね。

中種子町には海はもちろんのこと、川や森林など生活の隣に豊かな環境があり、自然と共生しながら暮らすことができますよ。

特徴2:自然を活かしたマリンスポーツが楽しめる

~~海岸を上空から見た写真

自然が豊かな中種子町では、マリンスポーツも盛んに行われています。移住した方の中には「マリンスポーツが好きだから」という理由で移り住んだ方もいるほどなのだそうです。

サーフィン、カヤック、SUP等まで、いつでも気軽に楽しめるのも中種子町の魅力のひとつです。

中種子町ではその豊かな自然を求めて、他県から高校生や実業団が町へスポーツ合宿にやってくることも多いそうです。

特徴3:子育て支援制度もしっかり整備

小学校の授業風景
▲中種子町の小学校ではタブレットを活用した授業が行われている

中種子町では、子育て世帯を応援するため、さまざまな子育て支援制度が整備されています。

制度 概要
出産祝金制度 結婚・妊娠・出産・育児をしやすい地域づくりに向けた環境整備等の取組を推進することを目的として、出産子育て支援金(中種子町商工会商品券)を支給
※希望により、祝金額の半額までを現金で受給可能
子ども医療費の助成 ・対象:0歳から高校3年生卒業まで
・金額:保険適用の自己負担分を助成
幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料無料 ・対象施設・事業:幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育、企業主導型保育事業 等
・対象期間:満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間
・金額:幼稚園については上限2.57万円/月
ひとり親家庭等医療費の助成 ・対象:ひとり親家庭の父または母および児童、父母のいない児童
・金額:保険適用の自己負担分を助成

特に出産祝金制度については、全国的に見てもかなり金額が大きい制度となっています。ゆったりとした自然の中でのびのびとした子育てをしたいと考える世帯に、中種子町は環境も制度もぴったりの地域です。

鹿児島県中種子町の暮らしに関する情報

馬立の岩屋
▲犬城海岸にある自然の洞窟「馬立の岩屋」

ここからは中種子町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温26.5℃
・冬(1月):平均気温9.5℃
※参考:気象庁ホームページ
雪は降らないが風が強い地域なので、実際の気温よりも体感温度が涼しく感じられることもある
人口 約7,400人(約4,100世帯)
※令和5年1月末時点
病院 町内にはクリニックも含め3件の医療機関がある。
また、所在地は南種子町だが、中種子町と南種子町による公立病院、公立種子島病院もある
学校 ・幼稚園:1園
・保育所:1所
・特別支援学校:1校
・小学校:7校
・中学校:1校
・高等学校:1校
文化・芸術 ・立切(たちきり)遺跡:今から約3万5千年前に降下した種Ⅳ火山灰層の下層から狩猟用の罠である落とし穴や、石蒸し料理の跡である礫群、石斧や磨石、石皿などの石器が出土した後期旧石器時代初め頃の遺跡である。当時の人々の生活の様相を解明する上で重要であるとして、令和4年11月10日に国史跡に指定された

・ヤクタネゴヨウ:別名アマミゴヨウ。種子島及び屋久島に自生する常緑喬木。元口と末口がほとんど同じ大きさで、垂直に伸び、軟らかくて加工しやすいことから、丸木舟の用材として昔から使われてきた。生活面での利用、開墾、マツクイムシの影響により激減した

・アッチャメ:中種子町の野間下田集落に実在した、下田嘉太郎(かたろう)をモデルにした歌。最初は馬鹿にするような歌詞だが、後半は褒め称えるような歌詞になり、歌に合わせた踊りもゆっくりなテンポからどんどんと速くなっていくのが特徴
観光スポット ・馬立の岩屋:犬城海岸にある波の浸食によって作られた自然の洞窟。洞窟内には小さな鳥居とほこらがあり、10代島主で修験道の犬神使いであった種子島幡時が祀られている

・雄龍雌龍の岩(おたつめたつのいわ):ある嵐の夜崖崩れにあい海に投げ出された、達五郎・達江という夫婦の生まれ変わりという伝説のある岩

・男淵女淵の滝(おぶち・めぶちのたき):この滝は、上下二連で上を男淵、下を女淵と呼ぶ。淵全体も明るく、高地のない種子島では珍しい滝で、渇水期でも滝水が止むことはない

・中種子町立歴史民俗資料館:旧石器時代からの中種子町の歴史の流れがわかる考古資料や、民俗文化財に関する調査・研究・保存・展示等を行っている資料館。サトウキビの圧搾機や、最後の丸木舟に、遺跡から出土した遺物など、さまざまな展示物が楽しめる

・大ソテツ:坂井の豊受神社の境内に植えられている雌株のソテツは樹高7m、樹長10m、根回り2m、樹齢700年以上である。高さでは「日本一の大ソテツ」であるとされている
食べ物 トコブシ、カマス、塩トビウオ、イセエビ、タケンコ(にがだけ)、パッションフルーツ、マンゴー、タンカン、安納いも、地ダコのみそ漬、ツノマキ(もち米を煮たもの)、カカラマンジュー、お茶
交通 【飛行機】
・種子島空港:鹿児島空港間とフライトあり。繁忙期には大阪国際空港へのフライトも増便される

