岐阜県関ケ原町への移住ガイド:歴史と自然に囲まれた暮らしと充実の支援制度
この記事では、地方移住を検討している方に向けて、岐阜県関ケ原町(せきがはらちょう)での暮らしについてご紹介します。
天下分け目の「関ケ原の戦い」と歴史の教科書にも出てくる地名を、きっと一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。関ケ原町では、戦国時代に思いを馳せながら生活を送ることができます。
ほかにも魅力がいっぱいです。自然豊かなまちなので、田舎暮らしに憧れている方にはぴったりかもしれません。一方では都会とのアクセスがよいことで知られます。
そんな関ケ原町への移住に役立つ情報を、町役場の方に聞いたお話や、先輩移住者による経験談を交えながらご紹介します。
関ケ原町での暮らし:4つの特徴と魅力
地方移住を検討する際には、自分のライフスタイルに合った場所を選ぶことが重要です。
関ケ原町は次のような方に向いています。
- 歴史ファンで、特に戦国時代が好き
- 美しい自然に囲まれて、心穏やかに暮らしたい
- 都会まで簡単にアクセスできる、ほどよい田舎に住みたい
- 子どもにいろいろな経験をさせてあげたい
それでは、関ケ原町での暮らしについて具体的に解説していきます。
特徴1:徳川家康ゆかりの地で、歴史とともに暮らす
▲関ケ原の戦いの史跡「決戦地」
徳川家康公ゆかりの地は関東、東海、京都と各地にありますが、なかでも「関ケ原の戦い」の舞台となった関ケ原町には多くの歴史遺産が残っています。
関ケ原町は古代、天武天皇元年(672年)に起こった大海人皇子と大友皇子による「壬申の乱」の戦場にもなりました。また、徳川家康率いる東軍と、石田三成率いる西軍がぶつかった「関ケ原の戦い」(1600年)は戦国最大といわれます。
▲関ケ原の戦いで、西軍・石田三成が陣を構えた笹尾山
そんな関ケ原町では、「古戦場のまち」であることに誇りを持っている住民が多く、なかには古戦場と戦国武将の魅力を感じて、家族で移住された方もいます。
また、2018年には、関ケ原の魅力向上をはかるため、町内のボランティア団体や観光・商工・行政から有志たちが「関ケ原古戦場おもてなし連合」を結成しました。住民が魅力をアピールしようと一丸となったのです。
▲全国から戦国ファンが集まる「関ケ原合戦祭り」
さらに2020年には「関ケ原の戦い」のすべてがわかる体験型の施設『岐阜関ケ原古戦場記念館』がオープンしました。2023年は1月から大河ドラマに合わせて「『どうする家康』展・ぎふ 関ケ原」「家康、命運の地 関ケ原展」を開催しています。
関ケ原町での暮らしは、戦国ファンにとってはたまらない暮らしになるのではないでしょうか。
戦国ファン・歴史ファンの方が戦国の聖地として訪れます。関ケ原町に住みたい、働きたいという方もいます。
特徴2:豊かな自然環境でアウトドアライフを満喫
▲岐阜県と滋賀県の県境にまたがる、伊吹山ドライブウェイの景観
関ケ原町は岐阜県の西端に位置しており、伊吹山地、養老山地、鈴鹿山脈に囲まれています。町土の約80%が山林という自然豊かなまちで、山々の一部が揖斐関ケ原養老国定公園に指定されました。
車に乗ってよし、歩いてもよし。自然の近くに住むだけでなく、実際に体感できることが魅力の1つになっています。
岐阜県関ケ原町を起点に滋賀県米原市を終点とする伊吹山ドライブウェイは、全線17kmの本格的ドライブウェイとして人気があります。琵琶湖や濃尾平野を一望できるため、絶景を楽しみながらドライブを満喫できます。
また伊吹山の山頂駐車場(スカイテラス駐車場)からは、山頂まで3コースの登山道がつながっており、高山植物などを見ながらハイキングを楽しめます。
特徴3:名古屋まで車で50分!都会へのアクセス良好な田舎暮らし
関ケ原町は東西に国道21号線が走り、名神高速道路・関ケ原ICがあります。公共交通機関はJR東海道本線の関ケ原駅があるため、名古屋をはじめとする中京圏や、京都・大阪など関西圏へ簡単にアクセスできます。
▲関ケ原町から都会へのアクセス(引用元:移住定住パンフレット/関ケ原町企画政策課)
車だと、関ケ原ICから高速に乗って名古屋市内まで約50分で着くので、日帰りでショッピングやレジャーを楽しめます。また京都南ICまで約1時間、大阪の吹田ICまで約1時間45分で行くことが可能です。
