熊本県和水町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、九州地方での移住を検討している人に向けて、熊本県和水町(なごみまち)の暮らしに役立つ情報を紹介します。

熊本県の北西に位置する和水町は、美肌効果の泉質をもつ「三加和温泉(みかわおんせん)」で有名なまちです。

新婚世帯や子育て世帯など、若者が暮らしやすい町づくりに力を入れている地域で、移住者に向けた支援制度も充実しています。

今回は和水町役場まちづくり課、企画振興係・主事の島添花純さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、和水町の特徴や魅力についてお伝えしていきます。 

本日お話を伺った方
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和水町役場 まちづくり課
企画振興係 主事

島添 花純さん

和水町の3つの特徴

熊本県和水町の場所を紹介する画像

「なにもないようで、足りないものはなにもない町」というスローガンがあるように、自然と温かい人に囲まれて暮らせる和水町では、ゆったりと流れる時間の中で「ある」ものに目を向けて心豊かに暮らすことができます

そんな和水町には、次のような特徴があります。

ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。

特徴1:豊かな自然と歴史的資源に囲まれながら生活できる

熊本県和水町にある肥後民家村の写真
▲肥後民家村では、昔ながらの古民家が立ち並びます

菊池川が渡り、緑の多い和水町には、歴史の教科書にも掲載されている国指定史跡「江田船山古墳」をはじめ、田中城跡や豊前街道などの名所旧跡が多く、歴史的資源に恵まれています

なかでも、全国各地に残る古民家を移築した「肥後民家村」は、古民家宿泊体験をはじめ、木工や陶芸などの体験工房を通して、昔の暮らしが楽しめる地域の人気スポット。

日々の暮らしの中で、一息つきたいときにふらっと訪れれば、昔ながらの趣がある空間で、ゆったりとした時間を過ごせるのではないでしょうか。

公式:和水町の観光(肥後民家村

和水町でカヌーを楽しむ人たち
▲江田川でカヌーを楽しむ人たち

また、肥後民家村から徒歩5分ほどの場所にある「和水江田川カヌー・キャンプ場」も和水町の人気スポットで、週末は多くの人で賑わっています。

キャンプや手ぶらバーベキューをはじめ、カヌーやSUP(※)の体験イベントも開催されているので、週末のお出かけスポットとしても楽しめそうです。
(※)サーフボードより少し大きいボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進むウォーターアクティビティ

徒歩圏内には「江田船山古墳」や「道の駅きくすい」もあるので、移住後は家族で訪れてみてはいかがでしょうか。

熊本県和水町にある和水江田川カヌー・キャンプ場の手ぶらバーベキューの写真
▲オシャレなテント内で、手ぶらバーベキューが楽しめます

熊本県和水町にある江田船山古墳の写真
▲休日には子どもたちが古墳の周りで遊ぶ姿も見られます

公式:和水江田川カヌー・キャンプ場

特徴2:地域の歴史を学んだり、名物のカニが味わえる「祭り」がある

和水町は祭りの多い地域で、毎年恒例の「和水町古墳祭」「夏祭り盆踊り大会」「山太郎祭」「戦国肥後国衆まつり」には町民の多くが参加します。

8月の第1土・日曜日に開催される「和水町古墳祭」は、江田船山古墳を中心に開催される熊本夏の三大火祭りのひとつで、見どころは二日目の「炎の宴」です。

古代衣装をまとい、松明(たいまつ)を手にした約400人の群衆が火巫女を中心に列をなす「松明行列」は見る人を幻想的な世界へ誘います。

熊本県和水町で開催される「古墳祭」の花火の写真▲古墳祭のラストには約2,000発の花火が打ち上げられます

古墳祭の翌週には夏祭り・盆踊り大会も実施されるので、夏のイベントが好きな人は参加してみてはいかがでしょうか。

参考:和水町古墳祭

11月の第2日曜日には菊池川流域の秋の味覚「山太郎ガネ(モクズガニ)」を味わう「山太郎祭」が開催されます。カニを使った料理の中でも、「ガネ汁」「ガネ飯」は毎年長蛇の列ができるほどの人気メニューなので、参加した際はぜひ味わってみてください。

