【宮城県塩竈市への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、東北地方での移住を検討している人に向けて、宮城県塩竈市(しおがまし)の暮らしに役立つ情報を紹介します。
宮城県の中央部に位置する塩竈市は、奥州国一之宮である鹽竈神社(しおがまじんじゃ)の門前町として、また、みなとまちとして栄えてきた地域です。
市内には日本三景で知られる松島を構成する離島「浦戸諸島」があり、小規模特認校の浦戸小中学校では島外からも生徒が通い、島ならではの自然学習が行われています。
今回は、塩竈市の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
塩竈市の2つの特徴
都市部に近く、ほど良い田舎暮らしができる塩竈市は、市域が小さくかつ機能が集約したコンパクトシティです。
市内では歴史的な神事から多くの市民に愛されるお祭りまで、1年を通じて様々なイベントが行われています。
そんな塩竈市には、次のような特徴があります。
- 交通アクセス良好、市内には4つの駅がある
- 海と社に育まれた、塩竈市ならではの名産品が多い
ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。
特徴1:交通アクセス良好、市内には4つの駅がある
宮城県の中央にある塩竈市は、交通手段が良好なエリアです。市内にはJR東日本の東北本線と仙石線が通り、下記の4駅が住民の暮らしを支えています。
- 塩釜駅
- 西塩釜駅
- 本塩釜駅
- 東塩釜駅
県の中心部である仙台市まで電車で最短12分、車では30~40分でアクセスできるので、都市部へのアクセスはもちろん、県外への移動もスムーズに行えます。
また、車で10~15分ほどの場所にある利府町には、東北最大級のイオンモール新利府もあるので、休日のおでかけ場所にも困りません。
参考:イオンモール新利府南館、イオンモール新利府北館
さらに市内循環バスの「しおナビバス」と「NEWしおナビバス」が走っており、市民の多くが利用しています。
市内のどこから乗ってもどこで降りても、大人(中学生以上)の運賃が150円のバスのため、公共施設や商店街、学校や住宅街などにアクセスしやすいです。移住後に市内を散策する手段としても使えるのではないでしょうか。
交通アクセスが良い塩竈市は、ほど良い田舎暮らしがしたい人の移住先に向いていると言えるでしょう。
特徴2:海と社に育まれた、塩竈市ならではの名産品が多い
塩竈市は黒潮と親潮がぶつかる良好な漁場があるみなとまちで、たくさんの豊かな水産資源に恵まれています。クロマグロの水揚げ量は6年連続日本一(※)、秋口から年末にかけて水揚げされる「三陸塩竈ひがしもの」と呼ばれるブランドマグロのメバチマグロは、本マグロにも勝るとも言われる品質の良さです。
(※)参考:河北新報ONLINE
▲水揚げされたマグロが市場にずらりと並びます
塩竈市の仲卸市場では、新鮮な魚や海産物を卸値で価格で購入することができ、県内外問わず多くの方が立ち寄っています。
▲仲卸市場では、地元で捕れた新鮮な魚介類を購入できます
塩竈市の各所で、新鮮で高品質な魚介類を味わうことができます。特に寿司店は面積当たりの寿司屋数が最も多い地域と言われています。水産加工業も盛んで、笹かまぼこや揚げかまぼこなどの水産練り製品は、日本有数の生産量を誇ります。
▲市内の寿司屋では、港町ならではの海鮮ちらし寿司も味わえます
また鹽竈神社の門前町だからこそ生まれた、独自の名産品もあります。例えば塩竈市には鹽竈神社の御神酒酒屋として創業した酒屋が2つあり、地酒を楽しめます。
▲鹽竈神社を参拝したあとに、地酒をたしなむのも良いですね
また「藻塩」は、塩竈の名称の由来にも関係している藻塩焼神事に倣い、伝統的な製塩法で海水を炊き上げ、結晶化させた塩です。カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラル分が高く、まろやかな旨味が感じられるため様々な料理とも相性が良いです。
