【高知県三原村への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、高知県三原村(みはらむら)の魅力を紹介していきます。
三原村は、四国の最南端かつ最西端に位置する人口約1,400人の村です。子育て世帯への支援や空き家の活用に力を入れており、周りが山に囲まれた自然豊かな暮らしができる地域です。
そんな三原村での暮らしの特徴やその魅力について、地域振興課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
高知県三原村の暮らし、3つの特徴
知る人ぞ知る米どころとして、三原村では昔から米作りが盛んに行われてきました。米作りを支えてきたのは山から湧き出る清水です。三原村の豊かな水資源は、米だけにとどまらず、一年を通して美味しい農作物も育んでいます。
三原村は空き家を改修して、新たに「空き家再生住宅」として貸し出したり、「移住促進共同住宅」として気軽に滞在できる体制を整えたりなど、移住者の居住確保にも力を入れています。
豊かな自然環境の中でのびのびとした暮らしができる三原村は、以下のような特徴があります。
- 一年を通して美味しい旬のものが食べられる
- 子育てや教育のサポートが手厚い
- 住みやすい住宅の確保に努めている
それではここから、三原村の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:一年を通して美味しい旬のものが食べられる
▲三原村で採れた新鮮な野菜で作られた田舎寿司
三原村の魅力の一つとして、春夏秋冬、旬の美味しい物が食べられることがあげられます。特産品のお米やユズはもちろん、春は山菜、夏は川エビや鮎、ウナギなどの魚がとれ川魚にも恵まれています。また、秋にはツガニ、冬には山芋などが収穫されます。
▲三原村ではウナギなどの川魚が豊富
▲三原村でとれた「川エビの唐揚げ」
▲三原村の秋の味覚「さまつ」。食感は松茸に似ている
▲三原村でとれる「きくらげ」
▲三原村の「ツガニ」
野菜や魚などの豊かな恵みを活用した、三原村ならではの鍋料理が「どぶろく鍋」です。2004年に「どぶろく特区」の認定を受けた三原村では、どぶろく作りが盛んです。
高知と言えば宴会の文化「おきゃく」が上げられますが、三原村でも部落の中で宴会等が行われています。食を通じて、住民同士が仲良くなるきっかけがあるのも素敵ですね。
特徴2:子育てや教育のサポートが手厚い
▲オーストラリアで交流をはかる三原村の中学生(引用:三原村)
三原村では、子育てと教育への支援に力を入れています。子育てに関する主な支援は以下のようなものがあります。
制度 | 概要 |
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ゆりかご祝金 | 出産に応じて祝い金を支給 ・第1子:10万円 ・第2子:20万円 ・第3子以降:40万円 |
医療費無償 | 村内在住の0歳から18歳未満の子どもの医療費が無料 |
給食費の無償化 | 三原村の保育所・小学校・中学校の給食費が無料 |
出産に対する祝い金の支給や、医療費の助成と給食費の無償化など、三原村では子育てにおいてベースとなる支援がしっかりと整備されています。
教育の面でも特色ある取り組みを行っています。
同じ高知県内の方にも「三原村ってどこにあるんですか?」と言われてしまうことがあるそうです。村の魅力を知ってもらうため、中学生が高知市のファーマーズマーケット「とさのさと」に赴き、特産品を販売する実習を行っています。
村で育てたお茶や野菜、お米などを自らの手で売ることで、中学生自身も三原村の魅力を再発見することに繋がっているようです。
また、日本だけでなく世界にも目を向けてもらおうと、中学3年生を対象としてオーストラリアに10日間のホームステイができる「三原村中学生海外派遣事業」も実施しています。村の予算で実施されているため自己負担が少なく、希望者が全員渡航できるのも大きな魅力です。
この事業は継続して実施されているので、開始当初と比較するとホームステイを受け入れてくれる家庭が多くなったそうです。語学の勉強も兼ねた海外経験を積むことのできる機会として、多くの中学生が参加しています。
子育ての手厚い支援や、教育のサポートなど三原村が子どもの未来をより良いものにしたいと考えていることがわかりますね。
特徴3:住みやすい住宅の確保に努めている
▲「空き家再生住宅」として生まれ変わった物件
