北海道標茶町へ移住しよう!子育て・住居・支援制度など移住に役立つ情報まとめ

この記事では、地方移住を検討している方に向けて北海道標茶町(しべちゃちょう)の魅力や移住に役立つ情報を紹介します。

標茶町は北海道の東部に位置する酪農が盛んな町です。酪農や畜産を学べる研修施設「しべちゃ農楽校」を開校し、新規就農者の受け入れも活発に行っています。

また、360°の地平線を望むことができる「多和平展望台」をはじめ、珍しい絶景を日常で楽しめるとあり、テレワーク拠点や子育ての環境として選ぶ方も少なくありません。

今回は標茶町をより深く知るために、標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえに詳しくお話を伺いました。

本日お話を伺った方
北海道標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえ

標茶町PRキャラクター

ハッピーくろべえ

標茶町の3つの特徴

北海道標茶町の暮らしの特徴

標茶はアイヌ語で「大きな川のほとり」を意味するように、釧路川・別寒辺牛川・西別川の三大河川が流れる自然豊かな環境です。美しい景色や豊かな食、自然を生かした教育など標茶町ならではの魅力が詰まっています。

そんな標茶町への移住は特に下記のような方におすすめです。

  • 珍しい景観を日常で楽しみたい方
  • 程よい距離感を保って地域の方と交流したい方
  • 自然体験を取り入れた知育をしたい方
  • 育児にかかる経済的負担を軽減したい子育て世帯

その理由を標茶町の魅力とともに解説します。

特徴1:複数の国立公園等を有し、大自然ならではの絶景が広がる

北海道標茶町にある多和平
▲地平線を360°見渡せる「多和平」。遠方には摩周岳や西別岳などの山々が連なる

北海道標茶町では、雄大な自然環境ならではの光景を堪能できます。国内最大の湿原「釧路湿原国立公園」や阿寒湖・摩周湖を有する「阿寒摩周国立公園」の2つの国立公園と「厚岸霧多布昆布森国定公園」があり、野生動物の群れに出会うこともあります。

数々の珍しい光景の中でも、標茶町を象徴する絶景といえば多和平の眺望です。多和平は傾斜放牧地と採草地からなる牧場地帯で、 360°の地平線が望める土地は北海道でも他に類を見ません。

敷地内にはキャンプ場が併設されていて、夏になると満天の星を目当てにキャンプを楽しむ人で賑わいます。他にも自然を活かしたアクティビティーがあり、カヌーや乗馬を楽しむことができます。

北海道標茶町の多和平の星空
▲多和平から一望できる星空。澄んだ空気がより一層星の輝きを増している

夕暮れ時には一面が夕陽のオレンジ色に包まれ、幻想的な雰囲気を演出します。このように多和平では時間帯や季節に応じて多彩な絶景が楽しめるとあり、観光スポットとしても人気です。

北海道標茶町の多和平に沈む夕陽
▲鹿をバックに沈む夕陽。秋の多和平は夕焼けが特に美しい

多和平のみならず、町内の至る所で絵画のような光景を眺められる点も標茶町ならではの魅力です。虹別地区からは大パノラマの夕焼けが望めます。

北海道標茶町虹別地区の夕陽
▲虹別地区の夕陽。広大な標茶町はどの地区でも大パノラマを一望できる

標茶町を象徴する塘路湖では、冬になると「御神渡り」が姿を現します。「御神渡り」とは氷に亀裂が入り湖面の氷がせり上がる現象で、昼夜の寒暖差が激しい寒冷地でしか見られない珍しい光景です。

北海道標茶町の御神渡り
▲塘路湖では寒冷地ならではの現象「御神渡り」を見ることができる

標茶町では四季折々の風景に加え、このような広大な酪農地域ならではの珍しい景観を日常で楽しめます。

特徴2:心地よさのポイントは町民の温かな人柄と程よい距離感

標茶町では、各地区にいるキーマンを中心に移住者の受け入れを行っています。

移住者から「気さくに声をかけてくれるので、すぐに標茶町の暮らしに馴染めた」という声が多く聞かれるように、積極的にコミュニケーションをとってくれる親しみやすい地域性が特徴です。

