鹿児島県湧水町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では地方への移住を検討している方に向け、鹿児島県姶良郡湧水町(ゆうすいちょう)で暮らす魅力をお伝えします。

鹿児島県の中央・北端に位置する湧水町は、鹿児島・熊本・宮崎の県境に接する地域です。鹿児島市はもちろん、熊本県や宮崎県にもアクセスしやすいので、旅行や観光が好きな方にもぴったりです。

湧水町は子育て支援にも力を入れており、児童手当以外にも独自の支援制度を設けています。さらに自然豊かなエリアと高速ICや飲食店、スーパーなどが集まっているエリアに分かれているので、希望する移住スタイルに合わせて住む場所を決められますよ。

今回は湧水町役場・商工観光PR課の園田さんから伺ったお話をもとに、湧水町での仕事や住まいをはじめとする移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

インタビューに答えてくれた湧水町商工観光PR課の園田さん

湧水町での暮らし・3つの特徴

湧水町の暮らしに関するイメージ画像

湧水町の特徴はなんといっても、新鮮な水と自然豊かなロケーションです。町内に温泉地が点在しているのはもちろん、なんと一般の家庭で温泉が出る地域もあるそうです。

また、芸術にも力を入れており、湧水町内にある栗野駅・吉松駅や公園、公衆トイレなどの近くには芸術家や芸術家を志す学生たちの作品が飾られています。

そんな湧水町への移住は、以下のような方々におすすめです。

  • 子育て支援の充実している地域に移住したい
  • 自然のなかでのびのびと暮らしたい
  • 都市部にアクセスしやすい地域がよい
  • 温泉巡りや旅行が好き

上記の方々に湧水町での生活が向いている理由を、3つの特徴を踏まえて解説します。

特徴1:子どもの誕生&入学で給付金を支給。充実した子育て支援

子育てをしやすい環境を求めて、地方への移住を検討している方は多いのではないでしょうか?湧水町は待機児童がゼロの地域なので、子どもを預けて仕事をしたい方にもぴったりの移住先といえます。

>>鹿児島県「すくすくジャパン」

また湧水町では、特に新生児から2歳までの子どもへの支援が充実しています。具体的には、以下のような子育て支援が受けられますよ。

新生児子育て応援給付金 新生児1人あたり1子目100,000円、2子目200,000円、3子目300,000円を支給 新生児の保護者に支給(※1)
出産・子育て応援支援事業 妊娠届出時に50,000円、出産届出時に50,000円を支給 妊娠、出産をされた方に支給

(※1)母親が新生児の出生以前から湧水町に住所があり、給付金申請時においても母子ともに湧水町に住所があること

もちろん小学校や中学校、高校といった学齢期も、例外ではありません。子どもが小学校や中学校に入学する際には1人あたり30,000円の入学祝金がもらえたり、中学校卒業までの医療費の自己負担分が無料になったりと、子育て家庭にうれしい支援が充実しています。

湧水町で受けられる子育て支援は、以下のページから確認できます。制度の内容や条件などがコンパクトにまとまっているので、ぜひお時間のあるときにチェックしてみてくださいね。

>>湧水町で受けられる子育て支援の情報はこちら

特徴2:鹿児島・宮崎・熊本の観光都市にアクセスしやすい

湧水町は自然豊かな環境でありながら、都市部にアクセスしやすい位置にあります。県庁所在地の鹿児島市までは高速道路を使うと50分ほどで行けるので、ドライブがてら鹿児島観光をしてみてはいかがでしょうか。

そのほか熊本県の人吉市や、宮﨑県のえびの市にも車で1時間ほどでアクセスできるため、休日に家族や友人、恋人と九州の名所を巡るのもおすすめです。

さらに町内にある「栗野IC」から約15分の距離に鹿児島空港があり、国内旅行や海外旅行にも出かけやすいんですよ。鹿児島県内はもちろん、九州や国内外をアクティブに飛び回りたい方にもぴったりな移住先といえます。

