「簡単じゃない、だけど面白い!」長野県大鹿村への移住で叶う自然を満喫する暮らし

本記事では、長野県にある大鹿村を移住先のひとつとしてご検討いただくために、大鹿村の魅力をたっぷりとご紹介します。

今回ご紹介する大鹿村は、3,000m級の峰がそびえる南アルプス(赤石山脈)のふもとにある谷あいの村です。

村は山々に囲まれており、四季折々に変わる風景を眺めながら自然の中での暮らしを満喫できます。950人程度の小さな村ですが、ここに暮らしている方々は笑顔と元気に満ち溢れているんですよ。

大鹿村はもともと移住者が多い地域で、子育てサポートや若者定住補助金などの支援制度も充実しています。

それでは、大鹿村役場で総務課・企画財政係の主査として働いていらっしゃる丸山さんにお話を伺いながら、大鹿村で暮らす魅力について詳しくご紹介します。

お話ししてくれたのは、大鹿村役場 総務課・企画財政係の丸山さん

「日本で最も美しい村」連合にも加入する大鹿村で暮らす魅力

大鹿村に移住するイメージを掴んでいただくために、ここからは地域の特徴や魅力をご紹介します。

大鹿村の特徴をざっくりまとめましたので、まずはこちらをご覧ください。

▼大鹿村の特徴のまとめ表

項目 特徴
地理 面積の89%が森林。谷あいにある自然に囲まれたエリア。
気候 日照時間が短くて寒暖差がある。夏は暑すぎず、冬場は積雪があまりない。
グルメ 地域のイチ押しグルメは、鹿肉などのジビエ料理。
産業 主要産業は建設業と採石業。温泉旅館や民宿等の宿泊業もあり、観光産業に力を入れている。
レジャー キャンプ場やパラグライダー場などアクティブに遊べるスポット、絶景を楽しめるスポットなど。地質関係の珍しい博物館もある。
交通 自家用車での移動が主。公共交通は路線バスのみ。

大鹿村は「日本で最も美しい村」連合に設立当初から加盟しています。失ったら二度と取り戻せない大鹿村の風景や自然・文化を守り伝える取り組みを、地域ぐるみで行っているんです。

「日本で最も美しい村」連合の写真

自然・文化を大切にしている大鹿村だからこそ、のどかで落ち着いた雰囲気を感じることができますよ。

>>「日本で最も美しい村」連合

地理:南アルプスの麓にある、自然豊かな場所

大鹿村の地理説明の写真

大鹿村は、南アルプスのふもとに位置する、山に囲まれた典型的な谷あいの村です。名古屋からは高速道路を使って車で約2時間30分、東京からは4時間程度かかります。

エリア内の標高差もかなり大きく、車で行ける範囲は標高約650mから2,000mまであります。

そんな大鹿村は、森林が全体の89%を占める一方で、耕地は1%程度しかありません。山奥ののどかな場所にあるため、信号機やコンビニは村内に1つもないんですよ。

信号機やコンビニはありませんが、海に面していない長野県の山奥にある場所なのに塩泉が湧いていたり、高標高地でしか咲かない「青いケシ」も見られたりする、自然豊かで魅力的な場所です。

気候:年間を通して過ごしやすい

大鹿村は谷地形のため、日照時間が短い地域が多く、日中と夜で寒暖差があります。

比較的過ごしやすい地域ですが、近年は温暖になってきているので夏場はエアコンがないと暑いでしょう。

冬場でいうと、ここ数年は集落内での積雪はそれほどありません。雪がまったく積もらない年もあれば、年に数回10cm程度積もるときもあるようです。

食べ物・特産物:ジビエ料理やブルーベリーが名物

大鹿村の特産物の写真

寒暖差の影響を受ける大鹿村の農作物は、どれも品質が良いのが特徴です。

主な農作物は水稲、長野県でもいち早く栽培に着手したブルーベリー、長野県の伝統野菜にも認定されている大鹿唐辛子などがあります。

また、大鹿村は人口よりもシカの数が多いほど野生鳥獣が生息しているため、それを逆手にとって、シカやイノシシなどのジビエ料理も地域ブランドとして確立しています。

主にシカ肉ですが、道の駅や旅館でジビエ料理が堪能できます。

参考資料:大鹿村

ライフスタイル:「簡単じゃないけど面白い」山間部で田舎暮らしをゆったり満喫

長野県大鹿村の暮らしの特徴

大鹿村は公共交通が路線バスしかなく、自家用車がないと生活が難しい地域です。

誰もが気軽に行き来できる場所ではありませんが、そんな大鹿村だからこそ、古くから受け継がれてきたものがたくさん残っていて奥が深い!

