【北海道今金町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方への移住を検討している方のために、北海道今金町の魅力を紹介していきます。

今金町は、北海道の渡島半島(おしまはんとう)の北部に位置する人口約4,600人のまちです。国土交通省の水質調査において「水質が最も良好な河川」とされている後志利別川(しりべしとしべつがわ)が町の中心を流れ、肥沃な土壌と豊かな自然の恩恵を受けた道南圏随一の「農業のまち」として知られています。

そんな今金町での暮らしの特徴やその魅力について、まちづくり推進課の杉村さんに伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
杉村さんのアイコン写真

今金町役場 まちづくり推進課 主事

杉村 明吉さん

北海道今金町の暮らし、3つの特徴

北海道今金町・暮らしの特徴

今金町は総面積の約78%を森林が、約9%を田畑が占める、自然豊かなまちです。新緑から夏に近づくにつれて畑には野菜の花が咲き乱れ、秋には山が紅葉で色づき、冬には一面が銀世界になる、そんな景色の移り変わりから四季をはっきりと感じることができます

子育て支援や、教育にも力を入れており、自然の中で生活しながら子育てをしたい世帯にもぴったりのまちです。

そんな今金町は、具体的には以下のような方におすすめです。

  • 川と海両方で釣りを楽しみたい
  • 自然の豊かな環境でのんびりと暮らしたい
  • 子育てをするにあたっての支援が欲しい

それではここから、今金町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。

特徴1:水質日本一の清流と太平洋、日本海で釣りを楽しめる

今金町内を流れる清流「後志利別川」
▲透き通った水が美しい「後志利別川」

今金町内に流れる「後志利別川」は、国土交通省が毎年発表している全国一級河川の水質調査において、「水質が最も良好な河川」として何度も選出されている清流です。選出された回数は日本最多を誇り、まちが環境や水質の保全に力を入れていることがわかります
参考:国土交通省(全国12河川が「水質が最も良好な河川」に)

後志利別川ではラフティングや砂金取り、メノウ石採取などのちょっと変わったリバーアクティビティや川釣りも楽しむことができます。

後志利別川で砂金取り体験をする人
▲清流「後志利別川」での砂金探しという稀有な体験もできる

今金町は渡島半島のくびれのような場所に位置していることから、車で30分ほど走れば日本海または太平洋に出ることができるため、海釣りもできます。

北海道内での今金町の位置を示す地図
▲今金町の位置図。西に行けば日本海、東に行けば太平洋に行くことができる(引用:今金町

日本一の清流、日本海、太平洋で釣りができることは、今金町ならではの特徴です。釣りが趣味の方や、川や海でのアウトドアスポーツが好きな方は、充実した時間を過ごせますね。

特徴2:自然の豊かな環境下で暮らすことができる

今金町内に広がる広大な畑の風景
▲今金町の総土地面積から林野面積を除いた残りの面積の内の45%を、耕地面積(田畑)が占めている(参考:農林水産省

今金町は総面積の約78%を森林が、約9%を田畑が占めています。春から夏にかけては青々とした田畑を、町のあちらこちらで見ることができます。

今金町で育てらてれいる「今金男しゃく」の花
▲広大な畑で咲いているのは、例年7月頃に見頃を迎える「今金男しゃく」の花

道南随一の「農業のまち」と知られているだけあり、町では特産物である今金男しゃくを始めとして、ミニトマトやだいこん、にんじん、ブロッコリー、グリーンアスパラガスなどさまざまな野菜が育てられています。季節になると「野菜の花畑」を目にすることもできます。

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杉村さん

農業に従事している方が多いので、おすそ分けで野菜を頂くことも多いです。そういった交流の中で住民の方とも関係性を構築できると思います。

特徴3:子育て支援体制が整っている

今金町のシンボルとも言える「デ・モーレン風車」
▲旧国鉄今金駅跡地に町のシンボルとして建設された「デ・モーレン風車」

今金町で子育てをしたいと思った時に気になるのが、その支援体制です。今金町では以下のような子育て支援などを実施しています。

  • 妊娠届提出後に5万円、新生児訪問後に5万円の合計10万円を現金支給(出産・子育て応援ギフト)
  • 妊娠届出時、妊娠7か月ごろ、新生児訪問時に保健師が相談、困りごとを聞く伴走型の相談支援を実施
  • 満18歳までの子どもの医療費を全額助成

