【福島県桑折町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、福島県桑折町(こおりまち)の魅力を紹介していきます。
桑折町は、福島県の北部に位置する人口約11,000人の町です。30年連続で町内産の桃を天皇陛下や宮家に献上しており、桃の名産地「献上桃の郷」として知られています。子育て世帯の支援に力を入れているので、自然環境の豊かな地域で子育てしたい方にぴったりの町です。
そんな桑折町での暮らしの特徴やその魅力について、桑折町役場建設水道課の吉田さんに伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
福島県桑折町の暮らし、4つの特徴
桑折町は福島市まで車で約30分、電車でも約15分という立地の良さと、子育てや教育の支援に力を入れている子育て世帯に優しい町です。県内有数の桃の名産地でもあり、夏はホタルが飛び交う自然が美しい地域でもあります。
そんな桑折町は以下のような特徴があります。
- 福島県でも有数な桃の産地「献上桃の郷」
- 独自の支援も実施。子育て世帯に手厚い町
- 町全体で子どもたちの教育をサポート
- 元宿場町の利便性の良さ。鉄道も高速道路もアクセス良好
それではここから、桑折町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:福島県でも有数な桃の産地「献上桃の郷」
▲桑折町で育てられた桃はひとつひとつが光センサー選果機で選別されている
福島県の果物といえば一番最初に「桃」を浮かべる人も多いのではないでしょうか。桑折町でも高品質な桃が栽培されており、福島県の献上品として、平成6年から30年連続で桑折町産桃が天皇陛下や宮家に献上されています。
平成28年には「献上桃の郷」としての商標登録も認められました。「献上桃の郷」商標を利用するには、以下の条件が定められています。
- 町公認の取扱い業者であること
- JAふくしま未来桑折共選場または、伊達果実農業協同組合から出荷されていること
- 光センサー選果機を通し、糖度・大きさ・着色等が一定の基準をクリアしていること
これらの厳しい条件が、桃の高い品質保持にも一役買っています。まさに「桃源郷」と言える桑折町は、桃好きの方にぴったりの町です。
阿武隈川沿い、国道4号の東側のエリアには広大な桃畑があり、春になると桃の花が満開に咲き誇ります。辺り一面が桃の花のピンク色で埋め尽くされ、「桃源郷」の名にふさわしい光景が見られます。
▲春には桃の花が一斉に咲き、幻想的な光景を見せる
この桃源郷の中を「桑折ピーチライン」という道路が通っているので、ドライブをしながら桃の花のお花見をすることもできます。
桑折町の桃が食べられるのは極早生が出てくる6月中旬から、極晩生の10月上旬ごろまでです。主力品種の「あかつき」に加え、「はつひめ」「ふくあかり」「まどか」「なつおとめ」「川中島白桃」「幸茜」「さくら白桃」など、さまざまな品種の異なる味わいの桃が直売所でも手に入ります。
贈答品などでも喜ばれる桃は、桑折町自慢の産品です。
特徴2:独自の支援も実施。子育て世帯に手厚い町
▲独自の支援として幼稚園の入園や小中学校に入学する際に制服を支給している
桑折町では子育て支援に力を入れています。「18歳までの子どもの医療費の助成」や「幼稚園・小中学校給食費の無償化」などのほか、以下のような桑折町が独自で行っている子育て支援もあります。
制度名 | 概要 |
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すくすく育児パッケージ | 出産祝いとして、町から紙おむつ、おしり拭き、手くちふき取りナップ、マグマグセット、おもちゃなどをプレゼント |
醸芳幼稚園入園祝品制服支給事業 | 新年度に新たに醸芳幼稚園に入園する幼児を対象に制服を支給 |
小中学校入学祝品制服支給事業 | 小中学校に入学する児童生徒を対象に制服を支給 |
公式:桑折町(桑折町独自の子育て支援事業)
公式:桑折町(子ども医療費助成制度)
公式:桑折町(給食費負担軽減事業)
また、子育てに対する不安を解消してもらうため桑折町子育て世代包括支援センター「すくすく」では、子育て相談ができる体制をとっています。子育てアプリを利用しオンライン相談も可能なため、育児で身動きが取れない場合などにも、気軽に相談することができます。
公式:桑折町(子育て相談)
ここではその全てが紹介できないほど、桑折町ではその他にもさまざまな子育て支援事業を行っています。詳しくは「子育て応援ガイドブック」や「子育て総合情報誌」で紹介していますので、チェックしてみて下さい。
公式:桑折町(子育て情報誌)
特徴3:町全体で子どもたちの教育をサポート
▲タブレットを活用したICT教育にも力を入れている
子育ての支援に力を入れている桑折町では、同じように教育にも力を入れています。町では、「桑折町の15歳のめざす姿」を教育目標と、目指す子ども像を「人間としての基本を身に付け、強みを発揮して、たくましく未来を切り開いていく桑折っ子」と掲げ、0歳から義務教育終了の15歳を見据えた教育に取り組んでいます。
幼稚園・小中学校で目指す姿を共有し合い、それぞれの年齢に即した具体目標を掲げ、教育内容の充実に努めています。