例えるなら、「簡単じゃない、だけど面白い」そんな地域です。

基本的に全村が山間部に位置するため、地域によってライフスタイルが大きく異なることはありません。

ネット環境は集落内にあり、周りの住居からある程度の範囲内であれば、新たに光回線を引くことが可能です。物価については、大鹿村までの輸送費の関係で、少し高いかもしれません。

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丸山さん

地域の中にはボランティア団体が多くあり、様々なグループが活躍しています。

子育て環境:サポート充実でファミリー世帯も安心

大鹿村には保育所、小学校、中学校があります。大鹿村は子どもの数が少ないため、大きな学校と違って一人ひとりの個性を活かす教育をしてもらえることが魅力です。

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丸山さん

村の伝統芸能である大鹿歌舞伎も授業の中に取り入れられており、ここでしかできない体験が小学校・中学校ともにできます。

大鹿歌舞伎を取り入れた授業の様子

村内に高校はありませんが、50km圏内の場所にいくつか高校があるため、毎日の通学も無理なくできると思います。

また、大鹿線バスを利用して高校(定時制・通信制・養護学校など)に通学をしている場合は、「通学バス無料パス」を交付します。バスの運賃を村が全額負担してくれるのも嬉しいポイントです。

遊び:パラグライダー、お祭り、絶景スポットに注目!

大鹿村の観光スポットやイベントをまとめました。

施設 ・中央構造線博物館
・民俗資料館「ろくべん館」
・木工体験交流施設「KASUGAI」など
レジャースポット ・テニスコートや屋根付き運動場がある「大鹿村運動広場」
・鳥倉山パラグライダー場
・村営キャンプ場(2か所)
・大西公園 など
絶景スポット

・大西公園
・夕立神パノラマ公園
・大池高原
・上蔵地区の集落景観 など 

イベント ・大鹿さくら祭り(春)
・ブルーベリー収穫体験(6月下旬~7月下旬ごろ)
・大鹿夏祭り(夏)
・秋葉古道ウォーキング(秋)
・大鹿村産業文化祭(秋)

※周辺環境状況・時期によっては閉鎖中の場合もあります。

このように、大鹿村には歴史や自然に触れあえるスポットが多くあります。遊びながら大自然を肌で感じて感性を磨く、そんな場所です。

また、大鹿村には昔から伝わる七不思議もあるんですよ。

  • 夜泣き松
  • 八っ鹿
  • 大池の膳椀
  • 塩の湯
  • 逆さ銀杏
  • 灰汁なしわらび
  • ねこのノミ

大鹿村に移住したら、七不思議に関係しているスポットをぜひ巡ってみてくださいね。

>>大鹿村観光マップはこちら

文化・歴史:古い建築物や無形民俗文化財が魅力

村内には、鎌倉時代頃に建てられた歴史あるお寺や、江戸時代中期の住宅などの古い建築物が残っています。

平安時代には荘園が開かれていたという記録もあります。また南北朝時代においては、後醍醐天皇の第八皇子・宗良親王が南朝方の拠点をこの大鹿村に置き、住まわれていました。

ドラマや映画の題材にもなっている「大鹿歌舞伎」

江戸時代・約300年前から伝承してきている「大鹿歌舞伎」は、地芝居としては全国初となる国の重要無形民俗文化財に指定されています。

この歌舞伎は、役者、義太夫、裏方すべてを住民で行い、衣装・小道具なども全て大鹿村で所有しているんですよ。

大鹿村独自の演目もあり、これを題材としたドラマや映画も製作されています。

  • 映画「Beauty うつくしいもの」(2007年公開)
  • NHKドラマ「おシャシャのシャン!」(2008年放送)
  • 映画「大鹿村騒動記」(2011年公開)

「大鹿歌舞伎」は春と秋の年2回、公演が行われます。近年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンラインでの公演を行っておりますが、通常は神社の境内で飲食をしながら歌舞伎の観覧を行っているそうです。

現地で観覧できるようになったら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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丸山さん