特徴3:大自然が織りなす名水が豊富!温泉施設も盛りだくさん

栗野駅から歩いて1分ほどの場所にある霧島山麓・丸池湧水(きりしまさんろく・まるいけゆうすい)は、環境省指定の「名水百選」に選ばれています

※参考:環境省「名水百選」

丸池湧水にうつる周辺の景色
▲鏡のように映し出された景色から、丸池湧水の高い透明度がうかがえる

丸池湧水は農業や生活用水にも使われているため、湧水町ではきれいな水を存分に堪能できるんです。

丸池湧水に含まれている「シリカ」と呼ばれる成分は、美容や健康にも効果が期待できると考えられています。また、硬度が低いので飲みやすく、飲料水はもちろん料理にも使うのもおすすめです。

※参考:湧水町「グルメ・特産品」

さらに同じ町内で、黒・白・無色の泉質が異なる温泉を堪能できるのも湧水町の特徴です。湧水町に点在する温泉施設には大人1人あたり200円ほどの料金で入れるところもあるので、温泉好きな方は要注目ですよ。

栗野岳にある八幡大地獄
▲栗野岳の中腹で白煙を吹き続けている「八幡大地獄」

鶴丸温泉にあるモール泉の様子
▲鶴丸温泉にあるモール泉は、褐色の肌触りがやさしい温泉

湧水町の各地で新鮮な水が湧いているため、日帰りで温泉地を巡ったり、水の飲み比べをしたりするのも楽しそうですね。公式サイトでも町内の温泉施設が紹介されているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

>>湧水町内の温泉施設はこちら

エリアによる暮らしの違いをチェック

魚野フライトゾーンから見える雲海
▲吉松エリアにある魚野フライトゾーンからは、神秘的な雲海が見られることも

湧水町は大きく、自然が豊かな「吉松エリア」と、生活の利便性が整った「栗野エリア」に分けられます。エリアごとの主な特徴は、以下の通りです。

吉松エリア ・温泉が13か所
・緑が豊か
・竹中池や熊野水源がある
・宮崎県との県境
栗野エリア ・湧水町役場がある
・高速ICや駅、スーパー、コンビニなどが集まっている
・丸池湧水や棚田、霧島アートの森などがある
・隣には伊佐市や霧島市がある

吉松エリアにも「吉松駅」の周辺には、スーパーやコンビニなどがあります。ただ、施設が充実しているとはいえないので、ホームセンターや大きな公園に行きたい場合には栗野エリアに出る必要があります。

ちなみに、吉松エリアから栗野エリアまでは車で15分ほどで移動できます。もちろん、列車を使って、吉松駅から栗野駅へ移動することも可能です。

自然のなかでスローライフを堪能したい方は吉松エリア、運転が苦手な方や利便性を重視する方は栗野エリアというように、ニーズに合わせて居住地域を選べます。

湧水町の暮らしに関する情報

日本一ともいわれる栗野岳枕木階段の様子
▲栗野岳にある枕木階段からはだ大自然が織りなす絶景が広がる

湧水町で暮らす上で気になるのは、気候や病院、学校などの情報ではないでしょうか。

ここからは、実際に湧水町で生活する際に役立つ情報を紹介します。まずは、湧水町の気候や病院、学校などのデータをまとめた下の一覧表をご覧ください。

気候 盆地のため、南九州としては冬は寒冷で昼夜の寒暖差が激しい。
・1月:平均5.4℃
・8月:平均26.0℃
※参考:気象庁ホームページ
※湧水町内に観測地点が無いため直近の溝辺地点を参照
人口 ・人口:8,559人(男性:4,032人、女性:4,527人)
・世帯:4,648世帯
(令和5年5月末日現在)
病院 ・クリニック:6か所
・歯科:3か所
学校 ・保育園:4園
・幼稚園:1園
・小学校:5校
・中学校:2校
文化
芸術
湧水町高原フェスタ(11月開催)
食べ物 丸池湧水(ナチュラルミネラルウォーター)
かごしま湧水米
湧水茶
棚田米
天地水楽(本格焼酎)
栗野岳温泉南洲館の「鶏の地獄蒸し」
ゆうすいプリン
アーモンドラーメン
鰻の蒲焼
交通 【航空】
鹿児島空港(栗野ICから空港まで車で約15分)
【鉄道】
・九州旅客鉄道(JR九州)
肥薩線
【バス】
・路線バス(南国交通)
隣の伊佐市と鹿児島空港の間を運行
【高速道路】
・九州自動車道(栗野IC)
娯楽 霧島山麓丸池湧水(日本名水百選)
幸田の棚田(日本棚田百選)
筒羽野の疏水(疏水百選)
ヒガンザクラの自生南限地
ノハナショウブの自生南限地(三日月池)
霧島アートの森
沢原高原
池平公園
松尾城(栗野城)跡
吉松温泉郷(鶴丸・般若寺・川西など)
栗野岳温泉(八幡大地獄)
勝栗神社(鹿児島神宮の北方守護社)
観光SL会館
魚野峠パラグライダー基地
近隣都市 霧島市
伊佐市
薩摩郡さつま町
宮崎県えびの市
大都市へのアクセス 【飛行機】
※鹿児島空港まで
羽田空港から:約2時間
成田空港から:約2時間15分
関西空港から:約1時間20分
伊丹空港から:約1時間15分
※鹿児島空港バスで湧水町まで約30分
【車】
・高速道路
鹿児島空港IC:約20分
鹿児島IC:約50分
宮崎IC:約1時間10分
熊本IC:約1時間20分
・国道
人吉市:約40分
水俣市:約60分
【列車】
・九州新幹線
東京から:約7時間30分
大阪から:約5時間
博多から:約2時間
・JR日豊・肥薩線(鹿児島中央駅から栗野駅まで)
普通電車:約1時間45分
・肥薩線(人吉駅から栗野駅まで)
普通列車:約1時間

