金ケ崎町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報|縁結び大学

この記事では移住を考えている人に向けて、岩手県金ケ崎町の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

金ケ崎町は、岩手県の南西内陸部に位置するまちで、南北は奥州市(おうしゅうし)と北上市(きたかみし)に接しています。

まちの西部は奥羽山系の駒ヶ岳(こまがたけ)を有する山岳高地となっており、日本海側の影響を受けるため、冬は気温も低く多雪地帯です。ですが、地域の人々は温かく、移住者にも優しいと評判です。

今回は、金ケ崎町役場商工観光課の門間さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

金ケ崎町役場商工観光課の門間さん

金ケ崎町の暮らしの特徴を3つご紹介

岩手県金ケ崎町暮らしの特徴

金ケ崎町は、平成の大合併の中、自立のまちとして歩むことを選択し、人と地域が支えあうまちづくりを目指してきました。そのため、地域産業を発展させ、活力と特色のあるまちをつくろうと、若者や女性の働く場の創出や、子育て環境の充実などに力を入れています。

そんな金ケ崎町での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 子育て支援の充実したところに住みたい
  • 都会から離れてみたいけれど、不便な生活はイヤ
  • 四季を感じられる環境に身を置きたい

上記のような方に適している理由を、金ケ崎町に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:子育て世帯を手厚くサポート

金ケ崎町の南方幼稚園
▲金ケ崎町立認定こども園南方幼稚園では、毎日おいしい給食と手作りおやつを提供している

金ケ崎町では、近隣の中ではいち早く、18歳までの子どもを対象とした医療費助成(実質医療費負担ゼロ)に取り組みました。その後、妊産婦やひとり親家庭などにも対象を拡大しています。町内の保育施設も多く、待機児童はゼロとなっています。

ほかにも、在宅子育て応援金など、子育て支援・教育支援が整っており、子育て世帯をしっかりサポートしています。

▼主な子育て支援

妊産婦サポートタクシー利用助成券交付
通院や買い物等の外出時に利用できる「妊産婦おでかけ支援タクシー助成券」1万円(500円×20枚)、出産や緊急で医療機関を受診する時に利用できる「出産等支援タクシー助成券」4万円×4枚を支給。
妊婦宿泊費等の助成
出産のため町外の宿泊施設に待機宿泊する費用(上限3万円)を助成。対象は、妊婦・付添人1人分の待機宿泊に要する実費分(限度3泊、1泊の上限5,000円)。

また、多胎妊娠や切迫早産など、母子へのリスクが予想されるハイリスク妊産婦の方が、周産期母子医療センターに通院・入院する際の交通費と、出産のため待機宿泊する費用(宿泊費と交通費の合計額の上限5万円)を助成。
対象は、妊婦・付添人1人分の待機宿泊に要する実費分(限度3泊、1泊の上限5,000円)、公共交通機関及びタクシーの実費分。
※自家用車は、算定基準額があるので、お問い合わせください。
在宅子育て応援金
保育施設等を利用せずに、生後7か月から2歳児までの子どもを家庭で子育てしている保護者へ、乳幼児1人あたり月額5,000円を支給。

公式:金ケ崎町「子育て情報ガイド」

▼主な教育支援

  • 通園通学バスの運行
  • 就学援助(一定要件を満たす世帯に、学用品費など就学上必要な経費の一部を援助)
  • 小中学校までの給食費の無償化(2023年4月から実施予定)
  • 中学校部活動の東北・全国大会への参加費用補助
  • 中学生英検受験料補助

特徴2:「ほどほど田舎・ほどほど便利」なまち

金ケ崎駅の外観
▲JR東北本線金ケ崎駅。駅前でイベントが行われることも

金ケ崎町は、国道4号沿いに2つの大型ショッピングセンターやコンビニ、飲食店などが並び、普段の買い物を町内で済ませられます。デパートや映画館に行きたい場合は、北上市や盛岡市まで出る人が多いようです。

町外への通学には、電車を利用することになります。町内にはJR東北本線の駅が2駅あり、近隣の奥州市や北上市へは3駅以内と短時間での通学が可能です。

休日のリフレッシュも町内で叶います。森山総合公園には、野球場、サッカー場、室内プール、スポーツジムがありますし、町内には体育館、テニスコートにゴルフ場もそろっています。これらの施設で、たっぶり汗を流して日頃のストレスを解消しましょう。

