東松島市で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、地方移住を検討している人に向けて、宮城県東松島市の暮らしの魅力を紹介します。

東松島市は宮城県東部、日本三景松島と石巻市の間にあるまち。県内一の都市・仙台市まで1時間かからずアクセスできる利便性の良さと、海・山の自然に恵まれた美しい景観を有しています。暖かい地域の人たちの中で、都会と田舎の良いとこどりの暮らしを楽しめる魅力があるまちです。

そんな東松島市の魅力をはじめ、気候や子育て環境などの暮らしに必要な情報、移住支援制度などを詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
東松島市移住コーディネーター松井薫さん

東松島市 移住コーディネーター

松井 薫さん

東松島市の暮らしの魅力

宮城県東松島市の暮らしの特徴

東松島市は宮城県東部に位置するまち。市南西部にある日本三景「松島」の東端「奥松島」をはじめ、海や山が織りなす美しい景観を日常で楽しめるのが魅力です。景色はもちろんのこと、グルメやアクティビティといった多様な面で、豊かな自然環境の恩恵を受けられる環境があります。

また航空自衛隊が飛行訓練を行うため、街中の建築物には高さ制限が設けられています。広く抜けた青空の中で飛ぶブルーインパルスは、市を象徴する風景です。

宮崎県東松島市のブルーインパルス飛行風景
▲2021年東京オリンピックで東京の空を彩ったブルーインパルスの風景が日常にある東松島市

一方で生活環境に目を向けると、市内の生活利便性も十分、さらに近隣市町へのアクセスも良いという暮らしやすさがあります。人口100万人超の宮城県一の都市・仙台市にも1時間未満でアクセス可能。

普段は東松島市ならではの豊かな自然に癒され、必要なときには都会の便利さを享受できる「良いとこどり」の魅力があります。

そんな東松島市での暮らしは、移住先に対して以下のような思い・不安を持つ方におすすめです。

  • 自然豊かな環境と、都会にも近い暮らしの両方を楽しみたい
  • 子どもは自然の中でのびのびと育てたい
  • 子育てと仕事を両立するために、子どもを安心して預けられる環境が必要
  • 地域ぐるみで子どもを見守ってくれる環境があると良い
  • 食べ物がおいしいところに移住して、日々豊かな食を味わいたい
  • 移住先で地域に溶け込めるのかが不安

ではなぜ上のような特徴を持つ方に東松島市での暮らしが向いているのか、4つの魅力をあげて解説していきます。

魅力1:東京まで約3時間!暮らしの選択肢がぐんと広がる「交通アクセス」

東松島市は人口40,000人弱と決して大きなまちではありません。しかし県内一の大都市である仙台市と、2番目に大きな石巻市の間に位置するという恵まれた立地を活かし、都会の便利さも享受できる環境があります。

それを可能にするのが、東松島市の交通アクセスの良さ。市内にはJR8駅、高速道路のICが3か所あるなど近隣市町への移動がとても便利なのです。

公共交通、道路といった交通網を活かし、石巻市の中心市街地には10分程、仙台市には1時間未満で行くことができます。さらに仙台市には新幹線駅もあり、東京圏にも約3時間でアクセス可能です。

もちろん市内にもスーパーや病院など必要な生活施設は整っています。それに加えて都会の生活機能が身近にあることで、買い物や遊びに行く場所、さらには仕事選びなど、暮らしにおける選択肢が広がっていきそうです。

東京圏へのアクセスの良さを活かし、二拠点居住も実現できるかもしれません。

魅力2:都会ではできない体験と、手厚いサポートが魅力の「子育て環境」

宮城県東松島市のガス&ライフ矢本海浜緑地公園
▲「奥松島運動公園」人気の「ふわふわドーム」では思いっきり体を動かして遊べる!