湧水町の中心部、栗野駅周辺にはスーパーマーケットやショッピングモール、クリニックなどが点在しているので、食料や日用品などの買い物は湧水町内で済ませられます。

ただ、湧水町内にはクリニックしかないため、小児科や産婦人科を有する総合病院を受診する際には、隣町の霧島市や伊佐市に出向く必要があります。列車やバスも通っていますが、都会に比べると本数が少ないので、より快適な生活を希望する方には車の利用がおすすめです。

また、芸術に力を入れている湧水町では、11月の湧水町高原フェスタの際に、全国各地から集った芸術家たちが丸太を使って作品をつくる「チェーンソーアート大会」が開催されます。

チェーンソーアートで熊の木彫りを製作している様子
▲チェンソーアートで熊の木彫りを製作している様子

チェーンソーアートで鳥の木彫りを製作している様子
▲チェンソーアートで鳥の木彫りを製作している様子

チェーンソーアートで座っている女性を製作している様子
▲チェンソーアートで座っている女性を製作している様子

竹とんぼ作りや木工パズルコーナーなどの体験ブースも多数設置されるので、親子や恋人、夫婦、友人同士で参加しても盛り上がりそうですね。

仕事:通勤からリモートワークまで、ライフスタイルに合わせて仕事ができる

大手求人情報サイトで湧水町における正社員の求人を検索したところ、400件ほどがヒットしました。

※求人情報の一例

また、ハローワークにも90件ほどの求人が掲載されていたので、職種を選ばなければ湧水町内でも仕事が見つけられそうです。

ガイドブック「KAGOSHIMA YUSUI JOB GUIDE BOOK」では、湧水町内にある企業や事業所などの仕事内容や勤務時間などの情報をまとめてチェックできます。インターネットに接続されたスマホやパソコンからも簡単に見られるので、ぜひ仕事選びの参考にしてみてくださいね。

>>ガイドブック「KAGOSHIMA YUSUI JOB GUIDE BOOK」はこちら

さらに湧水町は、光回線の環境はもちろん、一部5Gも整っているので、リモートワークでも快適に仕事ができると思いますよ。

移住後に農業を始めたり、カフェを営業したりすることも可能です。ほどよく都会な雰囲気が味わえる湧水町なら、ライフスタイルや好みに合わせて仕事選びができそうですね。

住まい:ワンルームの賃貸物件あり!空家バンクを上手に活用しよう

大手住宅情報サイトで湧水町の賃貸物件数を検索すると、ヒットした数は5件でした。※2023年1月現在

※賃貸物件情報の一覧

ほとんどの物件が栗野駅から歩いて行ける距離にあるワンルームで、家賃は40,000円~50,000円台でした。ワンルームとはいえ10畳の広さがあるので、単身はもちろん、2人でも生活できそうですね。

家族での移住を検討している方には、湧水町が運営している「空家・空地バンク」を利用してみてはいかがでしょうか。吉松エリアと栗野エリアそれぞれに、賃貸物件や売買物件が登録されています。移住したてのころは賃貸物件に住み、湧水町の生活にある程度慣れたころに物件を購入する方が多いそうですよ。