参考:山太郎祭

2月の第2日曜日に開催される「戦国肥後国衆まつり」では、戦国武者に仮装した約60名が肥後国衆の一人「和仁氏」の軍勢と豊臣軍勢に分かれて合戦する様子を再現します。

メインは「武者行列」と「国衆一揆の再現」で、鎧兜を身にまとった戦国武将が刀や鉄砲を使って戦うシーンは迫力満点です。

参考:戦国肥後国衆まつり

熊本県和水町で開催される戦国肥後国衆まつりの写真
▲「戦国肥後国衆まつり」の合戦を観るために、多くの人が訪れます

このように和水町では地域の歴史や魅力を取り入れた祭りが毎年開催されているので、移住後は積極的に参加し、和水町についての理解を深めつつ、町民との交流を深めてみてはいかがでしょうか。

女性スタッフのアイコン
島添さん

2023年の古墳祭にはものまね芸人のコロッケさんやトニーヒロタさんをお招きし、会場が笑いに包まれました。

特徴3:新婚世帯から子育て世帯に嬉しい支援が充実している

和水町では、新婚世帯から子育て世帯を対象に切れ目のない支援が行われています。

まず、新婚世帯に向けた支援には「新婚さん定住促進奨励金」と「和水町結婚新生活支援事業」があります。

「新婚さん定住促進奨励金」は、婚姻した新婚夫婦を対象とした支援で、和水町に3年以上定住する意思がある夫婦に1組あたり15万円が付与されます。

公式:和水町移住定住支援センター(新婚さん定住促進奨励金

「和水町結婚新生活支援事業」は、婚姻届けを出した和水町在住の夫婦を対象に「住居費」や「リフォーム費用」、「引越し費用」を補助してもらえる制度です。

補助の金額は以下の通りで、給付を受けるためには指定された条件をすべて満たす必要があるので、詳細については、以下のサイトをご確認ください。

29歳以下 60万円
 39歳以下 30万円

※夫婦いずれか高い方の年齢区分に応じる

公式:和水町移住定住支援センター(和水町結婚新生活支援事業

子育て世帯には「保育園の副食費無償化(満3歳以上)」や「学校給食費無償化」、0歳から18歳(18歳の誕生日から最初の3月31日を迎えるまで)の子ども医療費(保険適用分)を全額助成する「子ども医療費助成事業」があります。

子育てをするうえでお金がかかる部分を町に補助してもらえるので、その分を子どもたちの学用品の購入や習い事の費用などに充てるのも良いでしょう。

参考:和水町移住定住支援センター(学校給食費の無償化
参考:和水町ホームページ(子ども医療費助成事業

このように、和水町には新婚世帯から子育て世帯にとって、”あったら嬉しい”制度が充実しています。結婚を機に新天地への引っ越しを考えている方は、和水町への移住を検討してみてはいかがでしょうか。