「必要な時に手を差し伸べてくれる」といった、親切でありながらプライバシーに深く踏み込まない程よい距離感に心地よさを感じるという声も聞かれます。

また、暮らしやすい町づくりには、地域おこし協力隊の存在も欠かせません。下見に訪れた方への町内ガイドや移住相談などにも対応しています。

下見に訪れた際は、ぜひ地域の方や地域おこし協力隊とコミュニケーションをとって温かな人柄を感じてみてください。

北海道標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえ
ハッピー
くろべえ

実際に移住した方からは「地域おこし協力隊の方々の手厚いサポートのおかげでスムーズに移住できた」という感謝の声も多く寄せられています。

特徴3:子育ての経済的・精神的負担を軽減。医療費は22歳まで助成

北海道標茶町のふれあい交流センターで実施している離乳食学習会
▲ふれあい交流センターで実施している離乳食学習会

標茶町は、子育て世帯に優しい町づくりに注力しています。経済的負担の軽減はもちろん、保護者の身体的・精神的負担を軽減する支援にも取り組んできました。

例えば「ふれあい交流センター」では、離乳食の作り方や選び方を学ぶ「離乳食学習会」や、子どもたちの交流を促進するイベント「遊びの広場」を通して子育ての悩みに寄り添っています。他にも妊婦相談や新生児訪問が受けられるなど、子どもの成長に応じた伴走型の相談支援が豊富です。

経済的支援としては以下を設けています。

子育て支援医療費等還元事業 0歳〜22歳までの医療費を助成
小中学校の給食費無償化 小中学校の給食費無償化
子育て応援チケット(みるくっく券) 出生時に育児用品購入で利用できる地域買い物券を交付。
・交付額:50,000円相当
・対象品目:粉ミルク、離乳食、ほ乳用品など

給食では年に1回食育を目的とした「ふるさと給食」が味わえるのも特徴です。過去には、標茶町産のトウモロコシを使用したトウモロコシご飯や黒毛和牛「星空の黒牛」のビーフカレー、飲むヨーグルト「プリティア」などが提供されました。

北海道標茶町のふるさと給食
▲地産食材を使用した「ふるさと給食」。保育施設をはじめ、小・中・高校でも提供されている

このように、標茶町は経済的支援はもちろん育児相談や交流施設の設置など、多角的に子育て世帯をサポートする体制が整っています。

標茶町の暮らしに関する情報

北海道の標茶駅と釧路駅間を走るSL冬の湿原号
▲釧路駅〜標茶駅を結ぶ観光列車「SL冬の湿原号」。例年1月下旬〜3月下旬限定で運行している

ここでは、「標茶町にどんな仕事があるか知りたい」「住まいに関する支援にはどのようなものがあるの?」といった疑問を解消するために、標茶町の暮らしに役立つ情報を紹介します。

気候 1月平均気温:-7.9℃
8月平均気温:18.4℃
※参考:気象庁
冬は-30℃、夏は30℃に達することもあります。
人口 人口:7,042人
世帯数:3,636戸
(2023年9月30日時点)
医療機関 ・病院:1院
・歯科:2院
・動物病院:1院
学校

・保育施設:7園
・幼稚園:1園
・小学校:4校
・中学校:2校
・小中一貫校:2校
・高校:1校

特産品 ・星空の黒牛
・しべちゃ牛乳
・しべちゃ牛乳アイス
・しべちゃミルククラフトビール
・ほくげん大根
・チーズ
・バター など
交通

【飛行機】
・根室中標津空港(車で約1時間・53km)
・たんちょう釧路空港(車で約1時間10分・65km)
・女満別空港(車で1時間30分・90km)

【電車】
・JR釧網線「標茶駅」

【バス】
・阿寒バス
・町有バス
・のりあいハイヤー(試験中)

【車】
・国道:243号、272号、274号、391号
・高速道路:阿寒IC(約1時間10分)