【船】
・旅客フェリー:プリンセスわかさ、はいびすかす、フェリー太陽
・高速船:トッピー&ロケット

【バス】
・国道路線バス(さんまりん観光)
・コミュニティバス
・種子島空港リムジンバス
近隣市町村 島内:西之表市、熊毛郡南種子町
近隣の島:屋久島町、鹿児島郡三島村
大都市からのアクセス 【飛行機】
・鹿児島空港から種子島空港まで、約35分

【船:鹿児島(南埠頭)から種子島(西之表)まで】
・高速船:約1時間35分
・フェリー:約3時間40分

町内を走るバスの本数は多くないので、島での生活には自動車が必須です。中種子町の北に位置する西之表市までは車で40分ほどで、フェリーが発着する港や、大きな病院があります。南に位置する南種子町までは車で約30分で、観光目的で行くことが多いようです。

中種子町内にはスーパーやドラッグストアがあるので、買い物等は町内で完結できます。島内で調達できないものは、ネットショッピングを活用して購入する人が多いそうです。

おおむね注文から2、3日以内に届くそうですが、物流は船の発着にも左右されるため、時には1週間程度かかる時もあるようです。

【仕事】町内でも仕事はいろいろ。空き店舗活用に関する補助金もある

大手求人情報サイトで「中種子町×正社員」で検索したところ、約140件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約240件まで広がりました。求人業種としては建設業や農業、ドラッグストアや介護などさまざまです。
※参考:求人情報の一例

また、民宿や飲食店などを新たに始めたいという起業相談も年に数件あるんだそうです。中種子町では、「空き店舗等活用整備事業補助金」として空き店舗等の改修をして出店する新規事業者に対し、補助金も交付しています。

空き店舗等とは ・中種子町内でかつて事業や住居の用に使われ、現在も商業等を営むことができる建物
・現段階で3ヶ月以上継続して使われていない建物
・店舗、事業所、倉庫、作業場、居宅等
補助額 ・申請者が20万円以上の改修を行った場合
・補助対象経費の2分の1以内(上限50万)
対象経費 店舗改装費:建物本体及び電気、水道、トイレ、ガス、厨房設備等の特殊設備、空調設備 等

公式:中種子町(空き店舗等活用整備事業補助金)

【住まい】住宅建築や購入の補助金あり。空き家バンクや町営住宅も状況の確認を

大手住宅情報サイトで中種子町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは見つかりませんでした。
※2023年2月縁結び大学調べ

中種子町では空き家バンク制度を取り入れています。賃貸物件は人気が高く、物件が登録されると数日以内に契約が成立する傾向にあるそうです。

公式:中種子町(空き家情報)

なお、「地域定住支援事業補助金」として、住宅建築や住宅購入、住宅改修に対する補助金制度もあります。

事業の種類 要件 補助額 上限額
住宅建築 住宅建築費用(土地購入費用含む)税抜き500万円以上 補助対象経費の10分の1 各60万円
住宅購入 住宅購入費用(購入に伴って行う住宅の改修や増改築、土地購入に係る費用含む)税抜き200万円以上
住宅改修 住宅の改修費用(増改築費用含む)税抜き200万円以上 補助対象経費の5分の1

なお、子ども加算として、生計を同じくする義務教育修了前の方がいる場合、1人につき10万円、最大30万円が加算されます。制度が活用できる地域が決まっていたりするので、活用を検討される方は必ず要件を確認してくださいね。

公式:中種子町(地域定住支援事業補助金)

また、町内には計220戸の町営住宅もあります。空き状況や詳細は問い合わせるようにしてください。

公式:中種子町(町営住宅について)

空き家バンクや、住宅購入等に関する補助金など、希望に合わせた住居選択ができるよう、情報はマメに確認することをオススメします

鹿児島県中種子町に暮らす先輩移住者の声

鹿児島県中種子町・移住者の声

実際に中種子町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 家から海まで近いので、ふらっと海に行けるのが嬉しい
  • 人同士の繋がりがあるので、お互いに気にかけ合っていることがわかる地域
  • 中種子町の中心部にある旭町商店街にはチェーン店がない。どの店に入っても地元の物が食べられるのはすごいことだと思った

ふらりと海に行ける贅沢さ、地域と繋がっているという感覚、地のものを楽しめる環境で、「この地域で住んでいる」ことを実感できるのが中種子町ですね。

鹿児島県中種子町への移住

男淵・女淵の滝

中種子町は年中暖かく、いつ訪れてものんびりと滞在を楽しむことができます。移住後の生活について具体的にイメージするためにも、まずは現地に行ってみるのが一番です。

中種子町への移住に関するお問い合わせ

よいら〜いき祭りの様子
▲8月に行われるよいら〜いき祭りの様子

中種子町に興味を持った方は、まずは中種子町役場の企画課に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 中種子町役場 企画課
住所 〒891-3692 
鹿児島県熊毛郡中種子町野間5186番地
電話 0997-27-1111
公式サイト https://town.nakatane.kagoshima.jp/index.html