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島添さん

町内にテーマパークなどはありませんが、子どもたちは大自然でのびのびと遊んでいます。江田船山古墳の斜面にソリを滑らせば、立派な遊具の完成です。

和水町わくわく子育て応援金

和水町には、先に紹介した子育て支援のほか「和水町わくわく子育て応援金」があります。応援金は「出生祝金」と「入学祝金」の2種類で、金額は以下の通りです。

▼出生祝金の金額

 第1子 20万円
 第2子 30万円
 第3子 50万円
 第4子 70万円
 第5子 100万円

▼入学祝金の金額

小学校 5万円
中学校 10万円
高等学校等 15万円

出生祝金の対象者は、出生した子どもを養育する方で、子どもの数が増えるにつれて金額が多くなります

特に夫婦共働きの世帯では、産休や育休で世帯収入が減ってしまうので、このように出産後にまとまった金額を受け取れるのはとても助かるのではないでしょうか。 

また入学祝金の対象者は、各学校等に1年生として入学し、交付申請時点で引き続き在学している子どもで、年齢を重ねるごとに受給金額が多くなります。

新学期には学用品の購入などで何かとお金がかかるので、町から入学祝金の支援が受けられるのは嬉しい限りです。 

「和水町わくわく子育て応援金」が気になる方は、以下のサイトから詳細をご確認ください。

公式:和水町移住定住支援センター(和水町わくわく子育て応援金

女性スタッフのアイコン
島添さん

2023年には第4子を出産された方に出生祝金を給付し、話題になりました。

和水町の暮らしに関する情報

熊本県和水町を流れる菊池川の写真

それでは、和水町の暮らしに関するデータを見ていきましょう。

気候 1月:5.6℃
8月:28.3℃
※参考:気象庁ホームページ
(和水町に観測地点がないため、玉名市(旧岱明町)のデータを掲載しています)
人口 9,105人(2023年12月時点)
病院 病院:1、診療所:2、歯科:4
学校 認可保育所:3、認定こども園:1
小学校:2、中学校:2
交通 ・産交バス
・デマンドタクシー「あいのりくん」
近隣都市 【熊本県】山鹿市、玉名市、玉名郡南関町、玉名郡玉東町
【福岡県】八女市、みやま市、大牟田市

※人口以外の数字は2024年1月時点のものです

和水町には、スーパーや病院、郵便局など日常生活に必要な施設が揃っているため、普段の生活は町内で完結します。

一方で、家電や家具などの大きな買い物や町内の病院で対応できない症状の際は、車で15~20分ほどの場所にある玉名市や山鹿市まで行く方が多いとのことでした。

町で暮らすには車があった方が便利ですが、和水町では公共交通機関の利用が不便な地域にお住まいの人や、自家用車を運転しない人に向けたデマンドタクシー「あいのりくん」を運行しています。

対象者は和水町の町民で、事前に利用登録・予約すれば自宅から以下の目的地まで一乗車片道300円で利用可能です。

  • 役場本庁
  • 菊水ロマン館
  • 和水町立病院
  • スーパー菊屋りんご店
  • スーパー菊屋みかん店
  • 役場三加和支所
  • 三加和温泉ふるさと交流センター
  • 和水町福祉センター 等

主に高齢者が利用しているそうですが、役場や病院をはじめ、スーパーや福祉センターなど和水町の主要スポットにアクセスできるので、小さい子どもがいる家庭でもちょっとしたおでかけにも使えそうです。

「あいのりくん」の詳細については、以下のサイトをご確認ください。

公式:和水町ホームページ(和水町おでかけ交通「あいのりくん」

【仕事】東京圏からの移住者を対象とした「移住支援金」あり

和水町の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、121件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、33,987件の求人情報がありました(2024年1月時点)。
※参考:求人情報の一例(和水町のみ
※参考:求人情報の一例(和水町から25km圏内

島添さんのお話では、移住をきっかけに事業を始める方や近隣の山鹿市や玉名市で働く方もいらっしゃるそうで、仕事は探せばある環境とのこと。

また和水町では、東京圏から和水町に移住し、熊本県のホームページ「ワンストップジョブサイトくまもと」に掲載されている対象求人へ就業、または起業された方に向けた「和水町移住支援金」制度があります。

2人以上の世帯の移住者には100万円、単身の移住者には60万円、さらに18歳未満の世帯員と一緒に移住する場合は、18歳未満の者1人につき100万円を加算した「移住支援金」が給付されます。「和水町移住支援金」について詳しく知りたい方は、以下のサイトをチェックしてみてください。

公式:ワンストップジョブサイトくまもと
公式:和水町移住定住支援センター(和水町移住支援金

【住まい】空き家バンクや新築住宅取得に関する補助金あり

大手住宅情報サイトで和水町の賃貸物件を検索したところ、ヒットしませんでした(2024年1月時点)。一方で、和水町での住まいは空き家バンクを検討する方も多く、売却物件は200~800万円ほどで取引きされています(2024年1月時点)

和水町には空き家の改修工事等や、不要物の撤去に係る費用の一部を補助してもらえる「和水町空き家バンク活用促進事業補助金」もあるので、価格が安くて状態の良い物件が見つかればリーズナブルな価格で一軒家を購入して暮らすことも可能です。

補助金は以下の通りで、興味のある方は公式サイトで詳細をご確認ください。

不要物の撤去 補助対象経費の3分の2以内(上限20万円)
改修工事等 補助対象経費の3分の2以内(上限100万円)

