【香川県土庄町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方移住を検討している人に向けて、香川県の離島・小豆島にある土庄町の暮らしを紹介します。
土庄町は、豊かな大自然を誇る瀬戸内海国立公園の東部にある小豆島に位置するまち。海と山の自然に恵まれた離島らしい暮らしぶりと、隣接する小豆島町も含め島内で便利に生活できる環境が共存した暮らしやすさが特徴です。
さらにフェリーを使えば県庁所在地の高松市や関西圏にも容易にアクセスできるため、離島とはいえ広い生活圏を持てるのも土庄町ならではの魅力となっています。
そんな土庄町での暮らしの魅力をはじめ、移住支援制度などを詳しく解説していきます。
土庄町の暮らしの特徴
大小の島々が点在する多島美の景観が広がる瀬戸内海において、淡路島に次ぐ面積を有する小豆島。土庄町はそんな小豆島の西北部と隣の豊島で構成されています。
土庄町は人気観光地で、離島ならではの美しい自然景観を求め、毎年多くの人が訪れています。リピーターも多く、何度も来ているうちに気に入り移住を決める方も少なくないそうです。
一方で、観光に訪れるのは良くても、いざ暮らすとなると生活に不便を感じるのではないかと不安を覚える人も少なくないかもしれません。
しかし土庄町にはそんな不安を解消する環境があります。土庄町は「海も山も身近にある自然豊かな離島暮らし」と「離島とは思えない暮らしの便利さ」を兼ね備えたまちなのです。
そんな土庄町への移住をおすすめしたいのは、以下のような方です。
- 自然に囲まれた「離島暮らし」をのびのびと楽しみたい
- 写真を撮るのが好きで、美しい景色が多いまちに住みたい
- 自然を満喫しつつ、買い物や病院など暮らしに必要な機能は近くに揃っていると嬉しい
- 離島暮らしに憧れがあるが、無理なく都心にも遊びに行ける環境にも惹かれる
- 地域とのつながり、サポートを感じながら子育てをしたい
ではなぜこのような方に土庄町をおすすめしたいのか、土庄町の暮らしの特徴を3つご紹介します。
特徴1:海まで5分、山まで5分。まち中に広がる絶景を楽しめる
▲恋人たちの聖地としても知られる「エンジェルロード」
海にも山にも近い土庄町には、リフレッシュしたいときに気軽に自然の恵みを享受できる環境があります。自然がもたらす絶景がまちのあちこちにみられるのもポイントです。
特に有名なのは「エンジェルロード」という、1日に2回、引き潮のときだけ現れる砂の道。大切な人と手をつないで渡ると、天使が願いを叶えてくれると言われている観光スポットです。
▲夕陽に包まれロマンチックなムードが増すエンジェルロード
もちろんアクティブに自然を楽しむこともできます。キャンプにトレッキング、釣り、SUPなど海・山の両方を満喫できるのが土庄町ならではの魅力。SUPでは海上から見える島々の風景に魅了されることでしょう。
▲海上からの夕陽や群島の景色を楽しめるSUP体験
他にも樹齢1600年以上の日本最大の真柏(シンパク)や、落ちそうで落ちない巨石が重なる風景が見られる重岩(かさねいわ)など、自然がもたらすパワースポットもたくさんあります。
どこを見ても、思わず写真に残したくなる美しい自然景観が見られる土庄町。カメラを片手に歩いてみるだけで楽しいかもしれません。
特徴2:「離島暮らし」のイメージと良い意味でギャップのある便利な暮らし
自然豊かな土庄町ですが、中心街には店舗も多く、比較的都会的な雰囲気があるのが特徴です。コンビニや大型スーパー、ホームセンターやドラッグストアもあり、日々の買い物に困ることなく生活することができます。
離島暮らしで気になるのは本土への移動ですが、土庄町では航路での移動手段が充実しています。高松港には複数航路によるアクセスが可能、さらに神戸港や姫路港など関西圏へのアクセスも容易という利便性の高さを有しています。
高速船を使えば、高松港までは何と約30分でアクセス可能。さらにフェリーには夜間便もあるため、例えば休日に高松市に遊びに行ったとしても、「明るい内に帰らなければならない」など時間に追われることなく過ごすことできます。
特徴3:子育て支援が手厚く、安心して子育てできる環境がある
小豆島内には高等学校まであり、子どもが島内を離れることなく自宅から通学できる環境があります。また保育所が2か所、認定こども園が5園と、子どもを預けることができる環境が整っているのも、働きながら子育てをしている家庭にとってありがたいポイントです。
保育施設 | ・保育所…2か所 ・認定こども園…5園 |
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学校 | ・小学校1校、中学校1校、施設一体型小中併設校1校 ・高等学校…小豆島中央高等学校(小豆島町) |
