鳥取県江府町への移住ガイド|奥大山天然水の恵みと充実の子育て環境
この記事では、地方への移住を検討している人に向けて「鳥取県江府町(こうふちょう)」をご紹介します。
江府町は、奥大山の良質な天然水が湧くことで知られており、広大なブナの原生林など豊かな自然が魅力です。また、鳥取県西部の中心都市である米子市へも約30分でアクセスが可能です。
さらに、最大50万円の出生祝い金をはじめ、保育料や給食費の無償化など手厚い子育て支援が魅力で、子育て世帯から大きな注目を集めています。
今回は、東京から移住した経験を持ち、江府町役場・住民生活課で勤務する梅さんにインタビューを行いました。江府町の魅力や独自の支援制度、仕事や住まいの実情など、移住に役立つ具体的な情報を伺いましたので、ぜひ参考にしてください。
江府町移住の3つの魅力:自然・子育て・アクセス
江府町の暮らしの特徴としては、大きく次の3点が挙げられます。
- 手厚い子育て支援制度(第3子以降に50万円の支給)
- 奥大山の良質な天然水と豊かな自然環境
- 米子市まで約30分でアクセス可能な利便性
それでは、これらの特徴について詳しく見ていきましょう。
(魅力1)手厚い子育て支援:最大50万円!充実の経済的サポート
江府町では、子育て支援の充実に力を入れており、移住の決め手とする人もいるのだと言います。
「出生祝い金」は令和5年度から増額され、第1子は5万円、第2子は10万円、第3子以降は50万円と非常に手厚い支援となっています。
また「子育て応援手当」では、保育園などを利用していない子どもに対して、生後2ヶ月から満1歳まで月額3万円、最大で合計30万円を支給しています。
このほか、第1子・0歳児からの保育料や給食費を無償化、令和6年度から医療費が18歳まで無料となるなど、子育て世帯を経済的に支援する制度が整っていることは、大きな魅力だと言えるでしょう。
なお教育面では、令和4年度から小中一貫教育に移行しており、独自の教育プログラムを展開しています。
その他の子育て支援については、江府町の子育て支援サイト「すくすくこうふ」をご覧ください。
公式:すくすくこうふ(江府町子育て応援)
「休暇村奥大山」を中心として、キャンプやスキーなどのレジャーを満喫できることから、地域の人々にも親しまれているようです。
▲夏でも涼しく、避暑地として人気の鏡ヶ成高原
▲冬の鏡ヶ成はスキーにも絶好のスポット
江府町は豊かな山の自然に包まれているため、子どもたちは日ごろから家の近くの山や川で元気いっぱいに遊んでいます。
(魅力2)奥大山の恵み:全国に届く良質な天然水と豊かな自然環境
▲奥大山を静かに流れる木谷沢渓流
江府町のエリアは「奥大山」とも呼ばれており、西日本最大級のブナの原生林が良質な天然水を育んでいます。
ある移住者は「大手の飲料メーカーが拠点を構えていることから、本当に良質な水なのだと実感し、移住を決めました」と話しています。
町内には複数の水工場や氷工場があり、全国各地へ出荷されています。地元の人々は通常、水道水をそのまま飲用しているそうです。
都会で暮らしていたらお金と時間をかけてでも訪れたいような自然が、家の周りに広がっています。
また令和5年には、大自然の中で地球環境について学べる「奥大山自然塾」が開校しました。
脚本家・倉本聰さん主宰のNPO法人「富良野自然塾」と連携しながら町が整備したもので、約2時間の体験型プログラムが人気を集めています。
公式:江府町(奥大山自然塾)
▲奥大山自然塾では、幅広い年代の参加者が見られる
なお、江府町の基幹産業は農業です。奥大山の水を活用して稲やネギ、トマトなどが栽培されています。
梅さんによると、食べ物は基本的にどれも美味しく、「道の駅奥大山」では地元で獲れた猪や鹿といったジビエも販売されているそうです。
公式:道の駅奥大山
美しい奥大山の水や自然を味わいながら、ゆったりと子育てをしたい人には特におすすめのエリアです。
もちろん、山での暮らしには当然、虫やヘビ、マムシなどが付き物です。私はだんだん慣れていきました。
(魅力3)便利な立地:米子市まで約30分の好アクセス
江府町には米子自動車道の「江府IC」やJRの駅があり、鳥取県西部の中心地である米子市へのアクセスが良好です。
米子市までは高速道路で約30分、一般道でも約40分でアクセスできることから、多くの住民が米子市へ通勤したり、買い物に出かけたりしています。
江府町の生活環境:気候・医療・教育・交通の基本情報
それでは次に、江府町の暮らしに関する具体的なデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:平均気温 4.7℃ 8月:平均気温 27.3℃ ※参考:気象庁(米子) |
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人口 | 2,516人 (令和6年3月1日時点) |
病院 | 診療所:2、薬局:1 |
学校 | 江府町立奥大山江府学園(小中一貫校) |
交通 | 【鉄道】 JR伯備線:武庫駅、江尾駅 【バス】 ・江府町営バス ・日ノ丸自動車日野本線バス 【高速道路】 米子自動車道:江府IC |
近隣都市 | 米子市、倉吉市、日野町、伯耆町、大山町、南部町、岡山県真庭市、日南町、境港市 |
江府町の気温は米子市と比べて、体感5度くらい低くなっています。積雪量も多く、冬はスタッドレスタイヤが必須です。
江府町では、日常生活に必要な買い物は道の駅をはじめ、車で30分圏内のエリアで済ませる人が多いそうです。大型の商業施設も車で50分ほどでアクセスできます。
生活には車が必須の環境だと言えるでしょう。
また、江府町には40の集落があり、それぞれに特色や取り決めがあります。年に数回、草刈りなどの共同作業への参加が必須の行事もあるそうです。