公式:今金町(今金町出産・子育て応援事業のご案内について)

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杉村さん

子どもたちの遊び場としては、年少のお子様向けの屋内の遊戯スペースがある「今金総合体育館」や、町民の意見をもとに遊具が設置された「高美公園」、散歩をしながら遊べる「今金町総合公園」がおすすめです。町のシンボルである「デ・モーレン」にも行ってみて下さいね。

参考:今金町教育委員会(今金町総合体育館あいきゅーぶ)
参考:Google マップ(高美公園)
参考:いまCh.(今金総合公園)

また、教育に関しても特色があります。

働く世帯を支える幼保連携型「認定こども園いまかね」

町立今金保育所と町立今金幼稚園、今金小百合保育園が統合してできた「認定こども園いまかね」は保育園と幼稚園が一体となった施設です。0歳から5歳までの子どもが対象で、最大115人まで入園を受け入れています。

完全給食制を取っており、主食の米飯は今金町が提供しています。

同一世帯から2人以上が入園する場合、2人目は半額、3人目以降は0円となり、経済的な負担が小さいのもポイントです。

公式:今金町教育委員会(認定こども園いまかね)

郷土教育に力を入れた小学校「種川小学校」

今金町の中には2つの小学校があります。一つは全校生徒が150名以上の小学校で、もう一つは全校生徒が30名未満の小学校です。どちらに通うかは選択式で、小学校から遠いところに住んでいる場合でも、通学バスを利用することができます。

全校生徒が30名未満で、特別認定を受けた「種川小学校」は小規模であることを活用し、特色ある教育を実施しています。

例えば、地域の人が「ふるさと先生」として子どもたちに「ふるさと教育」を行う授業では、畑づくりやキノコの栽培について教えています。体力づくりとしては、併設するプールやスキー場を活用した活動を行っています。

また、子どもたちが自分の成長について向き合い、将来について考えるきっかけとして「キャリア・パスポート」制度を導入しています。目指していた目標や、頑張りたいと思ったこと、できるようになったこと、どうやってできるようになったかなどを記録し、蓄積していくことで、自分の成長過程を振り返るきっかけを作っているそうです。

学区ではなく、子どもにどのような教育を受けさせたいかによって、学校を選べるのはユニークですね。

参考:今金町(小規模校の魅力を紹介~種川小学校 学校説明会~10/22)

今金町の暮らしに関する情報

今金八幡宮例大祭(いまかね秋祭り)「太鼓合戦」の様子
▲今金八幡宮例大祭の目玉である「太鼓合戦」は見かけも音も大迫力

ここからは今金町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温21.1℃
・冬(1月):平均気温-3.6℃
※参考:気象庁ホームページ
人口 約4,600人(約2,400世帯) ※令和5年5月末日時点
病院 町内にはクリニックも含め6件の医療機関がある
学校 認定こども園1園、小学校2校、中学校1校、高等養護学校1校
食べ物 今金米(ゆめぴりか、ふっくりんこ、ななつぼし)、今金男しゃく(馬鈴薯)、今金ミニトマト、軟白長ねぎ、だいこん、にんじん、ブロッコリー、鶴の子大豆、しいたけ、グリーンアスパラガス、つるの子豆腐、紫蘇の儚物語(シソジュース)、トマトジュース、いまかね黒毛和牛
交通 【バス】
・函館バス:長万部町方面、せたな町瀬棚方面、函館市方面
・東ハイヤー:今金町予約バス「ルンルン号」

【道路】
・国道230号 ほか
近隣都市 久遠郡せたな町、島牧郡島牧村、山越郡長万部町、二海郡八雲町
大都市からのアクセス 【車(高速を利用)】
札幌市から約3時間、函館駅から約2時間、新函館北斗駅から約1時間半

【電車(特急を利用)】
町内に鉄道路線は通っていないため、長万部駅からバスに乗り換え。
長万部駅までは札幌駅から約2時間、函館駅から約2時間半

北海道は全ての地域が豪雪地帯または特別豪雪地帯であり、今金町は「特別豪雪地帯」に指定されています。例年11月から4月まで雪が降り、雪かきが日常生活の一部となります

杉村さんのアイコン写真
杉村さん

町民は雪かきを運動のように捉えています。ジムに行かなくても毎日運動しているような状態になりますね。

公共交通機関(バス)は本数が少ないため、利用する際には事前に時間を調べておく必要があります。基本的には車社会ですが、住む場所によっては自転車のみで生活している人もいます。

