北海道斜里町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報|縁結び大学
この記事では、移住を考えている人に向けて、北海道斜里町(しゃりちょう)の特徴や仕事、住まいといった暮らしに役立つ情報をご紹介します。
北海道斜里町は北海道東部、知床半島の北側を占め、オホーツク海に面したまちです。女満別空港(めまんべつくうこう)までは車で60分、そこから飛行機に乗って、東京までは合計約2時間30分です。
世界自然遺産登録エリアのある「知床国立公園」がよく知られており、2019年以前は年間約120万人の観光客が訪れた観光地です。
今回は、斜里町役場の総務部企画総務課の服部さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
斜里町の暮らしの特徴を3つご紹介
斜里町のある知床半島周辺海域は、北半球でもっとも南まで流氷が押し寄せる海です。この流氷が、アザラシやトド、海鳥やシャチなど、多種多様な生き物が集まる知床の豊かな海を作っています。そんな斜里町では、鮭の漁獲量が日本トップクラスとなっています。
そんな斜里町での暮らしは、次のような方に適しています。
- 北海道の大自然を楽しみたい
- ストレスの少ない環境でテレワークをしたい
- 子どもには適性や興味・関心に合った教育を受けてほしい
上記のような方に適している理由を、斜里町に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:知床の大自然を満喫できるアクティビティ
斜里町では、知床の大自然を満喫できるアクティビティがたくさんあります。
知床の代表的な景観である知床八景の散策をはじめ、カヌーやシーカヤック、原生林のトレッキング、野生動物との出会いなど、枚挙にいとまがありません。地元のプロガイドに案内してもらうと、より知床の奥深さを知ることができます。
▲オシンコシンの滝は知床八景のひとつ。しぶきがかかるほど目の前で滝を見られる
中でも観光客に人気なのが、のんびり流氷の上を散歩したり、水中から大迫力の流氷を見られる流氷ダイビングです。冬しか味わえない楽しみをぜひ体験してみてください。
▲冬しか体験できない流氷ウォーク
知床の雄大な大自然に魅せられて、斜里町に移住してカフェを経営しながらアウトドアを楽しむ人や、夏は斜里町で暮らして冬は東京に戻るというライフスタイルの人もいるそうです。
特徴2:大自然の中でのテレワークで生産性を高められる
斜里町は、テレワークを推進しているまちです。知床の大自然に囲まれているという地域の特性を活かして、ストレスを減らし、生産性を高める環境を整えています。
就業前の朝の散歩に海辺を歩いたり、天気のよい日は斜里岳を眺めながら屋外でランチをとったり、気軽に気分転換できる点は、自然豊かな斜里町ならではです。
また斜里町には、知床の自然が好きで移住してきた多様な方々が多く、知床をフィールドに自分だけのライフスタイルを築けます。多種多様な職業やバックグラウンドの人々との交流により、とてもよい刺激を得られるはずです。
町内にはコワーキングスペースが3か所あり、誰でも利用できます。その管理運営や来町するテレワーカーのサポートをしているのが、「一般社団法人知床スロウワークス」です。
知床スロウワークスは、「テレワーカーに快適な環境を提供し、斜里町の魅力を伝え、町民との橋渡しをしたい」という思いを持った町内の有志で発足したものです。
町民とテレワーカーの交流企画や斜里町テレワーカーの同窓会を行うなど、地域住民・テレワーカー・企業の間に新たなつながりを生み出しています。斜里町でテレワークを検討している人にとって心強い存在ですね。
特徴3:知床ならではの、魅力ある教育を受けられる
斜里町の唯一の高校である斜里高校は、普通教育と専門教育の両方を総合的に受けられる総合学科となっています。3つの系列の選択科目(人文系列、自然科学系列、知床・産業系列)の中から、自分の適性や進路希望、興味・関心に合わせて履修選択することができます。
中でも特徴的なものが知床・産業系列で、地域の自然や文化、観光、まちづくり等に関する科目が中心となっています。
2022年には、内閣府が主催し経済産業省が共催するコンテスト「地方創生★政策アイデアコンテスト」の高校生・中学生以下の部で、斜里高校の観光ビジネスチームが全国最優秀賞である「地方創生担当大臣賞」を受賞しました。
このコンテストは、政府が提供するビッグデータを活用して地域課題の分析を行い、地域を活性化する政策を提示するものです。斜里高校のチームは、外出自粛の影響で観光客数が落ち込んだことを受け、自転車を漕ぎながら知床の自然を楽しみ、心と身体をリフレッシュしてもらう観光政策を提案しました。
地域に貢献できる力やホスピタリティーについて、主体的に学んできたことが実を結んだと言えますね。また斜里高校は「地域みらい留学365」という国の留学制度に登録しており、これまで受け入れ実績も多数あります。
このように、斜里町では、地域の活性化にも資する、魅力ある教育が行われています。
斜里町の暮らしに関する情報
▲植樹祭に参加する町民のみなさん
ここからは、斜里町の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温19.3℃ 1月平均気温-6.5℃ ※参考:気象庁 ※参考:2021年の最高気温は36.7℃ |
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人口 | 人口:約10,900人 世帯:約5,400戸 (令和5年2月末現在) |
病院 | 病院・クリニック:3か所 歯科:5か所 |
学校 | 保育施設:5所 小学校:2校 中学校:1校 義務教育学校:1校 高等学校:1校 |
