【三重県紀北町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、三重県紀北町(きほくちょう)の魅力を紹介していきます。
紀北町は、三重県の南部に位置する人口約14,000人のまちです。海・山・川が暮らしのすぐそばにあり、夏は涼しく冬は暖かい温暖な気候に恵まれた環境から、漁師町として栄えてきました。
そんな紀北町での暮らしの特徴やその魅力について、地域おこし協力隊の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
三重県紀北町の暮らし、4つの特徴
紀北町は、町と海・山・川の距離が近いため、常に豊かな自然に触れることができる環境にあります。リアス式海岸や黒潮の影響から漁場にも恵まれています。釣りはもちろんのこと、アウトドアが好きな方にぴったりの町です。
そんな紀北町は、具体的に以下のような方におすすめです。
- 海、川、山、空、自然の全てを感じながら生活したい方
- 釣りをはじめとしたアウトドアが好きな方
- 日常的に美味しい魚介類を食べたい方
それではここから、紀北町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:川をはじめとした豊かな自然が美しい
▲銚子川にある魚飛渓(うおとびけい)には奇岩巨岩がごろごろしている
紀北町は3本の川、3つの山と太平洋を有する自然豊かなまちです。特に町内を流れる二級河川「銚子川(ちょうしがわ)」はその透明度の高さから「キセキの川」と呼ばれています。全長約17kmの川には、天然のアユやアマゴ、テナガエビが生息しています。
▲紀北町と尾鷲市の境界、熊野古道にある馬越峠(まごせとうげ)
また、紀北町内には世界遺産に登録された熊野古道に属する5つの峠があります。紀北町の町並みを望む絶景ポイントが人気のツヅラト峠や、季節ごとの花々を楽しめる荷坂峠に、ヒノキの美しい林と苔むした石畳の風情ある景色の馬越峠など、熊野詣に来た人たちを年中魅了しています。
豊かな自然が綺麗な空気を作り出しているのか、紀北町の空気はとても美味しいです。すぐそばにある自然の移り変わりを見ながらの生活は、時間もどこかゆったりと流れているように感じられます。
紀北町は夏は涼しく、冬は暖かい温暖な気候なので一年を通じて過ごしやすいです。
特徴2:釣りなどのアウトドア好きにはたまらない地形
▲山と海が近いことがわかる紀北町の町並み(引用:紀北町)
紀北町は山と海の距離が近く、車で走ると5~10分で山もしくは海に着きます。山と海の両方にキャンプ場があるので、その時どきに合わせてバリエーションの豊かなキャンプが楽しめます。
もちろん、川の近くにもキャンプ場があり、キセキの川「銚子川」でシュノーケリングをすることもできますよ。
参考:きほくのたび(泊まる)
また、紀北町は釣り好きの方にとってはたまらない人気の釣りスポットです。イカダ釣りや沖釣り、投げ釣りと、川と海の両方で初心者から上級者まで満喫することができます。
参考:きほくのたび(紀北町 釣りマップ)
▲毎朝漁船が沖へ出発する、漁師町ならではの風景
三重県の漁場は伊勢湾地域、鳥羽・志摩地域、熊野灘地域の3つにわけられ、それぞれの地域により魚種は大きく異なります。
紀北町の海は北に鳥羽・志摩、南に熊野灘に挟まれた位置にあり、リアス式海岸や黒潮が作用しているためか、豊富な魚種に恵まれ、昔から漁師の町として栄えてきました。移住者の中には釣りを目当てに引っ越してくる人もいるほどです。
参考:三重県(三重県水産業の概要)
「釣り」をメインにした遊び体験婚活イベント「釣りコン」なども行われています。釣りが未経験の方でも参加できるので、毎年好評ですね。
参考:みえ出逢いサポートセンター(第14回遊び体験婚活イベント「釣りコン」)
特徴3:一年を通して新鮮な旬の魚介類を味わえる
漁師町である紀北町では、美味しい魚介類がたくさん獲れます。毎朝新鮮な魚介類が水揚げされるので、スーパーに並ぶ魚や貝は鮮度抜群です。
季節ごとに旬の魚が味わえるのも大きな魅力で、カツオ、マグロ、ブリ、サワラにクエとあげていけばキリがないほどの、多種多様な魚に出会うことができます。
加えて、なんと紀北町では「マンボウ」を食べることもできます。町内にある道の駅の名前も「紀伊長島マンボウ」とついており、そこではマンボウの串焼きやフライを味わえます。
▲一度は食べてみたいマンボウの串焼き
参考:道の駅 紀伊長島マンボウ
町民の95%が食べていると言われているのが、カツオを燻製にした生節(なまぶし)です。保存もきくため、お土産としても人気が高いので一度食べて頂きたい一品です。
参考:三重県お土産観光ナビ(三重県紀北町のお土産 食卓の万能食材 生節 上保商店)