金ケ崎町は、盛岡市まで58km、仙台市まで126kmの位置にあり、車ならそれぞれ30分、1時間30分で到着します。出張や旅行などで東北新幹線を利用するときは、最寄りの水沢江刺駅(みずさわえさしえき)まで車で約20分、盛岡駅に行くときに便利な北上駅までは車で約20分と好アクセスです。

主要都市から金ケ崎町までのアクセスは次のとおりです。

主要都市から金ケ崎町までのアクセス
▲金ケ崎町から東京まで約2時間30分。U・Iターン応援BOOK「金ケ崎くらしごと手帳」より引用

特徴3:四季折々の美しさを堪能できる

岩手県立農業大学校の満開の桜と町民
▲まちの北部にある岩手県立農業大学校の桜並木

金ケ崎町の稲穂
▲秋になると一面黄金色になる田んぼ

金ケ崎町では冬季の積雪が多く、1月の平均気温が-0.9℃と、首都圏(東京の1月の平均気温は5.4℃(※))などと比較すると寒い地域です。
(※)気象庁

だからこそ、雪解け後の春の息吹、緑の美しさは格別です。田植え後の水面に映る風景や、稲が青々と光る夏の景色は美しいですし、田んぼ一面が黄金色に輝く秋になると収穫が始まります。このように、四季折々の変化を楽しめるのも金ケ崎町の魅力です。

また、季節ごとのレジャーも充実しています。たとえば、春から初秋にかけては、川の側のせせらぎ公園でのバーベキュー、千貫石(せんがんいし)森林公園でのキャンプ。スキー場へは車で30分ほどとアクセスが良好です。

自然豊かなまちですから、とくにお子さんには、さまざまなアウトドア体験を通じて、のびのび成長してほしいですね。

金ケ崎町の暮らしに関する情報

オーワングランプリに行列する人々
▲オーワングランプリは、規定サイズのお椀に盛り付けてあれば、ジャンルは問わない食のイベント。県内外から自慢の料理が大集合する

ここからは、金ケ崎町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月:平均気温24.1℃
1月:平均気温-0.9℃
※参考:気象庁
金ケ崎町内に観測地点が無いため、直近の北上地点を参照
人口 人口:約15,200人
世帯:約6,300戸
(令和5年1月31日現在)
病院 病院・クリニック:5件
歯科:6件
学校等 保育所:5ヶ所
認定こども園:2園
幼稚園:2園
小学校:5校
学童保育所:5ヶ所
中学校:1校
高等学校:1校
農業大学校:1校
文化・芸術 金ケ崎火防祭
子供騎馬武者行列
金ケ崎マラソン
永岡蘇民祭
オーワングランプリ
金ケ崎要害ひな祭り
食べ物 アスパラガス
いわて奥州牛
ジェラート
交通 【空港】
いわて花巻空港が最寄り(車で40分)

【鉄道】
JR東北本線:金ケ崎駅、六原駅
東北新幹線の最寄り駅は水沢江刺駅(金ケ崎町まで車で約20分)

【バス】
岩手県交通(北上駅と水沢駅、県立胆沢病院を結ぶ2路線)
金ケ崎町田園バス(町内の主要個所を回るコミュニティバス)

【高速道路】
東北自動車道(北上金ヶ崎I.C.、水沢I.C.)
観光・レジャー 【名所・旧跡】
金ケ崎町城内諏訪小路(重要伝統的建造物群保存地区)
鳥海柵跡(国の史跡)
南部領伊達領境塚(国の史跡)
千貫石森林公園
千貫石ため池:ため池百選
大林城跡
永徳寺
駒形神社奥宮・里宮

【博物館など】
金ケ崎要害歴史館
千田正記念館(登録有形文化財)
軍馬の郷六原資料館(登録有形文化財)
近隣都市 奥州市、北上市

金ケ崎町の夏は湿度が低く快適に過ごせます。一方で、冬は雪が降るので、除雪用具やスタッドレスタイヤを準備しておきましょう。

金ケ崎町には、5か所の病院と6か所の歯科医院があります。また、近隣の奥州市と北上市には総合病院もありますし、奥州市の奥州医師会館では、休日・夜間診療も受け付けています。産婦人科は町内にないため、通院や出産時には、前述した「妊産婦サポートタクシー助成券」や「妊婦宿泊費等の助成」を活用しましょう。

