五木村で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報
「地方に移住してのんびりと暮らしたい」とお考えの方に向けて、本記事は熊本県球磨郡五木村の魅力をご紹介し、移住先のひとつとして検討していただくことを目的としています。
九州のほぼ中央、熊本県の南部に位置する五木村は、広大な自然を感じながらゆったりした時の流れの中で生活できる村です。車で40分ほど移動すると大きな病院や商業施設のあるエリアにアクセス可能なため、利便性はそれほど悪くありません。
さらに注目したいのが、子育て世帯へのサポートが充実していること。「18歳までの医療費完全無償」や「保育園料の無償化」といったうれしい支援が整っており、ファミリー世帯の移住先としてもおすすめです。
五木村で移住定住事業を担当する加藤さんにお話を伺いながら、五木村で暮らす魅力について詳しく紹介します。
五木村で暮らす魅力
まずは、五木村の特徴を以下の項目別にご紹介します。
▼五木村の魅力をギュッとまとめた表
項目 | 特徴 |
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地理 | 面積の約94%が山林。水と緑に囲まれた自然環境豊かなエリア。 |
気候 | 山間部に位置するため、九州のなかでは比較的気温が低め。 |
グルメ | 「十割そば」が名物。超極太のモチモチ食感がたまらない! |
産業 | 主要産業は「林業」。茶やソバの実の栽培も盛んに行われている。 |
レジャー | 景観の良い公園が多数あり、キャンプやバンジージャンプを楽しめる人気スポットも。 |
交通 | 鉄道路線はなく、交通手段は車または九州産交バス。 ※村民のみコミュニティバス・リレーバスも利用可能。 |
五木村の人口は約1,000人で、九州で最も人口が少ない自治体(離島除く)です。自然も人も優しく寄り添ってくれる温かな環境のなか、自分好みのスローライフを満喫できますよ。
地理:標高1,500m級の山々に囲まれた自然豊かな立地
五木村は九州のほぼ中央、標高1,500m級の山々が連なる九州山地の山岳地帯に位置します。面積の約94%が山林で、「これぞ日本の原風景」ともいえる穏やかで美しい村です。
近隣の自治体には大きな病院や商業施設、高速のインターや空港などがあり、車で40分ほどでアクセス可能。のどかな山間部にありながらも、利便性にも長けている魅力的なエリアです。
気候:年間を通して低めの気温が特徴
五木村は山間部に位置するため、九州地方のなかでは比較的気温が低めです。冬の時期は最低気温が0℃を下回る日もありますが、夏の時期は平均気温25℃前後と快適に過ごせます。
グルメ:うどんのような太麺の「十割そば」が名物!
五木村のご当地グルメとしては、「十割そば」が挙げられます。十割そばとはつなぎを使わずそば粉だけを用いて作るそばのことですが、五木村の十割そばは「そばじゃなくてうどん?」と驚くほどの太麺です。
コシの強いモチモチ食感が特徴的で、この十割そばを目当てに遠方から訪れる方もいるほどの人気です!
文化・歴史:「五木の子守唄」発祥の地
▲五木村の中心に位置する「子守唄公園」
五木村は「子守唄の里」としても知られる場所で、熊本を代表する民謡のひとつである「五木の子守唄」発祥の地です。
かつての貧しい山村では、年頃の子供を他人の家に奉公に出し、住み込みで子守や家事などを手伝わせるケースが多々みられました。この歌には奉公に出された子守娘の境遇が表現されており、親元を離れ、寂しくつらい思いをしながら子供をあやす子守娘の悲哀の心情が描かれています。
歌詞は90ほどあるとされており、なかでも『おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんと(お父さんは奉公に出す時に「盆まで勤めてくれ」と言っていたから、ここには盆までしかいないよ)』『おどまいやいや 泣く子の守りは 泣くと言われて憎まれる(あやしても子供は泣き止まず、それを子守が下手と憎まれる)』といった歌詞が有名です。
そんな「五木の子守唄」は五木村の誇りであり、村の中心地には子守唄像彫刻コンクールに入賞した作品を展示している「子守唄公園」があります。園内にある築約130年の萱葺民家(かやぶきみんか)では昔の農機具などを鑑賞できるほか、語り部によって披露される「五木の子守唄」や昔話のイベントも人気です。
地価・物価:県内でもトップクラスにリーズナブル
五木村の地価・物価は、熊本県内でもトップクラスの安さです。地価としては平均3,516円/㎡(2023年時点)で、リーズナブルな価格で一戸建て住宅を購入できます。
