須崎市への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「高知県須崎市(すさきし)」での暮らしや移住情報をご紹介します。
高知県のほぼ中央に位置する須崎市は、海・山・川の大自然に恵まれたのどかな田舎町です。漁業が盛んで鮮度抜群の海の幸を手軽に堪能できるほか、山ではハイキング、川ではアユ釣りや水遊びなどを楽しめます。
その一方で、高知市内や近隣市町へのアクセスが良いことから生活の利便性が高く、「自然に囲まれながらも不便なく暮らしたい」とお考えの方にぴったり。実際に須崎市の“田舎すぎない、ちょうどいい環境”に惹かれて移住を決める方も多々みられ、近年は特に関東圏からの移住者が急増しています。
今回は特定非営利活動法人「暮らすさき」の事務局長・大崎さんにお話を伺いながら、須崎市での暮らし・仕事・住居・支援内容などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
須崎市の暮らしとは?主な4つの特徴をご紹介
須崎市は、県都・高知市から西に約30kmにある人口約2万人のまちです。南側は太平洋、北側には標高769mの蟠蛇森(ばんだもり)が広がっており、西側には1974年にニホンカワウソの生息が確認されたことで有名な新荘川が流れています。
そんな須崎市には、主に下記のような特徴があります。
上記の特徴について、以下で詳しく解説します。
特徴1:豊かな自然と美味しい食に恵まれている
須崎市には海・山・川の自然があり、暮らしの中で自然を身近に感じられることが大きな魅力です。
海のレジャーを楽しむなら「浦ノ内」がおすすめ。自然あふれる観光スポットもたくさん点在しており、たとえば「LOGOS PARK SEASIDE KOCHI SUSAKI(ロゴスパーク高知須崎)」ではBBQやキャンプ、磯遊びといった多彩なアウトドアアクティビティを楽しめます。
公式:LOGOS PARK SEASIDE KOCHI SUSAKI
また「富士ヶ浜」は、例年8月に3日間に渡って行われる須崎まつりの会場※にもなっており、各種イベントや屋台のほか、夜には海上花火大会が開催されて大いに盛り上がります。
※3日間のうち1日の花火大会のみ「富士ケ浜」で開催
公式:須崎まつり
さらに絶景を堪能するなら、横浪半島のドライブライン「横浪黒潮ライン」へ。南の方角には土佐湾や太平洋の風景が広がり、北の方角においては浦ノ内湾の穏やかな景色を堪能できます。
公式:横浪黒潮ライン
子ども連れのご家族には、新荘川での川遊びがおすすめです。天然アユ釣りのスポットとしても大変人気がありますよ。
▲新荘川には、深みがほとんどなく川遊びに最適なスポットがたくさんあります
▲穏やかな清流なので、小さな子どもでも釣りにチャレンジしやすいです
公式:新荘川
また、須崎市は豊かな自然を活かして漁業や農業が盛んに行われており、食にも大きな魅力があります。市内の漁港では季節に応じて伊勢エビや鯛、カツオ、ブリ、イカといったさまざまな魚が水揚げされ、ハウス栽培ではミョウガやピーマン、きゅうり、ししとうなどの野菜が収穫されており、多彩な新鮮食材をお手頃価格で味わえます。
特徴2:高知市にアクセスしやすく、田舎町でありながらも生活の利便性が高い
自然あふれる田舎町でありながら、生活の利便性が高い点も須崎市で暮らす魅力のひとつです。市街地に住めばスーパーやドラッグストア、病院などに歩いて行けるほか、県都の高知市まで車で約40分と、少し距離はありますが車を走らせればあらゆる用事を済ませられます。
高知空港へも1時間半程度でアクセスできるため、空の旅も気軽に楽しめます。
特徴3:子育て・教育環境が魅力的
須崎市は子育て支援が充実しており、市からの助成を受けながらゆとりを持って子どもを育てられます。主な支援内容については以下をご確認ください。
- すさき出産・子育て支援金:妊娠届出時に面談を受けた妊婦さんに5万円を支給。さらに赤ちゃん訪問時に面談を受けた方を対象として、子ども1人につき5万円を支給
- 須崎市子育て支援金:第3子以降を出産した方を対象として、子ども1人につき15万円を支給 など
須崎市では少人数教育をはじめ、地域への愛着や誇りを醸成することに尽力しているなど、教育面にも特色があります。たとえば田植え体験や新荘川へのアユの放流、1週間公民館で寝泊まりをして自炊や掃除洗濯、風呂焚き等を体験する「かわうそ未来塾」などを実施している小学校もあり、心豊かでたくましい子どもをまち全体で育てています。
▲「かわうそ未来塾」では地域の方から炊事の仕方を教わります
▲五右衛門風呂の風呂炊きにもチャレンジ!