家庭菜園に興味がある人には、町民菜園パークをおすすめします。町民菜園パークには、「町民菜園」と農産加工体験室を備えた「食農体験センター」があります。

町民菜園で気軽に家庭菜園を楽しむのもよし、農産加工体験室でアイスクリーム、ジャム、豆腐、味噌などの加工にチャレンジするもよし。バーベキューができるスペースもありますので、休日の家族の憩いの場として、ぜひ一度足を運んでみてください。

岩手かねがさき温泉郷には、湯量の豊富な源泉かけ流しの天然温泉が3つあり、源泉が楽しめますので、リラックスしたいときに立ち寄ってみましょう。

永岡温泉夢の湯の内湯
▲永岡温泉夢の湯。温泉は町内に3か所ある

【子育て】妊娠期から切れ目のない支援を受けられる

金ケ崎町立図書館の外観
▲金ケ崎町立図書館。様々な企画展示が行われる

金ケ崎町では、前述したように子育て支援に力を入れています。助成金以外の支援では、「産前サポート事業(妊婦訪問)」、「産婦健康診査費用の助成」、「産後ケア訪問」などを実施しており、2022年からは産後ケア訪問が無料になりました。

年4回開催する離乳食教室では、季節の食材を活かした簡単な離乳食づくりを学べますし、子育て支援課で実施している「子育て相談」では、心配なこと(お子さんの発育・発達について、しつけの仕方、育てにくさを感じる等)を随時相談できます。

電話や家庭訪問もできますので、ひとりで抱え込まず相談しましょう。

また、図書館は町内に1つだけですが、図書巡回車「まなびぃ」が町内を巡回しています。本好きのお子さんも満足できそうですね。

【仕事】工業団地で求人多数。起業支援や新規就農支援もあり

岩手中部(金ケ崎)工業団地の空撮
▲オレンジで囲まれた箇所が岩手中部(金ケ崎)工業団地

大手求人情報サイトで金ケ崎町の求人を調べたところ、約1,400件がヒットしました。
※求人情報の一例

医薬品、半導体、自動車関連企業を擁する県内最大規模の工業団地があるため、雇用形態を問わず求人は多数あります。パートやアルバイトの求人も多いので、子育てしながら共働きをしたい世帯にもマッチします。

起業を考えている人には、町の支援制度の活用をおすすめします。金ケ崎町からグローバルなビジネスを展開している先輩起業家は増えています。あなたも起業にチャレンジしてみませんか?

金ケ崎町で実施している支援は次のとおりです。

創業等支援事業補助金
町の商工業振興と活性化に資すると認められる事業に対し、一定の要件のもと、土地、建物や設備、広告宣伝費といった経費の2/3(※)(限度額50万円)を補助。
(※)39歳以下と女性は9/10
特定創業支援等事業(町商工会が実施する創業塾)
経営、財務、人材育成、販路開拓の知識を学べる。さらに、一定要件を満たす人には、会社設立時の登記にかかる登録免許税の軽減などの支援が受けられる。
空き店舗活用事業補助金
町内の空き店舗を利用して事業を始めたい人を対象に、店舗改装工事・設備工事などの経費の1/2(限度額100万円)を補助。

公式:金ケ崎町「創業支援」

金ケ崎町では、さまざまな農畜産物の生産が行われ、とくに、水稲、アスパラガス、キュウリ、ピーマンが主な生産物となっています。

ICTを活用した新たな農業(※)の時代を迎え、金ケ崎町では新規就農者を求めています。就農を目指す人は、まずは金ケ崎町農林課(0197-42-2111)に相談してみてください。さまざまな関係機関や地域農家が協力してサポートしてくれます。
(※)ロボット技術や情報通信技術を活用して、省力化や高品質生産を可能にする農業