やはり「大鹿歌舞伎」は一度は見ていただきたいです。公演日には人口以上の人が集まるので、いつもとは違った雰囲気の村になります。

産業:主要産業は建設業や採石業、宿泊業

大鹿村の主な産業は、建設業と採石業です。

また、南アルプスの山はアクセスが限られており、大鹿村から多くの南アルプス登山客が訪れます。そのため、宿泊業もさかんで、温泉旅館・旅館・民宿などが村内に複数軒あります。

移住者の口コミ:自然の豊かさに惹かれたという意見が多数

大鹿村では、他地域から大鹿村へ移住した人42名を対象に、移住のきっかけや住みやすさ、移住して気づいた大鹿村の魅力についてアンケート調査を行っています。

今回は、そのアンケート結果をもとにどのような声が寄せられているのかをまとめました。移住の参考にしてくださいね。

移住のきっかけ

自然の中で暮らしたい 23名
家庭の都合 13名
仕事の都合 6名

やはり、大鹿村の自然豊かなところに魅力を感じて移住を決断する方が多いようです。

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丸山さん

中には「友人が大鹿村に住んでいるから移住した」という意見もありました。

大鹿村の魅力的なところ

自然が豊かなところ 109名
住みやすいところ 72名
人とのつながりや人柄が良いところ 46名

大鹿村の魅力については、移住者にかぎらず、もともと大鹿村で暮らしている人も対象にアンケートを行ったようです。

自然の豊かさについては、具体的には四季折々の自然が魅力的であることや、星空がきれいなこと、空気が澄んでいることがあげられていました。

特に注目したい住みやすさですが、子育ての環境が良いところ、夏に過ごしやすい気候であることから、住みやすいと感じる方が多いようです。

また、移住したあとの暮らしは地域とのつながりが重要になりますが、大鹿村の人たちは人柄が良く、人と人とのつながりを大切にする文化があるため、この点を高く評価している声も多いようでした。

大鹿村では移住相談会、補助金や支援も実施

大鹿村はもともと移住者が多い地域で、移住者を受け入れる体制や支援制度が充実しています。

45歳以下の方は、若者定住補助金として「住宅新築等補助」や「通勤費の補助(村外の職場に通う場合)」などが受けられます。

46歳以上の方でも「住宅リフォーム補助」を受けることができるので、空き家を増改築またはリフォームして移住する場合はぜひ利用してみてください。

>>大鹿村の定住情報(空家情報・空家補助・若者定住補助)

>>住宅新築等補助

>>住宅リフォーム補助

また、大鹿村は「南信州暮らし応援隊」として、南信州広域の取り組みに参加しています。

「南信州暮らし応援隊」は、オンラインセミナーや相談会などを設けて南信州への移住をサポートするグループです。

>>南信州暮らし応援隊

大鹿村への移住や暮らしについて知りたい方は、「南信州暮らし応援隊」の情報とあわせて、「長野県南部の観光ガイド 南信州ナビ」もチェックしてみてくださいね。

>>長野県南部の観光ガイド 南信州ナビ(移住・定住ページ)

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丸山さん

ぜひ一度、大鹿村に足を運んでみてください。少しでも興味を持っていただけたら、また来たくなると思います!大鹿村には、1回来ただけじゃ味わえない魅力がたくさんありますよ。

大鹿村役場の基本情報

住所 長野県下伊那郡大鹿村大字大河原354
電話番号 0265-39-2001

※大鹿村への移住のお問い合わせは下記まで問い合わせ
<総務課企画財政係>
0265-48-6095
定休日 土日祝日
12月29日~1月3日
※休日でも常に宿日直の職員あり
最寄り駅・アクセス JR飯田線 伊那大島駅(松川町)
高速道路 中央道松川IC(松川町)
公式サイト http://www.vill.ooshika.nagano.jp/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。

まとめ:大鹿村は子どもも大人ものびのび暮らせる場所

長野県下伊那郡大鹿村は、山々に囲まれた、のどかで自然豊かな村です。

大鹿村での暮らしは都会のように利便性が高いわけではありませんが、子どもも大人も大自然を感じながらのびのびと暮らせます。

大鹿村への移住は、「都会の喧騒を離れてのんびりと暮らしたい」「自然に囲まれている環境で子育てがしたい」とお考えの方におすすめです。

都会暮らしでは得られない、田舎暮らしならではの楽しさを堪能したい方は、ぜひ大鹿村への移住を検討してみてくださいね。