岩手県八幡平市での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、岩手県八幡平市(はちまんたいし)で暮らす魅力を紹介します。

八幡平市は、自然に触れられるスポットが多彩でありながら、盛岡市にも近くて便利に暮らしやすいまちです。さらに、おいしいグルメも豊富。子育て支援も充実しているので、ファミリーでの移住もおすすめですよ。

この記事では、八幡平市の移住コーディネーターである岡堀さんにお話を伺いながら、岩手県八幡平市の特徴や暮らしの情報を解説していきます。

岩手県八幡平市の移住コーディネーターである岡堀さん

八幡平市の魅力は?4つの特徴を解説!

岩手県八幡平市の暮らしの特徴

八幡平市は、生活の便利さがありながら、自然をたっぷりと満喫できる街です。子育て支援も充実しているので、子どもをのびのびと育てられますよ。さらに、おいしいグルメを一年中味わえるのも魅力。

そんな八幡平市への移住におすすめな人の特徴は、次の通りです。

  • 雄大な自然の魅力をたっぷりと感じたい人
  • 自然に囲まれながら便利に暮らしたい人
  • おいしいグルメを食べるのが大好きな人
  • 子育て世帯の人・これから子育てを始める世代の人

それでは、なぜこのような方におすすめなのか、その理由となる特徴を解説していきます。

特徴1:自然を満喫できるスポットが多数!

三ツ石山の紅葉の様子

八幡平市の特徴は、自然を満喫できるスポットが多彩であること。そんな広大な自然の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。

「安比高原牧場」では、森の中のドッグランで愛犬と走り回れたり、ピクニックができたりします。また、「サラダファームヴィレッジ」ではアルパカなどのたくさんの動物と触れ合えますよ。

市内にはスキー場が4か所もあり、ソリやスノーボード、スキーなどのウィンタースポーツを冬の間中楽しめます。なかでも「安比高原スキー場」は、東北最大級のスキー場です。「WS TOPSウィンタースポーツ賞」を海外スキー場部門で受賞しており、世界からも魅力あるスキー場として認められています

スキーを楽しんだら、温泉に訪れるのもおすすめです。八幡平周辺は火山が集まっており、良質な温泉の宝庫でもあります。休日にさまざまな温泉を巡れば、日頃の疲れも吹き飛びそうですよね。

また、八幡平市は、CM大賞にも選ばれるほど絶景が豊富なまち。特におすすめの絶景は、5月下旬から6月上旬の時期に八幡平頂上付近で見られる「ドラゴンアイ」と呼ばれる景色です。ドラゴンアイとは、山頂付近にある「鏡沼」に雪解け水が流れ込んで、龍の目のように見える神秘的な現象のことです。

八幡平市のドラゴンアイ
▲八幡平市における神秘の絶景「ドラゴンアイ」

ドラゴンアイは、外国の方がSNSで紹介したことをきっかけに評判が広がっていったそう。八幡平市には地元の人が気付いていないような絶景がまだまだ眠っているかもしれませんね。写真が趣味の方は、奇跡の自然現象を写真におさめてみてはいかがでしょうか。

加えて、八幡平市は紅葉の人気スポットでもあります。登山やドライブをしながら紅葉狩りに出かければ、その美しさに目を奪われるはず。

八幡平市には広大な自然を感じながらリフレッシュできるスポットが豊富にあるので、生活の質は必然的に高まるでしょう。

特徴2:盛岡市にも行きやすく便利に暮らせる!

八幡平市の大更駅

八幡平市は、自然が豊かでありながら、盛岡市にも行きやすく便利に暮らせるのが魅力です。

市内から車や電車を使えば、1時間以内に盛岡市へ行けます。気軽に盛岡市へ行けるので、ショッピングを楽しんだり盛岡で開催されるイベントに参加したりもできます。

さらに、八幡平市内には都市機能が集約されていて、暮らす上でも非常に便利です。西根地区にはスーパーや金融機関、病院が集まっているので、用事を一気に済ませられます。市役所は駅に直結しているため、市内のあらゆる場所からアクセスがいいのもうれしいですよね。

ちなみに、市内には12もの駅があり、路線バスやコミュニティバスも運行しているなど、交通手段も豊富です。特にコミュニティバスは、1人1回につき100円で利用できて便利ですし、なんと中学生以下は無料なんですよ

子どもが習い事や図書館に出かけやすいのは、大きなメリットですよね。車がなくても生活している人がいるほど交通機関が発達していますが、より便利に暮らすためには車の所有がおすすめです。

また、八幡平市立図書館には5万冊以上の蔵書があり、自分の好みに応じた読書ができます。移動図書館もあり、無料でさまざまな本に触れられるので、読書習慣や知識を身につけられやすい環境だと言えそうです。

特徴3:おいしい食べ物を「いつでも・たくさん」味わえる!