子育て中の親の悩みや不安を軽くしてくれるような支援が多いのも土庄町での子育て環境のポイントです。土庄こども園内にある「子育て支援室」(ぴよぴよルーム)では親子遊びの場や親同士、子ども同士交流の機会を提供しています。「ここに来れば友達ができる」という声も多く、子育て中の家庭にとっての人気スポットです。
また土庄町では令和5年から「子ども家庭総合支援拠点」を設け、子育てに関するあらゆる悩み、困りごとへの相談支援を行っています。
移住したてのまちでの子育てに不安を感じる方にとっても、「まずはここに行ってみよう」「ここに相談すれば大丈夫」という場所があることは、安心につながるのではないでしょうか。
土庄町の暮らしに関する情報
実際に土庄町に住むなら知っておいた方が良い、気候や病院などの暮らしに関する情報をまとめました。
気候 | 8月の平均気温:27.4度 1月の平均気温:5.6度 ※参考:気象庁ホームページ(内海地点を参照) |
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人口 | 約13,000人 ※参考:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(令和4年1月1日現在) |
病院 | 公立病院:小豆島中央病院(小豆島町) 一般診療所:7か所 歯科医:5か所 |
交通 | 島内に6つの港(※)を有し、香川県高松市、岡山県、関西方面との定期航路がある。 ※うち草壁港は2023年6月現在運休中 【バス】 路線バス、町営バス 【航路】 ・香川県高松港まで:フェリーで約1時間、高速船で約35分(高松港~土庄港は夜間便あり) ・岡山県宇野港まで:フェリーで約90分 |
近隣都市 | ・島内…小豆郡小豆島町 ・香川県…高松市、香川郡直島町(海上を隔てて隣接) |
※2023年6月現在の情報(人口除く)
土庄町の道路網は、小豆島の東西を結ぶ国道436号線、県道、幹線町道、生活道路で構成されています。島外とのアクセスは6つの港(うち1港は運休中)からの海上交通網が支えています。
気候は東京や大阪府といった大都市圏と大きくは変わりませんが、自然に囲まれている分アスファルトの照り返しなどがなく、夏は比較的カラッと過ごしいのが特徴です。
ただし冬場は海風の関係で「意外と寒い」という声もよく聞かれます。冬は観光も閑散期に入り人が少なくなる時期なので、それくらいの時期に土庄町を訪れると、冬の寒さも含め、生活のリアルを感じてもらいやすいかもしれません。
集落よる暮らしの違いあり!それぞれの雰囲気を把握しておくと◎
土庄町への移住を考える際に注意しておきたいのが、同じ土庄町であっても集落によって暮らしの雰囲気・表情が異なるという点です。
例えばスーパーや病院などもある生活利便性の高い「鹿島地区」と、漁師町で住民も漁師が多い「小江地区」では雰囲気が大きく異なります。
他にも小豆島の最西端にある「戸形地区」では瀬戸内海らしい多島美の景観を味わえるのに対し、「肥土山地区」は島の中でも珍しい海が見えない地区で、田畑と山、民家が織りなす日本の原風景ともいうべき景色が広がっています。
▲瀬戸内海らしい風景が楽しめる戸形地区
小豆地域で移住支援を行うNPO法人Totie(トティエ)では、小豆島・豊島への移住ガイドブックを三部にわたって制作しており、その内のひとつ「集落の手帖」ではそれぞれの地区の雰囲気や暮らしぶりの特徴が紹介されています。
▲NPO法人Totie制作の「集落の手帖」(引用:https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoxMjU5ODB9&detailFlg=0&pNo=1)
どの集落もそれぞれの特徴と魅力を持っているため、実際に訪れて雰囲気を肌で感じ、自分の希望する暮らしに合う地区を決めていくのも良いと思います。
仕事情報:求人数は豊富!高松市への通勤も可能
土庄町の正社員の求人数を大手求人サイトで調べると、約160件の正社員の求人がヒットしました。小豆島町も合わせた島内では約400件の求人数となっています。
※参考:求人情報の一例(町内)2023年6月現在
※参考:求人情報の一例(島内)2023年6月現在
25km圏内に範囲を広げると、約23,000件と正社員の求人数が大幅に増加しました。これは高松市内も含めた求人数となっているためです。実際に高松市まで通われている方も多いそうです。
※参考:求人情報の一例(25km圏内)2023年6月現在
医療系、福祉・介護系、フェリーの船員など専門資格がいる求人も多いものの、求人数自体は豊富。むしろ担い手不足が課題になっているため、有効求人倍率は約1.35倍という状況です。
(※2023年6月現在)