東松島市の魅力の2つ目は「子育て環境」です。東松島市は児童公園や自然を活かした遊び場が多く、子どもが外でのびのびと遊ぶことができる環境が整っています。「奥松島運動公園」や「ガス&ライフ矢本海浜緑地公園」という大きな遊具のある公園もあるため、子どもの遊び場に困ることはなさそうです。

宮城県東松島市のガス&ライフ矢本海浜緑地公園

また東松島市の子育て環境の特徴の1つとしてあげられるのが、独自の教育施策です。例えば矢本東小学校では学年の異なる児童で形成する「縦割り班」などの独自施策を取り入れ、不登校対策にもつながっています。

また宮野森小学校では、校舎裏にある「復興の森」の環境を活かし、自然の中で子どもの育ちを支える取り組み「森の学校」カリキュラムを推進しています。

さらに地域と学校が一体となって子どもの成長を支える「コミュニティ・スクール」を全校で実施しており、家庭と学校だけでなく、地域のいろいろな人が関わりながら子どもののびやかな育ちを見守っています。

その他にも待機児童はほぼゼロ、高校生以下の子どもの医療費無料など、東松島市では施設・サービスの両面で手厚い子育て支援が受けられます。親子にとって嬉しいポイントがたくさんの子育て環境があるのが、東松島市の特徴です。

魅力3:海の幸も山の幸も絶品!「食の豊かさ」

宮城県東松島市産の牡蠣

東松島市の暮らしの魅力の3つ目は「食の豊かさ」。宮城県はもともと「食材王国」と呼ばれるほど豊富な食材を生む地であることは有名ですが、東松島市にも海と山と大地の恵みを活かしたおいしい食材がたくさんあります。

農業ではお米を中心に、野菜や果物の栽培も盛んです。また漁業では牡蠣と海苔とが有名です。特に海苔は香り高く上質で、皇室の献上品になる程のもの。一度東松島市の海苔を味わってしまうと他の海苔が物足りなく感じてしまうそうです。

新鮮でおいしい農産物は市内各所にある直売所で購入できます。おいしい食材を日常的に入手できるので、日々の食卓が豊かになりそうです。

魅力4:地域おこし協力隊定着率が約9割。移住者にも嬉しい「暖かい人柄」

東松島市では「地域おこし協力隊」を積極的に受け入れ、8年間で30人以上の採用を行っています。任期終了後も東松島市にそのまま住み続ける「定住率」は何と約9割。全国平均が6割程度とされている中で、非常に多くの地域おこし協力隊の方が東松島市に移り住んでいることが分かります。

そんな地域おこし協力隊をはじめとする東松島市への移住者の方から多くあがっているのが「東松島市はとても暖かい人が多い」という声です。

気温などと違い「人の暖かさ」というのは数字ではかることはできませんが、多くの方から異口同音に魅力としてあがっていることからも、移住者が東松島市で生活していく上でとても重要なポイントとなっていることがうかがえます。

とはいえ、移住後にすんなりと地域に溶け込むのはなかなか難しいものでしょう。そんな移住者に対して、地域おこし協力隊OB・OGが務める「移住コーディネーター」がサポートしています。

暖かい人柄の方たちの中で、先輩移住者のサポートも受けながら暮らしていくことができるのは、移住にあたっての大きな安心材料となりそうです。

東松島市の暮らしに関する情報

青いこいのぼりまつりの様子
▲東日本大震災で犠牲になった子どもたちを追悼する「青い鯉のぼりまつり」

気候 1月:平均気温0.8℃
8月:平均気温24.6℃
※参考:気象庁ホームページ
人口 約38,000人
※参考:市公式サイト(2023年9月1日現在)
病院 一般診療所:21か所
病院:2か所
歯科医:14か所
学校 【保育施設】
保育所:12か所(うち地域型保育施設2か所)
幼稚園:3か所

【学校】
小学校:8校
中学校:3校
交通 【公共交通】
・JR8駅(仙石線・仙石東北ライン)
・デマンド型乗合タクシー「らくらく号」

【自動車】
高速道路(三陸縦貫自動車道)のIC3か所(鳴瀬奥松島IC・矢本IC・石巻港IC)
主要幹線道路:国道45号
近隣都市 隣接市町:石巻市、松島町、美里町
近隣市:仙台市(所要時間約45分)