公式:農業をはじめる.JP「地域の新規就農サポート宣言>金ケ崎町」

【住まい】移住支援が充実。とくに東京圏からの移住はお得

金ケ崎町の分譲地案内看板
▲町の分譲地案内看板。住宅取得支援補助金など住宅に関する支援も受けられる

大手住まい情報サイトで金ケ崎町の賃貸物件を調べたところ、16件がヒットしました。1LDKで4万円台、2LDKで5~6万円台が多いようです。
※賃貸物件の一例

金ケ崎町は、マイホームを持ちたい人にぴったりなまちと言えるかもしれません。分譲地が安く、市街地にも数が増えてきているからです。家を建てる際の借入の金利について、一部を負担してくれる補助金も利用できます。

金ケ崎町では、移住を希望する人には次のような支援を行っています。

▼住まいに関する主な支援

移住支援事業補助金
東京圏から金ケ崎町へ移住し、対象となる法人に就職した場合に、単身60万円、世帯100万円(子育て加算30万円)を支給。
金ケ崎町若年者移住定住促進家賃補助金
町内外の企業に就職するために金ケ崎町に移住した35歳未満の人に、民間賃貸住宅の家賃の一部を、最大36か月補助。
町内の事業所に勤務している場合:上限15,000円/月
町外の事業所に勤務している場合:上限7,500円/月
金ケ崎町住宅建設資金金利負担軽減補助金
町内に住宅を建設・購入した際の住宅ローンの利子の一部を36か月補助する。
金ケ崎町定住促進住宅取得支援補助金
町内の民間賃貸住宅に居住している40歳未満の世帯が、新規で住宅を建設または取得する場合の経費の一部を、最大10万円補助。
金ケ崎町空き家バンク
町内に有する「空き家」を紹介。物件の売買、賃貸借の具体的な手続きは宅地建物取引業者が仲介する。
金ケ崎町空き家利活用事業補助金等の対象となる場合があります。

公式:金ケ崎町「金ケ崎町空き家バンク」
金ケ崎町宅地分譲情報の提供
町の公式サイトに宅地分譲情報が掲載されていますので、住宅の購入を検討している人はご覧ください。金ケ崎町住宅建設資金金利負担軽減補助金も利用できます。

公式:金ケ崎町「金ケ崎町宅地分譲情報」
結婚新生活支援補助金
夫婦ともに39歳以下の新婚世帯が結婚を機に町内に住居を購入・賃借する際の費用やリフォーム費用、引っ越し費用を最大30万円補助。
令和5年度は、夫婦ともに29歳以下の場合、最大60万円補助します。

金ケ崎町に移住した人の声・感想

岩手県金ケ崎町移住者の声

次に、金ケ崎町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 色々な場所に住んだが、金ケ崎町に来てよかった。暮らしやすいし、道路も混まない。
  • 移住支援制度が周辺市町村よりしっかりしていると感じたので、金ケ崎町に移住を決めた。
  • 水がよいからか、食べ物がおいしい。飲食店は安くてボリュームが多いので、お腹がいっぱいになる。
  • 自分からコミュニティに飛び込んでいけば楽しく過ごせる。野菜をもらうこともあるし、優しい人が多い。
  • 雪が降ったとき、もっと早く除雪してくれるとうれしい。

道路や電車が混まないなど、都市部からするとうらやましい声が多くきかれました。

また、金ケ崎町では、住民が主体的に地域づくりに取り組んでいます。地域ごとのイベントも盛んとのことなので、積極的に参加しましょう。地域とのつながりもでき、より快適に暮らせます。

金ケ崎町へ移住するために利用したい窓口・支援

金ケ崎町への移住を検討している人は、金ケ崎町公式サイトの移住ページをご確認ください。

公式:金ケ崎町「金ケ崎町に住みませんか」

また、U・Iターン応援BOOK「金ケ崎くらしごと手帳」は、移住の際に知っておきたい、仕事や子育て、暮らしについての情報をチェックできます。とても読みやすいので、ぜひご覧ください。

公式:金ケ崎町「U・Iターン応援BOOK『金ケ崎くらしごと手帳』」

いわて暮らし移住定住ポータルサイトである「イーハトー部に入ろう!」にも、金ケ崎町の情報が掲載されています。併せてチェックしてみましょう。

公式:イーハトー部に入ろう!「金ケ崎町」

金ケ崎町への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 金ケ崎町商工観光課
住所 〒029-4592
岩手県胆沢郡金ケ崎町西根南町22-1 金ケ崎町役場3階
電話 0197-42-2111
公式サイト https://www.town.kanegasaki.iwate.jp/categories/bunya/teijyu/