個人的には「親戚のおじさんおばさんがいっぱいいる」ような感じです。子どもの面倒を見てもらえて、食べ物のおすそ分けも頂けるので、とても助かっています。
江府町は、人とのつながりを大切にしながら助け合って生活を送りたい人には、ぴったりの土地だと言えるでしょう。
仕事:町内と米子市を中心とした就職先の選択肢
大手の求人情報サイトで江府町の正社員募集を検索したところ、約40件が見つかりました。また、車で約30分の通勤圏(25キロ圏内)まで広げると、約3,000件の求人がありました(2024年2月時点)。
※参考:求人情報の一例(江府町のみ)
※参考:求人情報の一例(江府町から25キロ圏内)
江府町内では役場や学校などの公的機関や小規模な企業など、就職先はある程度限られているものの、周辺の自治体や鳥取県西部の中核都市である米子市まで通勤範囲を広げると、一定の選択肢があると言えます。実際に、多くの江府町民が米子市で働いているそうです。
江府町で求職活動をする場合には、下記の公式サイトもチェックしてみてください。ここでは町内の求人情報や就職支援に関する情報が掲載されています。
参考:江府町(労働・雇用・募集情報)
また、町内に定住して就業する方を対象に、奨学金の返還を支援する「奥大山Welcome奨学金返還支援事業」も実施しています。この制度は、江府町での就職を考えている学生や若者にとって大きな助けとなる可能性があります。対象となる方は下記サイトより詳細をご確認ください。
参考:江府町(奥大山Welcome奨学金返還支援事業)
住居:空き家バンク活用と最大100万円の改修補助制度
▲江府町にある空き家の一例
江府町では、住宅の確保が大きな課題の一つとなっており、大手の住宅情報サイトで物件を探すことは難しい状況です。
こうしたなか、江府町では「NPO法人こうふのたより」に委託する形で、空き家バンクを運営しています。空き家バンクとは、空き家の所有者と利用希望者をマッチングするシステムです。
すぐに住める家は限られているものの、空き家自体は多いことから、今後さらに整備を進めていく予定だと言います。空き家の改修や活用を通じて、移住者向けの住宅供給を増やす取り組みが進められています。
公式:江府町(江府町空き家バンク)
また、条件を満たす場合には、町営住宅や家賃低廉化補助を受けられる地域優良賃貸住宅が、貴重な選択肢となるでしょう。これらは比較的安価な家賃で利用できる公的な住宅制度です。
公式:江府町(町営住宅)
このほか江府町では、移住や定住を促進するためのさまざまな補助事業も行っています。
町外からの移住者が空き家バンクに登録された物件に入居する場合には「移住定住促進空き家再生事業補助」により、改修費用の2分の1(補助限度額100万円)の補助を受けられます。この補助金は、空き家の改修を通じて移住者の住環境整備を支援するものです。
詳細や、その他の補助事業については、下記の公式サイトをご確認ください。移住を検討される方は、これらの支援制度を上手に活用することをお勧めします。
公式:江府町(移住定住に関する補助事業)
江府町へ移住した人の体験談・感想
それでは、実際に江府町へ移住した方々の体験談や感想をご紹介します。
- 保育料が無料で経済的な負担が軽減されています。保育園では子どもの自立心を育む取り組みが行われています。
- 地域の方々が見守ってくれるため、安心して子どもを外で遊ばせることができます。
- 趣味や活動に対して、地域の人々が積極的に応援してくれることが励みになっています。
- 水道水や空気が清浄で、地元産のお米や野菜、地酒など、質の高い食材が豊富にあります。
- 奥大山の雄大な景色や満天の星空、四季折々の自然を日々楽しんでいます。
- 都会ほどの利便性はありませんが、江府町ならではの魅力が豊かに溢れています。
江府町への移住者は、江府町特有の奥大山の豊かな自然や温かい人間関係を満喫している様子がうかがえます。
特に子育て世帯からは、保育料が無料であることや、子どもたちが安全に遊べる広大な自然環境が整っている点が高く評価されています。
江府町へ移住するための具体的な行動
最後に、江府町へ移住を考えている方に向けて、活用できる支援制度や相談窓口をご紹介します。これらの情報は、移住の計画や準備に役立つでしょう。
移住体験の機会:最長3カ月利用可能な「お試し住宅」制度
江府町では、移住定住の促進を図るため、移住希望者向けの「お試し住宅 みらい家」を設置しています。
JR江尾駅より徒歩5分とアクセスが良く、徒歩圏内には商店や金融機関もあるなど、日常生活に便利な立地です。
1泊あたり2,000円で、4泊目以降は1,000円と利用料は安く設定されており、1泊から最長3カ月まで滞在することができます。
生活に必要な備品のほとんどが用意されており、モバイルWi-Fiの無料貸し出しにも対応しているので、移住の下見や地域の雰囲気を体験する際には大変便利です。ぜひ活用を検討してみてください。
公式:江府町(江府町お試し住宅について)
好評につき、予約が埋まっていることも多いです。利用を考えている方は、早めにお問い合わせください。
江府町への移住に関するお問い合わせ
江府町への移住に関する詳しい情報や相談については、「NPO法人こうふのたより」または江府町役場住民生活課(電話番号:0859-75-3223)までお問い合わせください。専門のスタッフが丁寧に対応いたします。
移住相談窓口 | NPO法人こうふのたより |
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住所 | 〒689-4401 鳥取県日野郡江府町江尾2076-4 ちろりんハウス2F |
電話番号 | 0859-72-3122 |
こうふのたより公式サイト | https://www.koufunotayori.jp/category/ijuu/ |
江府町移住・定住サイト | https://www.town-kofu.jp/iju/ |