長野県高山村へ移住!新規就農者に人気の絶景スポットと充実の支援制度
この記事では、地方への移住を考えている人に向けて「長野県高山村(たかやまむら)」をご紹介します。
高山村は五大桜など自然の絶景が身近に広がり、8種の温泉が楽しめるところです。高品質なリンゴやワインブドウが育つ気候や土壌を求めて、新規就農を志す移住者が多いと言います。
また、おむつ購入費や医療費の助成など子育て支援の整備を進めており、教育環境も整っている点は、子育て世帯から高く評価されています。
今回は、高山村役場・定住支援室の小山さんにインタビューを行い、地域の魅力や実際の生活スタイル、移住に役立つ支援制度などについて伺いました。
長野県高山村の魅力:移住者を惹きつける3つの特徴
長野県高山村の暮らしの特徴としては、次の3つが挙げられます。
それでは一つずつ、詳しく見ていきましょう。
絶景が身近に:五大桜・雷滝・星空を楽しむ自然環境
高山村では森林エリアの多くが上信越高原国立公園に指定されています。景勝地や桜などの見どころが多く、移住の大きなきっかけにもなっていると言います。
例えば春には20本以上もの「しだれ桜」を中心に、桜が村をピンク色に彩り、県外からも観光客が訪れるそうです。
中でも水中のしだれ桜、坪井のしだれ桜、黒部のエドヒガン桜、赤和観音のしだれ桜、中塩のしだれ桜は「高山五大桜」と呼ばれていて、推定樹齢600年を超えるものもあります。
また「雷滝(かみなりだき)」は、落差30メートルの迫力ある滝です。滝の裏を通れることから、「裏見の滝」とも呼ばれており、特に夏場に訪れる人が多いと言います。
▲滝裏を通れる「雷滝」は夏の定番スポット!
雷滝は、目で見ても体感的にも涼しく、とても気持ちの良い場所です。
さらに、高山村は標高が高いことから、夜は美しい星空を見ることができます。特に標高1,500メートルに位置する「山田牧場」は、夕日も望めるロマンチックなスポットとして知られています。
このように高山村では、大自然の多彩な美しさを一年中味わうことができます。
さらなる高山村の見どころについては、信州高山村観光協会の公式サイト「星とワインとゆ 高山村」をご覧ください。
公式:星とワインとゆ 高山村(高山村のみどころ)
8つの温泉を楽しむ:泉質の異なる温泉郷とお得な年間パス
高山村では渓谷沿いに8つの温泉エリアがあり、信州高山温泉郷と呼ばれています。
それぞれに泉質が異なることから、村内で温泉巡りを楽しむことができて、近隣市町村の人々からも愛されていると言います。
中でも3カ所(山田温泉大湯、蕨温泉ふれあいの湯、YOU游ランド)は村営で、料金は大人400円、子ども200円とリーズナブルです。
村営共通の入浴回数券や年間パスポートもあり、日常的に利用している人もいるそうです。
さらに、北アルプスを望む絶景の露天風呂や温泉宿もあるので、温泉好きの人にぴったりの環境だと言えるでしょう。
参考:星とワインとゆ 高山村(八つの温泉と日帰り温泉)
▲村営施設が3つもあり、日常的に温泉を楽しむ人も多い
年間パスを利用すれば水道代やガス代を節約しながら、3種類の温泉をローテーションで味わうこともできます。
充実の子育て支援:おむつ購入費助成金や医療費補助
高山村では子育て支援の充実に力を入れていると言います。
例えば、満4歳までの子どもを対象とする「乳幼児おむつ購入費助成金支給事業」では、年間24,000円までの実費に対する助成を受けることができます。
また「出産祝金」は第1子が3万円、第2子が5万円、第3子以降が7万円となっており、医療費は18歳の年度末まで1医療機関あたり月500円のみの負担となっています。
その他の手当・助成や子育て支援については、高山村の公式サイトをご確認ください。
公式:高山村(妊娠・出産の手当や助成など)
一方で、村内にある子どもたちの遊び場の中では、温泉スポットとしても紹介した「YOU游ランド」そして隣接する「チャオルの森」が人気だと言います。
水遊びができる噴水広場や室内温泉プールに加えて、野外ステージやアスレチック広場などの屋外施設もあり、休日にたっぷりと遊ぶことができるようです。
▲屋内外に遊び場所がある「YOU游ランド・チャオルの森」は、子どもたちに大人気!