交通 | 【空港】 女満別空港まで車で約60分 【電車】 JR釧網本線:知床斜里駅、中斜里駅 (知床斜里駅から網走駅まで約45分、釧路駅まで約2時間15分) 【バス】 斜里バス ・知床線(夏ダイヤ:斜里-ウトロ-知床五湖-ラウス、冬ダイヤ:斜里-ウトロ-知床自然センター) ・女満別空港線(知床エアポートライナー) ・札幌知床線(イーグルライナー) ・網走線(斜里-網走) ・斜里町市街地巡回バス(しゃりぐる) 【車】 札幌まで6時間(380km)、旭川まで4時間(250km)、帯広まで3時間40分(210km) |
近隣都市 | 網走市 |
斜里町には、スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストア、衣料品店などがあり、普段の生活に不便はありません。地元食材を使った飲食店もいくつもあります。もう少し大きな商業施設でショッピングをする場合は、車で50分くらいの網走市に行くこともあります。
町内にある病院やクリニックで医療を受けられるほか、周辺自治体(網走市や北見市、釧路市)で専門的な医療を受ける場合があります。
斜里町には、文化的な施設が充実しています。知床の自然と歴史、生活を展示する「斜里町立知床博物館」、さまざまなイベントやコンサートが開催される多目的ホールの「ゆめホール知床」、絵本コーナーやくつろぎスペースのある「斜里町立図書館」があり、利用率も高いとのことです。
また、毎年7月に「しれとこ斜里ねぷた」が開催されています。「しれとこ斜里ねぷた」は、友好都市である弘前市から「弘前ねぷた」が伝授され、1983年から開催されるようになりました。
▲しれとこ斜里ねぷた。ねぷたは、斜里町に伝授されるまで門外不出だった
斜里町ではスポーツが浸透しており、パークゴルフ場やテニスコート、夏季のプールや冬季のスキー場、スケートリンクなどの施設がそろっています。水中運動会や町民スケート大会もありますので、参加してみてはいかがでしょうか。
【子育て】ベビーカーの貸与などさまざまなサポート
斜里町では、第三子以降の保育料を減免するなど、子育て世帯へさまざまな支援事業を実施しています。ここでは、主なものをご紹介します。
妊産婦健診における交通費助成 | 妊産婦健康診査や出産に要した交通費相当額を助成 |
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ベビーカー・ベビーバス貸与 | 3歳未満の乳幼児の保護者にベビーカーを、生後6か月未満の乳児の保護者にベビーバス貸与 |
チャイルドシート貸付 | 里帰り出産や一時預かりなど、短期間利用したい人にチャイルドシートを貸出 |
乳幼児家庭用ごみ袋配付 | 出生届、転入届が提出された際に、ごみ袋100枚を配付 ※1歳以上2歳未満の赤ちゃんが転入してきた場合は50枚 |
公式:斜里町「子育て」
【仕事】求人数は多い。テレワークではコワーキングスペースの活用も
大手求人情報サイトで斜里町の求人を調べたところ、約300件ヒットしました。斜里町の基幹産業は農業、漁業、観光業と多岐にわたるため、求人数は多いです。※2023年3月現在
※求人情報の一例
町外では、網走市に通勤する人もいます。
また前述したとおり、斜里町ではテレワークを推進しており、町内には3か所のコワーキングスペースがあります。オープンスペースでは、他企業の人との交流もできます。新たなアイデアをひらめくきっかけや気分転換にもなりますので、積極的に利用しましょう。
【住まい】インターネット上に掲載していない物件も!地元の不動産業者に相談しよう
大手住まい情報サイトで斜里町の賃貸物件を調べましたが、非常に少ないようです。町内の不動産業者で相談してみましょう。
また、斜里町では、住宅を改修する場合に、リフォーム費用の一部が補助されます。中古物件の購入を検討している人は活用してください。
移住相談窓口にお気軽にご相談ください!
斜里町に移住した人の声・感想
次に、斜里町に移住した方の感想をご紹介します。
- 人の温かさが魅力だと思う
- フルリモートで仕事ができるので移住してきた。同じような人たちとの繋がりもある点がよかった
- ショッピングするときは網走市まで行くが、車で50分位かかるので少し不便かも
- 文化教育サービスが充実している
- 海や山が見たいときにすぐ行ける、ぜいたくな環境
地域の人々の温かさや人とのつながりに魅力を感じる人が多いようです。知床半島の地域はもともと移住者が多かったので、移住者を受け入れる雰囲気があるのかもしれませんね。
斜里町へ移住するために利用したい窓口・支援
▲「しれとこらぼ」の宿泊施設 引用元:しれとこ斜里ワーク
斜里町は積雪量も多いです。冬季の状況は、移住前によく確認しておきましょう。
知床スロウワークスの運営するコワーキングスペース「しれとこらぼ」では、利用料無料の宿泊施設が併設されています。一般的なホテルと同等の備品がそろっており、6人前後が宿泊できます。ワーケーションを兼ねて移住の下見をするのもよいでしょう。
可能であれば、春〜秋の過ごしやすい季節と冬の2回下見することをおすすめします。また、下見の際は、地域の人々と積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。移住後の暮らしのイメージがつかみやすくなるはずです。
斜里町への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 斜里町役場 総務部 企画総務課 企画係 |
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住所 | 〒099-4192 北海道斜里郡斜里町本町12番地 |
電話 | 0152-23-3131 |
公式サイト | 斜里町「移住情報」 |