【長島町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、鹿児島県出水郡長島町(ながしまちょう)で暮らす魅力を紹介します。

長島町は複数の島から成り立ち、島ならではの絶景が多数見られます。豊かな自然を活かしたアクティビティが盛んで、九州本土と車で行き来できるため、生活をする上で大きな不便を感じません。

この記事では、長島町の地域おこし協力隊である大東さんにお話を伺いながら、鹿児島県長島町での暮らし情報や移住者の声を紹介していきます。

長島町の地域おこし協力隊である大東さん

長島町、3つの特徴

鹿児島県長島町の暮らしの特徴

鹿児島県長島町の魅力は、なんといっても島ならではの絶景の数々。そして、豊かな自然を活かしたアクティビティもできます。さらに、九州本土と行き来もしやすいため、離島の暮らしを満喫しながらも大きな不便を感じない生活が送れますよ。

そんな長島町への移住におすすめの人の特徴は次の通りです。

  • 美しい自然に囲まれて生活したい人
  • 写真撮影が趣味の人
  • 釣りが好きな人
  • 離島暮らしを楽しみながらも、そこそこ便利に暮らしたい人

それでは、なぜこのような人におすすめなのか、その理由となる特徴を解説していきます。

特徴1:島ならではの絶景多数!

長島町は、長島本島と諸浦島、伊唐島、獅子島などの島から成り立っています。そんな長島町をめぐれば、島ならではの絶景にいくつも出合えますよ。

長島町の特徴は入り江が多いことです。そのため、町中のいたるところから透き通るようなコバルトブルーの海を見ることができます。また、町の特産であるジャガイモを育てる段々畑が広がる光景も特徴的で、ジャガイモ畑の緑が目にまぶしく、ほのぼのとした穏やかさも感じられます。

長島町のジャガイモ畑
▲青々とした緑が目にまぶしいジャガイモ畑。長島町ならではの光景のひとつ。

町の中と外を結ぶ「黒之瀬戸大橋」からは、木々や海の雄大なパノラマが広がります。なんと、この景観に惚れて移住を決断した人もいるほどです。黒之瀬戸は、日本三大急潮に数えられるほど潮の流れが速いので、大潮のときには海の力強さも感じられます。

長島町と九州本土を結ぶ黒之瀬戸大橋
▲長島町と九州本土を結ぶ黒之瀬戸大橋。ドライブも楽しめる。

「針尾公園」の展望台からは八代海に浮かぶ島々や伊唐大橋、雲仙普賢岳が望め、その美しさは圧巻。ちなみに公園内のトイレからも美しい景色が見られ、眺望日本一のトイレを目指しているんだそうです。

針尾公園からの景色
▲針尾公園からの景色。コバルトブルーの海が広がり島々の様子がわかる。ブリの養殖も行われている。

「行人岳」ではツルの北帰行が見られます。山頂付近でツルが上昇気流をつかみ北へ飛び立つ姿は美しく、感動を覚えます。

このように、長島町では日常的に息をのむような美しい光景が見られます。カメラを片手にふらっと町を巡るだけで、いい写真が何枚も撮れそうですね。

道路が整備されているので、雄大な景色を眺めながらドライブもできますよ。朝起きてから夜眠るまでいくつもの絶景に出合えるので、生活の質は自ずと高まるはずです。

特徴2:自然を活かしたアクティビティを楽しめる

長島町は、美しい自然を活かしたアクティビティにチャレンジできるのも魅力のひとつです。

長島町は、特に釣りスポットとして高い人気を集めています。鯛やヒラメ、ブリ、赤イカ、水イカ、カンパチ、メジナ、たこ、かさご、イシダイなどの豊富な種類の魚を釣ることができるので、町外からも釣り好きが訪れるんですよ。

長崎鼻灯台公園にある灯台の下は、絶好の磯釣りスポットです。夕陽が美しい公園としても有名なので、美しい夕陽を眺めながらのんびりと釣りをすることができますよ。

獅子島には釣り体験クルーズも運用されており、友達や職場の同僚と一緒に釣りができます。釣り道具やエサも準備されているので、釣りの初心者でも気軽に挑戦できますよ。獅子島の海岸にある奇岩や絶景を眺めながら、仲間と一緒に穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

また獅子島では、ごち網漁体験やたこつぼ漁体験、ブリ・タイへのエサやり体験もできます。「長島町で漁業に挑戦してみたい」と考えている人にとっても絶好のアクティビティですね。

