長崎県小値賀町での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学

この記事では、地方への移住や島暮らしに憧れている方に向けて長崎県北松浦郡小値賀町の魅力をご紹介します。

五島列島の北端に浮かぶ小さな島「小値賀町」は、離島ならではの豊富な自然環境を有しています。小値賀町へアクセスするには、本土の佐世保市からフェリーで片道約3時間かかります。コンビニもないため、決して「便利な暮らし」とは言い難いですが、小値賀町にはそれを上回る魅力がたくさんあります。

小値賀町の魅力はなんといっても“人とのつながり”です。実際に小値賀町へ訪れた方が、まちの人々のあたたかさに触れて移住したケースも多いそうですよ。

また「子どもは島の宝」という言葉があり、小値賀町全体で子どもたちを育てる環境が整っています。子育て支援も充実しているため、若い世帯の移住者も増加傾向にあります。

今回は小値賀町の特徴や、移住に役立つ暮らしの情報、移住支援制度についてご紹介します。

小値賀町役場・総務課企画係の植村さん

小値賀町での暮らし:3つの特徴

小値賀町暮らしの特徴

小値賀町は、長崎県・五島列島の北端に浮かぶ小さな島です。港では魚介類が水揚げされ、畑地では旬の野菜が育まれており、新鮮な食材にも恵まれています

里山を活用して肉用牛を放牧しているため、島内のあちこちに「牛に注意」の標識がたてられていますよ。

小値賀町の道路にたてられた「牛に注意」の標識
▲放牧地と牛小屋を牛たちが通る道路。可愛らしい標識はグッズにもなっている

また、自宅の畑でとれた食材を分け合うなど、まちの人々との交流が盛んです。そんな小値賀町への移住は、下記のような希望をお持ちの方に向いています。

  • 雄大な自然の中で心穏やかに暮らしたい
  • 人とのつながりを大切にしたい
  • 地域の方に見守られながら子育てをしたい

なぜ上記のような方におすすめなのか、小値賀町の特徴を交えながら解説していきます。

特徴1:豊かな自然環境!日本で最も美しい村にも選出されている

小値賀町には、離島ならではの自然が広がっています。火山が噴火したことから出来た火山群島であり、海岸線には鉄分を含んだ赤い砂や砂利が広がります。

小値賀町にある赤浜海岸の景色
▲「赤浜海岸」赤砂と海の青のコントラストが美しい

小値賀町の代表的な景勝地である「五両ダキ」も必見です。海蝕が作り出した崖は、上から見ても下から見ても迫力満点ですよ。

小値賀町の有名な景勝地「五両ダキ」の写真
▲「五両ダキ」美しいだけでなくどこか神秘的

海岸沿いだけでなく、里山の暮らしが生み出す懐かしいまちなみは、日本の原風景として「日本で最も美しい村」に認定されているんですよ。

※参照:おぢか島旅

小値賀町の人気スポット姫の松原の風景
▲松並木が約450mにわたって続く「姫の松原」も人気のスポット。生い茂る木々からパワーがもらえそう

小値賀町に住めば、時間をかけて観光地に行かなくても、暮らしのすぐそばに美しい自然を感じられるため、都会では味わえない贅沢な暮らしが実現するでしょう。

特徴2:移住者にも優しい!地域の人とのつながりや温かさが魅力

小値賀町について調べていると、「まちの人が親身になって話を聞いてくれる」「近所の人が収穫したての野菜をおすそ分けしてくれる」など、人とのつながりに感激する声を多く見つけました。

小値賀町には、移住者に気さくに話しかける方や、あれこれ世話をしてくれる方が多いそうです。移住した際には、遠慮せずに周りの方たちに甘えることが、暮らしに馴染める秘訣といえそうですね。

小値賀町は「人とのつながりを大切にしたい」「助け合いながら暮らしたい」という方にとって、ぴったりな移住地です。

特徴3:子どもは島の宝!教育面の充実や懐にも優しい支援あり

小値賀町の子育て支援センターで交流する保護者と赤ちゃん

小値賀町には「子どもは島の宝」という言葉があります。小値賀町全体で、子どもたちを見守る環境が用意されているので、これから子育てをする若い世代にも適した移住地です。

乳幼児期に利用できる子育て広場の開設や、教育水準の向上を図る「小中高一貫教育」にも取り組んでいます

また、平日の放課後には小学生を対象に宿題や遊び場の提供をする「よりみち塾」、土日には、地域のおじいちゃん・おばあちゃんの協力によって、季節に合わせた外遊びを教えるなどの体験も実施しています。

小中高生を対象とした「ふるさと留学生」の募集をしている

2021年からは、全国の小中高生を募り、島親制度と寮制度から選択可能な「ふるさと留学」を行っています。小値賀町の人々との距離が縮まるようにと寮の名前は「ちかまる寮」と命名。島での暮らしや学びで得られるものはとても大きいでしょう。