平和学習の一環として、小学生を「広島平和記念式典」に派遣する取り組みを行っています。
また、小中学生を対象に、町が主導で参加費無料の学習塾を開催しています。特徴としては、ただ学校の補講的な意味合いだけに特化した内容ではないことです。
▲桑折学習塾開校式の様子
学習指導には、民間学習塾講師・元教員・学習ボランティア・指導主事に担って頂き、例えば、小学生を対象にした授業では漫画家になって吹き出しの台詞を考えたり、「うそ日記」を書いたりなどをして、国語力だけでなく発想の柔軟性を高めるような授業を行っています。
中学1・2年生を対象とした授業では、学校外の学習習慣作りと学習意欲の向上を通して学力を高めるための取り組みを、中学3年生を対象とした授業では、高校進学に向けた問題演習も実施しています。
町全体として、子どもたちの成長を見守りサポートするため、さまざまな取り組みを行っているのが桑折町の魅力の一つです。
特徴4:元宿場町の利便性の良さ。鉄道も高速道路もアクセス良好
桑折町はもともと奥州街道と羽州街道の分岐点である宿場町として栄えてきた歴史があります。そのため、現在でも鉄道・道路の両方の面でアクセスが良い地域です。
電車の場合、福島駅までは町内の桑折駅からJRの東北本線を使い、約15分で行くことができます。福島駅からは新幹線に乗ることもできるので、仙台や東京などの都市圏へ行く際にも便利です。
車の場合、福島市内には国道4号を経由し、約30分で到着します。町内の南部には「伊達桑折IC」と「桑折町JCT」があるため、東北自動車道・東北中央自動車道へのアクセスも可能です。
福島市の近隣自治体で生活圏や経済圏が同じことからも、その利便性の良さがうかがえます。
公式:桑折町(交通アクセス)
福島県桑折町の暮らしに関する情報
▲夏場になるとホタルが見られるほど、水が綺麗で環境が良いことがわかる
ここからは桑折町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温25.5℃ ・冬(1月):平均気温1.9℃ ※参考:気象庁ホームページ(福島地点) |
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人口 | 約11,000人(約4,600世帯) ※令和5年9月1日現在 |
病院等 | 町内にはクリニックも含め11件の医療機関がある ※2023年10月時点 |
学校 | 保育所1園、幼稚園1園、小学校4校、中学校1校 ※2023年10月時点 |
交通 |
【鉄道】 |
隣接自治体 | 【県内】福島市、伊達市、伊達郡国見町 【宮城県】白石市 |
大都市からのアクセス | 【仙台から】 ・東北自動車道を経由し、車で約50分 ・東北本線(普通)を利用し、電車で約1時間 【福島から】 ・国道4号を経由し、車で約30分 ・福島交通(藤田線)を利用し、バスで約35分 ・東北本線(普通)を利用し、電車で約15分 |
桑折町は盆地であることから、夏と冬では寒暖差があります。福島県内でも雪が多いとされている会津地方のように、いわゆる「どか雪」が降ることはありませんが、足元くらいまでの積雪は年に数日間あります。冬場はスタッドレスタイヤが必須です。
町の中心部に国道4号が通っており、高速道路のICなどへのアクセスが良い桑折町は、車が中心の地域です。郊外から町の中心部にあるスーパーやドラッグストアに行くのも、車があればそこまで不自由はしません。
車を使えば、伊達市まで約15分、福島市まで約30分で行くことができるので、大きな買い物をする際には近隣の市町に足を延ばす人も多いようです。
【仕事】近隣も含めて選択肢は多い。就農や店舗の立ち上げへの支援制度もあり
大手求人サイトで「桑折町×正社員」で検索したところ、約150件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索すると、求人情報は約7,000件まで広がりました。※2023年10月時点
※参考:求人情報の一例(桑折町のみ)
※参考:求人情報の一例(桑折町から25km以内)
近隣自治体も含めると、職業の選択は多いと言えます。実際、町民の約半数は町外で働いているようです。
また、農業分野の地域おこし協力隊の募集や、空き店舗を活用した事業へ補助金を交付するなど、桑折町で新たなことに挑戦する人に対しても支援制度を設けています。
高品質な桃を栽培する担い手を目指す、地域おこし協力隊も募集
桑折町では農業分野の地域おこし協力隊を募集しています。桑折町ならではの全国に誇れる極上な桃を栽培する担い手を求めていて、町内の桃生産者のもとで、栽培技術を学びながら就農を目指すことができます。
移住者の中には農業を目的として桑折町に引っ越してくる人もいるそうです。農業の中でも特に「桃」の栽培に興味があれば、地域おこし協力隊についてもチェックしてみて下さい。
空き店舗を活用した事業に補助金を交付
桑折町で新しく店舗を始めたいと考えている方は「桑折町空き店舗出店支援事業補助金」を活用すると良いでしょう。これは、町内の空き店舗を活用して事業を行う人を対象に、空き店舗等の土地建物取得費や店舗の改装費、空き店舗等の賃借料を補助するものです。