▲火の当番中も、地域の方が温かく見守ってくれます
特徴4:明るく温和な人が多く、移住者にウェルカムな気風
須崎市は自然や食、子育て環境のほか、人も魅力的なまちです。明るくて温和な気質の方が多く、移住者を温かく迎えてくれます。
道で会ったら「元気?」と気さくに声をかけてくれたり、困ったことがあれば優しく手を差し伸べてくれたり。子どもの成長も温かく見守ってくれるため、移住者からは「移住後すぐに仲良くなれた」「居心地がよい」といった声が多数挙がっています。
ほかの地域の方からは、よく「須崎市の人はバリの人に似ているね」と言われます。オープンで笑顔が素敵な方が多く、それでいてプライバシーに配慮したほどよい距離感で接してくれるので、移住者の方もきっとすぐに馴染めると思いますよ。
須崎市の暮らしに関する情報
続いては、気候や病院、学校、交通など、須崎市での暮らしに関連するお役立ち情報をまとめました。
気候 | 1月:平均気温6.7℃ 8月:平均気温27.2℃ ※参考:気象庁ホームページ |
---|---|
人口 | 約2万人(2023年3月末時点) |
病院・クリニック | 約22院 |
学校 | 保育施設:8園 幼稚園:1園 小学校:8校 中学校:6校 高校:2校 |
名所・観光 | ロゴスパーク、新荘川、富士ヶ浜など |
行事・イベント | 須崎まつり、ご当地キャラまつりin須崎、ロゴスパークフェスタなど |
交通 | 【鉄道】 JR土讃線「須崎駅」 【路線バス】 高知高陵交通 須崎市営バス 【道路】 高知自動車道 国道56号 国道197号 国道494号 |
近隣都市 | 土佐市 高岡郡中土佐町 高岡郡佐川町 高岡郡津野町 |
須崎市は、年間を通じて比較的温暖な気候です。夏は降水量は多いものの気温としては過ごしやすく、冬は寒いですが極寒ではなく、降雪も少ない傾向があります。
人口に対して病院や学校は十分数がありますが、市内には産婦人科がなく、高知市へ出向く方が多い印象です。とはいえ高知市までは車で40分ほどでアクセスできるため、それほど不便には感じないでしょう。
移動手段としてはマイカーがあると便利ですが、鉄道やバス路線を活用すれば車なしでも問題なく生活できます。
東日本大震災の際に津波の被害があったため、移住にあたってその点を不安に感じている方もいるかもしれません。まちとしては避難タワーを設けたり、住宅の耐震化を進めたりと津波対策に尽力しており、あとはご自身の対策や心構えをプラスしていただくと不安要素が少なくなるのではと思います。
▲津波対策として設けられている南古市町の避難タワー
仕事情報:市内に求人は十分あるが、近隣地域も含めるほうが探しやすい
大手の求人サイトで須崎市における「正社員の求人数」を検索してみたところ、ヒットしたのは850件ほどでした。須崎市から25km圏内までエリアを広げると約3,600件の求人が公開されているため、地域外も含めて探すほうが希望の仕事を見つけやすいかもしれません。
参考:求人情報の一例(須崎市内)
参考:求人情報の一例(須崎市から25km圏内)
須崎市内では医療系のほか、産業系の地域密着型求人も豊富です。高知市などの他地域にJRや車で移動しやすいので、市外に通勤される方も多くみられますよ。
なお、須崎市で勤務する正社員の世帯年収相場は「約417万円」です。ぜひ仕事探しをする際の参考にしてみてください。
※参考:年収相場の一例
また、須崎市では新たに農業を始める方が農家で研修を受ける場合に研修費用を助成する「新規就農研修支援事業」を実施しています。月に15万円を助成してもらえる手厚い制度なので、就農にご興味のある方は活用するとよいでしょう。