給与面に関しては首都圏と同じというわけにはいかず、東京で働いている場合は半分、もしくは3分の2くらいに減ることは覚悟しておいた方が良いでしょう。土庄町の平均世帯収入は約420万円(※)となっているため、ひとつの目安にしてみるのも良いかもしれません。収入は減ったものの、家賃が安くなった分支出も減ったという声も聞かれます。
※参考:大手住まい情報サイト(2023年6月現在)
住まい情報:家賃補助など住まいに関する支援が充実
大手住まい情報サイトで土庄町の賃貸物件を調べたところ、約2件ヒットしました。
※賃貸物件の一例(2023年6月現在)
土庄町では賃貸住宅に住まわれている方も多くなっています。ただし物件はあってもポータルサイトへの掲載をしていなかったり、地元の不動産会社もホームページを立ち上げていなかったりと、インターネット上ではなかなか住まいを探しづらい状況があります。
不動産会社に直接聞いてみたり、知り合いの伝手などで住まいを探す人が多いようです。ただし先述した通り、集落によって暮らしの特徴が異なるため、住まい探しをする際はある程度暮らしのイメージをつけた上で、希望の集落を伝えた方がスムーズでしょう。
※土庄町の宅建業者一覧(https://www.town.tonosho.kagawa.jp/material/files/group/2/takken.pdf)
土庄町には空き家バンクにもありますが、上記同様、空き家バンクだけでなく業者への問い合わせを含め、いろいろな手で探してみることをおすすめします。
空き家については築年数が古くそのまま住むのは難しい物件も多いため、改修して住むことを前提にした方が良さそうです。土庄町では空き家改修にかかる費用の助成をはじめ、住まいに関する支援が非常に充実しています。特に家賃補助もある「土庄町移住定住促進賃貸住宅家賃等補助金」は人気の制度です。
以下に住まいに関する支援をまとめましたので、移住先での住まい探しにかかる費用を少しでも軽減できるよう、参考にしてみてください。
▼土庄町の住まいに関する支援一覧
土庄町移住定住促進賃貸住宅家賃等補助金 | 【対象】 3年以上小豆郡外に在住したのち、土庄町に移住した50歳未満の方、あるいは18歳以下の扶養家族がいる方 【補助内容】 ・賃貸住宅家賃補助(上限2万円) ・賃貸住宅初期費用(一時金)補助(上限6万円) |
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土庄町若者住宅取得支援事業補助金 | 【対象】40歳未満の若者世代で住宅を所有する方 【補助内容】 ・建築工事に係る費用 ・購入に係る費用 ・附属建築物、構造物および住宅敷地の取得費用又は土地造成費用 【補助金額】 補助対象経費の10%(上限100万円、要件を満たせば加算あり) |
土庄町Uターン者同居リフォーム支援事業補助金 | 【対象】 土庄町出身者で、小豆郡外に連続して2年以上居住し、定住のために土庄町内に転入する40歳未満の方 【補助内容】 土庄町内の業者による増築、改築、修繕、模様替え及び設備改善等 【補助金額】 補助対象経費の2分の1(上限100万円) ※世帯員1人につき20万円を加算(補助限度額200万円) |
空き家リフォーム支援事業補助金 | 【対象】 空き家バンクに登録された物件の所有者、空き家バンク物件を売買、賃貸借した移住者 【補助内容】 土庄町内の業者が行う空き家リフォーム工事 【補助金額】 補助対象事業費の50万円までの全額と、50万円を超える額の2分の1(補助限度額100万円) |
土庄町への移住体験談
ここでは、実際に土庄町に移住された方の声を紹介します。
<自然・環境>
- 山も海もある。絶景だらけでリフレッシュできるところがたくさんあるのが魅力。
- ふと目に入る景色に癒される。時間の流れ方も都会とは違うと感じる。
- 虫は覚悟しておいた方が良い。ムカデと羽アリなどに対処が必要なことも。
<利便性>
- フェリーに夜の便があるので、朝一で関西圏に言って、夜に帰ってくることもできる。離島ではあるものの、島外へのアクセスの良さもいいところ。
- 離島だけれど、インフラは整っているし、大きなスーパーやコンビニ、ホームセンターもある。フェリーの便数は多くて利便性もよい。
<地域の人とのふれあい>
- フレンドリーで垣根がない人が多い。 元々住んでいた人と移住者との間に隔たりがなく交流が活発な印象。
- 自然の中で仲間と一緒に子育てをできるのが土庄町への移住の醍醐味だと思う。子どもと遊べる場所もあちこちにある。
- 地域の行事に積極的に参加するようにしているが、参加することで地域の方たちに喜んでもらえ、歓迎してもらえるのがありがたい。
山も海もある雄大な自然の中での離島暮らしを楽しんでいる人が多い印象です。一方で、「虫は覚悟しておいた方が良い」という意見もあります。実際に虫との遭遇率も高いようで、虫嫌いな人は注意が必要です。
そして離島とは思えない生活の利便性も魅力にあげられています。町内・島全体で生活がしやすく、さらに本土へのアクセスが良いことに大きなメリットを感じているようです。