JRを使えば、JR関ケ原駅から名古屋駅まで在来線で約45分、名古屋駅から新幹線に乗ってさらに約1時間40分で東京駅に到着します。首都圏で遊ぶ計画もたてられますね。
田舎暮らししながら、東の名古屋、西の京都・大阪と都会へも行きやすい。交通アクセスの良さも特徴の一つです
特徴4:充実の子育て支援と特色ある教育環境
▲運動会を楽しむ子どもたちの様子
地方移住を考えている子育て世代にとって、移住先のまちでどのような子育て支援を行っているかは気になるところでしょう。ここでは関ケ原町の子育て支援や学校教育について紹介します。
子育て世帯への手厚い支援:金銭面とコミュニティ
子どもが生まれた場合は、要件を満たせば「子育て応援給付金」を1人につき、最大で30万円受け取ることができます。また、小中学校・特別支援学校に入学した場合は「祝金3万円」をもらえます。
子どもを養育するには何かと費用がかかるだけに、金銭的な応援は助かりますね。詳細は関ケ原町公式サイトをご覧下さい。
公式:関ケ原町公式サイト「関ケ原町子育て応援給付金について」
移住した当初は子育てについて誰に相談したらよいか分からず、親子とも不安なものです。そんなときは、未就園の子どもと保護者を対象に開催している「子育てコミュニティー」を利用できます。
子育ての悩みを相談したり、ほかのお母さんたちと情報交換することができます。絵本の読み聞かせなども行われ、親子の集いの場となっています。
また、18歳までの子どもとその家庭、および妊産婦は「関ケ原町子ども家庭総合支援拠点」に子育てや子どもの成長について相談することができます。
小中一貫教育で育む「ふるさと愛」と「たくましく生きる力」
関ケ原町は小学校と中学校が各1校あり、小中一貫した教育を行っています。
例えば、小学3年から中学3年まで7年間にわたり「ふるさと関ケ原」を中心にした総合学習の時間を設けるなど、切れ目のない教育を特徴としています。
ふるさと教育では、たくましく生きる力を育むことを目指して、まちの歴史や伝統文化を学びます。
学校は生徒数が少ないため1学年に2クラス程度です。少人数で学べるので、友だちとの絆が強くなるようです。
関ケ原町の生活環境:気候、人口、アクセス情報
ここでは関ケ原町の気候や近隣エリアとのアクセス、仕事や住まいに関する情報をお届けします。関ケ原町役場の岡島さんによる声も参考にしてください。
秋は過ごしやすくて、夏は暑く、冬は寒い気候です。冬は雪が降ることもありますが、年に数回積もる程度です。
気候 | 1月:平均気温3.1°C 8月:平均気温26.7°C ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 人口:約6,370人 世帯:約2,660世帯(2023年6月1日時点) |
近隣都市 | 大垣市、不破郡垂井町、揖斐郡揖斐川町、滋賀県米原市 車だと垂井町まで約10分、大垣市まで20分~30分で行ける |
町内の交通 | 関ケ原町役場まで、JR関ケ原駅より徒歩5分、関ケ原ICから車で15分 関ケ原町ふれあいバスが町内の公共施設を中心に巡回運行 |
学校 | 小学校:1、中学校:1、保育所型認定こども園:2 |
病院 | 一般診療所:3、歯科医院:4 |
町内にスーパーやドラッグストアもありますが、大きな買い物は垂井町や大垣市まで行くこともあります。
▲町民の交通手段として、関ケ原町ふれあいバスを運行
秋には「関ケ原合戦祭り」が開催されます。10月中旬の2日間に渡って行われる関ケ原町最大の戦国イベントとして有名です。
全国から集まった戦国ファンの皆さんによる、手作りの甲冑を着た武者行列をはじめ、鉄砲隊演武などを見ようと観光客も多数訪れます。
▲「関ケ原合戦祭り」には全国の戦国ファンや観光客が訪れる
仕事探しのコツ:関ケ原町内外の求人情報
大手求人情報サイトで関ケ原町内および「10km以内」「15km以内」の求人を調べたところ次のようになりました。都市部である岐阜市、名古屋市の求人も調べたので参考にしてください。
関ケ原町内の求人数 | 約260件(2023年6月時点) ※参考:求人情報の一例 |
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関ケ原町から10km以内 | 約1,190件(2023年6月時点) ※参考:求人情報の一例 |
関ケ原町から15km以内 | 約9,200件(2023年6月時点) ※参考:求人情報の一例 |
岐阜市内の求人数 | 約18,200件(2023年6月時点) ※参考:求人情報の一例 |