公式:和水町移住定住支援センター(空き家バンク
公式:和水町移住定住支援センター(和水町空き家バンク活用促進事業補助金

また和水町には、町内で住宅取得した方を対象とする補助制度「和水町新築住宅みらい支援補助金」もあります。

町外からの移住者には75万円、さらに同居家族に中学生以下の子どもがいる家庭には、子ども1人につき20万円の子育て支援加算がつくので、和水町への移住を検討している方は詳細をチェックしてみてください。

公式:和水町移住定住支援センター(和水町新築住宅みらい支援補助金

和水町に移住した人の口コミや感想

熊本県和水町に移住した人の口コミトップ画像

和水町の魅力や暮らしについて紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に和水町に移住した方の声を紹介します。

  • 時間に追われることがなくなり、自分らしい生活ができるようになった
  • 人付き合いが発展しやすい環境で、横のつながりが多く、子育てがしやすい
  • 町民の方が優しく、困ったときは手を差し伸べてくれるのでありがたいです
  • 夜の過ごし方が変わりました。古民家に住み、自然豊かな地で、虫の音を聞きながらお酒を一杯嗜んでいます

自然に囲まれた場所でのんびり暮らせるのはもちろん、和水町の町民の温かさに関する口コミも多く見られました。

「草刈り機の使い方がわからず苦戦していたところ、町民の方に親切にレクチャーしてもらって助かった」などの声もあり、町民と移住者が良好な関係を築いていける町と言えるでしょう。

和水町への移住に関するサポート

和水町では、移住を検討している方へ向けた「お試し暮らし住宅」が用意されています。お試し暮らし住宅は、和水町の南エリアにある「高野」と北エリアにある「中林」にある空き家を改修した木造平屋建てで、利用に関する情報は以下の通りです。

▼お試し暮らし住宅1号棟(高野)

利用料金 1日1,000円
利用期間 1回の申込みにつき、2日から30日以内
駐車場 あり
設備等 テレビ、エアコン、洗濯機、冷凍冷蔵庫、Wi-Fi、ガスコンロ、炊飯器、電子レンジ、調理器具、食器類等
※布団は、持参もしくはレンタル利用
※灯油代、飲食費、消耗品費などは自費

▼お試し暮らし住宅2号棟(中林)

利用料金 1日1,500円
利用期間 1回の申込みにつき、2日から30日以内
駐車場 あり
設備等 テレビ、エアコン、洗濯機、冷凍冷蔵庫、Wi-Fi、IHコンロ、炊飯器、電子レンジ、調理器具、食器類等
※布団は、持参もしくはレンタル利用
※灯油代、飲食費、消耗品費などは自費

お試し暮らし住宅は和水町の南エリアと北エリアに用意されているので、移住後の生活エリアを見据えて選択するのがおすすめです。

熊本市へのアクセスを優先する方は南エリアの高野、日本有数の「美肌の湯」としても名高い「三加和温泉(みかわおんせん)」を楽しみたい方は北エリアの中林にするなど、それぞれのライフスタイルにあわせた移住体験をしてみてはいかがでしょうか。

熊本県和水町にある三加和温泉なごみの湯の写真▲三加和温泉のお湯は「スーパークレンジング温泉」とも言われ、不要な角質や汚れを取り除いてくれます(※)
(※)参考:三加和温泉の泉質と効能

和水町へのお試し移住を検討している方は、以下のサイトをご確認ください。

公式:和水町移住定住支援センター(お試し暮らし住宅

女性スタッフのアイコン
島添さん

地域の方と交流しながら、移住後の暮らしをイメージしていただければと思います。

和水町への移住に関するお問い合わせ

和水町への移住については、和水町移住定住支援センターまでお問い合わせください。

担当 和水町移住定住支援センター(なごみ移住計画)
住所 〒865-0136
熊本県玉名郡和水町江田455番地
(菊水ロマン館駐車場内)
電話番号(FAX) 0968-79-7535
E-mail nagomi.iju01@gmail.com
公式サイト 和水町役場:https://www.town.nagomi.lg.jp/default.aspx
和水町移住定住支援センター:https://iju.town.nagomi.lg.jp/default.html