このほか、高山村からアクセスの良い須坂市動物園(須坂市)は入園料が安いこともあり、特に小さな子どものいる家庭から好評だそうです。
高山村での生活:仕事・住まい・交通の実態
それでは次に、長野県高山村の暮らしに関する情報を見てみましょう。
気候 | 1月:平均気温-0.4℃ 8月:平均気温25.4℃ ※参考:気象庁(長野) |
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人口 | 6,514人 (2024年2月1日現在) |
病院 | 診療所:2、歯科:1、薬局:1 |
学校 | 小学校:1、中学校:1 |
交通 | 【鉄道】 最寄り駅:長野電鉄長野線「須坂駅」(須坂市) 【バス】 長電バス 村内循環バス「ふれあい号」 |
近隣都市 | 須坂市、中野市、小布施町、山ノ内町、群馬県草津町、嬬恋村、中之条町 |
高山村では、車で10〜15分ほどでアクセスできる須坂市や小布施町は「同じ生活圏内」という感覚が強いそうです。生活には車が必須のエリアです。
村内には大きな病院やスーパーがないものの、近隣のエリアを含めると大きな不自由はないため、総合的に「暮らしやすい」と感じている人も多いようです。
また気候面では、年間の寒暖差が大きいエリアです。降雪はそこまで多くなく、朝から雪かきが必要なほどの日は、年に数回程度だと言います。地域差があるそうなので、事前に確認しておくことをおすすめします。
地域の人の距離感はとても近いです。世話を焼いてくれて助かると感じる人も、少し干渉が強いと感じる人もいると思います。
仕事事情:新規就農の人気とワイン産業の台頭
大手求人サイトで高山村の正社員求人を検索したところ、約60件の求人情報が見つかりました。また、車で約30分の通勤圏(25キロ圏内)まで広げると、約10,000件の求人情報がありました(2024年2月時点)。
※参考:求人情報の一例(高山村のみ)
※参考:求人情報の一例(高山村から25キロ圏内)
小山さんによると、高山村では半数近くが村外で働いているそうです。通勤先としては、車で約15分の須坂市や約20分ほどの中野市、約40分の長野市などが多いようです。
一方で高山村は果樹栽培に適した気候や土壌が特徴で、特産の「信州高山さわやかりんご」やブドウの生産が盛んです。
特に近年は、ヨーロッパのワイン産地と標高や気候が似ていることからワインブドウ作りへの注目が高まっており、複数のワイナリーも誕生しています。
▲良質なワインブドウが生産できることから、ワイナリーも増えてきている
国内でのワイン産地としての知名度が上がってきており、ワインブドウ栽培やワイン生産を志して移住される方もいらっしゃいます。
高山村の主な新規就農支援制度(認定就農者)としては、次のものが挙げられます。
支援制度 | 概要 |
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研修費助成 | 月50,000円(2年を限度) |
農業機械等賃借料助成 | 賃借料の3分の2(3年を限度) |
農地賃借料助成 | 年85,000円以内(5年を限度) |
新規就農者住宅(全5棟) | 木造2階建倉庫付(家賃:月25,000円) |
研修制度や経済的な支援が充実していることは、特に新規就農を志す方にとっては心強いポイントだと言えるでしょう。
各支援制度の詳細、また高山村の農業の特徴や就農・独立までの流れについては、下記の公式サイトをご確認ください。
公式:高山村(高山村ではたらく)
住まい探し:空き家バンクと村営住宅の活用方法
高山村では民間の賃貸住宅がほとんどないため、空き家バンクや村営住宅を活用するケースが多いと言います。
空き家バンクには12件の物件が登録されており、これまでの成約物件も多数掲載されていました(2024年2月時点)。
なお、空き家の購入費用については3分の1(最大50万円)、増改築費用については2分の1(最大100万円)の助成を受けることができます。詳細は下記の公式サイトをご確認ください。
公式:高山村(空き家バンク)
空き家バンクでは、300~400万円あたりの物件はよく問い合わせが来ます。リフォーム費用は物件やこだわりによります。
高山村では民間の賃貸住宅が少ないこともあって、村営住宅38棟(※2024年3月時点)を提供しています。
特に移住者に向けては、4種類の村営住宅(地域優良賃貸住宅、一般村営住宅、若者定住促進住宅、新規就農者住宅)を整備しており、どれも人気が高いのだと言います。
公式:高山村(村営住宅情報)
また、夫婦のどちらかが45歳以下の場合は「若者住宅建設促進事業助成金制度」を活用することが可能で、新築なら15万円、中古購入なら10万円の補助を受けることができます。
公式:高山村(住宅支援制度のご案内)
高山村移住者の声:自然環境と支援制度の評価
それではここで、長野県高山村へ移住した人の声や口コミを見てみましょう。
- 高山村のリンゴの評判を聞いて興味を持ち、農業体験をした印象も良かったので移住しました。
- 新規就農にあたって、さまざまな支援制度があるので助かりました。
- 村営住宅には同じ移住者の方が多く、暮らしやすいと感じています。
- 車で10分ほどのところで十分に買い物ができるので、不便は感じません。
- 自然の豊かなところで子育てをしたいと思い移住しました。教育・福祉環境も整っています。
- 地域ではお祭りや集会があり、親切な人が多い印象です。
高山村へ移住するきっかけとしては、豊かな自然や農業が大きいようでした。
子育ても農業も支援が充実しており、暮らしにも大きな不便はないと感じる移住者が多いようです。
高山村への移住ステップ:体験住宅の利用と相談窓口
最後に、長野県高山村への移住を本格的に検討するにあたって活用したい、制度や相談窓口をご紹介します。
移住体験:「高山村就農おためし住宅」の利用方法
高山村では、村内への移住や就農を考えている人に向けて「高山村就農おためし住宅」を用意しています。
間取りは個室(和室)が3室で、リビングやキッチン、お風呂、トイレは共用のシェアハウスとなっており、主に就農体験や農業研修などで活用されていると言います。
利用料金は1泊1,000円(1部屋)で、1週間程度の短期的な利用が可能ということなので、移住の下見で費用を節約したい場合には活用を検討しましょう。
生活環境などを見るなら、あたたかくて動きやすい春や秋の時期、暑さや寒さが心配なら、実際に確認するために夏や冬に訪れるのがおすすめです。夏休みは予約が多いです。
移住相談窓口:高山村定住支援室への問い合わせ方法
長野県高山村への移住については、定住支援室までお問い合わせください。
担当課 | 定住支援室 |
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住所 | 〒382-8510 長野県上高井郡高山村大字高井4972 |
電話番号 | 026-214-9298 |
公式サイト | https://www.vill.takayama.nagano.jp/ |