名古屋市内の求人数 | 約180,800件(2023年6月時点) ※参考:求人情報の一例 |
関ケ原町内の求人数は約260件ですが、範囲を「10km以内」「15km以内」と広げるほど求人数は多くなります。近隣都市となる垂井町や大垣市の求人が増えるからです。
車に乗って垂井町まで約10分、大垣市まで20分~30分なので、通勤することも可能です。
都市部に目を向けてみれば、岐阜市さらに愛知県名古屋市と求人数は桁違いに多くなります。JR関ケ原駅から岐阜駅まで約20分、名古屋駅まで約45分で着きます。交通アクセスの良さを考えると、遠距離通勤も選択肢に入りそうです。
住居探しのポイント:空き家バンクと住宅支援制度
大手住宅情報サイトで関ケ原町の賃貸物件を調べたところ、9件見つかりました。賃料は築年数などによりますが、間取りが1K~2Kで3万円弱、1LDKでは約4.5万円でした。(2023年6月時点)
※参考:賃貸住宅物件の一例
関ケ原町では移住に際して、次のような情報提供や支援制度を活用できます。
空き家バンク・空き地バンク | 町内の空き家・空き地を所有者と交渉して利用することができます。 公式サイト内「空き家バンク・空き地バンク物件一覧」 |
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空き家リフォーム補助金 | 空き家をリフォームするための経費に対する補助金として最大30万円を受け取ることが可能です。 公式サイト内「空き家リフォーム補助金」 |
空き家家財道具等処分補助金 | 空き家に残された家財道具を処分する経費についても、補助金として最大10万円もらえます。 公式サイト内「空き家家財道具等処分補助金」 |
移住定住促進住宅支援事業補助金 | 新たに住宅を取得する場合、条件を満たしていれば最大100万円、さらに子育て世帯は子ども1人につき10万円を受け取ることができます。 公式サイト内「移住定住促進住宅支援事業補助金」 |
関ケ原町結婚新生活支援金 | 結婚を機に新たに住宅を取得または貸借する夫婦は、その住居費や引っ越し費用、リフォーム費用を対象に、最大60万円を受け取ることができます。 公式サイト内「関ケ原町結婚新生活支援金」 |
関ケ原町で住まいを探す際には、ぜひ活用を検討ください。
先輩移住者の声:関ケ原町での新生活体験談
関ケ原町に移住した人の声を紹介します。移住者の中には、自身が戦国ファンであることがきっかけで、奈良県から家族で移住した方もいらっしゃいます。
- 他県から移住してきたため心配でしたが、皆さんあたたかく迎え入れてくださって、ほっとしました。
- 近所の方が「わからないことがあったらなんでも聞いてね」と声を掛けてくれ、助け合いの精神を感じました。
- 子どもたちは、以前の学校では生徒数が多くて顔も知らない同級生がたくさんいたのに、こちらではすぐに名前を覚えたようです。
- 教育方針や子どもどうしの距離感の違いはありますが、いろいろな価値観を知る意味で、子どもたちにとって大切な経験だと思います。
こちらの声は『移住・定住パンフレット「移住者インタビュー」』でご覧いただけます。
充実の移住支援金制度:最大130万円の支援も
東京圏からの移住支援金 |
東京圏から関ケ原町に移住する際、要件を満たしていれば単身者で60万円、世帯で100万円を受け取ることができます。 詳細:公式サイト内「東京圏からの移住支援金」 |
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関ケ原町清流の国ぎふ移住支援金 |
岐阜県外から関ケ原町に移住した場合、東京圏からの移住支援金に該当しない世帯に限り、条件を満たせば50万円を受け取ることができます。 詳細:公式サイト内「関ケ原町清流の国ぎふ移住支援金」 |
※お問い合わせ先:企画政策課
関ケ原町移住相談窓口:お問い合わせ先情報
担当課 | 関ケ原町役場 企画政策課 |
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住所 | 岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原894-58 |
電話番号 | 0584-43-3052 |
公式サイト | http://www.town.sekigahara.gifu.jp/ |