そして、長島町には海水浴場と一体となったキャンプ場もあります。家族で海水浴やバーベキューを楽しんだ後にキャンプをすれば、子どもにとっては最高の夏の思い出ですよね。

このように、長島町では自然の恵みを活かしたアクティビティを心ゆくまで満喫することが可能です。

特徴3:大きな不便さを感じずに「離島暮らし」を満喫できる

「離島暮らし」に憧れを持っている人の中には、「離島に暮らしてみたいけど、不便すぎるのは嫌だな…」と移住をためらっている人もいるかもしれません。その点、長島町であれば自然の美しさやアクティビティを満喫しながら、そこまで不便を感じずに離島暮らしをゆったりと楽しめます。

九州本土には黒之瀬戸大橋でつながっており、鹿児島県出水市へは車で40分ほどで行けます。少しだけ足をのばせば、スーパーで日用品を買うのはもちろん、外食の選択肢を広げることができますよ。

また、県庁所在地である鹿児島市へは、長島町役場から1時間40分ほどで行くことが可能です。休日には鹿児島市へ出かけて映画を見たり洋服を買ったりできます。

車を持ってさえいれば、いつでも自分の好きなタイミングで九州本土と行き来ができるため、買い物などで大きな不便を感じることはありません。

鹿児島県長島町の暮らし

鹿児島県長島町の特徴について知っていただいたところで、次に長島町で暮らす上で役立つ情報を紹介していきます。まずは、以下の概要をご覧ください。

気候 年間平均気温は17.5度。8月には平均気温が31度を超え、夏は暑い。冬は最も寒い1月で平均気温が約5度。雪が降ることもあり、寒い。
※長島町内に気象観測地点が無いため、阿久根地点を参照。
人口 9,835人(令和4年11月1日時点)
病院 病院と診療所があわせて7か所
学校 小学校7校、中学校3校
保育所・こども園 保育所5か所、こども園2園
イベント すいせんウォーク(1月)、獅子島ウォーク(2月)、夢追い長島花フェスタ(3月~5月初旬)、じゃがいも祭り(5月)、サマーフェスティバルinながしま(7月)、ぶりのつかみ取り大会(7月)、御八日踊り(8月)、長島トライジョギング大会(10月)、ながしま造形美術展(10月~11月、隔年開催)、長島町総合文化祭(11月)、おさかな祭り(11月)、長島一周駅伝(11月)、長島つわぶきウォーキング(11月)、長島フェスタ(12月)
特産品 焼酎「さつま島美人」、赤土バレイショ、さつまいも、みかん、長島海峡アジ、ブリ、青オサ、活魚、海鮮、甘夏・紅甘夏、デコポン、海産物、農産物加工、長島銘菓「赤巻き」
交通

【空港】
町内に空港なし
最寄りは鹿児島空港

【鉄道】
町内に鉄道路線なし
最寄り駅は、JR九州九州新幹線・肥薩おれんじ鉄道肥薩おれんじ鉄道線の出水駅

【一般バス路線】
南国交通、コミュニティバス(がらかぶ号、マンダリン号)

【船舶】
三和商船(三和フェリー)、天長フェリー(フェリーロザリオ)、山坂汽船(フェリー海竜)、獅子島汽船(獅子島)、波戸汽船(旅客船すずかぜ)

娯楽 ブーゲンビリアの丘、長島青少年旅行村(小浜海水浴場・キャンプ場)、太陽の里、あづま海水浴場・松ケ平キャンプ場
近隣都市 架橋により隣接:阿久根市
海上で隣接:熊本県天草市
子育て環境 待機児童ゼロ。0歳から高校終了まで、子どもの医療費保険適用分全額が助成される。

このように見ると、豊かな自然を活かした特産品が多数あることがわかりますね。特に、長島町は養殖ブリにおける日本一の産地として有名で、ブランドである「鰤王」は「かごしまのさかなブランド」にも認定されています。また、温州みかん発祥の地でもあり、柑橘類も豊富に栽培されているのも特徴です。

そして長島町では、一年を通して多くのイベントが開催されています。島の美しさや自然の恵みを感じられるイベントが多く、住民の方たちと交流するきっかけになりそうです。長島町の自然が好きなのであれば、すぐに住民の方たちと仲良くなれそうですね。

長島町は「花のまち」としても知られており、「すいせんウォーク」や「夢追い長島花フェスタ」は島を歩きながら花の美しさを感じることができます。

2017年にオープンした「ブーゲンビリアの丘」では、ハウスの中で30種類以上の色鮮やかなブーゲンビリアを鑑賞できます。花が好きな人にとっても、長島町は魅力的な移住先かもしれません。