近年では藻塩を使ったスイーツも作られ「藻塩ショコラ」「藻塩ジェラート」「藻塩クッキー」などが、市内の店舗で販売されています。
参考:観光物産協会
▲塩分も摂れる「藻塩ジェラート」は、暑い季節にピッタリ
このように塩竈市には、そこでしか食べられないものがたくさんあるので、移住先で美味しい食べ物を満喫したい人にはおすすめの場所です。
塩竈市の離島「浦戸諸島」での暮らし
日本三景の松島を構成する島々の中に、塩竈市の離島「浦戸諸島」があります。
豊かな自然に囲まれたその場所は、以下の4島5地区からなり、本土から桂島までは市営汽船で約25分でアクセス可能です。
- 桂島(かつらしま)
- 野々島(ののしま)
- 石浜(いしはま)
- 寒風沢島(さぶさわじま)
- 朴島(ほおじま)
島内間の渡船は無料なので、休日は島歩きや歴史探訪をしながら島めぐりをするのもいいですし、アクティビティが好きな方は湾内の海で釣りやシーカヤック・カヌー体験をするのもいいでしょう。
植物が好きな方であれば、島内にある森の散策や菜の花やラベンダーなどの花畑をめぐるのもおすすめです。
塩竈市への移住を検討している方はもちろん、綺麗な景色に囲まれてのんびりと暮らしたい方は、一度「浦戸諸島」を訪れてみてはいかがでしょうか。
浦戸諸島での暮らしに興味がある方は、下記の公式サイトもぜひチェックしてみてください。
公式:宮城県塩竈市「浦戸諸島」
塩竈市の小規模特認校「浦戸小中学校」について
浦戸諸島の「野々島」には、唯一の小・中学校「浦戸小中学校」があります。浦戸小中学校は、住所を移さずに学区外からの通学を認める小規模特認校で、学区外の生徒は毎朝船に乗って島外から通っているそうです。
学校では、カキ剥きや海苔すき、アサリ採取やカヌー体験などを行う「自然体験学習」や、船に乗ってカキ養殖いかだを見学する「浦戸自然教室」など、地域の方の協力のもと浦戸諸島ならではの取り組みが行われています。
▲校外学習では、子どもたちのいきいきとした表情が見られます
このように、浦戸小中学校は豊かな自然の中で子どもたちがのびのびと成長できる場所です。子どもたちに「自然の中で教育を受けさせたい」という方は、通学を検討してみてはいかがでしょうか。
公式:浦戸小中学校
浦戸諸島へ移住した方の口コミや感想
浦戸諸島へ移住した方からは、以下のような声が寄せられています。
- 豊かな自然に囲まれて、ゆったりとする時間が気に入っている
- 人付き合いが増え、地域との繋がりを感じるようになった
- 時間に縛られず、自分のペースでのんびり暮らせるようになった
上記の声からは、浦戸諸島でのんびりと島時間を満喫したり、住民同士で助け合って暮らすことに魅力を感じる方が多いことがよくわかります。
ほかにも、「『あるもの』を活用して生活するクセがつき、無駄遣いしなくなった」との声もあるので、本当に必要なものだけに囲まれて生活したい人には最適な場所と言えるでしょう。
塩竈市の暮らしに関する情報
それでは、塩竈市の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:0.9℃ 8月:23.5℃ ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 52,061人(うち浦戸諸島:275人) (2023年12月末時点) |
病院 | 病院:4、診療所:35、歯科:21 |
学校 | 認可保育所:12、認定こども園:1、小規模保育事業:2 小学校:7、中学校:5 |
交通 | ・鉄道:JR東日本(東北本線、仙谷線) ・バス:宮城交通バス、しおナビバス、NEWしおナビバス ・市営汽船 |
近隣都市 | 多賀城市、利府町、七ヶ浜町、松島町 |
※人口以外の数字は2024年1月時点のものです
宮城県での暮らしをイメージするうえで、冬季の暮らしが気になる方も多いかと思いますが、塩竈市ではそれほど雪が降らず、積雪も少ないです。そのため、自然豊かな場所で暮らしてみたいと思いながらも、冬の生活を考えると移住に踏み切れない…という方でも、塩竈市であれば身構える必要はないでしょう。