都市へのアクセス 【釧路市】
・JR釧網線で約1時間

【札幌市】
・道東自動車道経由で約5時間

【東京】
・飛行機・バス利用で約3時間
(羽田空港から根室中標津空港まで約1時間40分)
近隣地域 中標津町、別海町、厚岸町、釧路町、弟子屈町、鶴居村

町内には各地区を循環するバスとのりあいハイヤー(試験中)が運行していますが、基本的には車が必要です。

比較的利便性の高いエリアは中心地で、病院やスーパーなど生活に必要な施設がそろいます。中心地以外の地区は近隣地域へ出かけなければいけません。

塘路地区はコンビニや商店はないものの、車で30分程度の釧路を生活圏とする方が多いようです。虹別地区はコンビニが1件なので、買い物は中心地もしくは車で約40分の中標津町を利用しているそうです。

【教育】植樹活動やワカサギ釣りなどの自然教育を導入

標茶町では地域産業や自然保護への関心を高めるために、各地区の小・中学校でさまざまな自然学習を導入しています。

虹別地区の中学校では植樹活動に取り組んでいます。2023年に開催された「シマフクロウの森づくり百年事業植樹祭」では、苗木の掘り起こし準備から携わり、当日は2,400本の苗を植樹しました。

塘路地区の中学校では、地域の協力のもと、わかさぎ釣りやカヌー体験などの課外活動を実施しています。また、塘路小中学校には昔の家電・道具や町の歴史をまとめたDVDを閲覧できる郷土資料室があり、気軽に地域の歴史・風土に触れることができます。

高校では授業の一環として、小学生と一緒に野菜を栽培します。収穫した野菜はカレーとして味わうなど、五感で楽しみながら地産地消を学べる環境です。

【仕事】主要産業は酪農。町内は医療・福祉関係の職も

北海道標茶町の標茶町育成牧場
▲広大な面積を誇る「標茶町育成牧場」。哺育から人工授精まで一貫した育成を目指している

標茶町の主要産業は酪農で、町民の約30%が酪農業に従事しています。また、特産品である「ほくげん大根」の栽培を始める方もいるようです。

2015年に新規就農者宿泊研修施設「しべちゃ農楽校」を開校して、就農に向けた座学や酪農の実践研修を行っています。居住スペースを利用して住み込みで働ける他、廃業した農家の自宅に住んで農業の引き継ぎを目指すことも可能です。

その他、正社員の求人数は以下の通りです。

標茶町 約80件 求人一例
釧路市 約3,400件 求人一例

※縁結び大学調べ(2023年11月現在)

町内では医療・福祉関係の求人もあります。

医師や看護師などの専門職以外に、歯科助手や身の回りのお世話を担当する介護職員など、免許・資格不問な求人も豊富なので、経験を積んで資格取得やスキルアップを目指すのも一つの手です。業種の選択肢を増やしたい方は釧路市で探すのもおすすめです。

また、起業する方もおり、過去には養鶏場やレストランの開業を実現した事例があります。

起業を目指す際は、以下2つの補助金制度を利用できます。

 標茶町GOGOチャレンジショップ支援事業補助金 商業またはサービス事業を開始する開業費などの一部を助成・助成額:上限1,000万円
特産品開発支援事業補助金 特産品PRや特産品開発事業者の活動費を一部補助・50万円(対象経費の2/3まで)
北海道標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえ
ハッピー
くろべえ

地域おこし協力隊で活動しながら起業を目指す方法もあります。現在は観光関係の起業やカメラマンを目指している方が協力隊として働いています。

【住まい】公営住宅に空き有り。新築購入は子育て世帯最大200万円補助

標茶町へ移住する際は、公営住宅への入居という方法もあります。(入居には条件があります)

民間アパートは空きが少なく、空室は3件程度にとどまります。一方で町営住宅はどのエリアも空室があり、比較的入りやすい状況です。(2023年11月時点)

築年数にもよりますが、家賃相場はどの地区も1LDK・2LDKは20,000円前後、3LDKは19,000円台〜34,000円程度です。

標茶町には200〜500万円前後で売られている一軒家もあります。住宅購入の際は、新築・リフォームどちらにも対応している「標茶町マイホーム応援事業」の補助金制度を利用できます。