小値賀町ふるさと留学の詳細は下記よりご確認ください。

公式URL:小値賀町ふるさと留学

出産祝い金や保育料軽減など大助かりな補助金制度が多数

小値賀町が実施している子育てに関する支援金をご紹介します。

出生祝金支給事業 第一子に10万円、第二子に20万円が支給される
第三子以降は出生児に30万円・小学校入学時に20万円を支給
保育料軽減事業 保育料の全額補助している
給食費の助成 中学校の給食費を一部補助している
※実質無料
教材費の無償化 小学校・中学校で使用するテキストのほか、図工などで使う教材を小値賀町が負担している

支援の詳細や、教育環境については小値賀町が発行しているパンフレットでご確認ください。子どもたちのまぶしい笑顔にもきっと癒されますよ。

公式URL:おぢかの教育パンフレット

また、小値賀町には産婦人科がないため、出産時の本土への交通費や宿泊費の補助を実施しています。本土に滞在する際の宿泊費として1泊6,000円、また定期受診する際の交通費の補助もあります。

詳細は下記URLよりご確認ください。

公式URL:安心出産支援

小値賀町の暮らしに関する情報

レンガづくりの教会「旧野首教会」の写真
▲小値賀町のシンボル「旧野首教会」潜伏キリシタンが住んでいた野首集落にある

ここでは、小値賀町での生活に関する情報をご紹介します。

気候 最高気温:8月 平均29.6度
最低気温:1月 平均4.4度
※参考:気象庁ホームぺージ/平戸気象観測所
人口 人口は2,243人、世帯数は1,219世帯
(令和4年12月2日現在)
病院 診療所:1件
歯科:1件
教育 ・保育所:1所
・幼稚園:1園
・小学校:1校
・中学校:1校
・高等学校:1校
観光 ポットホール(玉石様)、牛の塔、野崎島自然学塾村、旧野首教会
食べ物 小値賀牛、鮑、ビワ、うろ漬け、落花生、あおさ、かんころもち
交通 【航空】
小値賀空港(定期便休止中)※2022年12月現在
【航路】
小値賀港
・佐世保港まで約3時間
・博多港まで約5時間
【バス路線】
小値賀交通

小値賀町へ行くには、佐世保港から約3時間、福岡からのアクセスは博多港から船に乗って約5時間の時間を要します。

島内に診療所がありますが、通院が主です。専門的な病などは本土へ行くことになるでしょう。

【買い物】スーパーや商店あり。ネット通販も主流になっている

気になる買い物環境ですが、小値賀町内には、スーパーや商店が数軒あります。ただ、船の関係で物価が高いため、買いだめをするために本土へ行かれる方もいるそうです。佐世保港に行くフェリーは町民割引もあるそうなので、移住した際にはぜひ活用してくださいね。

また、最近はネット通販を使用する方も増えているようです。荷物は早くて2日で到着するので、うまく活用すれば生活に困ることは少ないでしょう。ネット通販をする場合は、送料を確認してから注文してくださいね。

小値賀町には、光回線もしっかり通っていますよ!

【仕事】福祉や役場での求人あり。就業支援が充実している

大手求人情報サイトで小値賀町の求人を検索してみると約500件がヒットしました。

※求人情報の一例

小値賀町では、とくに役場や福祉施設などの働き手が不足しているそうです。小値賀町が募集している求人情報は下記よりご覧ください。

公式URL:小値賀町求人情報

農業・漁業、後継者確保のための補助金制度あり

小値賀町は農畜産業が盛んなまちですが、後継者不足に悩まされているとか。そのため、小値賀町はもちろん、長崎県全域で農業漁業の就業支援を実施しています。

「本格的に漁業をしてみたい」「農業で食べていきたい」と思っている方は、小値賀町のあたたかい人々に囲まれながら学んでみるのはいかがでしょう。 

農業研修制度

研修期間は原則3年間で、生活支援として月16〜24万円が支給される
Iターン者の場合は住宅手当として月1万円の支給もあり

漁業研修制度 研修期間は原則4年間で、生活支援として月20万円・活動費として年に20万円が支給される
Iターン者の場合は住宅手当として月2万円の支給

就労に関しての支援はまだまだあります。簡単に表にまとめてご紹介します。

後継者確保支援事業 後継者として就労するために資格取得を目指す方を対象に、奨学金の補助を行っている:月額10万円
※業種は関係なし
おぢカモン支援事業 奨学金の返還額を補助している:年額20万円
※小値賀町で就労する方が対象
新規事業支援金 準備金として50万円が補助される
農水産商工業への就業または後継者となる方が対象
経営資金の利子補給 起業もしくは後継者になるにあたって公的資金の借り入れを行った方に利子の補給を行う
※3%が上限

対象者や申し込みの詳細は、小値賀町の公式ホームページでご確認ください。

公式URL:小値賀町に住んでみませんか?