大手賃貸サイトで三原村の賃貸物件を探したところ、物件情報は見つけることができませんでした。※2023年9月現在
三原村に限らず、都市圏から離れた地域ほど賃貸物件は少なくなる傾向にあります。そこでよく活用されているのが「空き家バンク制度」ですが、三原村では更にその一歩先として、「空き家再生住宅」を用意しています。
通常の空き家バンク制度では、改修などは賃貸者や購入者に委ねられることが多いのですが、三原村では、村が空き家を借上げてリフォームを行い、賃貸できる住宅として整備しているのが特徴です。
「空き家再生住宅」はキッチン・風呂・トイレなどの水回りの設備の取替、オール電化住宅化など、すぐに住める状態まで改修された物件で、月2万円で最大10年住むことができるのが大きな魅力です。
また最短5日から最長2年まで滞在できる「三原村移住促進共同住宅」も用意しています。
▲移住促進共同住宅の内観
鉄骨平屋の建物の中には、7部屋の個室、共同のスペースやキッチンが整備されています。それぞれの部屋には、冷蔵庫、洗濯機、机にベッド、バスとトイレも完備されているので、共同生活ながらも程よい距離感で滞在が可能です。
まずは、移住促進共同住宅に滞在し、その間に空き家再生住宅や村営住宅などに空きを見つけ、引っ越しをする人もいます。三原村でのお試し移住を試すのにもぴったりの住宅です。
新築を考えている方は、「定住促進用分譲宅地購入助成(若者)」の活用がおすすめです。通称「星ヶ丘団地」と呼ばれる土地を購入する際に、世帯主の年齢が満40歳未満の方は代金の20%が、満40歳以上51歳未満の方は代金の10%が控除される制度です。
加えて、三原村内の建築業者に新築の一括請負をした場合は、売買代金の5%が還元されます。
移住の際に必ず課題となってくるのが住まいの問題ですが、三原村では移住者の住居確保に動いています。
高知県三原村の暮らしに関する情報
▲毎年8月に行われている「みはら祭り」の花火の様子。子どもたちの腕相撲大会なども行われ、賑わいを見せる
ここからは三原村での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温27.4℃ ・冬(1月):平均気温7.4℃ ※参考:気象庁ホームページ(宿毛地点) |
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人口 | 約1,400人(約700世帯) ※令和5年8月31日時点 |
病院 | 村内には診療所がある ※2023年9月時点 |
学校 | 保育所1園、小学校1校、中学校1校 ※2023年9月時点 |
交通 | 【バス】 ・三原バス(村営):東便・西便・南便・北便 【道路】 ・高知県道21号土佐清水宿毛線 ・高知県道46号中村宿毛線 ・高知県道346号中村下ノ加江線 |
隣接自治体 | 四万十市、宿毛市、土佐清水市 |
大都市からのアクセス | 【公共交通機関】 ・高知駅から、平田駅(宿毛市)まで電車で約2時間。そこから三原バスで約20分 【車】 ・高知市または高知空港から:約2時間30分 ・四万十市から:約30分 ・宿毛市から:約20分 |
三原村は夏でも朝晩は涼しく、快適に過ごせます。山に囲まれているため、津波などの災害の心配もありません。
公共交通機関が限られているため、生活には車が欠かせません。車がない場合は、役場周辺や宮ノ川エリア、柚ノ木エリアなど、バスの通っているエリアへ移住すると良いでしょう。
村内に大きなスーパーやコンビニはありませんが、町の中心部には、日用品から生鮮食品にお惣菜を取り扱っている「みはらのじまんや」があるため、日々の生活には困ることは少ないです。
また、カタログ通販や、週に2回スーパーの配達車がやってくるのを活用している人もいます。
村内は13の部落があり、それぞれの部落ごとに防災訓練や一斉清掃などの集まりがあります。部落会への加入は必須ではりませんが、横の繋がりを作るには入るのがおすすめです。
移住する方によって、周りに人がいないところを好まれたりなど、求める環境は違うと思います。どんなところに住みたいか相談してくださいね。
【仕事】伝統特産品「土佐硯」の後継者育成制度や、ユズの新規就農支援もあり
大手求人サイトで「三原村×正社員」で検索したところ、約20件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(村内から25km以内)で検索したところ、求人数は約1,600件まで広がりました。※2023年9月時点