また、市内にはスーパーやコンビニ、ドラッグストアも各エリアにあるので、日々の買い物にも困りません。車で10~15分ほどの場所に東北最大級のイオンモールもあるので、休日に家族でショッピングや映画を楽しむのもおすすめです。
医療機関は、病院が4ヶ所あり、個人クリニックもたくさんあります。産婦人科や小児科も市内や近隣市町にあるので、塩竈市内の医療環境は充実していると言えるでしょう。
【婚活】婚活支援センターの入会登録料が半額、結婚祝金もある
塩竈市では、市内で結婚を希望する方に向けて「婚活支援補助事業」を行っています。
補助対象者は以下条件のすべてに該当する方で、AIを使ったマッチングなどを行う「みやぎ結婚支援センター『みやマリ!』」の入会登録料などの半額を補助してもらえます。
- 令和6年4月1日以後に初めてセンターに入会する方
- 申請日時点において塩竈市内に住所を有する独身の方
- 市税等を滞納していない方
また、結婚された方には、市内で新婚生活を始める夫婦1組につき5万円を給付する「結婚祝金」もあるので、移住先で結婚して家庭を築きたいと考えている人は、下記の公式サイトから詳細をチェックしてみてください。
公式:塩竈市役所(塩竈市婚活支援事業について)
公式:塩竈市役所(結婚祝金について)
【子育て】出産・子育てに関する嬉しいサポートあり
塩竈市ではさまざまな子育て支援が行われており、子育て環境のよさから移住を決める方もいるそうです。
近年は保育園の増設や、幼稚園の認定こども園化を進めるなど、子育て世帯が暮らしやすい環境作りにも力を入れています。
塩竈市の主な子育て支援内容は下記の通りです。
出産・子育て応援給付金 | 市内在住の方を対象に、妊娠1回につき5万円、出産1回につき5万円の応援給付金を支給 |
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誕生お祝いギフト | 市内在住で2023年4月1日以降出産された方を対象に、子ども1名につき1万円相当のギフトをプレゼント |
産後ケア事業 | 産後1年未満のママと赤ちゃんを対象に、赤ちゃんとの暮らしに関する悩みや不安な気持ちに寄り添うサポートを、自宅への訪問やデイサービスで実施 |
子ども医療費助成制度 | 市内在住の0歳から高校3年生(18歳到達以後最初の3月31日)を対象に、医療費の自己負担分(保険適用分)を市が助成 |
妊娠・出産をはじめ、産後ケアや子ども医療費の自己負担ゼロなど、手探りで子育てに奮闘している方にとって、切れ目のない支援をしてもらえるのはとても心強いのではないでしょうか。
塩竈市での子育てを検討している方は、以下の公式サイトから、ほかの子育て支援についてもご確認ください。
公式:塩竈市市役所(子育て支援について)
小さい公園をはじめ、大型公園や室内遊びができる施設あり
塩竈市には小さな公園が多く、子どもたちは近所の公園で遊びます。近年は古い遊具を新しいものに順次入れ替えていくそうで、子どもたちが安全に遊べる環境にも気を配られています。
また、市の北部にある「伊保石公園」は、市民の森区、子どもの森区、自然探索区、ピクニック区で構成される広大な敷地の公園です。ブランコや滑り台などがついた大型遊具も整備されるので、移住後にお弁当を持って親子で出かけてみてはいかがでしょうか。
公式:塩竈市役所(伊保石公園)
一方で、室内遊びができる場所には、子育て支援センター「ここるん」や旅客ターミナル「マリンゲート塩釜」には、最近「ちびっこ広場」というスペースも開設されました。
「ちびっこ広場」は乳幼児が遊べるスペースで、プレイマットの上にはカメの形をした小さな滑り台が設置されるなど、少しずつ遊べる場所が増えています。
マリンゲート塩釜では月に1~2回のマルシェをはじめ、親子向けの工作イベントなども実施されるので、イベント日を狙って訪れてみるのもおすすめです。イベント情報は、公式X(旧Twitter)からご確認ください。
公式X(旧Twitter):マリンゲート塩釜
【仕事】求人豊富な東北最大の都市、仙台も通勤圏内