【住まい】空き家バンクあり。移住希望者には定住促進住宅がおすすめ

小値賀町には不動産屋がないため、住まいに関する情報は「移住者相談ワンストップ窓口」への問い合わせとなります。小値賀町の空き家バンクを調べると、木造2階建ての物件が掲載されていました。※2022年12月時点

「空き家を購入し、自分好みにリフォームしたい」と思っている方は、小値賀町の空き家バンクを随時チェックしておくと、良い物件との運命的な出会いがあるかもしれませんね。

公式URL:空き家バンク

3年間住める新築の定住促進住宅(お試し住宅)

小値賀町には所得制限のある町営住宅もあります。

ただ、移住希望者にぴったりな「定住促進住宅」が整備されています。1ヵ月~3ヵ月の短期利用の住宅もありますが、3年間住める新築物件がありますよ

※短期のお試し住宅については下記の移住ステップにてご紹介しています!

小値賀町の定住促進住宅の外観
▲木造平屋建てのスタイリッシュな住宅。月額家賃は単身用が2.5万円、家族用が3万円となっている

「移住地はもう小値賀町に決定している」「今すぐ小値賀に住みたい!」という方は、定住促進住宅がおすすめです。定住促進住宅に住みながら、マイホームのための資金を貯めることもできますよ。

入居の資格や申し込み方法については下記のURLからご確認ください。

公式URL:木場地区の定住促進住宅(新築)入居者募集中!

小値賀町に移住した人の声

小値賀町移住者の声

実際に小値賀町に移住された方の声をご紹介します。

  • 島のみんなが子どもたちを見守ってくれる
  • 移住者を快く受け入れてくれる
  • 海が見える暮らしがお気に入り
  • 家族が増えた気分!第二のふるさとができた

やはり、小値賀町の人たちのあたたかさに触れる声が多かったです。ほかにも「自然豊かな環境だからか、人間らしい生き方ができている」との声も見かけました。

日常的に自然に触れることや濃密な人との関わり合いは、都会暮らしではなかなか体験できません。小値賀町には、毎日を丁寧に、そして人間らしく過ごせる要素が詰まっているのでしょうね。

移住者向けの支援制度

ここでは、小値賀町の移住に向けてのステップをご紹介します。

ステップ1:まずは相談!小値賀町移住の具体的なプランをたてる

小値賀町役場には「移住者相談ワンストップ窓口」が設けられています。どんな小さなことでも、話を聞いてもらうだけで、移住への道が開けるはずですよ。

窓口の担当者の方や、小値賀町の人たちを巻き込んで、具体的な移住プランを立ててみましょう!

ステップ2:観光する!実際に足を運び、魅力に触れてみる

植村さんをはじめ、窓口の方たちが口をそろえて言うのが「一度観光でもいいのできてください!」の一言です。

小値賀町には、一般家庭に宿泊する民泊システムや古民家を改装した宿泊施設が点在しています。小値賀町に興味を持った方は、実際に訪れてその魅力に触れてください。

ワンストップ窓口にあらかじめ相談しておけば、小値賀町の住まいの紹介や、見たい場所を盛り込んだスケジュールを組んでくれるそうです。

ステップ3:実際に暮らしてみる!お試し住宅で小値賀町のリアルを知ろう

小値賀町は、1ヶ月~3ヵ月の短期滞在ができる「お試し住宅」を整備しています。住民票をうつすことなく、月3万円の家賃で、小値賀町の暮らしを体験できますよ。

※光熱費等は別途必要

小値賀町のお試し住宅の外観
▲古風な佇まいの住宅

家電なども一式そろっているので、身ひとつで生活がスタートできます!

さらに、お試し住宅を利用して1年以内に移住した場合は、支払った家賃が全てキャッシュバックされるんです。詳細は下記よりチェックしてください。

公式URL:小値賀町お試し住宅が完成しました

移住後には奨励金が支給される

小値賀町に移住して2年を迎えた方には5万円の奨励金が支給されます。また、移住後3~5年の人を集めて、意見交換や食事会も実施しているそうですよ。

小値賀町へ移住すると、移住仲間やこれまで出会わなかった人との交流が持てるので、視野も広がるはず!

小値賀町への移住に関する問い合わせ

小値賀町への移住に関する質問や相談先は下記の通りです。まずは相談することからはじめてみみましょう。

担当課 小値賀町役場総務課企画係
住所 〒857-4701
長崎県北松浦郡小値賀町笛吹郷2376-1
電話番号 0959-56-3111
公式URL http://ojika.net/info/island/