八幡平市は、おいしい食べ物が豊富!一年を通してさまざまなグルメを味わえます。

八幡平市の冬はマイナス15度に及ぶこともあります。そんな冬期にも、熱水パイプを通したハウスの中でさまざまな種類の野菜が栽培されているんですよ

ハウスの中で栽培される野菜は、八幡平バジルや八幡平マッシュルーム、枝豆などがあります。冬の寒さを利用した特産品である「寒締めほうれん草」もあって、八幡平でとれた四季それぞれの野菜を味わえますよ。

また、スーパーや産地直売店だけでなく無人販売店でも、とれたての旬の野菜を手に入れられます。内陸部でも、スーパーで魚介類を新鮮な状態で手に入れやすいのも、東北地方で暮らす大きなメリットですよね。

そして八幡平市は観光地でもあるので、おいしいグルメを味わえる場所がたくさんあります。食堂やドライブインを訪れて、食べ歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。おしゃれなお店もあるので、自分のお気に入りの店を見つけて通うのもいいですね。

特におすすめのグルメは、テレビでも紹介された「にんにくチーズタン麺」です。野菜がたっぷり食べられる上、チーズがスープにとけて絶品ですよ。「がっつりと食べたい」という人にはたまりません。

特徴4:結婚から子育てまでの支援が充実している!

八幡平市では結婚から子育ての支援が手厚いので、これから子育てをするような若い世代にとって心強い環境です。結婚や子育てに関する支援の一部をご紹介します。

※詳しい条件は必ずご確認ください。

  • 新婚世帯は最大で60万円もの支援が受けられる。(2023年3月31日まで)
  • 子どもを出産すると、出産祝い金として50万円がもらえる。
  • 産前・産後に家事を手伝ってくれる「子育て支援ヘルパー」を、24時間以内であれば無料で派遣してもらえる。
  • 18歳を迎えた後最初の3月31日まで、子どもの医療費を全額助成してもらえる。
  • 学校へ通学するために定期券を購入した場合、購入費の10%を補助してもらえる。

参考:八幡平市公式サイト「新婚世帯に最大60万円支援します」より
参考:八幡平市公式サイト「出産祝金を支給します」より
参考:八幡平市公式サイト「子育てヘルパー派遣します」より
参考:八幡平市公式サイト「市で行う医療費助成の一覧」より
参考:八幡平市公式サイト「通学定期券購入費補助金」より

特に出産祝い金は、2022年4月から現在の条件や金額で支給がスタートしました。50万円もの出産祝い金をもらえたら金銭的な負担が格段に少なくなり、親は子育てに集中しやすくなりますよね。「子育て支援ヘルパー」の利用とあわせて、大変な産後を乗り越えるための支援が揃っていることがわかります。