地域づきあいが多いのも土庄町の特徴。集落によって雰囲気は違いますが、移住者に対してもフレンドリーに受け入れ、交流できる環境があるようです。
土庄町長からのメッセージ
▲土庄町・岡野能之町長
土庄町は多くの島で構成されており、瀬戸内海の離島ならではの美しい自然と、島で暮らす人々の温かさや優しさに触れることができる町です。
特に土庄町の一部である小豆島は、中・四国、関西方面への航路が多数あり、島内に各教育施設や総合病院、スーパーなどの買い物施設もあるため、利便性が高く暮らしやすいとのお声をいただいております。
「土庄町で住みたい、土庄町に帰ってきたい」と思える魅力あるまちづくりを地域住民の皆さまと共に進めており、人口減少時代に突入した今、地域社会や地域経済を支える人材の確保が重要課題の一つでございます。
そんな中、土庄町に移住を希望される方の問い合わせも非常に多く、地域住民、そして、移住者の方々と共に持続的なまちづくりを進めていきたいと思っております。
ぜひ一度土庄町に来ていただき、町の温かさや魅力に触れていただければと思っております。
移住をご検討の方は、この記事を参考にしていただき、来訪くださいますことを願っております。
土庄町への移住ステップ
ここまで土庄町の様々な情報をご紹介してきました。いよいよ本格的に移住を考えるにあたって、おすすめの移住ステップをご紹介します。
ステップ1:地域おこし協力隊など、実際の移住者の暮らしぶりをチェック
土庄町では移住に関する情報がさまざまな形で発信されています。集落の暮らしのところでも触れたNPO法人Totie制作の移住ガイドブックは電子ブックの形で見ることができ、移住者の声なども紹介されているため、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
※移住ガイドブック:https://shimagurashi.jp/guidebook/
土庄町の地域おこし協力隊のSNSもおすすめです。地域おこし協力隊の方の土庄町でのリアルな暮らしぶりや、土庄町に来てびっくりした「あるある」などユニークな投稿がたくさんあります。投稿を楽しみながら土庄町でのイメージをふくらませるのにピッタリです。
▲土庄町の地域おこし協力隊Instagram(@tonosho_tiikiokoshi)
※地域おこし協力隊の募集・紹介はこちら:https://www.town.tonosho.kagawa.jp/gyosei/soshiki/kikaku/2/2/257.html
ステップ2:オンライン相談や関西圏、首都圏での移住フェアに参加
土庄町とNPO法人Totieにより、オンライン移住相談が実施されています。自宅にいながら移住相談をできるため、興味のある方はまず問い合わせてみてはいかがでしょうか。
また、土庄町では関西圏や首都圏でもたびたび移住フェアに参加しています。場所と時間があえば、まずそれらのフェアに参加してみるのも良いかもしれません。担当者と対面で話しながら土庄町での暮らしをイメージすることは、移住への一歩となるはずです。
ステップ3:土庄町の現地を体験
まずは観光として遊びに行くのでも良いので、とにかく土庄町の現地の空気を体感することが大切です。フェリーで島に向かう道中も楽しみながら、集落ごとの違いや生活していく上での施設の状況などを実際に確認してみましょう。
ただの観光では生活イメージがわかない人は、NPO法人Totieが開催する空き家見学ツアーもおすすめ。移住後の生活において特に重要となる「住まい」について実際に空き家を見て回ることで、移住後のリアルな生活を想像することができます。
ステップ4:お試し移住してみる
土庄町には、町への移住を希望する人が利用できるお試し住宅があります。7日間以上の滞在が利用条件となっており、じっくりと腰を据えて土庄町の暮らしを体感することができます。
このお試し住宅を利用して、実際に移住につながった方もいるそう。この住宅を拠点に町内をいろいろと見て回って、スーパーや病院の位置なども確かめながら移住を検討してみましょう。
▲じっくりと腰を据えて移住体験ができるお試し住宅「島ぐらし体験の家」
土庄町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 土庄町企画財政課 |
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住所 | 〒761-4192 香川県小豆郡土庄町淵崎甲1400番地2 |
電話番号 | 0879-62-7000(代表) 0879-62-7014(直通) |
対応時間 | 08:30〜17:15 |
公式サイト | 町公式サイト 移住特集ページ 小豆島・豊島島移住ナビ(NPO法人トティエ運営サイト) |