賃貸物件の家賃も格安で、たとえば5~6Kほどの広々とした平屋住宅の家賃は月1~3万円程度。毎月の固定費を抑えられることから、趣味や新たなチャレンジなどに費用を投資しやすい点が大きなメリットです。
産業:林業やお茶・そばの実の栽培、豆腐の生産地として有名
五木村の主要産業は「林業」で、熊本県内の住宅や村営住宅の建築には五木産の木材が多く使用されています。
また、お茶やそばの実の栽培が盛んなエリアとしても有名です。それらの加工品は「道の駅 子守唄の里五木」などで販売されており、村民や観光客を問わず人気があります。
▼「道の駅 子守唄の里五木」公式サイト
https://www.itsuki-bussan.net/
豆腐の生産地としても知られており、村内にある「五木とうふ店」では九州産大豆100%使った硬い木綿豆腐やプリンのような舌触りのなめらかな豆腐など、バリエーション豊富な豆腐が製造・販売されています。
特許を取得している「燻製豆腐」は全国各地に出荷されているほか、フランスを中心に海外でも販売されている大人気商品です。
子育て世帯へのサポートが充実
五木村では「日本一の子育ての里」を目指しており、子育て世帯へのサポートが充実。村民は以下のような支援を受けられるなど、経済的に子育てしやすい環境が整っています。
- 18歳までの医療費完全無償
- 15歳までの子ども1人につき年間2万円の助成金支給
- 保育園料の無償
- 月額給食費や修学旅行費を2/3補助
上記のようなメリットはあるものの、人口の少ない村のため「通学が不便なのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、村内には保育園・小学校・中学校・高校(分校)があり、スクールバスの利用も可能なので不便なく通学できます。
また、自然あふれる環境でのんびりと子育てができることも魅力のひとつです。「金銭的にも環境面でもゆとりを持った暮らしをしたい」とお考えの子育てファミリーは、ぜひ五木村への移住を検討してみるとよいでしょう。
五木村の村民はシャイ気質であるものの、面倒見が良い方ばかり。地区に住んでいる子どもは自分の子どもや孫のように可愛がってくれる方が多く、人の温かみを感じながら子育てできますよ。
老後の移住先としてもおすすめ
五木村にはセカンドライフとしての移住者も多く、同じような境遇の人たちと田舎暮らしを満喫できることも注目したい魅力です。もともと住んでいる村民から五木村の魅力やライフスタイルを教わり、そして移住仲間とともに助け合いながら、自分好みの充実した老後生活が叶います。
遊び:川でのレジャーが充実!多彩なイベントにも注目
五木村には自然に触れ合えるレジャースポットやイベントが多く、大自然のなかで存分に田舎暮らしを堪能したい方にぴったりな村です。おすすめスポットやイベントを以下でご紹介するので、ぜひチェックしながら五木村での楽しい暮らしをイメージしてみてください。
レジャースポット | 川辺川・五木村バンジー・道の駅 子守唄の里五木・五木温泉 夢唄・端海野キャンプ場・小原の吊り橋 など |
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公園 | 子守唄公園・大滝自然森林公園・白滝自然公園 など |
景観が美しいスポット | 宮園の大イチョウ など |
イベント | 夏祭り・秋の大いちょう祭り など |
レジャースポットとして特に注目したいのが、15年連続で水質日本一を記録している「川辺川」(※)。ヤマメやアユといった天然魚が生息しており、釣り人たちの間では「釣りの聖地」として愛されています。
(※)参考:国土交通省「九州地方整備局」
夏には川遊びを楽しむファミリーも多く、川周辺ではホタル観賞も可能です。透き通った美しい水の中で水中生物を観察したり、幻想的なホタルの光を眺めたりと、五木村ならではのレジャーを満喫できるでしょう。
また、五木村ではイベントも多く実施しており、流しそうめんやラムネの早飲み対決などが開催される夏祭りや、宮園地区にて行われる「秋の大いちょう祭り」などが人気です。どちらも屋台やステージが設けられ、例年大いに盛り上がります。
ライフスタイル:エリアごとに特徴が異なる
五木村への移住を検討するうえで、「どこのエリアに移住しよう?」と悩む方もいるのではないでしょうか。ここではエリアごとのライフスタイルに焦点を当て、それぞれの特徴についてご紹介します。
中心地:統一感のある美しい町並みが特徴
五木村の中心地は村の条例指定を受けているため、統一感が取れた美しい街並みのなかで田舎暮らしを楽しめます。
中心地に移住した人の声
- 20代男性(愛知県から移住)
名古屋の中心部で働いていたが退職して、自然が豊かな場所で淡々と仕事をしたくて移住。今はネット系のフリーランスとして快適に働けている。夏が涼しく、仕事にもストレスフリーで打ち込める。