標茶町マイホーム応援事業 住宅の新築購入や改修時に補助金を給付
・新築購入:500万円以上で一律30万円
・住宅リフォーム:最大20万円
標茶町移住応援給付金 塘路地区で土地・住宅購入した場合、費用の一部を補助
・土地取得後住宅を新築・購入:80万円
※若年世帯・子育て世帯など条件によって給付

2023年10月より「標茶町移住応援給付金」が施行され、マイホーム応援事業と合わせ塘路地区に限って新築購入で最大で200万円の補助が受けられるようになりました。

北海道標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえ
ハッピー
くろべえ

住宅購入の場合は、新築よりも中古物件を改修して住む方が多い印象です。

標茶町へ移住した人の体験談

北海道標茶町へ移住した方の声

ここでは、標茶町へ移住した方の声を一部紹介します。

  • 都会にはない体験ができる。普段の生活でフクロウやキツネなどの野生動物に出会えるのは大自然ならではの魅力。
  • 北海道では比較的雪が少ない地域なので過ごしやすい。自然がありながら近くに空港や中核都市があり、利便性にも優れていると感じる。
  • 塘路地区はコンパクトにまとまっていて住みやすい。近所の人と顔見知りになれるので安心感がある。

多和平や塘路湖をはじめとする大自然の絶景はさることながら、動物に出会えるという自然溢れる酪農の町ならではの体験に感動する声が多く聞かれました。

また、地域の方が気軽に声をかけてくれるなど、人とのふれあいに温かさを感じる方も多い印象です。豊かな自然と地域の方々の人柄が標茶町が選ばれる理由だと感じます。

標茶町への移住2ステップ

理想のライフスタイルを実現するには下調べが重要です。ここでは、移住ステップとして標茶町が参加している移住イベントの一例とお試し住宅を紹介します。

移住相談会へ参加して疑問を解消

標茶町は、年に2回東京と大阪で開催される移住相談イベントに参加しています

「遠方で現地に下見に行きづらい」「移住生活の疑問を解消したい」という大都市圏の方は、出張型の移住相談会へ足を運んでみましょう。

出張型イベントの他にも、北海道が主催する移住オンラインセミナーや個別相談会にも参加しています。各イベントの詳細はお問い合わせ窓口へご確認ください。

移住目的に合わせて選べる3つの「お試し暮らし住宅」

北海道標茶町のお試し暮らし住宅
▲お試し暮らし住宅の一つ「塘路ログハウス」。標茶市街や釧路市街地まで車で20分

標茶町には、移住検討者に向けた選べる「お試し暮らし住宅」があり、最長で1カ月移住体験ができます。

エリア別に「上茶安別住宅」「塘路ログハウス」「塘路一般住宅」の3軒があり、移住目的に合った住宅を選ぶことができます。どの物件も家具・家電、寝具が完備されている他、インターネット回線も通っていてテレワークにも支障がありません。

施設見学や町内ガイドを希望する場合は、問い合わせの際に窓口に相談しましょう。

公式:標茶町「標茶町お試し暮らし」

北海道標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえ
ハッピー
くろべえ

冬はどの住宅も比較的空いています。他の季節は70〜80%埋まってしまうので、ご希望の際はお早めにお問い合わせください。※ログハウスは冬季閉鎖します

標茶町への移住に関するお問い合わせ

担当課 企画財政課 地域振興係
住所 〒088-2312
北海道川上郡標茶町川上4-2
電話番号 015-485-2111(代表)
対応時間 8:45〜17:30
※土・日曜、祝日、年末年始(12/31〜1/5)を除く
公式サイト https://town.shibecha.hokkaido.jp/
北海道標茶町PRキャラクターのハッピーくろべえ
ハッピー
くろべえ

標茶町はゆったりとした時間が流れる穏やかな環境です。自然と触れ合いながらテレワークで働くことも可能なので、ぜひご相談ください。