東北地方ということでまず気になる「寒さ」についてですが、東松島市は太平洋側に面しているため東北地方の中では比較的過ごしやすい気候となっています。

移動手段は基本的に車を利用しますが、降雪も少ないため、スタッドレスタイヤを履いてさえいえれば運転難易度もそこまで高くはないでしょう。

保育環境をみると、保育所は市内に12か所あり、待機児童はほぼありません。さらに2か所の園で最長20時までの延長保育を実施しており、働きながら子育てをする家庭を支えています。

また小学校の学童施設は同じ敷地内か隣接しているため、学童への移動の最中の事故、ケガが心配な方も安心して子どもを預けることができるのではないでしょうか。

仕事情報:市内・市外で求人多数。最大250万円の補助を受けられる創業支援制度も

大手求人サイトで正社員の求人を検索すると、約1,300件の求人がヒットしました。東松島市では農業や漁業などの一次産業が盛んですが、市内の企業で働く人も少なくないそうです。
※参考:求人情報の一例(市内)

ただしどちらかというと、仙台市や石巻市とのアクセスの良さを活かして外で就業する人の方が多くなっています。実際に市内から少し範囲を広げると求人数も飛躍的に増加するため、市外も視野に入れることで仕事の選択肢は大きく広がるでしょう。
※参考:求人情報の一例(25km圏内)

また先述したように、東松島市では地域おこし協力隊の方の定住率が非常に高く、定住後も独立して仕事をされる方が多いそうです。

市内で新規創業・第二創業をする人に向けては、最大で250万円という、県内でも突出した額の補助を受けられる制度「東松島市創業支援補助金」があります。プレゼンテーション審査が必要ではありますが、移住を機に起業・創業を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

東松島市創業支援補助金 市内で新たに創業、第二創業をする個人・中小企業者等を対象に、250万円を上限として補助金を支給する制度。

住まい情報:移住者は賃貸に住まれる方が多い。住居取得の場合は補助金もあり

大手住まい情報サイトで東松島市の賃貸物件を調べたところ、約90件ヒットしました。東松島市では震災を契機に賃貸物件が大幅に増加した背景もあり、移住者の方はほとんどが賃貸物件に居住されるそうです。
※参考:賃貸物件の一例

持ち家・戸建てを希望される方は空き家バンクを利用される場合もありますが、あまり多くの物件数はありません。移住者に対しては住居取得の際の補助金制度もあるため、新築や戸建ての購入を検討するのも良いかもしれません。

定住化促進事業補助金 市外からの移住者が市内で注文住宅の新築、建売住宅や中古住宅を購入する際に、その取得に必要な費用の一部について100万円を上限に補助する制度。

東松島市への移住者の声・体験談

東松島市に移住した人たちの声

ここでは、実際に東松島市に移住された方の声を紹介します。

▼地域との関係

  • 地域の皆さんは心が豊かで素晴らしい。皆が人に優しいので住みやすい
  • 子どもたちがあいさつしてくれる。小さいときからあいさつ習慣を身に付けているんだなと感じる
  • 治安が良くて平和だと感じることが多い。地域の人たちもすぐに顔と名前を覚えてくれるので、顔の見える関係の中で安心感を持って生活できる

▼暮らし・利便

  • スーパーやコンビニが多く、生活には不自由しない。仙台市から近いという立地も魅力
  • 新鮮な食べ物が安く入手でき、外食でもおいしいお魚が食べられる
  • これだけ自然が豊かなのに、便利さもある。森も駅に近いというのがすごいと思う
  • 東北地方にも関わらず比較的暖かく、降雨・降雪が少ないので過ごしやすい