特徴4:待機児童はゼロ、共働き世帯も安心のまち
▲紀北町では「子ども・子育て支援事業計画」を策定している(引用:紀北町)
紀北町には保育園が7園あり、待機児童数はゼロなので子どもを預けられなくて仕事に行けない、ということはありません。(2023年6月時点)
子育て世帯に対しては、以下のような支援などを行っています。
- ブックスタート事業として、生後4か月までの子どもに絵本をプレゼント
- すくすく子育て相談として、月1回保健師と栄養管理士が相談に応じる場を提供
- 紀北町子ども家庭総合支援拠点にて、子育ての悩みについての相談を受け付け
- 買い物時に割引やサービスを受けられる、三重県子育て家庭応援クーポンを配布
公式:紀北町(妊娠・出産)
公式:紀北町(子育て支援)
公式:三重県(子育て家庭応援クーポン)
紀北町と県それぞれで行う子育て支援の施策がいろいろとあるので、どういった支援が使えるのか町に確認するのも良いでしょう。
学校教育にも鮎の放流を取り入れるなど、豊かな自然を活かした紀北町ならではの教育に力を入れています。
三重県紀北町の暮らしに関する情報
▲夏の風物詩、「きほく燈籠祭」では大迫力の花火が見られる(引用:きほくのたび)
ここからは紀北町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | 紀北町には観測地点がないため、近隣の津のデータを掲載 ・夏(8月):平均気温27.9℃ ・冬(1月):平均気温5.7℃ ※参考:気象庁ホームページ(津地点) |
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人口 | 人口:約14,000人 世帯数:約7,700世帯 ※2024年3月末時点 |
病院 | 町内にはクリニックも含め21件の医療機関がある |
学校 | 保育園7園、幼稚園2園(うち、1園休園中)、小学校8校、中学校4校 |
交通 | ・電車:JR紀勢本線(相賀駅、紀伊長島駅、船津駅、三野瀬駅) ・バス:三重交通バス、いこかバス ・タクシー:おでかけ応援サービス「えがお」 |
近隣都市 | ・三重県:尾鷲市、多気郡大台町、度会郡大紀町 ・奈良県:吉野郡上北山村 |
大都市からのアクセス | 【車】 ・大阪から:約3時間 ・名古屋から:約2時間20分 【電車・バス】 ・大阪から:大阪駅から松阪駅まで電車で約1時間30分、松阪駅から紀北町までバスで約1時間25分 ・名古屋から:名古屋駅から紀伊長島駅を経由し相賀駅まで、電車で約2時間15分 |
町内には商業施設やコンビニは多くはないものの、食料品等は買うことができます。隣町に服を買いに行ったり、必要なものはネットで注文もできるので、生活に不自由することありません。
スーパーや病院、学校などが集まっているのは紀伊長島駅と紀伊長島港近くの2カ所で、車で5分程度の距離なので、生活に必要な用事は一気に済ますことができます。
【仕事】町内の求人職種はさまざま。町外への通勤も可能
大手求人サイトで「紀北町×正社員」で検索したところ、約200件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約700件まで広がりました。(2023年6月時点)
町内の求人の傾向としては、林業や漁業などの一次産業から、公務員や学校の先生、海産物を運ぶトラック運転手、ゴム加工場の加工員、介護士と、幅広い求人があります。
※参考:求人情報の一例(紀北町内のみ)
※参考:求人情報の一例(紀北町から25km以内)
紀北町の中心市街地である「紀伊長島駅」周辺から隣の尾鷲市までは車で約25分、「相賀駅」がある相賀地域からなら5分ほどで行ける場所もあり、町外へ通勤する人もいます。
【住まい】賃貸物件は平均して2DK以上の広さあり
大手住宅情報サイトで紀北町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンション・貸家は約50件見つかりました。アパートやマンションの場合の平均家賃は4万~5万円台後半で、貸家の場合は10万円以下が多いようです。(2023年6月時点)
参考:物件情報の一例
築年数が経っている物件が多い傾向にあるものの、ほとんどの賃貸物件は2DK以上の広さがあるため、のびのびと生活できそうです。
空き家バンクの登録物件数は多い。木造住宅の耐震化も推進
また、紀北町では空き家バンク制度を取り入れています。町で平成21年度から始まったこの制度は、年々成約数が増えており、登録物件数も20件近くあります。(2023年6月時点)
ただし、すぐ住むことができるような物件は、登録されるとすぐ成約になるので、チャンスを逃さないようにこまめに確認しましょう。