ブーゲンビリアの丘のブーゲンビリア
▲目にも鮮やかなブーゲンビリア。

また、長島町は小規模な自治体でありながらも子育て環境が整っている点も魅力。町内に保育園が5か所、こども園が2園あり、待機児童はゼロです。0歳から高校卒業まで、子どもの医療費保険適用分が全額助成されるのも、家計にうれしいですね。

小学校と中学校も長島町内にそろっています。高校は町内にはありませんが、町外へ通学するためには出水・阿久根方面に路線バスがあるため、子どもは長島町から高校に通うことも可能です。

仕事:長島町ならではの仕事を見つけやすい

大手求人サイトで長島町の正社員情報を探したところ、約500件の求人情報を見つけられました。また、ハローワークインターネットサービスで長島町の求人情報を確認したところ、約80件がヒットしました。※2022年11月縁結び大学調べ

内容を見てみると、焼酎瓶詰ライン業務や、焼酎の製造・運搬スタッフの求人がありました。長島町の特産品である本格焼酎「さつま美人」は人気が高く売り上げも伸びているので、関連する求人を見つけやすいのかもしれません。

長島町内には焼酎工場の他にも、食鶏処理場、電子部品の製造検査工場、食料品製造業、被服関係の縫製工場、くつの製造工場などが操業しています。養鶏作業員や設備オペレーター、さつまいもの加工業務、ミシンの修理・保守点検、ミシンオペレーターなどの求人も見つかりました。

求人の数は豊富であるとはいえませんが、特産品に関する仕事など長島町ならではの仕事が見つけられると思います。

住まい:空き家バンクの掲載物件に住めば改修のための補助が受けられる

長島町の生活・移住応援サイトである「長島暮らし」には、賃貸や売買などの空き家バンク情報が掲載されています。※2022年11月現在物件情報は掲載されていません。

空き家バンクに登録された空き家に住む場合、改修にかかる費用の補助が受けられます。改修工事における3分の2(最大333万円)の補助を受けることが可能です。最大で333万円もの補助を受けられるのは全国的に見てもかなり手厚いので、できるだけ活用したいところですね。

参考:かごしま移住ネット「長島町 支援制度」より

民間の物件情報サイトにも長島町の物件は掲載されていないこともあり、物件を探すのが大変かもしれないので、「長島暮らし」の物件情報をこまめにチェックしておくことをおすすめします。

長島町に移住した人の声:住民が優しく、移住者を気にかけてくれる

鹿児島県長島町の移住者の声

ここで実際に長島町へ移住した人の声を紹介していきます。

  • 住民の方は移住者を気にかけてくれて、米や野菜をおすそ分けしてくれる。
  • 住民の方は島の農水産物や自然を大切にしていて、島が好きであることがわかる。
  • 子どもが病気になったときに、すぐに駆け込める小児科がなかったので、困った経験がある。
  • 長島町に住んで、家族と過ごせる時間が長くなった!
  • 今日あった嫌なことを忘れられるくらい景色がきれい。

移住者の声として多かったのが「住民の方が優しく、移住者を気にかけてくれるのがありがたい」という声でした。米や野菜をおすそ分けしてくれたり、子どもを見てくれたりすることがあるそうです。豊かな自然に囲まれ島が大好きであるからこそ、住民の方たちは心優しくおおらかな人が多いのかもしれませんね。

長島町の地域おこし協力隊員である大東勝行さんによると、移住者が多く住む地域は、町役場やAコープ、学校などがそろった鷲巣地区だそうです。ちなみに、長島町への移住相談は関東地区の人からが多いそうです。

長島町への移住に関するお問い合わせ

移住したいとう気持ちが高まったら、納得いくまで長島町に訪れて「自分は長島町で暮らしていけるのか」について確認をしましょう。

その際はできるだけ住民の方と交流を持つのがおすすめ。例えば、ごち網漁体験やたこつぼ漁体験、ぶり・たいのえさやり体験などをしてみてはいかがでしょうか。風土・人・文化に直接触れられるので、自分と長島町との相性を確認しやすいですよ。

もし移住に関してわからないことがあれば、以下からお問い合わせください。

長島町に沈む夕日

担当課 長島町役場地方創生課
住所 〒899-1498 
鹿児島県出水郡長島町鷹巣1875番地1
電話番号 0996-86-1101
対応時間 8:30〜17:00
公式サイト https://www.town.nagashima.lg.jp/