▼自然景観

  • 高い建物がないので空が広い。夜の星空もきれい!
  • 自然を大切にしている人が多いからか、豊かな自然が守られている
  • 沿岸の景色が美しい

自然と生活利便性が共存した暮らしやすさについての声が多く聞かれました。そして地域の方の暖かい人柄が東松島市での生活の魅力になっているようです。

東松島市の具体的な移住サポート

ここまで読んで東松島市への移住に興味を持った方に向けて、東松島市で実施している移住への具体的なサポートを紹介します。

自分のライフスタイルに合った情報を得ることができる「ワンストップ窓口」

宮城県東松島市の移住担当者

移住先を決めるにあたっては、まずはそのまちの情報収集が必要です。東松島市の移住・定住情報サイトでは移住に関する情報が分かりやすくまとまっているため、東松島市が気になった際は最初に参考にされると良いでしょう。

東松島市移住・定住情報サイト「ひがまつ暮らし」:https://www.city.higashimatsushima.miyagi.jp/higamatsugurashi/index.html

東松島市での生活を想定したより具体的な情報が欲しい場合は、「ワンステップ窓口」の利用がおすすめです。自身が移住先でどのような生活をしたいかを移住の先輩であるコーディネーターに伝えることで、その人のライフスタイルに合った必要な情報提供を受けることができます。

オンライン相談も実施しているため、現地まで行くことが難しい方でも気軽に相談することができるのもポイントです。

ワンステップ窓口:https://www.city.higashimatsushima.miyagi.jp/higamatsugurashi/ijushien/onestep.html

東松島市の魅力を堪能する「移住モニターツアー」

宮城県東松島市の移住モニターツアーの参加者たち
▲移住モニターツアーの様子

移住前には実際にまちを訪れ、どのような雰囲気があるのかを体感しておくことが重要です。

東松島市では県外居住者に向けた「移住モニターツアー」を実施しています。地域の食やイベントなどを体験できるプログラムが用意されているので、観光で遊びに行くよりも地域の魅力を感じることができるのではないでしょうか。

宮城県東松島市の移住モニターツアーで農業体験をする参加者
▲モニターツアーでは農業体験などをしながら、東松島市の魅力に触れることができる

本格移住前に生活体験ができる「お試し移住」

宮城県東松島市のお試し移住施設
▲広々とした家で移住体験ができる東松島市のお試し移住

東松島市には移住前に生活体験をするための「お試し移住施設」があり、2~6泊でのお試し移住が可能です。本格的に移住する前にステップとしてぜひ利用することをおすすめします。

お試し移住施設は「つながる家」「あおみな」の2か所。「つながる家」は市役所や主要駅など、都市機能が集結した矢本地区にあり、「あおみな」は周囲を松島湾に囲まれ、観光地としても人気の宮戸地区にあります。

生活環境が異なる2か所から選べるため、自身が移住先でイメージする生活に近い方を選んで利用してみるのが良いでしょう。

お試し移住利用の流れ:https://pitamachi.com/municipality/topics/865

宮城県東松島市のお試し移住施設

移住にかかる費用負担を軽減する支援金制度

実際に移住するとなると、何かとお金がかかるものです。東松島市ではそんな移住に関するお金の負担を軽減してくれる支援制度も充実しています。自身が対象となるかどうか、事前にチェックしてみることをおすすめします。

好きです!東松島おかえり事業補助金 宮城県出身者・勤務経験者が東松島市に移住し、市内事業所に勤務する場合に、移転費用として1世帯あたり30万円(単身者の場合は15万円)を支給する制度。
東松島市移住支援金 東京23区在住・勤務者が東松島市に移住し、指定求人等で企業に就業するなど一定の要件を満たす場合に、1世帯あたり100万円(単身者の場合は60万円)を支給する制度。
※18歳未満の世帯員1人につき100万円加算

東松島市への移住に関するお問い合わせ

担当課 東松島市 復興政策部 復興政策課 地方創生・基地対策係
住所 【矢本庁舎】
〒981-0503
宮城県東松島市矢本字上河戸36番地1

【鳴瀬庁舎】
〒981-0303
宮城県東松島市小野字新宮前5番地
電話番号 0225-82-1111(内線1232)(移住相談窓口直通)
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト 東松島市公式サイト
東松島市移住・定住情報サイト「ひがまつ暮らし」