- 20代女性(大阪府から移住)
私の離婚をきっかけに、母、兄、弟、私と娘の5人で移住。都会と比べてお店が周りに無かったり、診療所しかないことを不安に感じたけど、家族や友人と助け合っていくと慣れてきた。不便だけど、優しい人が本当に多い。
- 50代男性(長崎県から移住)
仕事の関係で五木村に移住。自然が豊かな環境でのどかな暮らしができている。期待していた以上に空気と水が美味しい。街からの距離など若干住みにくいところは感じるが、それを上回る程の魅力と行政のサポートがある。
北や南の地区:イベントや行事が盛んなエリア
五木村の北や南の地区では、イベントや行事が盛んに実施されます。ご近所との繋がりも深く、子育ての支援をしてくださったり、農作物のおすそ分けがあったりと、人々の温かみを感じられるエリアです。
北や南の地区に移住した人の声
- 30代女性(熊本県人吉市から移住)
結婚を機に五木村に来ることに。五木村の人はびっくりするくらい優しく、子供の遊び相手をしてくれたり、野菜を分けてくれる。子供が大騒ぎしても怒られたりすることがなく、のびのびと子育てができる。
- 30代女性(福岡県から移住)
五木村には、新たなことにチャレンジできる仕事を探していた時に、五木村の地域おこし協力隊の求人を見つけたことがきっかけで移住。ご近所さんにとても恵まれていて、よく野菜やおかずをお裾分けしてくれる。集会での決まり事なども教えてくれ、いつも気にかけて声をかけてくれるので、すぐに馴染むことができた。
- 40代女性
一度旅行で訪れ、五家荘や渓谷の景色に魅力を感じ、子供達も自立したため移住。自然が多く、空気や水が美味しい!近所の人がとても親切で、いつもよくしてもらっている。
西の地区:自給自足に近い暮らしが叶うエリア
西の地区には物件自体が少なく、手つかずの自然が広がっています。狩猟や家庭菜園などを存分に満喫しながら、自給自足に近い生活を送れるエリアです。
西の地区に移住した人の声
- 30代女性(熊本県あさぎり町から移住)
転職をきっかけに五木村に移住。集落の人が声をかけてくれたり、食べ物を分けてくれたりして、とても良くしてくれる。五木村は田舎ならではの人との関わりを愉しむことを望んでいる人におすすめ。
- 20代女性(兵庫県から移住)
実家があさぎり町にあり、転職を機に五木村に引っ越してきた。車があれば問題なく生活できるけど、買い物はやっぱり大変だと思う。基本的に自炊するようになったので、健康的な食生活を送れるようになった。
五木村への移住相談会
▲五木村への移住・定住に関して相談に応じてくださる加藤さん(左)と土屋さん(右)
五木村には移住・定住に関することを担当している職員がおり、新しい家探しから就業先の斡旋、起業の補助など、移住希望者の方を親身にサポートしてくれます。
住む場所としての五木村の魅力を紹介してもらえる「移住体験ツアー」が常時実施されているので、移住を検討している方は参加してみるとよいでしょう。事前に希望すれば、個別でも案内してもらえます。
▼移住の相談予約やお問い合わせはこちら
五木村移住・定住支援サイト
五木村での起業を希望される方は、最大100万円の補助を得られます。興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
五木村役場の基本情報
住所 | 〒868-0201 熊本県球磨郡五木村甲2672-7 |
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電話番号 | 0966-37-2212 |
営業時間 | 平日:9:00~17:00 |
定休日 | 土日祝日 |
アクセス | ・人吉ICから車で40分 ・八代IC・宇城氷川ICから車で55分 ・鹿児島空港から車で1時間25分 |
駐車場 | 約40台分完備 |
相談予約 | 五木村公式サイトの「お問い合わせフォーム」よりメール、または電話にて予約 ▼お問い合わせフォームはこちら 五木村移住・定住支援サイト |
公式サイト | https://www.vill.itsuki.lg.jp/ teijuu/default.html |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
まとめ:温かな環境でスローライフが叶う、五木村
熊本県球磨郡五木村は、美しい水と緑に囲まれた自然豊かな村です。ゆるやかに流れる時間のなかに日々の暮らしがあり、四季折々の草花や鳥たちを眺めながら自由気ままなスローライフを満喫できるでしょう。
鉄道や信号などはなく、都心での生活に慣れている方にとっては不便を感じることもあるかもしれません。しかし、手つかずの大自然や親身なサポートなど、五木村だからこそ得られるものもたくさんあります。