※参考:求人情報の一例(三原村のみ)
※参考:求人情報の一例(三原村から25km以内)
村内の求人数は少なめですが、近隣の宿毛市や四万十市は車があれば通勤可能圏内のため、村外で働いている人が多いようです。
三原村は、室町時代が起源とされ、高知県指定の伝統的特産品でもある土佐硯(とさすずり)の生産地です。土佐硯を後世に残すための後継者育成を目的にした研修制度に取り組んでおり、要件を満たせば研修期間中に毎月15万円が支給されます。伝統工芸に興味がある方はぜひチェックしてみましょう。
公式:後継者募集情報-土佐硯
また、三原村で農業に挑戦したい方に対して、新規就農者支援を行っています。特に特産品であるユズは、園地を貸与してもらえたり、農業機械をレンタルしたりすることもできます。
【子育て】自然豊かな村全体が子どもたちの遊び場
▲星ヶ丘公園のスイレン
三原村で一番大きな公園は「星ヶ丘公園(ヒメノボタンの里)」です。季節によっていろいろな花や草木を楽しむことができ、9月には絶滅危惧種であるヒメノボタンを一目見ようとたくさんの人が訪れます。
スイレンやオオオニバスなどが見頃を迎える6月頃には幻想的な風景が広がり、地元に住む人でも1日2回訪れる人がいるほどの人気スポットです。子どもを連れて散歩をするのにもおすすめですよ。
また、村内には無料で利用できるキャンプ場があり、川遊びもできます。自然がいっぱいな三原村では、村全体が子どもたちの遊び場であると言えそうです。
村では小学生を対象に「放課後子ども教室」を実施しており、宿題、読書、軽スポーツなど、子どもたちが過ごせる場も提供しています。
三原村長からのメッセージ「どぶろく特区発祥の村」
▲三原村の田野正利村長
高知県の西南に位置し、以前はどこにでもあった日本の原風景が広がる水稲の里、高知県三原村。
村の南には標高868メートルの今ノ山があり、四万十市、宿毛市、土佐清水市すべての源流をなし、昼夜の寒暖差が大きく米作りが盛んです。人々は自然に逆らわず、旬の食材や文化、日常の営みを守って暮らしています。
そして、なんといっても長年お遍路さんを受け入れてきたおもてなしの心、あたたかなホスピタリティあふれるところが、村の大きな自慢です。ぜひ一度、体感しにこの三原村へお越しください!
高知県三原村に暮らす先輩移住者の声
実際に三原村で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 空気が美味しく、星がすごく綺麗
- 子どもがのびのびと遊ぶようになった。川遊びなども楽しそうにしている
- 狭い道もあるので、移住した一年目はドキドキしながら車の運転をしていた
- 村にはコンビニも大きなスーパーもないが、魚も野菜も安くて新鮮なものが揃う
- 野菜や苗のおすそ分けをしてもらったりと、地域の方々に良くしてもらっている
- 移住前に「お酒は呑めますか?」と確認があって、さすが高知だなと思った。飲めなくても、もちろん大丈夫ですよ
豊かな自然と、温かい人たちの中で、大人も子どももゆったりと過ごしているようです。
高知県三原村への移住
三原村への移住を検討し始めたら、まずは村へ行ってみましょう。
「移住促進共同住宅」には短期滞在(5日以上1ヶ月未満)ができる2部屋と、長期滞在(1ヶ月以上2年未満)ができる5部屋が用意されていますが、満室になることはあまりありません。
実際に滞在することで村について知ることができますし、滞在中は移住相談員がサポートしてくれるので、困ったことがあっても気軽に相談できます。
実際に来て、見て、体験して頂ければ三原村の魅力がわかって頂けると思います。ぜひ一度訪れて下さいね!
三原村への移住に関するお問い合わせ
三原村に興味を持った方は、まずは地域振興課に問い合わせてみてください。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 三原村役場 地域振興課 |
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住所 | 〒787-0892 高知県幡多郡三原村来栖野346 |
電話 | 0880-46-2111 |
公式サイト | http://www.vill.mihara.kochi.jp/kurasi/ |
移住サイト | http://www.vill.mihara.kochi.jp/kurasi/ijyu2015/index.html |