物件の改修が必要な場合は、「紀北町空き家改修補助金」を活用するのがおすすめです。空き家バンクを通して空き家を購入した転入・転居者を対象に、最大10万円の補助を受けることができます。
公式:紀北町(購入した空き家を改修される方(紀北町空き家改修補助金))
もし、空き家バンクで昭和56年5月31日以前に着工された物件を手に入れた場合は、紀北町が進める「木造住宅耐震化の補助制度」を活用してください。
「無料耐震診断」で住宅の地震に対する強さの判定を行ったり、「耐震改修設計補助」で木造住宅を改修する際の費用に補助金の交付などを行っています。
町として、住民の住まいの安全を確保しようとしていることがわかりますね。
紀北町に暮らす先輩移住者の声
実際に紀北町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 海、空、山、川の自然が近く、景色の全てが綺麗
- 方言はほとんど気にならないが、早口で話されるとたまに何を言っているかわからない時がある
- 地域愛に溢れている人が多くて、野菜なども地産地消のものを選んでいる印象がある。住民同士の仲もとても良い
- 家探しのために町内を歩いていると、知らない人に声をかけられ、近くの家の空き家の持ち主を紹介してもらえることになり、そのご縁で今の家に住んでいる。世話好きで親切な人が多い
- 都会から引っ越して来てライフスタイルががらりと変わり、趣味や自分の時間に向き合うことの大切さに気付けた。ハンドメイドを楽しんでいるママ友も多く、豊かな人生を送れていると思う
世話好きな人が多い紀北町で、自分らしい暮らしを確立しながら、自然の中の生活を楽しんでいるようです。
三重県紀北町への移住STEP
紀北町への移住を考えた時に、まずは何をすれば良いでしょうか。ここからは、紀北町への移住STEPをご紹介します。
STEP1:紀北町についてもっと知ることができるSNSを見てみる
▲知られざる町の魅力を、地域おこし協力隊が発信中(引用:紀北町)
紀北町で活躍する地域おこし協力隊が、InstagramやTwitterで紀北町の魅力について発信しているのが、「きほくる|紀北町魅力ナビ」です。地域おこし協力隊員が日々、紀北町について紹介しているので、チェックしてみてくださいね。
公式:紀北町(紀北町とつながろう『きほくる|紀北町魅力ナビ』)
また、noteやYouTube、TikTokでは「きほくらし|紀北町暮らしナビ」として、紀北町の暮らしについて発信しています。町の様子や日々の過ごし方など、等身大の発信をしているので、紀北町のリアルな生活について知ることができます。
公式:紀北町(紀北町の暮らしをもっと知ろう『きほくらし|紀北町暮らしナビ』)
STEP2:移住体験住宅「きほくコマツバラ」を活用し、短期滞在をしてみる
▲集合住宅の一室を改装した移住体験住宅「きほくコマツバラ」の内部。日当たりも良好
地域を知るには実際に滞在してみるのが一番です。紀北町では最短1か月から滞在可能な移住体験住宅を用意しています。月額利用料は20,000円で、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品も一式揃っているため、気軽に利用ができます。
過去には移住体験住宅でお試し滞在をして、実際に移住を決めた方もいます。最大3か月まで利用でき、滞在期間ぎりぎりまで利用される方が多いそうです。
また、移住を目的として紀北町に滞在する際は、「紀北町移住希望者宿泊補助金」として一泊あたり2,500円/人の補助が出る制度もあります。町内の宿泊施設を利用する際に活用してください。
初めていらっしゃるなら、暖かい時期に来て、アクティビティも楽しんで頂きたいですね。梅雨の季節は一度にたくさんの雨が降るので、それも実際に体感してもらえればと思います。来る度に発見がある町なので、何度でも来て、移住を検討して頂きたいです。
紀北町への移住に関するお問い合わせ
紀北町に興味を持った方は、まずは紀北町役場に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれます。
担当 | 紀北町役場 |
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住所 | 〒519-3292 三重県北牟婁郡紀北町東長島769番地1 |
公式サイト | https://www.town.mie-kihoku.lg.jp/ |
移住サイト | https://www.town.mie-kihoku.lg.jp/kakuka/kikaku/kikakukakari/2_1/index.html |