塩竈市の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、1,307件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、59,849件の求人情報がありました(2024年1月時点)。
※参考:求人情報の一例(塩竈市のみ)
※参考:求人情報の一例(塩竈市から25km圏内)
塩竈市の平均年収は443万円(※)で、市内にも求人はありますが、東北最大都市・仙台など近隣市町まで範囲を広げると選択肢がさらに増えます。
(※)参考:塩竈市の家計データ
仙台へ最短12分というアクセスの良さを生かして、塩竈市で暮らしながら求人の豊富な仙台市で働くことを検討してはいかがでしょうか。
【住まい】賃貸物件を借りる方や新築を建てる方などさまざま
大手住宅情報サイトで塩竈市の賃貸物件を検索したところ、110件の物件が見つかりました(2024年1月時点)。家賃相場は4.37万円で、1K~1LDKの間取りが多くなっています。
参考:賃貸物件情報の一例
仙台近郊の街としては、近隣市町に比べ土地の価格がリーズナブルとなっていることや下記のような住宅取得の際の補助制度もあるため、新築や戸建て、空き家の購入を検討するのもいいかもしれません。
塩竈市では「空き家改修工事助成事業」が行われ、空き家バンクと連動して空き家の改修工事の経費に対し最大50万円が補助されます。
2024年1月時点で空き家バンクに物件登録はありませんが、塩竈市の空き家を検討している方は下記の公式サイトをチェックしてみてください。
公式:塩竈市役所(空き家バンク制度について)
子育て・三世代同居近居住宅取得支援事業について
塩竈市には、市外から転入する世帯で、一定の要件を満たす方に対し、最大65万円を補助する住宅取得支援事業があります。
対象は以下の条件に該当する「子育て世帯」「三世代同居近居世帯」「多子世帯」です。
子育て世帯 | 夫婦のいずれかが42歳以下で、義務教育修了前の子を養育している世帯 |
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三世代同居近居世帯 | 親子(義務教育修了前の子を養育している)世帯と子の祖父母世帯が同居または近居する世帯 |
多子世帯 | 子育て世帯または三世代同居近居世帯で、義務教育修了前の子を2人以上養育している世帯 |
補助を受けるには、市外でおおむね1年居住したうえで新たに塩竈市へ転入するなど、いくつかの受給条件をすべてクリアする必要があるので、興味のある方は公式サイトで詳細をご確認ください。
公式:塩竈市役所(子育て・三世代同居近居住宅取得支援事業について)
塩竈市に移住した人の口コミや感想
塩竈市の魅力や暮らしについてご紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に塩竈市に移住した方の声をご紹介します。
- 地域の人が温かく迎え入れてくれた
- 実際に住んでみると、子育て支援に力を入れていて、子育てしやすい環境が整っている
- 移住前は田舎のイメージが強かったが、公式LINEやInstagramなど新しい文化も積極的に取り入れていて、想像していたよりも暮らしやすい
口コミからは、地域の人が優しく、住み心地のよい地域であることがうかがえます。先述した通り、婚活や子育てに関する取り組みも行われているので、新天地で新しいスタートを切りたい方にとってはぴったりの場所と言えるでしょう。
塩竈市への移住に関するお問い合わせ
塩竈市への移住については、塩竈市役所の政策課までお問い合わせください。
担当課 | 政策課・政策企画係 |
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住所 | 〒985-8501 宮城県塩竈市旭町1番1号(本庁舎2階) |
電話番号 | 022-355-5631 |
FAX | 022-367-3124 |
お問い合わせフォーム | https://www.city.shiogama.miyagi.jp/form/detail.php?sec_sec1=6&check |
公式サイト | ・塩竈市役所 ・塩竈市移住定住・結婚・子育て支援総合ポータルサイト |