このように、八幡平市では、これから子育てをする若い世帯の負担を減らすような支援が多数あります。

岩手県八幡平市での暮らし

八幡平市の特産品であるリンドウ

八幡平市の特徴や魅力を知っていただいたところで、次に移住に役立つ生活情報を紹介していきます。まずは以下の概要をご覧ください。

気候 年間平均気温が9.0度と低いのが特徴。冬は多くの雪が降る。
人口 24,086人(令和4年10月31日現在)
病院 病院・クリニック:9件
歯科:11件
学校 小学校:10校
中学校:4校
高等学校:1校
保育園
幼稚園
保育園:8園
幼稚園・こども園:5園
特産品 安比塗漆器(2020年日本遺産登録)、地熱染め、リンドウ
食べ物 八幡平バジル、八幡平マッシュルーム、枝豆、山葡萄、杜仲そば、杜仲葉茶、西根ほうれんそう、ほうれんそううどん、わしの尾、岩手山のバナジウム天然水、プルーンドリンク、りんごジュース、にんにくチーズタン麺、焼肉冷麺大更ホルモン、八幡平牛、コマクサ杜仲茶ポーク、八幡平サーモン、そば
交通 【鉄道】
東日本旅客鉄道(JR東日本)
花輪線:東大更駅-大更駅-平館駅-北森駅-松尾八幡平駅-安比高原駅-赤坂田駅-小屋の畑駅-荒屋新町駅-横間駅-田山駅-兄畑駅
※八幡平駅は隣の鹿角市にある。
【バス】
・一般路線バス
(岩手県北バス、八幡平市コミュニティバス、二戸市コミュニティバス)
・高速バス(秋北バス、岩手県北バス、岩手きずな号)
【高速自動車国道】
・東北自動車道:西根IC-岩手山SA-松尾八幡平IC-前森山PA-畑PA-安代JCT-安代IC-田山PA
・八戸自動車道:安代JCT
娯楽 安比高原スキー場、八幡平リゾート下倉スキー、八幡平リゾートパノラマスキー場、八幡平市田山スキー場、安比高原サッカー場ASPA、安比高原ゴルフクラブ、南部富士カントリークラブ、森林ふれあい学習館フォレストI、花と緑のハッピーフォレスト安比の森(安比高原牧場)、サラダファーム、彩花園、イーハトーブ火山局、岩手山銀河ステーション天文台、八幡平サーキットサンマリノグランプリ
近隣都市 ・岩手県:盛岡市、二戸市、滝沢市、岩手郡岩手町、雫石町、二戸郡一戸町
・秋田県:鹿角市、仙北市
・青森県:三戸郡田子町

このように見ると、自然を堪能しながら遊べる場所がたくさんあり、交通手段も豊富で暮らしやすいことがわかりますね。病院は市内にもありますが、規模の大きい病院を受診するために盛岡市に行くこともあるそうです。

また冬は雪が多く降るため、移住する際は考慮しておきましょう。除雪機能がしっかりしているため、道路の雪は除雪されていることが多いですが、家の周辺は自分で雪かきが必要です。

そして市内の学校では、地域の方々からのサポートを受けて地域活動や行事が行なわれています。それらの取り組みを通して、子どもたちには地元を大切に思う心が育まれていますよ。地域の人たちとの関わり方を学校にいる段階で学べるのは、子どもの成長にとって大きなプラスになりますよね。

小学生がリンドウ栽培を見学している様子
▲小学生が地域学習でリンドウ栽培を見学している様子

仕事:観光業関連の求人が多い

大手求人サイトで八幡平市の正社員情報を探したところ、約900件の求人が見つかりました。また、ハローワークインターネットサービスで八幡平市の求人を探したところ、約200件がヒットしました。

(※2022年11月時点、縁結び大学調べ)

ホテルのフロント業務、清掃業務、旅館の接客係、サービスエリアのスタッフなど、観光に関連した求人が多く見つかりました。八幡平市の移住コーディネーターである岡堀さんによると、安比高原に新たにホテルができたので、そちらへ就職する人も多くいるそうです。また、2022年8月に開校したばかりの全寮制インターナショナルスクールでも求人の募集があるそう。

求人の数は豊富とまではいえませんが、新たな雇用が続々と生まれています。特に観光産業に携わりたい人にとって魅力的な求人が見つけられるかもしれません。

住まい:選択肢は少なめだがリーズナブルな価格で住まいが探せる

物件情報サイトで八幡平市の物件情報を検索したところ、以下の情報が見つかりました。

▼八幡平市の物件情報

件数 価格帯
賃貸 約5件 2.8万円~6.5万円
戸建て(購入) 1件 約1,200万円

(※2022年11月時点、縁結び大学調べ)

見つかった物件の数は多くはありませんが、都心と比べてかなりリーズナブルな価格で物件を借りたり買ったりできることがわかります。八幡平市は土地の価格が安いため、物件を取得しやすいのが大きなメリットです。

八幡平市の移住コーディネーターである岡堀さんによると、移住者は「一軒家に住みたい」と希望する人が多いんだとか。

また、八幡平市には空き家バンクもあるため、物件探しの際に活用してみてはいかがでしょうか。登録物件情報は以下の通りです。

▼八幡平市空き家バンクの物件情報

件数 価格帯
売買 約10件 120万円~1,180万円

(※2022年11月時点、縁結び大学調べ)

温泉付きの物件やスキー場に近い物件も見つかりました。自分の趣味を満喫できる物件を低価格で取得できるのはうれしいですよね。八幡平市では別荘地がよく売れているため、自分の趣味を満喫したい人が多いのかもしれません。

さらに、空き家バンクを通じて空き家を所有したり賃貸したりした場合、改修工事の際に最大で20万円の補助を受けられる可能性があります。住まいの選択肢として空き家の活用を考えている方は、ぜひ「八幡平市移住促進空き家改修補助金」の利用を検討してみてください。