対象業種は小売業やサービス業などに限定されますが、新事業の立ち上げを考えている場合、まずは担当の産業振興課商工振興係に相談してみて下さい。
【住まい】住宅の取得や、賃貸に対しての支援制度あり
▲2023年10月現在は募集を終了しているが、町では子育て世帯定住促進住宅も用意していた
大手住宅情報サイトで桑折町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約30件見つかりました。
家賃は築年数や広さ、立地などによって大きく変動しますが、2LDKの築浅物件で家賃が5万円台のものもありました。アパート・マンションを希望する方はまずは賃貸サイトのチェックから始めると良いでしょう。※2023年10月時点
参考:物件情報の一例
また、町では住宅に関するいくつかの支援制度を用意しています。
制度名 | 概要 |
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桑折町結婚新生活支援事業 | 39歳以下の夫婦を対象に、住居費用、引越費用、リフォーム費用を支援(最大60万円) |
若者定住促進事業補助金 | 申請者又は配偶者が45歳未満である人を対象とし、「住宅取得支援事業」として30万円、「住宅リフォーム支援事業」として20万円の補助基本額を支給 |
桑折町新婚世帯家賃支援事業補助金 | 申請者又は配偶者が45歳未満である人を対象とし、月額上限10,000円で、最長2年間の賃貸家賃を補助 |
移住者の傾向としては、町の中心部に家を建てるか、アパート・マンションを借りる人が多いようです。住宅を取得する場合も、賃貸物件へ住む場合も、それぞれ補助制度があるので、うまく活用するようにしましょう。
桑折町でも空き家バンク制度を取り入れていますが、物件数は多くないのが現状です。ただ、たまにすぐに住める良物件が登録されることもあるので、チェックしてみて下さい。
【子育て】温水プールなど、屋内で遊べる施設「イコーゼ!」を活用しよう
▲屋内温水プール・多目的スタジオ「イコーゼ!」のベイビーズルームで遊ぶ親子
桑折町には、公共施設「イコーゼ!」があります。小さなお子さんから大人まで利用できる温水プールや、子どもたちが遊びながら親同士の交流が可能なベイビーズルーム、プレイルームがあります。
「読み聞かせ」イベントや大人向けの市民講座なども行われており、町内の遊びや交流の場として活用されています。町内には大小さまざまな公園がたくさんありますが、天気の悪い日などは「イコーゼ!」に行ってみると良いでしょう。
「イコーゼ!」の隣の「桑折町ふれあい公園」では、暖かい季節になると、ボール遊びなどをしている子どもたちの姿をよく見かけますね。
福島県桑折町に暮らす先輩移住者の声
実際に桑折町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 仙台や東京にも近く、交通アクセスにも恵まれていると思う
- いろいろなお店もあり不便は感じないが、生活していく上で車は必須だと思った
- 半田山などの美しい景色や豊かな自然、温泉にもすぐに行けるところが気に入っている
- 移住前の生活よりも通勤に時間はかかるが、その分落ち着いた環境の中、自分たちの家で暮らせるので満足している
- 高校生が、自分からあいさつしてくるという経験は、これまでの生活の中ではあまりなかったことなので、驚きと共に生活環境の良さを感じた
- 自然が豊かで、食べ物や水、お酒などおいしいものもたくさんある。以前住んでいた地域の友人に久しぶりに会ったら「顔色が良くなったね」と言われた
生活する上での利便性や近隣市町へのアクセスの良さと同時に、自然や住環境、人との繋がりの良さを感じている方が多いようです。
福島県桑折町への移住
▲桑折町お試し住宅「ホタピーハウス」は和風の一軒家
桑折町のことがもっと知りたいと思ったら、現地に行ってみるのが一番です。桑折町ではお試し住宅を用意しており、最大1週間まで無料で滞在することができます。
通称「ホタピーハウス」と呼ばれるお試し住宅の周辺には、スーパーやコンビニ、飲食店に保育所や幼稚園、小学校もあるので、桑折町の雰囲気を知るにもちょうど良い立地です。
空き状況などは都市整備係にお問い合わせ下さい。
「ふくしま移住希望者支援交通費補助金」を活用すれば、交通費の定額補助が出る場合もあります。タイミングによっては町内の案内も可能なので、まずは相談して下さいね。
桑折町への移住に関するお問い合わせ
桑折町に興味を持った方は、まずは都市整備係に問い合わせてみてください。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 桑折町役場 建設水道課 都市整備係 |
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住所 | 〒969-1692 福島県伊達郡桑折町大字谷地字道下22番地7 |
電話 | 024-582-2124 |
公式サイト | https://www.town.koori.fukushima.jp/index.html |
移住サイト | https://www.town.koori.fukushima.jp/ijuteiju/index.html |