住まい情報:賃貸・購入ともに「空き家バンク」の利用がおすすめ
大手の不動産情報サイトで須崎市の物件を検索してみたところ、賃貸の場合は1Kや2LDKの間取りが多く、家賃相場は5万円程度でした。また、売買物件の場合は2~4LDKの中古住宅が1,000万円程度で売りに出されているほか、土地物件もちらほらみられます。
移住者は、医療施設や買い物施設にアクセスしやすい「多ノ郷地区」に住むケースが多い印象です。アパートやマンションの数も多いので、物件を見つけやすいと思いますよ。
また、須崎市では賃貸可能な空き家情報を随時提供しており、平屋や木造2階建ての戸建て住宅を家賃3~6万円程度で利用できます。住まい探しの際は、ぜひそちらの情報もチェックしてみるとよいでしょう。
公式:須崎市空き家情報
なお、須崎市には以下の住宅支援が整備されています。空き家を改修したり、マイホームを建築したりする際に活用してみてください。
- 空き家改修工事補助金:住宅用浄化槽の設置に対して補助金を交付
- 住宅用太陽光発電システム設置費補助金:住宅用太陽光発電システムの設置費に対して補助金を交付
- 電動生ごみ処理器(機)具・生ごみ処理容器購入事業費補助金:生ごみ処理器設置や電動生ごみ処理器設置に対して補助金を交付
公式:須崎市の支援制度
須崎市へ移住した方の体験談
ここでは、須崎市へ移住した方の体験談をご紹介します。
- 山も海も好きで、どちらも揃っている須崎への移住を決めました。職場のある高知市へのアクセスがしやすいことも気に入っており、仕事に精を出しつつ趣味のアウトドアも満喫できる日々に大変満足しています。
- 須崎市は、手厚い子育て・教育環境が整備された子育て世帯に優しいまちです。美味しい空気や美味しいごはんにも囲まれて、子どもがのびのび・すくすく育っています。
- 会社の方やお客様、道端で会う方など、フレンドリーで面倒見の良い方ばかりで感激しました。ちょうどいい距離感でサポートしてくださるので煩わしさなどは全くなく、心地良い毎日を過ごしています。
体験談を通して、須崎市は「自然・食・人が魅力的なまち」であることを再確認しました。また、県都の高知市へのアクセスに優れていることから、都市部へ気軽に移動できることが決め手となって移住する方も多い印象を受けました。
須崎市への移住ステップ
須崎市への移住に興味がある方は、まずは移住・定住相談窓口である特定非営利活動法人「暮らすさき」に相談してみるとよいでしょう。電話のほか、以下のお問い合わせフォームでも相談を受け付けています。
移住体験ができるイベントや施設等を企画しておりますので、ぜひ「暮らすさき」での最新情報にご注目ください。まずは旅行感覚で須崎市を訪れて、春夏秋冬で異なる景色やまちの雰囲気を肌で感じていただけたら嬉しいです。
▲春には華やかな桜の風景を至るところで楽しめます
▲夏に須崎市を訪れたら、マリンスポーツにチャレンジするのもおすすめ!
▲秋には、ノスタルジックで穏やかな風景が広がります
▲冬には、暖かく湿った空気が冷たい海面に接することで生じて発生する「海霧(うみぎり)」を眺められることも!
須崎市への移住に関するお問い合わせ
移住・定住相談窓口 | 特定非営利活動法人「暮らすさき」 |
---|---|
住所 | 〒785-0005 高知県須崎市東古市町2-2 すさきまちなか学舎3F |
電話番号 | 050-8808-6388 |
対応時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 毎週日曜・月曜日、祝日、年末年始 |
公式サイト | https://www.kurasusaki.com |