※詳細は必ずご確認ください。

>>「八幡平市移住促進空き家改修補助金」の詳細はこちら

ただし、空き家の購入を検討する際は、アクセスや生活の利便性なども十分に考慮しましょう。

移住してから「想像していたのと違う…」と後悔しないように、まずは賃貸物件を借りてみて年間を通じてその土地で暮らしていけるのか見極めてみることをおすすめします。

八幡平市に移住した人の声:自然を楽しみながらゆったり過ごせる

岩手県八幡平市への移住者の声

ここで、八幡平市へ実際に移住した人の声をご紹介します。

  • 温泉などの観光施設はそこまで混んでおらず、程よく人との距離が保てるのがいい。ゆったりと過ごせる。
  • ご近所さん達と食材をおすそ分けしあったり、一緒にバーベキューをしたりして、充実した日々を過ごしている。自分らしく過ごせていると感じる。
  • 自然が豊かで、ご飯が美味しい。
  • 春は山菜とりをして、夏は登山、秋はきのこをとって、冬はスキーなどのウィンタースポーツをする。山の恵みを満喫できる。
  • 地元の方は移住者を歓迎してくれる。八幡平市は元々街道として発展した地域であるので、外から人が来るということに対してあまり抵抗感がない。

自然を満喫しながら、自分らしくゆったりと過ごしている移住者の方が多い印象を受けました。地域の方は移住者を歓迎してくれ、きのこなどの食材をおすそ分けしてくれたり、趣味の話で盛り上がったりすることもあるそうです。

移住者の方が自分らしくゆったりと過ごせるのは、地域の人が移住者を温かく迎え入れてくれるからかもしれませんね

八幡平市へ移住するためには?

最後に、八幡平市へ移住するための具体的な方法をステップ形式で紹介していきます。

ステップ1:まずは移住相談をしてみよう

まずは八幡平市の移住コーディネーターに移住相談をしてみましょう。電話やメールはもちろん、LINEでも移住相談ができるので、聞いてみたいことがあれば気軽に尋ねてみてはいかがでしょうか。

移住相談をすることによって、生活の基盤や住居など移住後の生活が明確になりますし、八幡平市に住んでいる移住コーディネーターだからこそ知っている情報も教えてもらえますよ。

>>移住相談の詳細はこちら

また、東京で移住イベントが開催されるときにも移住相談をすることも可能です。移住の第一歩として、まずは移住相談から始めてみましょう。

八幡平市の移住相談会の様子
▲八幡平市の移住相談会の様子

八幡平市の移住コーディネーターの岡堀さん
岡堀さん

東京で開催される移住イベントには毎回行くようにしていますので、実際に来場して聞いていただけるのがありがたいです。

ステップ2:移住を決断したら補助金の活用を

移住コーディネーターの方に移住相談をしたり、実際に八幡平市に訪れたりする中で、移住の決断ができたら、補助金などの支援制度を活用してお得に移住しましょう。

移住に役立つ支援制度は以下の通りです。

※詳細は必ずご確認ください。

▼八幡平市への移住に役立つ支援制度

八幡平市移住支援金 【対象】
東京圏からの移住者
【支給額】
・単身の世帯の場合:60万円
・2人以上の世帯の場合:100万円
※18歳未満の子1人につき30万円が加算される。
いわて若者移住支援金 【対象】
23区以外の東京圏(条件不利地を除く)に在住していた、転入時に39歳以下の人
【支給額】
単身の世帯の場合:15万円
2人以上の世帯の場合:25万円
※「八幡平市移住支援金」との重複受給不可
若者向け空き家住宅取得支援事業 「空き家バンク」に登録された空き家の取得費の一部を助成してもらえる。

特に東京圏からの移住者への支援が手厚いことがわかりますね。移住にはどうしてもお金が必要になりますので、支援制度を活用して金銭的な負担を減らしましょう。

参考:はちまんたい移住定住サイト「東京圏からの移住・就業者に移住支援金(最大100万円)を支給します」より

参考:岩手県公式サイト「ライフステージに応じた若者への住宅支援」より

八幡平市への移住に関するお問い合わせ

移住コーディネーターの岡堀さんと吉田さん

担当課 まちづくり推進課
住所 〒028-7397
岩手県八幡平市野駄21-170
電話番号 0195-74-2111
Fax 0195-74-2102
公式サイト https://www.city.hachimantai.lg.jp/site/ijyu/