町内の中心部にはスーパー、生協、ドラッグストア、病院があるので、日常生活に不便はありません。大きな買い物をする場合は札幌に行く人が多いですが、ネット通販も1日待てば届くため、活用されています。

【仕事】今金町はリモートワークの先進的なまち

大手求人サイトで「今金町×正社員」で検索したところ、約60件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約170件まで広がりました。
※参考:求人情報の一例

また、今金町はワーケーションやリモートワークに先進的に取り組んでいるため、転職せずに住む場所だけを変えることも可能です。生活のスタイルに合わせて、検討してみてください。

【住まい】賃貸や空き家バンク情報は、町の公式サイトをチェックしよう

大手住宅情報サイトで今金町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションの情報は見つかりませんでした。ですが、今金町では町が賃家やアパートの情報を掲載しており、そこから物件を探すことができます
公式:今金町(貸家・アパート情報)

町が売買または賃貸の仲介を行うわけではないので、気になる物件があったら直接管理元に問い合わせる必要があります。

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杉村さん

マイホームを持つのか、アパートやマンションで暮らすのかによって、雪との付き合い方も違ってくるので、物件を決める際にはぜひ一度相談して欲しいです。

空き家バンク制度もスタート。リフォーム助成などをうまく活用できるかも

今金町では空き家バンク制度を取り入れています。始めたばかりであることから、登録物件数は多くないものの、これから増えていく見込みだそうです。

公式:今金町(今金町空き家バンク)

今金町へ移住するには

移住体験ツアー時に行ったBBQ交流会の様子
▲過去に行われた移住体験ツアーのBBQ交流会。今金町産の野菜に舌鼓を打った

ここからは、移住のための準備や方法についてご紹介します。

ワーキングステイで今金町に行ってみる

今では当たり前になった「リモートワーク」や「ワーケーション」ですが、今金町では6年ほど前から「ワーキングステイ@今金事業」としてワーケーションを実施しています。

家賃1日500円で、1週間から最大1か月間、今金町に滞在することができます。過去にはワーケーション体験者に対し、川下りや砂金取り体験、農業体験などを企画し、仕事の合間もリフレッシュができることを知ってもらう取り組みも行っていました。

農業体験をする移住体験ツアー参加者の様子
▲過去の移住体験ツアー(現在休止中)では農業体験なども行った

IT関連の会社でプログラミングをされている人が来た時には、「プログラミング教室」を開催してもらったこともあったそうです。ただ滞在するだけでなく、今金町で暮らしながら何ができるかを探すこともできます。

公式:今金町(「ワーキングステイ@いまかね」体験者募集について)
※2023年6月現在は募集を休止しています

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杉村さん

初めていらっしゃるなら7月がおすすめです。今金町の名産である「男爵芋」の花が見頃を迎える季節なので、綺麗な景色を見ることができます。また、冬の時期にも来て頂き、雪国の生活を体験して頂くのも重要ですね。

毎年行われていた移住体験ツアーは現在休止中ですが、再開が決まったら町のホームページでアナウンスされるそうです。

地域おこし協力隊制度を活用してみる

「地域おこし協力隊」とは、都市部から特定の地域へ移住し、その地域の活性化などの「地域協力活動」を行う総務省の制度です。任期は1年から最大3年間で、活動期間内は住居や仕事が保証されているのが特徴です。

今金町ではここ10年ほど、地域おこし協力隊の制度を実施しており、隊員の9割以上が3年間の活動を全うしています。また、その半数以上が今金町に住み続けることを選択したり、役場の職員として継続的に今金町で働くことを選んだりしています。

移住をする際に必ずついてくるのが「仕事」と「住居」に関することですが、地域おこし協力隊の制度を使えば、その両方が担保されるため、選択肢の一つとして考えてみるのも手かもしれません。

公式:今金町(令和5年度 今金町地域おこし協力隊員募集について)

現在でも数人の協力隊が着任しているため、先輩隊員が既にいるのも心強いですね。

公式:今金町(今金町地域おこし協力隊の活動)

今金町への移住に関するお問い合わせ

今金町に興味を持った方は、まずはまちづくり推進課に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 今金町役場 まちづくり推進課
住所 〒049-4393
北海道瀬棚郡今金町字今金48-1
電話 0137-82-0111
公式サイト https://www.town.imakane.lg.jp/index.php