空家・空地バンクの登録情報は、公式サイトから確認できます。住宅の写真とともに駅近やリノベーションが可能といったおすすめポイントも記載されているので、お時間のあるときにチェックしてみてくださいね。

>>湧水町空家・空地バンク登録物件情報はこちら

湧水町に移住した方々の体験談・感想

湧水町の移住者パートのイメージ画像

実際に湧水町へ移住した方々からは、どのような感想が寄せられているのでしょうか。ここからは、移住の先輩ともいえる移住者たちの声をまとめて紹介します。

  • 近くにスーパーや保育園がそろっているので、生活しやすい
  • 子どもたちも住民や動物との触れ合いといった、移住前にはなかった経験をしていると思う
  • 四季を通じて旬のものを食べられるし、水や空気もおいしい

移住した方々の感想からも、自然に近いロケーションでありながら、生活に必要な施設が充実した湧水町の快適な暮らしがうかがえます。自然豊かな環境は、食生活を豊かにしてくれますし、子育てにもいい影響を与えてくれそうですね。

▼先輩移住者へのインタビューはこちらでご覧いただけます

湧水町への移住に向けた2ステップ

湧水町の自然豊かなロケーションや暮らしに関する情報を知り、ますます移住への思いを強めた方は多いのではないでしょうか。ここからは湧水町に移住する前にしておきたい準備を、2つに分けて紹介します。

ステップ1:移住の際に利用できる支援を確認

地方へ移住する際には、引越しや住居、家具の準備などで費用がかかりますよね。湧水町では移住前に通算で5年以上東京23区内に住んでいた方を対象として、経済的な支援を行っているんですよ。支援が受けられる金額は、以下の通りです。

2人以上の家族・世帯 100万円(18歳未満の子ども1人当たり100万円を加算)※令和5年度から
単身者 60万円

さらに、東京23区内に5年以上通勤していれば、東京都と埼玉県、千葉県、神奈川県の東京圏(※3)に住んでいる方も支援の対象に含まれます。支援を受けるための詳しい条件は、湧水町の公式サイトで確認できます。東京圏から湧水町への移住を検討している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

(※3)過疎化の恐れがある「条件不利地域」を除く

>>湧水町移住支援事業補助金の詳細はこちら

ステップ2:移住体験ツアー・お試し住宅で湧水町の暮らしを体験

移住の際に受けられる支援を確認したら、湧水町が実施している体験ツアーに参加してみましょう。

湧水町では移住を希望する方に向けて、職員による案内を行っています。

ツアーの内容は参加者の要望に応じて決められるので、例えば1日目に栗野エリア、2日目に吉松エリアというように、エリアごとに巡るのもおすすめです。

>>移住体験ツアーの詳細はこちら

さらに参加者全員に、以下のようなプレゼントが用意されています。

  • 温泉無料チケット
  • 温泉用の薄手タオル
  • エコバッグ
  • 丸池湧水の入ったペットボトル(500ml)

お試し住宅はリフォームしたばかりで家具や家電も新しいので、快適に過ごせそうですね。

移住体験ツアーの際に宿泊できる住宅
▲移住体験ツアーで宿泊する部屋は、開放感たっぷりの明るい雰囲気

お試し住宅はツアー以外でも利用でき、1泊1,000円の料金で最大13泊することが可能です。栗野エリアにあるため、周辺にはスーパーやドラッグストア、図書館などもそろっており、移住後の生活をイメージしやすいと思いますよ。

>>お試し住宅2号棟・栗野エリアの詳細はこちら

湧水町への移住に関するお問い合わせ

湧水町では移住・定住相談窓口「いっと来てん!湧水町」を設けて、移住に関する悩みや相談に対応しています。さらに公式のInstagramからも、移住の相談や体験ツアー・お試し住宅の応募が可能です。

Instagramでは湧水町の自然豊かな生活が写真付きで紹介されているので、ぜひお時間のあるときにご覧くださいね。

>>公式Instagram「いっと来てん湧水町【移住・定住相談窓口】」はこちら

担当課 湧水町役場・栗野庁舎 商工観光PR課
住所 〒899-6292
鹿児島県姶良郡湧水町木場222
電話番号 0995-74-3111
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト 湧水町の子育て、移住・定住ポータルサイト